国内の新車市場にちょっとした「異変」が起きているでつ。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が毎月発表している乗用車車名別新車販売ランキング(軽自動車を除く)。
日産自動車のコンパクトカー「ノート」が昨年11月、日産車として30年ぶりに単月首位を獲得して以来、トヨタ自動車「プリウス」との王者争いが続いているでつ。
昨年12月はプリウスが首位に復帰したでつが、今年1月には再びノートがトップを獲得。
2月はプリウスがまた1位を奪い返すというデッドヒート。
そんな中でトヨタのSUVをめぐる「異変」でつなぁ~
ただし、今回取り上げる「異変」はプリウスとノートのトップ争いではないでつ。
その下に位置するトヨタのSUVをめぐる「異変」。
軸になるのは昨年12月中旬にデビューした新型車「C-HR」。
今年2月の同ランキングでC-HRは1万2985台を売って3位にランクイン。
1月の4位(9144台)から1つ順位を上げたでつ。
発売前からその斬新なスタイルや走行性能を絶賛する評価が相次ぎ大きな話題になったC-HRは下馬評のとおり、
発売時に公表された月間販売目標6000台を大きく上回るヒットを見せているでつ。
さらにランキング下位を見ると興味深い事実が…
1月に前年同月比55%増の5063台で15位、2月は同78%増の5968台で16位にランクインしているトヨタのSUV「ハリアー」。
注目は順位そのものではないでつ。
現行3代目の登場からまもなく4年を迎えるモデルで、2016年には単月で2000~4500台程度と5000台を超えたことがなかったでつ。
この夏にマイナーチェンジを控えていることもあり、直近で目立ったテコ入れがあったワケでもない…
にもかかわらず、ここへ来て販売が急増。
どうやらこれに関係しているのが、C-HRらしい。
「話題の新型車であるC-HRに興味を持ってトヨタの販売店を訪れたものの、何らかの理由でハリアーに流れた顧客がかなりの数に上る」という話が新車販売現場から伝わってきているでつ。
お互いトヨタのクロスオーバーSUVである点では共通するでつが、車格も違えば性格もまったく異質。
ちなみに、C-HRはレクサスを除く国内4系列(カローラ店、ネッツ店、トヨタ店、トヨペット店)で販売するのに対し、ハリアーはトヨペットの専売モデル。
それぞれのスペックは
C-HRは排気量1800ccエンジンとモーターを併用するハイブリッド車と1200ccのターボエンジンを搭載する2タイプのパワートレーンを擁するでつ。
ハイブリッド車は前輪駆動(FF)、ターボは4WD。
車両価格は251万6400円~290万5200円の設定。
全長4360×全幅1795×全高1550~1565ミリメートルという車体サイズ。
一方のハリアーは、2000ccのガソリンエンジン車と2500ccエンジン+モーターを搭載するハイブリッド車の2タイプ。
ガソリン車はFFと4WD、HVはE-Fourと呼ばれるトヨタに採用例の多い後輪をモーターで駆動するタイプの4WDで、車両価格は279万7714円~403万2000円。
車体サイズは全長4720×全幅1835×全高1690ミリメートル。
これだけみるとハリアーのほうがずっと高価な車だというイメージを持つけど、車両価格400万円を超えるのはハイブリッド車の上級グレードで、
売れているのはガソリン車が圧倒的。
高くても300万円台中盤ぐらいまでのグレード。
なぜC-HRを検討するユーザーの一部がハリアーに流れるかというと、C-HRの高価格帯グレードとハリアーの売れ筋グレードを実際に購入する際は、
価格差があまりなくなるという意外な事実があるでつ。
トヨタのホームページで見積もりシミュレーションすると…
エンジンの排気量や駆動方式を横並びにするのは難しいけど、C-HRの2WDでハイブリッド車の「S」(車両本体264万6000円)、ハリアーの2WDでガソリンエンジン車で、
最も人気が高い「ELEGANCE」(車両本体288万円)をそれぞれオプションなしで計算。
追加料金のかかる特殊なボディカラーは選ばない条件で。
税金・保険料や販売諸費用などを含み、C-HR「S」の総額は約280万円。ハリアー「ELEGANCE」は約307万円。
その差は27万円。
だけど、こりは額面どおりの話で販売現場では別の話として「値引き」。
C-HRは発売されたばかりで値引きが渋い。
納車待ちが発生していることもあり、値引きは気持ち程度。
一方、発売からまもなく4年、この夏にマイナーチェンジを控えるハリアーは、値引き幅が大きくなっているでつ。
購入した人の体験談をインターネット上で検索してみると、車両本体から30万円以上、オプションを入れると40万円以上の値引き例があるでつ。
C-HRとハリアーが実際にどれぐらいの値引きで売られているかは…
販売店や営業マンごとのさまざまな事情によって値引き金額は変動するし、下取り車の有無も購入条件を左右するでつ。
それでも現時点では気持ち程度の値引きしかないC-HRと30万円を超える値引き例もあるハリアーの購入総額の差は、
ほぼなくなってしまう事態が起こるでつ。
C-HRで最も高額なグレードとの比較なら、「ハリアーのほうが総額は安い」という逆転現象すらありうるでつ。
2車を比べたとき、C-HRのほうがエンジンや車体サイズが小さく、背も低く、全体的にスポーティな要素が強い。
個性的なデザインと欧州でも通用する走行性能という、2つの要素を訴求することで、その存在感を際立たせることを念頭に開発された世界戦略車であるでつ。
するハリアーの現行モデルは、かつて共通だったレクサスRXとは別物の、日本向けの高級SUVに生まれ変わった。
車高を含め車体サイズはやや大きめで、ドライブフィールも快適性を重視した味付けとなっているでつ。
普遍的ながら高級感を備えたスタイリングもさることながら、ハリアーでインパクトがあるのはむしろインテリアのほう。
この空間をひとたび目にしてしまい欲しくなる人が少なくないのもわかる気がするでつ。
その他、C-HRには設定のないムーンルーフをはじめ、明るいアイボリーの内装色が選べたり、オプティトロンメーターやパワーバックドアなどの
上級装備が設定されていたりするのも魅力。
燃費面ではC-HRが優位だけど、SUVに乗るような客層はそこが購入を決める要素にはならないでつ。
C-HRは走り全般についても、定評あるプリウスについでトヨタの新世代プラットフォーム「TNGA」を採用し、欧州でも認められることを念頭に走り込んでえたみたい。
だけど、たとえ購入検討者が販売店で試乗しても、その本質まで伝わるかどうかは疑問で、購入の決定打になるかといえばなんともいえないとこ。
実用性ついては、C-HRではユーティリティよりもデザインを優先したことを公言。
実際にも、後席の居住性や荷室はハリアーとは比較にならないでつ。
その点では、C-HRの購入を検討してみたときに、車格が上のハリアーが同じような価格で買えるというのは、ユーザーにとって意外な事実と受け止められるでつ。
いたって快適で、なんら気になるところもなく、見た目の高級感もあるハリアーに食指が動く人が出ても不思議はないでつ。
ただ、ハリアーの販売が急増している現実は、C-HRがまだ新鮮味のあるタイミングにもかかわらず、たとえこのクルマに興味を持った人にとっても、
どうしても欲しいという思いの強さよりも、合理性のほうが上回るケースが少なくないことを示唆いるでつ。
それはあえてC-HRのようなクルマを世に送り出した今のトヨタのチャレンジ精神があるんだけど…
確かに価格的に同じなら3ナンバーという点からもハリアーにいくでつなぁ~
そいとパワー不足とかそういうのもあるし、C-HRは少し中途半端なとこあるでつなぁ~
そういう意味からもC-HRは5ナンバー化すべきだなぁ~