びわ湖が縮むと湖底から濁りが湧き出す、と仮定して計算した図である。
結構よく対応しているような気がする。
相関係数が0.81である。
ここで、濁りは直接計測機器で計った数値である。
一方、縮み速度はGPSデータから計算した。
違う方法で計測した値が、これくらいの相関で一致するのはなんとなく愉快だ。
昔、びわ湖湖底付近のリン酸態リン総量の変動成分と積雪水量(雪の量を見ずに換算した量)と比較したことがある。
積雪水量が高くなると、リン酸態リン総量の変動成分(つまり短期的な変化量)が小さくなる。
完全に逆比例する。
つまり、雪がたくさん降ると、湖底からのリン溶出量が小さくなるのだ。
これは、酸素の多い冷たい水の層が湖底を覆うので、リンが溶出しにくくなると説明した記憶がある。
これも、リンと雪という全く異なった計測値の比較だった。
どちらも統計の議論なので、本当にそうかどうかは別に検証が必要である。
風が吹くと桶屋がもうかる、的な話かもしれないからだ。
しかし、議論を展開するうえでは、非常に役に立つ情報だ。
相関図から謎解きをすることは、人間模様から真犯人を見つけだすことによく似ている。
私は、このような推論がとても好きだ。