2007年度クラブニンテンドープラチナ会員プレゼントが発表されました。
クラブニンテンドーとはその名の通り任天堂の会員制度で、任天堂のゲーム機・周辺機器・そしてそのゲーム機で遊べるソフトを買うとポイントが貯まるというものです。
一定以上溜めると「ゴールド」・「プラチナ」とランクが上がり、「プラチナ会員」は毎年何らかのプレゼントがもらえます。
そして今年は、
○Wii スーパーファミコンクラシックコントローラー
○「スーパーマリオギャラクシー」サウンドトラック プラチナ会員バージョン
○クラブニンテンドーカレンダー2008
の中から一つをプレゼント、というものでした。
詳しくはこちら。
スーファミのクラシックコントローラーにも興味はあったのですが、私は二番目のサウンドトラックに即決しました。
そりゃあ、ね。音楽好きなら飛びつきますって(笑)
さて、ここからが今日の本題です。
このサントラ、「プラチナ会員バージョン」と名前がついています。
何故なら、サントラ自体はプラチナ会員じゃなくても入手可能なのです。
400ポイント、マリオギャラクシー購入者は優待として250ポイントで、交換することができます。
プラチナ会員は、それをポイント無しで入手できるわけです。
勿論それだけではなく、通常だと1枚入りのCDを、プラチナ会員限定で
2枚組にしてプレゼントしてくれます。
ここで、恐らく多くの人が抱く疑問。
「なんで売らないの?」
全くです。そして、これこそが今日の本題です。
まずはサントラを販売しない理由。
マリオに限らず、任天堂はあまり自社ゲームのサントラを売りません。
売るにしても、任天堂は決して自社で音楽レーベルを抱えません。
これはうろ覚えでしか無いのですが、確か任天堂のスタンスの一つに
「本業以外で儲けない」
というのがあったと思うのです。
つまり本業であるおもちゃ作り以外で儲けるべきではないということですね。
しかし一方で、「サントラがほしい」という顧客ニーズはあるわけです。
何といっても娯楽業界、特にゲーム業界は「お客様は神様」ですので、ニーズには応えないといけない。
一種のジレンマですね。それで今までは、一部のサントラは販売してきました。
ところが、現在は違います。クラブニンテンドーというプラットフォームができました。
これにより、
「自社製品を多く買ってくれる客」 にそれに見合った謝礼を渡すことができるようになりました。
そうですよね?ソフトを買えば買うほどポイントが貯まり、且つそれによって「プラチナ会員」などの認定がされるわけですから。
「自社製品を多く買ってくれる客」とは「任天堂のゲーム機で多く遊んでくれる客」であり、もっと言い換えれば「お得意様」です。
「お得意様」を大事にするのは客商売の基本。自然な流れとも言えます。
勿論、もっと穿った考え方もできます。
「ポイントによる特典をエサに、消費者を引きつける」ということですね。
実際その側面もあるでしょう。しかし一方で、先述したような側面も確かに存在します。
そして、よくよく考えてみれば、こうした仕組みは実に任天堂にとって都合が良いわけです。
その理由は、次のようにまとめられるでしょう。
○ポイント交換なので、サントラによって直接的に儲けてはいない
○「サントラがほしい」という顧客ニーズに対応できる
○お得意様が満足してくれそうなサービスを提供できる
今までのジレンマを見事に解消できるわけです。
当然、「売ってくれよ」と考える人間もいるでしょうが、サントラそのものを用意はしている訳ですので、その矛先は鈍ります。
ポイント特典でサントラをプレゼントするというのは、「本業以外では儲けない」と「顧客ニーズには応えないといけない」というジレンマを解消するための、ある種の帰結だったのではないでしょうか。
そう考えると、至って明快に今年度のプレゼントを見ることができました。
ま、最後にボソッと言っておくと、
だったらトワイライトプリンセスのサントラも用意してくれよ、と感じているわけなのですが。