パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ロンドイ短調 K511 聴き比べ

2013年04月28日 20時12分33秒 | 音楽

むかし一回聴いて、そんなに深い印象を持たなかったので
その後仕舞いっぱなしになっていたレコードを
昨日、別のレコードを探している時に不意に見つけて聴いてみた

ブレンデル演奏のモーツァルトのロンドイ短調 K511
勿論、レコードにはもっと他の曲が多く入っていたし
アルバムタイトルもこの曲ではない
しかし、この曲だけ取り出して聴いたみた
(この曲がモーツァルトの曲の中で一番好きと感じていた時があった)

ブレンデルのピアノの音は自分は好きな方ではない
なにか表面的な感じで、変に明るく、、、
そんなふうに思っていたが、昨日は
あれっ、こんなだったっけ?
最初感じたのはこの事、相変わらず音自体には共感を
覚えることは出来なかったが、演奏はなかなか面白い
というか、予想に反して興味深かった

ざっと、集中して聴いてみると
様々なニュアンスの表現に神経質になっているように思え
随分楽譜を勉強したんだろうな!
と思ってしまった

すると、そういえばロンドイ短調には他の演奏もあったぞ
とあるレコードを全部引っ張りだしてみた

クラウディオ・アラウ
ダニエル・バレンボイム
ギーゼキング
バックハウス

ひとつかけ終わると次に!と上の順番で聴き比べた
そうして分かったことは、
こんなふうに集中して同じ曲を聴き比べると
随分演奏というものは違うものだという当たり前の事実

クラウディオ・アラウの演奏は、
自分好みの柔らかい深々とした音
(幻想曲ニ短調はこの音の響きが最高)
演奏はブレンデルの後に聴いたせいか
特に何か特別なことをしている感じがしない
でも、音楽を、モーツァルトを信じきってひたすら
真面目に演奏している感じ
モーツァルト特有の声部間のやり取り、音色感も
ごく自然に流れ、まさに大家のパフォーマンス

続いてバレンボイム
最初の音からなんて寂しい悲しい音色なのだろう
(暗いのとは違う)
音色も神経質、だがブレンデルの神経質さとは少し違う
そしてテンポもゆっくりめ
最後までこの感情を聞き続けれのは辛い感じがしたが
なるほど、音楽表現とはこんなに違うものかと
改めて思い知らされた感じ

続いてギーゼキング
今度は反対にテンポも早く
妙な思い入れもなく淡々と弾いている
リズムがくっきり聞き取れるせいで
この曲が三拍子だったのに気付かされる
それでも途中から気が乗ってきたのか
テンポアップしてライブ感のあるような気もしたが
そんなふうに思っただけかもしれない

バックハウス
以前この曲が一番好きと思ったのは
実はこの人のこの演奏を聴いたからだ
何故だか知らないが、すごいと思った
特にクライマックス時の低音部
すごい迫力!そんな印象が残っていた

さて改めて聴き比べてみると
やっぱり淡々と弾いている
ギーゼキングと同じように淡々としているが
三拍子のリズムが際立つわけではない
そして音色はカチッとした粒の揃った濁りのない音
それらが淡々としているが自由に即興的に弾かれているよう
大きな把握の仕方で本質をぎゅっと掴んで
あとは自分の技術と感情に任せて1曲を仕上げる
そんな感じで、安心して聴ける
やっぱり、この演奏が一番好きかな

ところでYoutubeにこの曲がアップされているか
調べたらクラウディオ・アラウのものがアップされていた
一般的には有名な曲ではないけれど
ホント好きだな、ロンドイ短調 K511



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