美 going on

長野県下の小中学校の図工美術教師による,毎日の「図画工作」「美術」の授業の様子を紹介します 

小学校6年生 長崎先生最後の授業

2014年06月17日 21時05分49秒 | 過去の題材
裾花中,長崎です。

私が小学校6年生の最後の授業で行う題材です。

『ココロ 12歳』

この題材の元ネタは,元櫻ヶ岡中のN先生が中2で行っていた題材です。
小学校の子どもたちにも十分表現可能だと思い,私は担任として卒業を迎えた4クラスでこれまで行ってきました。

全2時間,もしかすると1時間で行った年もあったかもしれません。


紙粘土を配り,まず真ん丸にします。
つるっつるの真ん丸。
「生まれたときは,きっとみんなこんな形だったのかなぁ」などと話しながら,子どもたちは,2歳,3歳…,と自分が成長するのに合わせ,紙粘土を変形させていきます。

さあ小学校入学。先生に一番怒られたのは誰だ?
友だちと大げんかしたこともあるよね。
あ,ココロに穴が空いちゃった人がいる!
おっと,2つに分かれちゃってる~。
などと,おもしろおかしくみんなと会話しながら,

「ここは児童会でがんばったところ。だからとんがらせる」
「組み体操の感動で成長した。ハートっぽくしよう」

と,卒業を迎える今の自分の形を作ります。


そのあとすぐ,着色に入ります。
色は,蛍光のアクリル絵の具。


乾かす間もなく,着色していくので,次第に色が混ざって汚くなってしまう子もいます。
「12年間でココロも汚れちゃったねぇ。」と冗談を言いながら…。


そしてクライマックス。


あらかじめ暗幕を引いた部屋を別に準備しておき,作品を持ってみんなでそこへ移動します。
部屋の真ん中に作品を置きます。
BGMは,ミスチルの「ギフト」

みんなでカウントダウン。

「3,2,1,0!」
ブラックライトのスイッチオン。


わぁぁ!という歓声!

「小学校生活の中で,みんなのココロはいろんな形になった。
穴があいたり,ねじれたり。
色だってぐちゃぐちゃになっちゃったかもしれない。

でもね。
みんなはこんなに光ってるよ。
たくさん可能性を持っているんだ。

大丈夫。
これからだって,もっともっと光り輝ける。
みんながんばってね。」

こんな話を最後に,授業を終えます。


そのときそのときの卒業生との想い出があるので,本当はあんまり紹介したくなかった題材なんですが…もし参考になればどうぞ~。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます! (安茂里小 坂井)
2014-06-19 05:27:25
絶対やります!(笑)ナイスアイデア!1
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最後だからこそ心に残る授業を (長崎)
2014-06-19 12:41:55
私は,もちろんクラスを持ったら最初と最後の授業は図工,と決めていました。
子どもたちも,それまでの積み重ねがありますから,最後も楽しい図工をやってくれるんだろう,と期待します。
この題材では,最後に私の話を聞きながら涙ぐむ子がいたりして,本当によい時間と空間をみんなで最後に味わうことが出来ます。
作品は持ち帰りますが,なかなかずっと取っておける物ではありません。
ですが,心にはきっとずっと残る授業になるのではないかなぁ,と勝手に思っているのです。
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