東京大阪ラプソディー

私が生まれ育った故郷「東京」の友人たちへ、また私の「大阪」での生活を知る心優しき人たちに、徒然なるままに綴っています。

「大阪都構想」はとっても時代遅れ・・・

2010-10-04 23:22:33 | 日記
 これから我がN後援会と戦っていく「維新の会」、、、橋下知事が掲げる目玉として「大阪都構想」が上げられる。

橋下知事は「市と府の二重行政」を問題視している。おまけに東京都の猪瀬直樹副知事や名古屋の河村たかし市長ら橋下応援団の面々や、何故か堺屋太一氏なども知事に賛同。二重行政の弊害を訴えて、「ワン大阪」「府市あわせ」と唱える橋下知事の「大阪都構想」は、あたかも正論のように聞こえる。。。
しかし何かおかしい。。。果たして「大阪都構想」とは何か、その本質が大阪市民に伝わっているとは到底思えない。

 大阪都構想は東京都をモデルにしている。東京都23区に倣って政令市である大阪市と堺市を中心に有力市を合併、再編。人口30万人程度の20の特別区を置くというものだ。

現在、大阪市にある24区は区議会もなく、市長が任命する大阪市職員が区長になっているが、新たな特別区では議会を設置し、区長は選挙で選ぶ。区長の自主権強化が橋下知事の構想だ。

元はといえば、地方分権をスローガンに掲げる道州制論者として売り出した橋下知事は、「もはや大阪府は必要ない」と知事就任当初から言い放ち、関西州の設置を目指すとしてきた。それが何故、唐突に大阪都構想になったのか疑問だ。
そこを突かれると、道州制へ移行するためのステップだと言い張る。
道州制も大阪都もいずれも地方分権のための構想であるが、2つはまったく別物であるということに矛盾は感じないようだ。口八丁な知事の詭弁に我々市民は愚弄されている。非常に不愉快である。

 中央主権による地方の疲弊が顕在化してきて、基礎自治体である市町村を自立させ活性化する…これが所謂、地方分権だ。その基礎自治体の自立のため、かつて府や県だった広域的団体から道や州のようなもっと大きな範囲に見直していこうというのが、道州制である。

市町村の自主独立といっても、近隣の一定範囲における行政サービスの統一性は求められるわけで、それは都道府県という単位でやってきたのだが、その役割がここへきて変化してきた。分かりやすく言えば、都道府県単位で所管してきた鉄道や道路などのネットワークはもはや対応できなくなっている。その統一システムをどこに置くかというところで生まれてきたのが道州制である。
つまり、大阪都構想と道州制では根本的に概念が異なるのである。
道州制からいえば、当初の橋下知事の「大阪府不要論」は正しい。だが、府単位の行政である大阪都構想は、時代遅れの産物ともいえるし、彼のこれまでの考え方とも矛盾する。
おまけに、大阪都構想が東京都をモデルにしていると聞いて愕然とした。まさに時代に逆行しているからだ。
 
モデルにされている東京では、現在の「特別区」については廃止すべきだという議論さえある。
東京都は戦時下の1943年、東京府と東京市で行政機能が分かれていると、連合国側の襲撃に即応できないという理由で統合され、それが今に至っている。特別区とは時代の産物の話なのである。
23の特別区には当然、格差が生じており、下町の財政は都心に支えられている。例えば区から市になりたいと言っている千代田区などは、3500億円もの固定資産税が見込めるが、それは都に吸い上げられ分配されるわけで、実際の固定資産税収は二桁も減る。

結論として橋下知事の「大阪都構想」は、彼の思いつきでしかないのかもしれない。
市民にとって何一つ良いことのない、極めて危うい政策といえることだけは間違いないだろう。

言いたい事はたくさんある。。。多くの市民がただ盲目的に橋下人気に乗せられている、、、半年後の選挙ではこんな会を躍進させる愚を犯さないように市民に訴えていくのがN先生をはじめ、良識ある大人の務めなのかもしれない。