年末のこと、あるスーパーに買い物に入ると
日本中ではクリスマスソングよりもポピュラーと思える
第9の喜びの歌のポップスヴァージョンが流れていた
完全にBGM風のアレンジで購買意欲を喚起するような味付け
ベートーヴェンの求めた音楽の意味は
そこには見つけられない
これもありというものの、少し1770年生まれの音楽馬鹿が
かわいそうな気がした
自分は第9はそう簡単に聴かない
いや聴けない
気分がのって集中して聴けそうと思った時だけ
スピーカーの前に座ることにしている
そしてやはりフルトヴェングラーの神聖な儀式を
間接的に体験する
こうして体験するインパクトは
言葉で表すのが難しいくらいのもの
音楽だからこそできる印象を人に与える
それがBGMとなると何と軽く響くことか
このBGMの演奏している人もそれなりの音楽経験の
持ち主に違いないだろうが
それでも聞こえてくる音楽から判断する限りでは
粗製乱造の音楽にしか聞こえない
果たしてそれは豊な世界なのか