1978年3月に発売されたSA22Cに搭載された12Aエンジンは、フェニックス計画によって大幅に燃費を向上させたもの。
エンジン総排気量は573ccx2で、9.4:1の圧縮比、4バレル・2ステージ複合キャブレターを備え、
最高出力(グロス)130ps/7000rpm、最大トルク(グ ロス)16.5kg-m/4000rpmの性能を発生。
コスモスポーツの生産が始まった翌年の1968年11月に、次世代コスモスポーツの検討を行なうX809プロジェクトがスタート。
このプロジェクトは、1970年が東洋工業(現マツダ)の創立50周年にあたることからそれを記念するモデルとして、1969年には
X810に発展。
X810は、記念モデルとしてはロータリー・エンジンのコンパクトさを生かしたリヤ・ミッドシップとしてスタートするでつが、
将来の生産モデルは必ずしもリヤ・ミッドシップには限らないとされていたでつ。
このX810は、1970年の東京モーターショーにRX500として発表。
一方で、X810プロジェクトは、引き続き生産モデルの検討をするために、X810-IIとなって、1970年前半にRS-Xプロジェクトと改称。
RS-Xは、RX500の流れを受けたリヤ・ミッドシップとフロント車軸より後方にエンジンを搭載するフロント・ミッドシップの長所短所が
検討されたでつ。
パッケージング上では、どちらもREのコンパクトさを生かすことができるでつが、レシプロエンジンではできないパッケージングが
フロント・ミッドシップであることが判明。
すなわち、12Aと同等の130psを発生するレシプロエンジン(直6)をフロント・ミッドシップにレイア ウトすると
ダッシュボード(ファイアウォール)が後退し、ホイールベースが長くなりすぎることと、ダッシュボードを同じ位置にして、
エンジンを前進させると50:50の重量配分が実現できないフロントヘビーになることにあったでつ。
また、リヤ・ミッドシップの駆動系(トランスミッション/デフ)が新設計になることなどで大幅に生産コストがかかる一方、
フロント・ミッドシップでは他車の既存コンポーネントが流用できるメリットが大きいでつ。
そこで、RS-Xはフロント・ミッドシップで開発することになったでつ。
月産300台、スポーツカーの大きな市場である米国で、5800~7000ドルで発売する計画・
大衆車のファルコンが2500ドル前後であったでつ。
エンジン・ミッションはファミリアロータリークーペ/カペラロータリークーペの10A/12A&ミッシ ョン、フロント・サスペンションは
ファミリア・ピックアップのダブルウィッシュボーン、リヤ・サスペンションはボンゴのセミ・トレーリングアーム、
ファイナルドライブ・ユニットはコスモスポーツのものを流用。
ホイールベース2400mm、トレッド1350mm~1400mm(これらは操縦安定性実験からでてきた値)、ホイールは13インチと
定められてパッケージン・レイアウトを行なったでつ。
RS-Xを検討している最中の1969年10月に、日産自動車が米国市場にダットサン240Zを3500ドルで導入、
米国スポーツカー市場を進出して成功を収めたでつ。
これを受けて、1970年8月、再度RS-Xの見直しが図られ、「大衆向けの廉価版スポーツカー」X020プロ ジェクトが発足。
X020は、アフォーダブルプライスということで、3500ドル以下を目標にパッケージングを行なったでつ。
ベーシックモデルはリヤ・サスペンションにリジッド・アクスル、上級モデルは独立懸架。
さらに、2シーターと2+2シーターモデルを設けるでつ。
1971年、クルマの安全性と排気ガス問題が大きくクローズアップされ、その課題を解決することが、自動車メーカーの責務であり、
企業を永続させることにつながるということになり、X020プロジェクトは凍結され、安全車の開発に変わったでつ。
1973年末に生じた第一次エネルギー危機で、安全車の開発も中止。
RE搭載車が、米国でガスガズラーの烙印を押されてさっばり売れなくなって、急速に悪化したマツダの経営環境の中でREの
存続にする激しい論議が繰り広げられたでつ。
マツダ経営陣は「REの存続はメーカーの社会的責任であり、すでにロータリー車を愛用していただいている顧客への信義の問題でもある。
一日も早く、ガスガズラーの汚名を返上しよう」と断を下したでつ。
マツダは、1974年に燃費40%改善のための5カ年計画を立てたでつ。
その計画は「フェニックス計画」と呼ばれたでつ。
焼かれても、その灰の中から蘇るあの不死鳥の名をとったもの。
技術者達の損得を忘れたありとあらゆる挑戦が続けられていったでつ。
いつしか技術者達の間から不屈の精神「ロータリースピリト」なる言葉が生まれていたでつ。
当時、米国はニュージェネレーションであるベビーブーマーが台頭しつつあったでつ。
そのベビーブーマー層にマスタングやカマロなどのポニーカーが受けて大ヒットしていたでつ。
それらは、大衆車であるコンパクトカーをベースに開発されており、ベース車の価格の約1.5倍で売られていたでつ。
また、ニュージェネレーションでは、ウーマンズレボリューションで台頭してきた女性層がこうしたポニーカーの購買層としての
地位を占めつつあったでつ。
米国での調査結果では、そうした女性層は、ポニーカーよりも1サイズ小さい、 キュートでセクシーなスポーツタイプの
クルマを欲していたでつ。
米国での現地調査を行なったを受けて、RE・スポーツカーをアメリカ市場に投入すべきと主張。
これは、開発本部長山本健一さんの提案とも一致。
RE・スポ ーツカーの開発が承認され、そのプロジェクトはコ ードネームX605と呼ばれたでつ。
ロータリーエンジンのコンパクトさを生かし たフロントミッドシップ。
理想的な前後輪の50:50に近い重量配分。
低いボンネットラインとすぐれた空力持性を持ったユニークなスタイル。
それがSA22Cのエンジニアリング・コンセプト。
X605(SA22C)は、新しくチーム編成されたメンバーで、X020プログラム凍結以前にまとめ上げたコンセプトや基本レイアウト、
主要訴求ポイントなどの見直しが行なわれたでつ。
その結果、605は、ほとんどX020プログラムの成果をそのまま活用できることが分かったでつ。
国内向けは2+2シーターとなったでつ。
こりは、アメリカでも、モータースポーツのホモロゲーションの関係で2+2シーター・バージョンが必要になったでつ。
2+2シーターと50:50の重量配分の実現がパッケージングの課題となったでつ。
スポーツカーは、基本的なパッケージングでスポーツカーとしての性能が決まるでつ。
優れたハンドリング性能を得るためには、国内で5ナンバークラスの車幅からトレッドは1400mm前後となることから、
ホイールベースが2400mmあたりが最適値。
50:50の重量配分とヨー慣性モーメントをできるだけ小さくするには、フロント車軸より後方にエンジンを搭載する
フロント・ミッドシップ・レイアウトは必須。
そうした条件の下で、2+2シーターのパッケージングを実現しなければならなかったでつ。
2+2の後部座席は、日本人の平均的女性(JF50%タイル)の居住空間を確保することを目標に、レイ アウトの検討が進められたでつ。
2+2シーターは、国内向けであることから、対米2シーターが米国人男性の90%をカバーする(AM90%タイル)レイアウトから
フロント・シートを日本人男性の90%をカバーする(JM90%タイル)スライド量にすれば、対米モデルから80mmの前後寸法が
生まれるでつ。
デザイナーが描いているイメージスケッチのルーフからリヤに流れるキャノピー・ラインを実現するための
リヤ・シート着座位置を検討。
そのためには、フロント・シートのAM90%タイルのヒップポイントを極力下げてルーフ高さを決めて、リヤ・シートのJF50%タイルの
ヘッドクリアランスをキャノピー・ラインから確保した着座姿勢を検討して、2+2シーターを可能。
2+2シーターのパッケージングがかたまり、レイアウトの詰めを行なっていたとき、リヤ・サスペンションをどのような配置にするか
問題になったでつ。
形式はターゲット・コストと性能からRX-3レーシングバージョン(スカイラインの50連勝を阻んだ常勝レーシングカー)の
4リンク+ワットリンクを採用することが決定。
この4リンク+ワットリンクをそのままの配置でレイアウトしたら安全性上問題が生じたでつ。
後部衝突要件でガソリンタンクから衝突時燃料漏れの恐れがあることが判明。
これをクリアするためには、ガソリンタンクの前後にクラッシュ・スペースを設ける必要があったでつ。
RX-3レース仕様のワットリンクはデフ・ケースの後部中央にピボットが溶接。
これでは、クラッシュ・スペースを稼ぐことができない上、衝突時にはピボットがガソリンタンクに食い込み燃料漏れが生ずることが
予測されたでつ。
これを解決するには、ワットリンクのレイアウトを変更するか、デザイナーが描いているイメージスケッチのショート・テールを
変更してロング・テールにするかでつ。
ロング・テールにすると、デザイン上のキュートなイメージが損なわれる上に、ガソリンタンクという重量物が重心より後部に
移動することにより慣性モーメントが大きくなり、操縦性能に影響がでるでつ。
そこで、ワットリンクのレイアウトを変更し、デファレンシャル・ケースの前部右側にピボットを設けることにしたでつ。
デフ・ケース前部中央部は、ピニ オン・シャフトがありピボットを設けることができない。
右側にオフセットさせたのだが、ロッドが非対称になった。このレイアウトで先行実験を行なったところ、車体がロールしたときに、
車体と後輪の左右方向のバランスが崩れてしまうったでつ。
そこで、デフ・ケースの前部中央部を避けて右側にピボットを設けることとなり、ロッドが非対称になったでつ。
このレイアウトでは、車体がロールしたとき、車体と後輪の左右方向のバランスが崩れてしまうでつ。
検討を重ねた結果、左右のアーム長が異なっても、取り付け位置を選べばピボットが直線で上下することが分かったでつ。
低重心化を図るために、ロータリーエンジンの搭載位置を下げ、RX-3からボンネットラインを100mm下げたでつ。
これは、スタイリングにも好影響を与えることになったでつ。
SA22C (RX-7)のスペックは、
全長×全幅×全高(mm):4285×1675×1260
ホイールベース(mm):2420
トレッド前後(mm):1420/1400
車重(kg):985-1015
エンジン:12A型
SA22、初代RX-7の開発は、困難だったけど、フェニックスのロータリはやっぱり甦ったでつなぁ~
飽くなき挑戦が名車RX-7を生んだでつ

ロータリの復活を望むでつ