パンセ(みたいなものを目指して)

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住民投票と市民の声を聞く力の低下

2016年08月27日 09時20分33秒 | あれこれ考えること

新幹線の乗り継ぎでひどい目にあった先日の大阪行き
出張(?)の目的は
記念シンポジウム「住民投票の20年 〜これまでとこれから〜」
の出席のため

昨年の新城市の住民投票がきっかけで、交流する機会を得た
「住民投票/国民投票」情報室(今井一代表)が主催するシンポジウムだ

パネリストとして新城市で行われた住民投票について
「新城市政を考える会」の事務局長の大田恒久さんが経緯・結果等を発表した 
同席したパネリストは他に東京の小平市の「小平都市計画道路に住民の意志を反映させる会」
の代表水口和恵さんがいた

この小平市の話を聞いているうちに、最近何かで読んだ記憶があるぞ!という思いが
頭をよぎったが、その答えは先日このブログでも取り上げた「民主主義を実感するために」だった
著者の國分功一郎氏がこの運動に参加していて、取り上げていた

住民投票は間接民主主義を補完するシステムとはいうものの
イギリスのEU離脱の国民投票以来、その判断の良否が疑問視される面がある
正直なところ自分の中にも、果たして大衆は正しい判断を下せるのか
と疑問を覚えているのも事実だ
しかし、今まで日本で行われた住民投票を見る限り、住民投票の結果が政策に
反映されているところが大半で、結果的に間接民主主義を補完する結果となっているようだ

住民投票が一気に多くなった時期があった(シンポジウムの発表資料による)
それは市町村合併が国の方針で進められたときで、当事者である市や村が当事者の声を聞く
ために行われた(これは気持ちとしてよく分かる、当事者は自分たちで自分たちの行末を決めたいだろう)
住民投票の大半(92%)はこの案件で行われているが、
最近増えつつあるのは公共施設(図書館など)・庁舎関連などの身近な話題ということだ
新城市もその中に入る

住民投票は大げさなものではなく、身近なものになったと考えられないこともないが
フト考えてしまうのは、この身近な問題をわざわざ市民の意見を聞かなければ
ならくなったのは何故かという点だ
仕事や生活に追われる市民は面倒な難しい問題をイチイチ自分で考えるのは面倒で
代理とか分業の業務をする人物として首長や市議を選んでいる
その人達が適切に市民の声を反映していければ問題はないのだが、、

ところが、どうもここのところが全国的にうまくいっていないようだ
二元代表制システム云々と言葉を並べて、市民の声を聞くことになっているが
現実は、「彼らは市民の声を聞いていない」判断されることになっているようだ
これは最近見られる傾向なのか、
それとも昔からそうでただ問題視されなかっただけなのか、、

市議や首長は庶民が知らない法律・手続き・システム・会計の情報やら
知識が必要な専門職で、現実的・効率的に社会が回っていくためにに
市民は彼らに自分たちの判断の方向性を委ねる
ところが、市民の声を反映していないとしか思えないような
判断があちこちで見られる
そしてその説明は、市民にはわかりにくい用語とか法律用語を用いて
自分たちの判断の正統性を訴える
法律的な土俵では市民は絶対というほど行政や政治家には勝てない
持っている情報量や知識の絶対量が違う
しかし皮膚感覚の感情や実生活に根ざす経験からの思いは
いくら法律的に問題なしとしても、違和感を感じる

この違和感の発露の方法として住民投票が行われるようになったのだとすれば
住民投票の増加は、市議会や首長が市民の声を聞くというレベルが
下がっているのことの反映なのかもしれない

確かに新城市では、その傾向は見られる
あのとんでもなくわかりにくい住民投票の選択肢を選択した議会や
それを問題視しない首長は残念ながらレベルが高いとはいえない

ところで、新城市はわかりにくい選択肢のせいで面白おかしく
メディアに取り上げられ、その結果市民の間にも関心が高まったが
こうして時間を経過した現在は、住民投票の悪しき選択肢の筆頭として
記録されることになるなるらしい

新城市の不名誉となる住民投票の選択肢、それは下記のうちどちらかを選べというもの

選択肢1 市道東新町桜淵線の路線の変更を伴わない現計画の見直し
選択肢2 市道東新町桜淵線の路線の変更を伴う現計画の見直し

これで、さあ選べ!と言われても困るのは市民
市外の人から見ると、何が住民投票で問われているのかわからないのでは、、
だからこそ、この選択肢の変更を求めていろいろ活動したのだが、、
そこから先は長い話、、、 


 

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