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マッハの貴公子 C1Runner の熱~い日記でつ(¬_,¬)b フフフ・・・

マッハの貴公子 天才タケスィが熱~く語るでつ( ̄ω ̄)ムフ~

F形ガスタービンへの最新技術適用でさらに進化したでつ♪

2018-04-07 08:29:19 | ガスタービン
これまで培われた豊富な運転実績に加え, 2004 年から参画している国家プロジェクト“1700℃級超高温ガスタービン要素技術開発”をはじめと
する先端技術研究の成果を取り入れることにより,絶え間ないガスタービン開発を進めているでつ。

地球環境保全やエネルギー安定供給の観点で社会に貢献し続けているでつ。

近年ではタービン入 口温度を 1600℃級にまで上昇させ,62%以上のガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)熱効 率が達成可能となる M501J 形の実証を
2011 年に成し遂げた後,現在までに 25台が商用運転に 入ってて,累計 47 万時間以上の運転時間を達成。

最新 M701F 形は,このJ形ガスター ビン技術を用い高効率化を図るとともに,GAC 形で実績のある空気冷却燃焼器技術を採用することにより運用性を高めたガスタービンであり,
2015年に初号機が商用運転を開始し,現在までに 国内外にて累計 52000 時間以上の運転時間を達成。

また,既存F形に対しても新型機向けに開発された実績のある技術を適用することで高性能化・高信頼性化するアップグ レードメニューも新機種開発と平行して行っているでつ。

最新F形ガスタービンの特徴及び 既存F形ガスタービン向けのアップグレードした内容は以下のとおりでつなぁ~




ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電は,化石燃料を利用する発電設備の中で最も 高効率かつクリーンな発電設備であり,また負荷追従能力が優れていることから
再生可能エネルギーとの親和性も高いでつ。

GTCC の高効率化にはガスタービンの高温化が重要な役割を果たしているでつ。

1984 年 にタービン入口温度 1100℃級 M701D 形ガスタービンを開発して以来,GTCC プラントの大容量・ 高効率化,高信頼性化を目的とした技術開発を進め,1989 年に 1350℃級 M501F形を,
1997 年 には 1500℃級 M501G 形を開発。

その後,ガスタービンの更なる高効率化を目指し,2004 年 から国家プロジェクト“1700℃級超高温ガスタービン要素技術開発”に参画して,高温・高効率化 に必要となる最新技術の開発に取り組み,その開発成果の一部を活用して,タービン入口温度 1600℃級の M501J 形を 2011 年に開発し、高砂工場内の実証発電設備(T地点)にて実証(図1,図2,図3)。








また新機種開発と平行して,既存機種についても新型機向けに開発された技術を適 用することで継続的な改良設計を行っているでつ。
F形の 50Hz 機においては,1992 年に M701F 形の 開発が完了した後,タービン入口温度 1500℃級のG形で実証された新技術を順次F形に取り入れ,性能及び信頼性の向上を実施。

J形ガスタービン技術等を取り入れた最新F形ガスタービンは初号機が 2015 年に商用運転を開始し,現在国内外にて累計 52000 時間以上の運転時 間を重ねているでつ。
また最新F形のみならず既存のF形に対しても冷却空気を削減した翼を適用し アップグレードすることにより性能・信頼性の向上を図っているでつ。

最新 M701F 形ガスタービンは,先行機 M701F 形をベースとした基本体格を保持したまま,他 機種で実証された先進要素技術を取り入れているでつ。

圧縮機は先行機の圧縮機をベースとして, 高効率化のためCDA(Control Diffusion Airfoil)翼を採用し,燃焼器にはGAC形で実証された低 NOx 燃焼システムと空気冷却技術,
タービンの前方段には 1600℃級J形の空力及び冷却技術を採用。

最新F形ガスタービンへの導入技術とその特徴を図4及び図5に示すでつ。






これらの最新技術を含め,既存機種へのたゆまぬ新技術の導入により,ガスタービン出力は初 期 M701F 形の 234MW に対して,最新 M701F形は 385MW へと,この20年間で約 1.5 倍に,
またコンバインド効率も 12%以上の向上を達成してて,燃料消費量及び CO2排出量の削減に大きく貢献。

表1にこれまでのF形ガスタービンの GTCC 性能と主要目を示すでつ。



最新F形は営業運転開始後も問題なく運転実績を重ねており,初号機の10000 時間以上運転後の本格的な詳細定期検査においても燃焼器ノズル・内筒・尾筒や圧縮機及びタービンの
動静翼等を含む全ての高温部品に損傷や TBC の剥離がなく問題ないことを確認。

圧縮機は、最新 M701F 形の空気圧縮機は,従来 NACA 翼を採用していた中/後方段動静翼の翼型を高 効率化のために CDA 翼に変更(図6)。



CDA 翼は翼面速度分布を最適化した翼型であり,F形以降の開発機種であるG形やH形,J形に採用実績があるでつ。

また先行機 M701F 形と同じフローパスを有し,特に前方段は先行機F形と同じ翼を採用しててり,吸気流量及び1段動翼のチップ周速や空力特性もまた同一で実績もあるから,
高効率化とと もに信頼性も兼ね備えているでつ。

燃焼器には GAC 形で実績ある空冷燃焼器技術をベースにして,燃焼性に大きく影響を与える ノズル,スワラはGAC 及び 1600℃級のJ形でも継続的に検証を行っている
低NOx燃焼技術をそ のまま採用(図7)。




また内筒及び尾筒の冷却方式として,J形はガスタービン外部から供 給される蒸気を用いた冷却方式を採用しているでつが,運用性も重視した最新F形では GAC 形と同様に空気冷却方式を採用。

なお尾筒の構造簡素化による信頼性向上のために GAC 形 及びJ形と同様に燃焼器バイパス弁を無くした構造となっているでつ。

燃焼器バイパス弁は内筒に入る空気量を調節し燃空比を制御するための機構で,ガスタ ービンが部分負荷で火炎温度が低い運転状態となるときにバイパス弁を開くことで内筒への空気量が
減り火炎温度を高く維持しているでつ。

一方,最新F形のように燃焼器バイパス弁を廃止した機種 では,ガスタービンが部分負荷で火炎温度が低い時には燃料を供給するノズルの本数を減らす ことによって燃空比を上げて,
火炎温度を高く維持しているでつ。

燃焼器を出た高温,高圧の燃焼ガスに晒されるタービン翼は,所定の設計寿命を満足させるため,圧縮機吐出空気又は圧縮機中間段からの抽気空気を使った冷却を行い,翼メタル温度を
許容値以内に抑える必要があるでつ。

この冷却空気はタービン内でロスとなるため,信頼性を確保す る範囲内で冷却空気量を低減することが性能向上の鍵。

タービン翼の冷却技術は,タービン入口温度の上昇とともに進歩してきてて(図8)、タービン 入口温度 1600℃級のJ形では,1500℃級G形で培われた技術に加え,
2004 年から参画している 国家プロジェクト“1700℃級超高温ガスタービン要素技術開発”で開発された先進遮熱コーティン グ(TBC : Thermal Barrier Coating)技術及び高性能フィルム冷却技術等が盛り込まれてて、
最 新F形にも同様に適用。




先進 TBC はタービン前方段の動静翼に施工されており,高い遮熱効果に加えて高耐久性が 重要となるでつが,レーザー熱サイクル試験(図9)による要素試験やT地点実機検証により
商用機出荷前にその耐久性を確認。




またタービン翼面の冷却には,高性能フィルム冷却を採用(図 10)。




ガスパスに対して温度の低い冷却空気で翼表面を覆うことにより,翼表面のガス温度を低下させる効果があるでつ。
国家プロジェクトの要素技術を基に開発して実績を積んでいるJ形・GAC 形技術を, 最新F形のみならず既存F形にも適用することで高性能化と高信頼性化が可能なアップグレード メニューを用意(図 11)。




既存F形の圧縮機及びタービンをアップグレードすることにより 10%程度のガスタービン出力向上が可能。
このフィルム冷却孔の出口形状を最適化することにより,同じ空気量でより広範囲をフィルム空気で覆うことが可能となり,冷却空気量を削減することが可能。

ガスタービンの吸気流量を増加させることは GTCC の出力向上策として有効な手段。

既存ガスタービンのアップグレードに際して,変更範囲を最小化することは重要であり,そのためフ ローパスは変更せず,迎角や圧力係数を調整したリスタッガ翼の換装のみで吸気流量を増加。
また,J形ガスタービンで開発された最新技術を適用することで,空力安定性を損なうことな く吸気流量を増加させることが可能(図 12,図 13)。




タービンアップグレードは、 タービン翼には最新の冷却空気削減技術を適用することによって性能の向上が可能。
冷却空気量を削減することで燃焼用空気が増加し,性能の向上につながる一方でタービン部での作動流体の温度が上昇するため,後方段のタービン翼や分割環の耐熱性向上の対策も実施。
タービン翼の主なアップグレードメニューにはJ形で開発された先進 TBC や高性能フィルム冷 却でつ。

(1) 先進 TBC コーティングを厚膜化し遮熱効果を最大化。
(2) 高性能フィルム冷却 冷却空気量を増加させずにより広範囲の翼表面を覆う。 上記の技術の他,F形及びG形で多くの実績のある以下の先進技術についても同様にタービ ンのアップグレードに適用可能。
(3) 冷却孔配置最適化 シュラウド壁面の流れ方向を考慮してフィルム冷却孔配置を最適化。
(4) 翼肉厚の最適化 メタル温度低減のための翼の薄肉化及び有限要素解析(FEA)により構造を最適化。
(5) 冷却方式の改良 タービュレータの乱流促進,インピンジメント冷却の最適化等により冷却効率を最大化。
(6) 高強度合金 高温強度と溶接性を兼備した MGA(Mitsubishi Gas Turbine Alloy)材を適用。
   冷却空気を削減する際には信頼性の確保が重要であるが,これらのアップグレードメニューは 最新技術であるとともに,J形や最新F形で長期運用実績があるため十分な信頼性を有しているでつ。

燃焼器アップグレードは、 最新F形燃焼器の低NOx 技術を既存のF形に適用することで NOxを低減することができるでつ (図 14,図 15)。






燃焼器のアップグレードでは漏れ空気の量を減らすことで NOx の低減を図るでつ。
既存のF形燃焼 器はバイパス弁を採用しており燃焼安定性を保つための燃空比の制御が容易となる一方で弁隙 間からの漏れ空気があるでつ。
最新F形燃焼器は空気の漏れを減らし低 NOx 化するために GAC 形 燃焼器と同様に燃焼器バイパス弁を廃止。

加えて,内筒と尾筒にJ形で開発した先進 TBC を適用することでさらに冷却空気を減らし,火炎温度を下げることで NOx を低減。
また,既存F形のオリジナルノズルに対して,G形・J形で実績のある“Vノズル”を採用し,燃料と空 気の混合をより均一化することでピークの火炎温度を下げ NOx 排出量を削減。
これら最新技術を既存F形に適用することで,NOx の排出量を 1/3~1/2 に低減することが可 能となったでつ。

これまでF形ガスタービンは,1989 年に M501F形ガスタービンを実用化して以降,その後に開発したG形・J形の技術を活用して,継続的に改良を実施。
J形技術を適用した最新 M701F の初号機は商用運転が 2015 年に開始され,現在までに累計運転時間 52000 時間を 重ね,順調に実績を蓄積。

また同時に,これらの技術を既存F形に適用するアップグレー ドメニューも開発し,順次実機に適用可能。
今後も次世代ハイエンド機の開発を進めることと並行して,それらの技術及び実績を 展開することで最新/既存F形ガスタービンにも性能・信頼性向上を継続し,更なる性能アップしていくでつ。
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