パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

BGMと真面目な第9

2015年01月04日 19時58分21秒 | あれこれ考えること

年末のこと、あるスーパーに買い物に入ると
日本中ではクリスマスソングよりもポピュラーと思える
第9の喜びの歌のポップスヴァージョンが流れていた

完全にBGM風のアレンジで購買意欲を喚起するような味付け
ベートーヴェンの求めた音楽の意味は
そこには見つけられない

これもありというものの、少し1770年生まれの音楽馬鹿が
かわいそうな気がした

自分は第9はそう簡単に聴かない
いや聴けない
気分がのって集中して聴けそうと思った時だけ 
スピーカーの前に座ることにしている
そしてやはりフルトヴェングラーの神聖な儀式を
間接的に体験する 

こうして体験するインパクトは
言葉で表すのが難しいくらいのもの
音楽だからこそできる印象を人に与える

それがBGMとなると何と軽く響くことか

このBGMの演奏している人もそれなりの音楽経験の
持ち主に違いないだろうが 
それでも聞こえてくる音楽から判断する限りでは
粗製乱造の音楽にしか聞こえない

果たしてそれは豊な世界なのか 

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値段と価値

2015年01月04日 19時36分07秒 | あれこれ考えること

先日、中古レコードを新譜の時とは大違いの価格で手にしたが
ありがたいはありがたいが、この価格で購入することの不思議
を感じざるを得ない

5枚組、3枚組、普通のアルバム2種類で1,860円
1枚あたり186円

需要と供給で価格は決まるというものの
果たしてこれでいいのか?
とついつい思ってしまう

例えば今回は求めなかったがバッハのマタイ受難曲
この充実感に満ちた音楽が とんでもない価格で扱われたりすると
何故か音楽も軽いものに思えてしまいそうになる

書籍でもカラマーゾフの兄弟の中古本が安いと
同じような印象を持つ 

反対に何でも鑑定団で出てくるような美術品ではないもので
破格の値段がつくものには違和感を感じる
あの番組の値段は実際に購入する人がいることの前提があるはず
本当にあの価格で求める人はいるのかは
少し疑ってもいいかもしれない 
そしてこのような状態は落語の「みかん」のバカバカしさに似ている

本当に価値あるものは人生をかけて心血を注いで
作り上げたものが多く
それを鑑賞・理解するにも同じような苦労が必要の場合が多い

しかし、そうした苦労を要する作品を味わう能力は年々低下して
需要というものは低下し、必然的にそれらの作品は低価格となる

人類の宝かもしれないものが安いと言うより
雑に扱われることの違和感
現代人はこうした何か変と思う心を
どこかに置き忘れてしまったのだろうか 

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