ブリキ屋

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実はダントツで高い原子力の発電コスト

2015年10月09日 | 原発

 

四国電力伊方原子力発電所。左の円筒が1号機、中央のドーム型が2号機、右奥の大きいドーム型が3号機。定期点検中の3号機を2011年7月に再稼働する予定だったが、菅直人首相の指示でストレステスト(安全検査)を実施することになったため、断念した。

モデル計算ではなく、公開されている電力会社の有価証券報告書から、これまでの原発の発電実績と費用をもとに、原発の発電原価を計算したのが、大島堅一・立命館大学教授である。現在の発電原価に1番近いと思われるその数字は、原子力8.64円、火力9.8円、水力7.08円で、原発は決して安くない。

需要の変動に合わせた柔軟な負荷変動運転が苦手な原発は、需要の少ない夜間も目いっぱい発電する。それを昼に持ち越すために、夜間電力を使って水を下から上にくみ上げ、それを昼に落下させて電気を起こす「揚水発電」をしている。これはいわば原発専用のサブシステムだから、1kWh当たり40円とも50円ともいわれるそのバカ高いコストを原発の発電原価に組み入れ、さらに電源立地の名目で地元懐柔策に投入されている膨大な税金も反映させると、発電コストは原子力12.23円、火力9.9円、水力7.26円になり、原子力が断トツで高い電源となる。 

経産省や電事連の「試算」という名の発表が、大本営発表よりたちが悪いのは、経済成長の担い手としての、メディアからの盲目的な信頼を利用して、真っ赤なウソではなく、それらしい信頼性の意匠を凝らしていることだ。まさか、幹部のほとんどが東大卒の役所と会社が、詐術に等しい数字をもてあそぶはずはないと思ってしまう。モデル試算を現実と取り違えるのは受け手の方が悪いという、巧妙な逃げも用意されている。 

米国の原発製造会社を買い取り、アジアに原発を売り込もうとしていた某社達にとって自国に原発がリスク・高額な経費・次世代に継がれる廃棄等負のレガシーのため一基も稼働していないのは都合が悪いだろう。

 

ちなみに上図は元東京電力の社員寮(7棟)及び駐車場に建てられた357世帯14階建てのマンション。 大手建設会社と不動産屋さんは利益を得、東電の役員の退職金は確保された。 
被害を被った人々への補償は国民の税から少しだけ支払われる。   

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