キョウチクトウ科のテイカカズラです。
本州から四国、九州に分布する常緑樹、低木の分類ですがつる性で近くの樹木の樹冠まで登ります。
つるは樹木を巻かず、茎から気根を出して樹木に張り付いて登るのです。
葉は対生の卵形、先はとがり縁はなめらか、表面は革質で光沢があります。
枝先で茎から花枝が分かれて、長い花柄を持つ花が散房花序に多数つきます。
白色の花弁は筒形で先が5枚に割れ、平らに開きます。
花のつぼみはねじれていて、花が開くとき同じ方向にねじれるので、花弁の先は「プロペラ」のようになります。
花の中心の筒の中には雄しべ5本が花弁の内側に付き、中心に雌しべがあります。
花弁は白色から黄色にかわります。花が終わるとプロペラの花弁はそのまま落ちます。
受粉できる花の数は少なく、果実は珍しいです。細長い棒のような果実は2本できるので「人」ようにつきます。
種子が熟すと果実が縦に割れて、綿毛を持った種子が風に乗って飛んでゆきます。
藤原定家が式子内親王を愛し、内親王の死後も忘れられず、葛になって内親王の墓にからみついた伝説から「定家葛」とよばれます。