森の声

 雨粒が あちらこちらに飛んで 

 街燈にも月にも光る、綺麗な夜

 

2011年10月22日 | Daily
愛用の鞄は、だいたいB5を横にしたサイズで
いくつかあるとはいえ新調しても色が変わるくらいで
同じようなものに落ち着いてしまう。

「どうしてそんな鈍臭い大きさの鞄ばかりなの?」

と、不思議そうに尋ねられたことがある。
"鈍臭い大きさ" ってなんだ!?と、逆に
不思議なことを言うひともいるものだと思った。

財布とハンカチ、携帯電話と
ときどきペットボトルや傘、文庫本が入ればいいのだから
一番コンパクトで私にとっては使いやすい。
(同じサイズだと忘れ物にも気づきやすい。←そのわりに忘れ物番長・苦笑)

普通や当たり前だと過ごしていることが
そうではないのかもしれないと気づかされる "ひとこと" には
自分の横を猛スピードで風が吹き抜けていくような感覚がある。
それは不快だというのではなくて、衝撃や足元が揺らぐ眩暈に近い。

何年も経ってしまっても覚えている "ひとこと" は、
ほとんどそういう風を巻き起こされたものだ。

通り雨が過ぎるのを待ちながら鞄をかばいつつ
自分が持っている空気、リズム、スピード、方向などが
人とどのくらい違って、それは近づける必要があるものなのだろうかと
鈍臭く考えた休日の午後だった。

雨が上がる直前、右頬と左頬にあたる風の温度が変わって驚いた。
前線の真下にいたらしい。(ほんまかいな)