アマゾンから品物が届くたびに同居人は
「また本?本ばっかりで、、、」
と不平をこぼす
アプリで家計簿をつけるようになってからは
それほど無駄使いはしていないはず!と自覚しているし
さほど物欲もないので「本ぐらいは!」と言い返したいが
黙って聞き流すことにしている
それが理由でもないのだろうが、最近は新規に本を購入するより
手元にある本を再読することが多くなっている
再読はなかなか面白い
最初読んだ時とまるっきり違う印象を持ったり
自分の理解の仕方は間違っていなかったと思ったり
本は読むタイミングがあって、それなりの人生経験や知識がないと
リアルに感じられないところが多いとか
読むスピードは明らかに一回目より速いが、それで理解が雑にならずにいられるのは
一回目に苦労したからかもしれない
どんな社会にあっても、その文化全体の精神は、その社会のもっとも強力な支配階級の精神によって
決定される。その理由は、強力な支配階級が教育制度、学校、協会、新聞、劇場を支配する力をもち
それによって自分の思想を、すべての人間にあたえる力を持つからである。
さらにまた、これらの支配階級は、非常に多くの特権をもっており、下層階級はたんに彼らの価値を
受け入れたり、まねたりしようとするだけでなく、彼らと心理的にも合一しようとする傾向を
持っているからである
以上はエーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」一部
この部分はテーマの本質とはあまり関係がないかもしれないが
今の日本の社会を思い起こしてみると、思わず納得してしまいそうで
再読の際に付箋をつけることになった
実は再読モードはこの本の前に「法学の基礎」(団藤重光著)がある
この本はいつか読み返そうとしていたもので、内容が濃く読みでがありすぎるので
付箋を付けておいた部分だけを拾い読みしようとしたのだが、読んでいるうちに
ついつい通して読むことになってしまった
この本は本当にすごい本だ
教科書のようであり、著者のとんでもない広範な知識と法体系の全体的な理解
そして現場を踏まえた現実的な思考と、それを支える深い人間性
世の中には本当に頭のいい人がいるものだ!と驚き、
そしてこのような人がいたという事実は、とても喜ばしく思われた
その圧倒的な読後感があるので、部分部分がどうであったか、、と解説は今はできない
ただ、法は努力という行為によってその存在を保つことができるという思想に
貫かれているような印象を持つ
道徳は善を扱い、法は正義を扱う
(正義とはなにか、、平等的正義と配分的正義とかが考察される)
法の体系はピラミッドの上部は抽象的な実定法が優先されるが、その土台の部分は
自然法的なものに支えられている
法の運用によく見られる解釈主義とか判例主義は、そもそもそれだけでよいのか?
といった疑問は、裁判官として現場を経験し、少しづつ実態と合わなくなってきた部分
の修正は動的にすべきだとしている
この本は誰に読まれるかを想定しているのかわからない
法学部の人たちや、現場の法律家たちが対象かもしれない
だが、これはおそらく普通の人が読んでも面白い
こんなにスッキリと物事がまとめられていると、読むだけで頭が良くなった気さえする
これら2つ本は手元において、時々読み直すのが良いだろう
それにしても、やはり読むタイミングってのはあるな、、と実感
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