パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

音楽の聴き方(聴いているのは曲か演奏か)

2016年05月22日 16時50分33秒 | 徒然なるままに

エレーヌ・グリモーのピアノリサイタルについてはいろんな人が
ブログにアップしている
自分は勝手気ままに取り上げたが、あるピアノ教師のひとは
彼女の演奏は迫力があるが白黒はっきりしていて
もう少し音色を細やかして欲しいといったような感想を述べている

自分にはその音色のうんぬんまで感じ取れる耳はなかった 
ところで、音楽を聞くということは
曲を聴いているのか、それとも演奏を聞いているのか

先日の様に殆ど知らない曲の場合
演奏者の媒介を通じて曲を聴いている
つまり作曲者の意図とか思いを感じようとする事が多い
ところが聴き慣れて曲の細かなところまで記憶に入っていると
演奏の違いを楽しむことになる

現実には音楽は残されたのは楽譜だけで
その楽譜から感じられることは個々様々で
表現することも演奏家の個人差があって、
結局は演奏家の解釈を通じて明らかにされるのであって
本当に作曲家の意図したものは何だったのかは決定することなどできない

しかし、繰り返すが少なくとも自分は、初めて聴く曲は
演奏家のことよりは曲自体の方に関心がいく

先日の例で言えばベリオの気持ち、武満が表現しようとしたもの
そしてブラームスのなんとなく感じられる性格のようなもの
それらを演奏会の最中に理解しようとしたり楽しんだりした 

そしてそこで感じたことは確かに個人的なものなのだが
時として完全に思い込みとか独断とはいえないくらい
一般性を持ちそうな時がある

人が何かを感じるということ
多くの人が同じように感じるということ
言葉ではないだけになにかとても不思議だ

相変わらず毒にも薬にもならないことだが
気になって仕方ない 

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