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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

チェンソーマン 第8話 『銃声』 感想

2022-11-30 12:23:07 | チェンソーマン
あー、姫野パイセン、ここで退場か。

そういえばそうだったな。

ここからデンジの周りは、仲間内の人間関係も含めて、ひたすら不穏なものになっていったっけ。

ようやく、この作品世界の理不尽さが染み出して来た感じ。

で、そういう理不尽さを醸し出すために、今回はやたらと引いたショットで静寂な戦闘シーンを描いたのかもしれないけれど。

それも痛し痒しで甲乙つけがたい。

やっぱり戦闘は戦闘で徹底的に残酷に暴力的に描くべきだと思うのだよね。

サムライソードとか、それに応じるアキの刀とか、いわゆる殺陣になったら、気分的にストイックな画面になるのはわかるのだけど、でも、やっぱり、『チェンソーマン』のノリは、今回で言えば、銃の代わりに刀で殺り合う『パルプ・フィクション』だと思うのだよね。

ストイックよりもヴァイオレンス。

その暴虐性があればこそ、デンジの何も考えない嗅覚だけで生きる、いい意味でのガキっぽさが生きてくるわけで。

ヴァイオレンスが過ぎればこそ、パワーちゃんwのチキンぶりも際立つわけでw

なんていうか、原作のマンガはそういう、和洋のアンバランスな折衷が、不思議なテイストを生み出していたと思う。

背景が白いからストイック、というわけではないのだよ、きっと。

なので、やっぱりこれじゃないなぁ、という感じが強い。

あとは、引きのカメラが多いから、何をしても暴力に「力=パワー」が感じないんだよね。

でも、暴力の基本って、やっぱり、拳に象徴される「マッシブなパワー」だと思うので、その圧倒的質量感、重たさを感じさせないMAPPAの画面は、軽すぎる。

どんなに速い球を投げても球質が軽いと、軽く打ち返されてしまうのに近いというか。

端的にいって、凄みが足りない。

だから、エロをやっても全然エロくない。

ドロドロした感じがしない。

この全体的にいえるMAPPA作品の画面の軽さは、かなり致命的だと思う。

進撃の時に感じた上辺だけをなぞってる感が、チェンソーマンでもしてしまう。

そこはやっぱり残念なんだ。

幽霊の悪魔も、蛇の悪魔も、全然怖くない。

一瞬しか現れない分、悪魔として恐怖感を残すのは絶対要件だと思うのだけど、それがない。

そこが決定的にこの映像版に欠けているところだと思う。

もっと情念を刺激するような画面じゃなきゃだめなんだよ、きっと。
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