マツブサ科のシキミです。
関東地方以西の本州から四国、九州の暖地の山林に分布する常緑樹です。
高さは3メートルから5メートル、庭や寺院等でも見られます。
幹は直立してよく枝分かれして枝先に葉がしげります。
葉は互生、短い葉柄がある細長い卵形で先はややとがり、まわりはなめらかです。全体に少し波打ちます。
葉の付け根付近から花がさきます。白色からうすい黄色の花弁が10枚から20枚。
外側の花弁は萼の変化したもので、変異が多いため花弁数が異なるそうです。
花の中心には黄色の葯を持つ雄しべが多数と、柱頭が8本に分かれた雌しべがあります。
最初の写真では雌しべが広がっています。他の花の花粉を受ける「雌しべ期」です。
2枚の目の写真では雌しべが中心に集まっています。雌しべが受粉したあとで、雄しべが花粉を放出する「雄しべ期」です。
花は自家受粉を避けているようです。秋には8角の果実になります。
枝は仏前やお墓に備えるので「悪しき実」から「シキミ」とよばれるようになったそうです。