芥録 一冊目

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リアル攻殻機動隊を実現する侍

2009-02-19 22:36:36 | コラム(パソコン・デジモノ)
Tonchidot狂騒曲、ザ・ビデオ

Japan does not have its own ideas !?




「これは、現実世界とバーチャル世界を結びつける新たなインターフェースです」


彼は、デモムービーの最後をこう締めくくった。

単語一つ一つを噛んで含めるように話す、わざとらしく力強い音韻。
それだけに一言一言に渾身の力がたぎるそのスピーチは、強い意志をモニター越しにもビシビシと伝えてくる。

「It is an・・・ interface!」

そう叫ぶ、頓智・(トンチドット)の井口尊仁氏は、自信満々に「セカイカメラ」を紹介した。



iPhoneのカメラ越しに見る現実世界は、タグ付けされたWeb上の情報で彩られている。
新しいケータイのレビューが、目の前にある本物とセカイカメラによって結びつけられる。
歩を進めると、リアルタイムにセカイが変わる。
そんな、まさにSF映画や攻殻機動隊の世界を実現しようとしているのがセカイカメラだ。

これ以上言葉を連ねるのは無駄だろう。
私の貧相な文章より、実際にデモムービーを見る方がどれだけいいか分からない。



SekaiCameraDemoVideo of TechCrunch50




彼の審査員に対する受け答えは、会場に爆笑の嵐をもたらした。


「どんな規模でタグ付けをするのか?」
「地球全体です。全部です」

「どうやってそれだけのタグ付けを実現するつもり?」
「一緒にやりましょう!(Let's join us!)」


予算がどうだとか、サーバーの容量がいくらだとか、人材がこれだけいるとか、そうした具体的な情報は全く無い。
ただひたすら、「なんでもいいからやってやるぜ」と言わんばかりに一言で返す。

得てして、こんな非論理の極みとも言える返答は、妙な説得力を持つものだ。
あらゆる反論を御託と斬って捨て、彼らはきっと夢の世界を実現してくれるだろう。
そんな期待を抱かせてくれる。



ところで、個人的になんとなく嬉しいことが一つある。
それは、「セカイカメラ」が「Sekai Camera」であることだ。
日本発なんだから、英語だろうがなんだろうが「Sekai」でいいじゃないか、という意味ではないのかもしれないが、一日本人として些細な矜恃を得るには充分過ぎる名前だ。

「Googleに買収されるのでは?」
という問いに一言
「決して!(Never!)」
と返した日本の侍に、拍手を送らずにはいられない。








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