バラ科ザイフリボク属の「ザイフリボク(采振木)」。東北地方以南の雑木林などに生育する落葉小高木で樹高は10メートルほどになる。春に葉の展開と同時に枝先に白い花が10個程度固まって咲き果実は秋に熟す。その名前は武将が戦場で指揮をする際に振る“采配”に見立てている。同属のアメリカザイフリボク(ジューンベリー)は公園樹や庭木で良く見掛けるが、そちらは葉の展開前に開花し果実は6月(june)に赤く熟す。
上柚木公園の林縁に生育している「ニワトコ(接骨木・庭常)」。ガマズミ科(←レンプクソウ科←スイカズラ科)ニワトコ属の落葉小高木で枝を煮出した液を骨折治療の際の湿布剤に用いたため“接骨木”の名が付けられている。春に若葉の展開とともに枝先に円錐花序を出し直径4~5ミリの淡黄白色の花を多数咲かせる。
長沼公園“野猿の尾根道”南側の一部が伐採されてずいぶんスッキリしている。コナラの切り株があちこちに見られるので“ナラ枯れ”の樹を一斉に処分したのだろう。その伐採地にいち早く伸び始めたのが「カラスザンショウ(烏山椒)」。ミカン科サンショウ属の落葉高木で伐採跡地などに初めに生える先駆植物。鳥類によって果実が採食され森林土壌にシードバンクされている。地上に他の樹木があるうちは発芽しないが、樹木が伐採されて地面に陽が当たるとすぐに発芽する。その横にはアカメガシワが見られるがこれも先駆植物のひとつになる。