終わって見れば第一生命の完勝であった。
1区で尾崎が首位に立って2区に引き継いでからは、一度も首位を明け渡す
ことはなかった。
いわゆる「完全優勝」である。
レース展開から言えば、優勝争いという観点では、少々面白みに欠ける部分が
あったのは否めない。
それは無理もない。
ぼんやり観ていると、終始首位を走っていた第一生命の圧勝のように感じるかも
しれないが、区間タイムを見れば、そうでもないことが分ると思う。
第一生命の選手が区間賞を取ったのは、1区の尾崎好美と6区(アンカー)の
田中智美の二人に過ぎない。
これは駅伝で最も必要とされる「総合力」の違いではないだろうか。
要するに、突出した選手を一人・二人抱えるよりも、平均点以上の選手を
全ての区間に揃えることの重要さ。
それは言い換えれば、抜くことよりも抜かれないことの大切さということだろう。
個々の区間の話に移る。
<1区>
5.6km付近で土井友里永(スターツ)が先頭に出る。尾崎好美
(第一生命)は二番手。その後にパナソニックの中村仁美。
6.1kmの下りでで尾崎がスパート。土井が一旦抜き返すも尾崎がトップで
引継ぎ。
<2区>
第一生命の横沢永奈が快走してトップをキープ。
(区間2位。区間賞の積水化学・松崎璃子とは1秒差)
<3区>
最長距離区間ということに加えて、トップレベルのランナーの多くが参戦する
ということで最大の関心を集めている区間である。
何しろ、福士、渋井、赤羽、西原、小島、勝又、永尾が登場する区間だ。
しかし何やらおかしい。
福士が10人抜きした、西原が3位集団から2位集団に追いついたところまではいい。
しかし二人ともその後が少々怪しくなって来る。
明らかに追い上げペースが落ちているのだ。
はっきり言って「追い上げ」どころではない。
(結局、福士は7人抜きに終わった。彼女はマラソン練習を主眼にして
来ていたので、止むを得ない部分もあったと思われる)
この3区は元々激戦が予想されてはいたものの、
誰が区間賞に杉原加代(デンソー)を予想できたであろうか。
これは競馬の世界で言えば、文句なしに万馬券である。
私などはテレビを見ていても、杉原選手が区間賞を取ったとはとても
思えなかった。
(途中、杉原が2位グループにいたのは知っていたが、まさかの14位⇒3位
と11人抜きだった。区間賞候補を把握するのは困難とは言え、
順位をこまめにチェックしていればある程度できるはずで、
その点で不満の残るテレビ中継だった)
また渋井陽子(三井住友海上)は見るからに太目だった。
しかし最も驚いたのは、赤羽有紀子(ホクレン)の区間21位の凡走だ。
しかも「直前まで好調を維持していただけに、このような結果になるとは
考えてもいませんでした」(夫の周平コーチのブログ)
また本人も「何が原因か分からない」と言うのだから・・・。
(スポーツ報知)
でも周平コーチは「1キロ付近で、何かおかしいと思った」とも語っている。
人間の体とは摩訶不思議なものとしか言いようがない。
さらに3区では、優勝候補に上げられていた天満屋の中村友梨香が
区間17位(6位⇒13位)、同じく優勝候補の一つだった豊田自動織機の
小島一恵が区間18位(4位⇒12位)と振るわなかった。
<5区>(4区は省略)
木崎良子(ダイハツ)のウォーミング・アップの姿が映されていたが、
表情が何とも明るくて好感が持てた。これも先日の横浜国際女子マラソン優勝
の好影響だろうか。
その木崎は天満屋の重友梨佐に一旦は抜かれるが、中継所では抜き返す。
しかし区間賞の重友は、去年も今年もすごいなぁ。
<総括>(6区は省略)
結局、天満屋は5区~6区で14位⇒8位⇒4位と順位を上げて来た。
だてに優勝候補の筆頭に上げられたわけではない。
さすがである。
でもそれだけに、3区の中村の不振が悔やまれるところだろう。
同じく豊田自動織機もまさかの12位では、泣くに泣けないところだろう。
ところで、優勝した第一生命の山下佐知子監督が、ゴール付近でアンカーの
田中智美を待ち構えている時にも、ストップウォッチを持ってタイムを計って
いたのには思わず笑ってしまった。
まぁ、関係者とはそういうものなのだろう。
そして最終結果。
① 第一生命
② パナソニック
③ 積水化学
④ 天満屋
⑤ デンソー
第一生命の完勝を振り返って見ると、1区に尾崎を起用した山下監督の判断が
功を奏したと言えるのかもしれない。
また、ここで名前を挙げるのは失礼かもしれないが、
かつての王者・三井住友海上の没落ぶりには痛ましい思いがした。
若手が育って来ていないという印象がある。
最後に余談になるが、昨日のテレビ中継のCMで渋井陽子個人を取り上げた
ものが放映されて驚いたものだ。(三井住友海上のHP)
そういえば、先日の柔道「グランドスラム東京」のテレビCMでも、
上野順恵のものが流されていた。
こういうCMは選手にとっても励みになるのではないかと思うのだが、
果たしてどうか。
かえって、重圧に感じる選手もいるかもしれないが・・・。
1区で尾崎が首位に立って2区に引き継いでからは、一度も首位を明け渡す
ことはなかった。
いわゆる「完全優勝」である。
レース展開から言えば、優勝争いという観点では、少々面白みに欠ける部分が
あったのは否めない。
それは無理もない。
ぼんやり観ていると、終始首位を走っていた第一生命の圧勝のように感じるかも
しれないが、区間タイムを見れば、そうでもないことが分ると思う。
第一生命の選手が区間賞を取ったのは、1区の尾崎好美と6区(アンカー)の
田中智美の二人に過ぎない。
これは駅伝で最も必要とされる「総合力」の違いではないだろうか。
要するに、突出した選手を一人・二人抱えるよりも、平均点以上の選手を
全ての区間に揃えることの重要さ。
それは言い換えれば、抜くことよりも抜かれないことの大切さということだろう。
個々の区間の話に移る。
<1区>
5.6km付近で土井友里永(スターツ)が先頭に出る。尾崎好美
(第一生命)は二番手。その後にパナソニックの中村仁美。
6.1kmの下りでで尾崎がスパート。土井が一旦抜き返すも尾崎がトップで
引継ぎ。
<2区>
第一生命の横沢永奈が快走してトップをキープ。
(区間2位。区間賞の積水化学・松崎璃子とは1秒差)
<3区>
最長距離区間ということに加えて、トップレベルのランナーの多くが参戦する
ということで最大の関心を集めている区間である。
何しろ、福士、渋井、赤羽、西原、小島、勝又、永尾が登場する区間だ。
しかし何やらおかしい。
福士が10人抜きした、西原が3位集団から2位集団に追いついたところまではいい。
しかし二人ともその後が少々怪しくなって来る。
明らかに追い上げペースが落ちているのだ。
はっきり言って「追い上げ」どころではない。
(結局、福士は7人抜きに終わった。彼女はマラソン練習を主眼にして
来ていたので、止むを得ない部分もあったと思われる)
この3区は元々激戦が予想されてはいたものの、
誰が区間賞に杉原加代(デンソー)を予想できたであろうか。
これは競馬の世界で言えば、文句なしに万馬券である。
私などはテレビを見ていても、杉原選手が区間賞を取ったとはとても
思えなかった。
(途中、杉原が2位グループにいたのは知っていたが、まさかの14位⇒3位
と11人抜きだった。区間賞候補を把握するのは困難とは言え、
順位をこまめにチェックしていればある程度できるはずで、
その点で不満の残るテレビ中継だった)
また渋井陽子(三井住友海上)は見るからに太目だった。
しかし最も驚いたのは、赤羽有紀子(ホクレン)の区間21位の凡走だ。
しかも「直前まで好調を維持していただけに、このような結果になるとは
考えてもいませんでした」(夫の周平コーチのブログ)
また本人も「何が原因か分からない」と言うのだから・・・。
(スポーツ報知)
でも周平コーチは「1キロ付近で、何かおかしいと思った」とも語っている。
人間の体とは摩訶不思議なものとしか言いようがない。
さらに3区では、優勝候補に上げられていた天満屋の中村友梨香が
区間17位(6位⇒13位)、同じく優勝候補の一つだった豊田自動織機の
小島一恵が区間18位(4位⇒12位)と振るわなかった。
<5区>(4区は省略)
木崎良子(ダイハツ)のウォーミング・アップの姿が映されていたが、
表情が何とも明るくて好感が持てた。これも先日の横浜国際女子マラソン優勝
の好影響だろうか。
その木崎は天満屋の重友梨佐に一旦は抜かれるが、中継所では抜き返す。
しかし区間賞の重友は、去年も今年もすごいなぁ。
<総括>(6区は省略)
結局、天満屋は5区~6区で14位⇒8位⇒4位と順位を上げて来た。
だてに優勝候補の筆頭に上げられたわけではない。
さすがである。
でもそれだけに、3区の中村の不振が悔やまれるところだろう。
同じく豊田自動織機もまさかの12位では、泣くに泣けないところだろう。
ところで、優勝した第一生命の山下佐知子監督が、ゴール付近でアンカーの
田中智美を待ち構えている時にも、ストップウォッチを持ってタイムを計って
いたのには思わず笑ってしまった。
まぁ、関係者とはそういうものなのだろう。
そして最終結果。
① 第一生命
② パナソニック
③ 積水化学
④ 天満屋
⑤ デンソー
第一生命の完勝を振り返って見ると、1区に尾崎を起用した山下監督の判断が
功を奏したと言えるのかもしれない。
また、ここで名前を挙げるのは失礼かもしれないが、
かつての王者・三井住友海上の没落ぶりには痛ましい思いがした。
若手が育って来ていないという印象がある。
最後に余談になるが、昨日のテレビ中継のCMで渋井陽子個人を取り上げた
ものが放映されて驚いたものだ。(三井住友海上のHP)
そういえば、先日の柔道「グランドスラム東京」のテレビCMでも、
上野順恵のものが流されていた。
こういうCMは選手にとっても励みになるのではないかと思うのだが、
果たしてどうか。
かえって、重圧に感じる選手もいるかもしれないが・・・。