DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

冬の環流

2013-05-16 22:50:15 | ButsuButsu


琵琶湖の環流は世界一美しい。

それは夏の環流のことだ。

しかし、10年ほど前に、冬の環流の存在が報告された。

その後、喧々諤々とした議論となり、冬の環流は安定しないことが指摘された。

ところが、2012年冬の2月から3月にかけて、ほぼ1ヶ月にわたって冬の環流が観測された。

思わぬ発見だ。

冬の環流は、夏の環流とは異なって時計回りであることが特徴だ。

しかも湖全体が回転する。

秋から冬にかけて、反時計回りから時計回りになる場合も観測された。

自然とは面白いものである。

さて、冬の環流は大きな意味を持っている。

夏の環流は水の上下循環を抑制するが、冬の環流は上下混合を加速するからである。

すばらしい観測結果といえる。



三上山も微笑んでいる。

万歳!

カンボジア

2013-05-16 18:18:31 | ButsuButsu


2006年2月にカンボジアへ出かけた。

メコン川とトンレサップ湖の調査が目的だった。

生暖かい風が河畔を渡るメコン川の夕景は、独特の情感がある。

この河は、奥深いヒマラヤの麓から延々と流れてくる、国際河川である。

雨季には増水し、トンレサップ湖に逆流する。

牛の胃袋のようなものだ。

その面積は16000平方キロメートルと、国土の10%近くまで膨らむ。

乾季には、その6分の1の大きさに縮小する。

2月は乾季だ。

船でトンレサップ湖を移動した。

住む人々の家も、店も、学校も、船の上だ。



水はひどく濁っていて、全く底が見えない。

それどころか、コップに入れた水が一時間たっても澄まない。

コップの向こうが見えないのだ。

細かな粒子が浮遊し、沈降さえしない。

環境省の現地オフィスを訪ねた。

漁獲ネットの模型が飾ってあった。

琵琶湖のエリとよく似ている。



こうしてみると、共有する文化があるのだな、と改めて認識させられる。


5月15日(水)のつぶやき

2013-05-16 05:08:00 | 物語

商人

2013-05-16 00:08:18 | ButsuButsu


紀元前1600-1000年に、中国に商という国があったという。

殷とも言う(史記)。

この国の人は、交易に優れていたらしい。

そこで人々は彼らのことを商人と呼んだ(晏子)。

Aというエネルギー体に、Bというエネルギーを加えて、Cというエネルギー体を作る。

このときの差額分を、生産といい、生産したものに付加価値が生じる。

交易でも同じことがいえる。

Aという物を、Bという輸送のエネルギーを加えて、Cという物として売る。

それが実体と言うものだ。

相場という世界も、実体が伴って初めて価値を生み出す。

生産をもたない経済は、必ず崩壊する。

過去の歴史がそれを物語っている。

人間の歴史は、そうした生産を生み出すために、自然から資源を搾取してきた。

だから資源が枯渇したときが、人間の歴史が終わるときでもある。

少なくとも、地球という有限の資源ではそうだ。

あとは地球外のエネルギーを使うか、とことん効率を上げて地球の資源を食いつぶすかだ。

きっと両方が必要なのだろう。

多くの国が北極の開発に血眼をあげているのを見ると、悲しい気分になるのは私だけなのだろうか。

足るを知る、ということを実践したのは、紀元前500年位前にいた老子であった。

当時、今と同じような簒奪の世界が中国にはあったのだろう。

願わくば、中国人民にそのことを思い出して欲しい。

そうしないと、あの国の為政者は、多くの人民を養うために世界の資源を食いつぶしてしまうだろう。

今必要なのは、人類生存のための哲学なのではないだろうか。