酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

都道府県対抗女子駅伝・雑感(補訂版)

2012年01月16日 | 陸上
やはり駅伝は一筋縄ではいかない複雑なものというのが、

終わってみての正直な感想である。

もちろん予想通りの完勝というレースに終わることもこれまでには結構ある。


しかし予想通りに終わるよりも、どちらかと言えば予想外の結果が出る方が、

私は好きだ。

その意味では、今回私が応援した京都が勝てなかったことも、

ある程度は止む無しと思っている。


京都に関して昨年との比較で敗因を言えば、これは明白である。

昨年のメンバーで今年いなくなった福士、木崎、小島の穴は決定的に大きい。

9人で走る駅伝で、主力が3人も抜けて勝てるわけがない。

だがこれは事前に十分予測できたことであり、今更言っても始まらないことだ。


また言いにくいことをあえて言えば、「中学生が弱い」と言われるチームは

岡山などもそうだと思うが、地元の中学生は弱くても“スカウト力”で

他県から優秀な中学生を集めて来るから、立命館宇治高とか興譲館高が強い

のであって、特定の高校が常に圧倒的に強い理由は、その辺に事情が隠されて

いるように私には思える。


さて、総評を。


<1区>

岡山の中村友梨香(天満屋)が始めからついて行けず、後方のまま。

そもそも脚が上がっていない。

結局42位。なんと先頭から1分8秒差。

京都の石橋麻衣(佛教大)は前半飛ばした影響からか、終盤持たずに

先頭から3秒差の5位。


今年は大阪から出場した木崎良子(ダイハツ)は、さすがの貫禄を見せて、

区間賞。

私の地元の静岡の榊原美希(浜北西高)は高校生ながら、途中まで先頭に並ぶ

などよく頑張ったと思う。(結果、木崎から21秒差の17位)


<2区>

注目の兵庫の小林祐梨子(豊田自動織機)が意外にも延びて来ない。

結果は区間21位という惨敗。

小林は昨年秋頃(?)からスランプに陥っていたようだ。

愛知の安藤友香(豊川高)は2番手に着けて追走するも、

表情は殆ど変わらず、昨年末の全国高校女子駅伝を思わせる好調さを窺わせる

走りを見せて区間賞。

安藤を見ていて感じるのは、とにかくフォームも表情もぶれないということだ。

苦しい表情を殆ど見せない、そしてフォームも殆ど崩さない。

この強さは一体何なのだろうと思わざるを得ない。


<3区>

静岡代表ということで、個人的に注目していた選手、

山本菜緒(三ヶ日中3年)は結局13人抜きをしたものの区間5位だったようだ。

彼女は先月行われた、静岡県内の駅伝であの木村友香選手

(静岡県出身・筑紫女学園高)に勝ったことで、ごく一部ではあるものの

話題になった人である。

まぁ、この区間には強豪が多かったからやむを得ないか。

埼玉の中川文華(朝霞三中)が区間賞。


<4区>

滋賀の竹中理沙(立命館大)が20位から7位と13人抜きを達成したようだ。

群馬の絹川愛(ミズノ)も13人抜き。

(但し絹川は昨年暮れにアキレス腱?を故障してしまい、

予定していたアンカー区間から距離の短い4区に変更されたようだ)


<5区>

菅 華都紀(興譲館高)が15人抜きをしたという。(但し区間記録は2位)

区間1位は、愛知を抜いて2位に上がった京都の青木奈波(立命館宇治高)。

この辺の争いは実に熾烈だと思わされる。



<6区>

いよいよ、私が注目している久馬姉妹(京都・綾部高)の登場である。

まず双子の姉の悠だが、何となくピリッとしないので、少々不満を

感じた。

結局、区間4位。


<7区>

妹の萌の出番である。

顔が少々ふっくらした感を受ける。

また、以前と比べてフォームが少し変わったような気がする。

以前のようにあまり“飛び跳ねなくなった”と言えばいいのだろうか。

荒削りというか、ダイナミックだったフォームが、大人しくなったようだ。

しかしながら、久馬姉妹に対して共通して感じたのは、中学生の頃のような

躍動感・キレが失われたことだった。

まさに「あの輝きはどこに行ってしまったのか」という感慨である。

荒削りの部分も消えた代わりに、逞しさも消えたのなら、ファンとしては

寂しい限りだ。

バンビのように跳ね回っていた頃の久馬萌は、明らかに全国のファンを

魅了していたはずだ。

ひょっとすると、もはや復活は望めないのかもしれないが、もう一度

あの、3年前の都道府県対抗女子駅伝でゲスト解説の高橋尚子さんに

「大物感がある」と言わしめた久馬萌の弾けるようなフォームを

見てみたいものだ。

萌は区間3位。


今回の駅伝に関して、私がネットで調べた範囲では、久馬姉妹に対する人気は

かなりのものであった。

(3年前の中学3年の時の、あの衝撃的な二人同時の区間賞は、多くの人の心に

焼き付いているのだと思われる)


<9区>(8区は省略)


京都は首位の大阪とは35秒差の2位である。

このタイム差は結構微妙と言うよりも、正直言ってかなり厳しい差である。

しかし、今朝7時51分に「勝利のメロンパン、劇ウマ」とツイッターに

元気そうに書き込みをしていた西原加純(ヤマダ電機)のことだから、

何とかしてくれるのではないかと一応期待をして見ていた。


ところが西原の調子が芳しくないようだ。

何となく体が重そうに見えるのだ。

しかもあろうことか、先頭からは離されているというではないか。

この時点で私は京都優勝は諦めた。


軽快に走っているように見える千葉の新谷仁美(佐倉アスリート倶楽部)も、

襷を受け取るまでは笑顔を見せていたものの、走り始めてからは一転して

厳しい表情に豹変して見る者を驚かせたものだ。

(これについては、解説の有森さんも実況のアナウンサーも言っていた)

確かに新谷のあの表情は、一瞬ドキッとさせられる類のものではあったが、

逆の意味で言えば、新谷の精神的な逞しさを感じさせられた場面でもあった。

もしかしたら、昨年の世界陸上を経験してからの新谷の精神的な成長には

要注意なのかもしれない。


新谷は区間賞。

熊本の吉本ひかり(佛教大)が12人抜きで区間2位。

西原は区間10位。



結局、優勝した大阪は2区で2位に下がったのみで、あとは全て1位を維持

したのだから、完勝である。

しかし区間賞を取ったのは1区の木崎のみだから、やはり総合力の勝利

ということだろう。


(4区で大阪は区間14位だったが、首位はキープ。

また2区で佐賀の光延友希(京セラ)は17人抜きをしているが、

32位⇒15位なので目立たなかったようだ。

さらに2区では、福井の平井恵(佛教大)と鹿児島の中原海鈴(神村学園高)

が14人抜きをしている。

放送では、順位が下位であっても、こういう急上昇には触れるべきだと思う)


また、1区で42位と大幅に出遅れた岡山が8位まで追い上げたのは、

さすがと言う他ない。



(追記:昨日、またしても未完成のまま投稿してしまったので、

その分は削除し、1/16に追加・訂正した)