言葉の旅人

葉🌿を形どって、綾なす色彩に耽溺です。

「結構…」表現について

2006年10月31日 | Weblog
 おかしな・間違っている日本語表現である。
 この「結構」の誤用に関しては、①「もう結構です。」の「結構」と②「結構なお点前でございます。」の「結構」の違いについてのみが問題であった。
 ところが、昨今の「結構」は、実は結構な状態ではないのである。
 何故かというと、「結構」があちこちで「結構」連発されていて、「結構」耳障りなのだ。
 とふざけては見たが、愉快なものではない。
 この「結構」も叉、表現力の衰えの端的な象徴的な言葉なのである。
 「結構」の中身は、「思っていたよりも結構…。」を単純化したものだ。
 それが、「随分」「大変」「とても」「かなり」…といった多種多様な表現を選び、同じ語句の繰り返しを防いで、聞く人の耳や心に心地よく響いていたはずのものを、いともあっさりと平板で中身の無いものへと変えてしまった。
 言葉というものは、「相手に伝われば良いじゃないか。」では身も蓋もない。
 如何に適切に・時や場所に相応しい表し方をして、対象の人物に伝えようとするかという姿勢・心のあり方が問われるものでもあるのだ。
 TV東京の番組WBSで連発する人が居た。
 ようやくにして注意されたのか、態を潜めてやれやれである。
 本当に苦痛なのだ。
 この事に代表されるように、日本語にとっては文頭に来る「語・語句」が文を決める決定的な役割を果たしてもいるのだから、大事にして欲しいのだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿