雨粒が あちらこちらに飛んで
街燈にも月にも光る、綺麗な夜
森の声
スクリーンの匂い
映画を観て後頭部を突然殴られたような衝撃を受けることがある。
そういう作品にはKEYになる一瞬があって
それは映像であったりセリフであったりする。
時にはスクリーンから〝香りがする″と思うこともあり、
そのほんの数秒だけで強い衝撃と印象がずっと後まで残る。
でもそれは記憶や経験を通した自分だけの感覚でしかなく
ドラマの一部とシンクロして共鳴するからであって
冷静に作品として評価をしてみると
一般的にはいい作品もそうでないものもあるのだけれど。
たとえば今年公開の『パーマネント野ばら』は
引きずる衝撃を緩和するのにしばらく時間がかかった。
…よりによってパーマネント野ばら…。
(原作はキョウレツすぎて意味不明
、映画の脚本が素晴らしかった)
映像には、というより、
もう少し厳密に、劇映画には、と言った方がいいかもしれないが、
あるストーリーの流れの中で、
たったひとつの台詞(せりふ)や情景によって、
いや、たった一行のスーパーによってさえ、
世界が一変するという瞬間がある。 と
沢木耕太郎さんが書かれていたものを読み返したのだけれど、
全くその通りだと妙に納得している。
さて、数えてみると1年間で観た映画はなんと23本。
そのほとんどはよい作品で
『ずっとあなたを愛してる』『彼女が消えた浜辺』
『ザ・ロード』『白いリボン』それから
大きな作品では『悪人』も思いがけずよかった。
『マザーウォーター』はゆるぎなかったし、
一番最近では『冬の小鳥』は胸をつかまれるような作品だった。
そして『ノルウェイの森』を観たのがつい先日。
もう一度小説を読み返してからと思っていたので
まだ観るつもりはなかったのに、つい、うっかりと。
後頭部を殴打され、匂いもするからもう大変、
温度まで感じるときたので
あらゆる感覚を統合したくてもショート状態。
その後数日、この話題作がいい作品なのか判断しようにも
気を緩めると呆けていたので
仕事が冬休みに入って正直ほっとしている。
「そういうのってたぶんどうしようもないことなのよ。」(笑)。
来年もたくさん揺さぶられるような映画を観たいなぁ、
まずは初めてスクリーンで観る『ニューシネマパラダイス』
そして『玄牝』、『ヤコブへの手紙』も控えている。
どんなふうに感覚を刺激してくれるのか、今から楽しみ。
そういう作品にはKEYになる一瞬があって
それは映像であったりセリフであったりする。
時にはスクリーンから〝香りがする″と思うこともあり、
そのほんの数秒だけで強い衝撃と印象がずっと後まで残る。
でもそれは記憶や経験を通した自分だけの感覚でしかなく
ドラマの一部とシンクロして共鳴するからであって
冷静に作品として評価をしてみると
一般的にはいい作品もそうでないものもあるのだけれど。
たとえば今年公開の『パーマネント野ばら』は
引きずる衝撃を緩和するのにしばらく時間がかかった。
…よりによってパーマネント野ばら…。
(原作はキョウレツすぎて意味不明

映像には、というより、
もう少し厳密に、劇映画には、と言った方がいいかもしれないが、
あるストーリーの流れの中で、
たったひとつの台詞(せりふ)や情景によって、
いや、たった一行のスーパーによってさえ、
世界が一変するという瞬間がある。 と
沢木耕太郎さんが書かれていたものを読み返したのだけれど、
全くその通りだと妙に納得している。
さて、数えてみると1年間で観た映画はなんと23本。
そのほとんどはよい作品で
『ずっとあなたを愛してる』『彼女が消えた浜辺』
『ザ・ロード』『白いリボン』それから
大きな作品では『悪人』も思いがけずよかった。
『マザーウォーター』はゆるぎなかったし、
一番最近では『冬の小鳥』は胸をつかまれるような作品だった。
そして『ノルウェイの森』を観たのがつい先日。
もう一度小説を読み返してからと思っていたので
まだ観るつもりはなかったのに、つい、うっかりと。
後頭部を殴打され、匂いもするからもう大変、
温度まで感じるときたので
あらゆる感覚を統合したくてもショート状態。
その後数日、この話題作がいい作品なのか判断しようにも
気を緩めると呆けていたので
仕事が冬休みに入って正直ほっとしている。
「そういうのってたぶんどうしようもないことなのよ。」(笑)。
来年もたくさん揺さぶられるような映画を観たいなぁ、
まずは初めてスクリーンで観る『ニューシネマパラダイス』
そして『玄牝』、『ヤコブへの手紙』も控えている。
どんなふうに感覚を刺激してくれるのか、今から楽しみ。
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Wayfarer
「おくりびと」は、評価通りだという印象。
過保護な映画だったなぁ、いい意味で。
チェロは人の声に最も近い音色をしている、などと言われるけれども
その形もまた、人、それも女性のからだの曲線に似ている。
主人公が、人の生のぬくもりを求めて妻の手を取るのも
ひとりチェロを演奏するのも、
どちらも印象深いシーンだ。(DVDチャプター8・9がいいのよ~)
そして日本人のツボを知り尽くしたような、
久石譲氏のあのテーマ曲は何なんだろう(苦笑)
絶妙なタイミングで振動を与えられ
自分でもコントロールできない種類の感情に、涙腺を刺激される。
本木氏の静かで確かな情熱と
それをわかりやすく、それでいて
程よくオブラートに包み描く、過保護な作品。
ニクイを通り越してズルイとさえ思うような演出にしろ
久石氏の音楽にしろ
ここまでわかりやすく狙われているのがわかるのに
この、観終えた後のすがすがしさは何なんだろう。
それにしても、
やっぱり、チェロの音はいいものだなぁ。 <結局それ(笑)
---
*テーマ曲は楽譜が映るシーンで『Wayfarer』と。
過保護な映画だったなぁ、いい意味で。
チェロは人の声に最も近い音色をしている、などと言われるけれども
その形もまた、人、それも女性のからだの曲線に似ている。
主人公が、人の生のぬくもりを求めて妻の手を取るのも
ひとりチェロを演奏するのも、
どちらも印象深いシーンだ。(DVDチャプター8・9がいいのよ~)
そして日本人のツボを知り尽くしたような、
久石譲氏のあのテーマ曲は何なんだろう(苦笑)
絶妙なタイミングで振動を与えられ
自分でもコントロールできない種類の感情に、涙腺を刺激される。
本木氏の静かで確かな情熱と
それをわかりやすく、それでいて
程よくオブラートに包み描く、過保護な作品。
ニクイを通り越してズルイとさえ思うような演出にしろ
久石氏の音楽にしろ
ここまでわかりやすく狙われているのがわかるのに
この、観終えた後のすがすがしさは何なんだろう。
それにしても、
やっぱり、チェロの音はいいものだなぁ。 <結局それ(笑)
---
*テーマ曲は楽譜が映るシーンで『Wayfarer』と。
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『氷、ありますよ。』
綺麗な海に、のほほんとまったりした空気。
くらべるものも、背伸びする必要も、ない時間。
相変わらず"今さら"感満載だけれど、
やっとずっと観たかった『めがね』を観た。
今年度の最高傑作、間違いない。
命中も命中、どストライク、余韻の素晴らしさに
一人スタンディングオベーション中(笑)。
これといったストーリーや人間関係の深みはなく
ただ、ゆるゆると時間が過ぎるだけの映画なのに
音楽と色彩はとにかく驚くほど美しく、
とにかくその世界の全てはやわらかい。
最高、最高、最高\(@;◇;@)/ぴぃぃぃぃぃぃ
あぁ、もう一度観よう。
というか、もう何回も観るんだ。
---
『先生、旅は思いつきで始まりますが、永遠には続かないものです』
そう言って、ヨモギくんはぼそぼそとつぶやき始める。
一番の盛り上がりがそこか、というくらい、スーパーゆるゆる映画。
“ Mir ist bewusst was Freiheit bedeutet… ”
知っていても、逃れられないものがある。
迷い続けて、手に取れないものがある。
『迷ってみるのも、旅の醍醐味』らしい。
さて、わたしは旅を何処で、終えよう…。
無駄な台詞や押し付けのメッセージがない作品なのに
なんと余韻が深いんだろう、参った。
---
何が自由か知っている
道は真っ直ぐ歩きなさい
深い海には近づかないで
そんなあなたの言葉を置いてきた
月はどんな道にも光をそそぐ
暗闇に泳ぐ魚たちは宝石のよう
ぐうぜん
ニンゲンと呼ばれてここにいる私
何を恐れていたのか
何と戦ってきたのか
そろそろ持ちきれなくなった荷物をおろす頃
もっとチカラを
やさしくなるためのチカラを
何が自由か知っている
何が自由か知っている (日本語字幕より)
くらべるものも、背伸びする必要も、ない時間。
相変わらず"今さら"感満載だけれど、
やっとずっと観たかった『めがね』を観た。
今年度の最高傑作、間違いない。
命中も命中、どストライク、余韻の素晴らしさに
一人スタンディングオベーション中(笑)。
これといったストーリーや人間関係の深みはなく
ただ、ゆるゆると時間が過ぎるだけの映画なのに
音楽と色彩はとにかく驚くほど美しく、
とにかくその世界の全てはやわらかい。
最高、最高、最高\(@;◇;@)/ぴぃぃぃぃぃぃ
あぁ、もう一度観よう。
というか、もう何回も観るんだ。
---
『先生、旅は思いつきで始まりますが、永遠には続かないものです』
そう言って、ヨモギくんはぼそぼそとつぶやき始める。
一番の盛り上がりがそこか、というくらい、スーパーゆるゆる映画。
“ Mir ist bewusst was Freiheit bedeutet… ”
知っていても、逃れられないものがある。
迷い続けて、手に取れないものがある。
『迷ってみるのも、旅の醍醐味』らしい。
さて、わたしは旅を何処で、終えよう…。
無駄な台詞や押し付けのメッセージがない作品なのに
なんと余韻が深いんだろう、参った。
---
何が自由か知っている
道は真っ直ぐ歩きなさい
深い海には近づかないで
そんなあなたの言葉を置いてきた
月はどんな道にも光をそそぐ
暗闇に泳ぐ魚たちは宝石のよう
ぐうぜん
ニンゲンと呼ばれてここにいる私
何を恐れていたのか
何と戦ってきたのか
そろそろ持ちきれなくなった荷物をおろす頃
もっとチカラを
やさしくなるためのチカラを
何が自由か知っている
何が自由か知っている (日本語字幕より)
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Norwegian Wood
そうか…映画化されるのかぁ…。
---
村上春樹「ノルウェイの森」が映画化決定!
---
『ノルウェイの森』を初めて読んだのは
ベストセラーを嫌うという強がりのせいで(笑)、
大学生くらいだったか
話題からずいぶん後になってからだったように思う。
生きること、死ぬこと
強さ、弱さ
愛すること、信じること
危うく強情な春樹ワールドにぐいぐい引き込まれてしまい
何でもっと早く読まなかったんだろうと、後悔した作品。
それ以降、思い出しては読み返す、森信者の日々だったのですが。
懐かしいなぁ。
さすがに学生でなくなると、そんなに手に取らなくなったのだけれども
あの、赤と緑の表紙は
その頃とリンクして思い出を呼び起こすようになっている。
先読みした小説の映画化は、実は苦手(苦笑)
頼むから木村○哉さんとかは使わないでね、監督…。
淡々と進む、でもメッセージが充満している春樹ワールドを希望。
配役どうなるのかな、加瀬亮さんなんてどうだろう。 ←ワガママ
この週末は、あの、赤と緑を久しぶりに開いてみようか。
忘れていることにも気づいていないような
あの頃に置いてきた感覚を何か、思い出せるだろうか。
---
村上春樹「ノルウェイの森」が映画化決定!
---
『ノルウェイの森』を初めて読んだのは
ベストセラーを嫌うという強がりのせいで(笑)、
大学生くらいだったか
話題からずいぶん後になってからだったように思う。
生きること、死ぬこと
強さ、弱さ
愛すること、信じること
危うく強情な春樹ワールドにぐいぐい引き込まれてしまい
何でもっと早く読まなかったんだろうと、後悔した作品。
それ以降、思い出しては読み返す、森信者の日々だったのですが。
懐かしいなぁ。
さすがに学生でなくなると、そんなに手に取らなくなったのだけれども
あの、赤と緑の表紙は
その頃とリンクして思い出を呼び起こすようになっている。
先読みした小説の映画化は、実は苦手(苦笑)
頼むから木村○哉さんとかは使わないでね、監督…。
淡々と進む、でもメッセージが充満している春樹ワールドを希望。
配役どうなるのかな、加瀬亮さんなんてどうだろう。 ←ワガママ
この週末は、あの、赤と緑を久しぶりに開いてみようか。
忘れていることにも気づいていないような
あの頃に置いてきた感覚を何か、思い出せるだろうか。
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キャラメル味
映画を観よう
遠く離れた映画館に行こう、と
急に思い立ったのはいいが
おかしな意地でナビは封印、地図を膝に載せて約2時間走った。
目指す映画は『マイ・ブルーベリー・ナイツ』。
BGMは、もちろんノラ・ジョーンズ。
方向音痴の曖昧な記憶も意外に役に立ち、
予約チケットを発行したとき時計は開始15分前。
なにやら大人になった気がして ←○十路過ぎてやっと!?
階段を上るとき姿勢がよくなっている自分に気づいて笑えた(笑)。
キャラメル味のポップコーンを抱えて、いざ!
さて
この映画は、距離をテーマにしたもの。
それは、人と人の距離、心であったり、実質の距離であったり…。
恋を失ったノラ・ジョーンズ演じるエリザベスは
捨てきれない古いものと新しいものへの戸惑い
その両方を持ったまま
長い長い「遠回り」をすることを決めた。
出かけた先で出逢う人たちそれぞれの遠回りと想いに触れ、
自分と重ねながら
彼らが自分を客観的に映し出す「鏡」であることに気づく。
人との出会いは、自分を知る旅でもある、ということ。
「遠回り」の意味にエリザベスが気付いたとき、
新しい世界の扉は開き
彼女は元の場所(でもそれはきっと新しい場所)に戻っていく。
扉の鍵を持って待つのは、いつもの席とブルーベリーパイ
そして、ジュード・ロウ演じるジェレミーだった。
カーウァイ監督の世界観は、こちらの想像に任せる心理描写が多く
あれこれと考えながら思い返す余韻がいい。
おそらく、監督のアジア人的感性と
ノラ・ジョーンズの不思議な魅力
出演俳優たちの存在感、それらのせいもあるのだろうけれど
わたしには大命中した作品だった。
不器用で世渡りの下手なエリザベスが、NYに戻る道のりを
晴れやかな顔で運転しているのが、とても印象に残った。
彼女のブルーベリーパイの味は、旅に出る前後で変わったのだろうか?
ずいぶん遠くまで来られるようになったなぁ、と
パーキングに向かいながら嬉しくなり、また背筋がのびた。
なんとなくクロワッサンを買い
なんとなく来た道とは別の道を選んで、春の街を寄り道することにした。
(迷ったともいう…わたしの旅は相変わらずグダグダだ・笑)
---
ノラ・ジョーンズの声とキュートなその姿はもちろん
ジュード・ロウの英国訛りの英語がとても心地よく
そしてレイチェル・ワイズの美しさにうっとり
ナタリーポートマンには、貫禄すら感じた。
ジュードが待っててくれるならいつでも旅に出ますよ!(笑)
遠く離れた映画館に行こう、と
急に思い立ったのはいいが
おかしな意地でナビは封印、地図を膝に載せて約2時間走った。
目指す映画は『マイ・ブルーベリー・ナイツ』。
BGMは、もちろんノラ・ジョーンズ。
方向音痴の曖昧な記憶も意外に役に立ち、
予約チケットを発行したとき時計は開始15分前。
なにやら大人になった気がして ←○十路過ぎてやっと!?
階段を上るとき姿勢がよくなっている自分に気づいて笑えた(笑)。
キャラメル味のポップコーンを抱えて、いざ!
さて
この映画は、距離をテーマにしたもの。
それは、人と人の距離、心であったり、実質の距離であったり…。
恋を失ったノラ・ジョーンズ演じるエリザベスは
捨てきれない古いものと新しいものへの戸惑い
その両方を持ったまま
長い長い「遠回り」をすることを決めた。
出かけた先で出逢う人たちそれぞれの遠回りと想いに触れ、
自分と重ねながら
彼らが自分を客観的に映し出す「鏡」であることに気づく。
人との出会いは、自分を知る旅でもある、ということ。
「遠回り」の意味にエリザベスが気付いたとき、
新しい世界の扉は開き
彼女は元の場所(でもそれはきっと新しい場所)に戻っていく。
扉の鍵を持って待つのは、いつもの席とブルーベリーパイ
そして、ジュード・ロウ演じるジェレミーだった。
カーウァイ監督の世界観は、こちらの想像に任せる心理描写が多く
あれこれと考えながら思い返す余韻がいい。
おそらく、監督のアジア人的感性と
ノラ・ジョーンズの不思議な魅力
出演俳優たちの存在感、それらのせいもあるのだろうけれど
わたしには大命中した作品だった。
不器用で世渡りの下手なエリザベスが、NYに戻る道のりを
晴れやかな顔で運転しているのが、とても印象に残った。
彼女のブルーベリーパイの味は、旅に出る前後で変わったのだろうか?
ずいぶん遠くまで来られるようになったなぁ、と
パーキングに向かいながら嬉しくなり、また背筋がのびた。
なんとなくクロワッサンを買い
なんとなく来た道とは別の道を選んで、春の街を寄り道することにした。
(迷ったともいう…わたしの旅は相変わらずグダグダだ・笑)
---
ノラ・ジョーンズの声とキュートなその姿はもちろん
ジュード・ロウの英国訛りの英語がとても心地よく
そしてレイチェル・ワイズの美しさにうっとり
ナタリーポートマンには、貫禄すら感じた。
ジュードが待っててくれるならいつでも旅に出ますよ!(笑)
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