有料放送、NHKの番組の中で、唯一、僕が楽しみにしていた番組が、国谷さんがキャスターを務めていた「クローズアップ現代」。 それが終わってしまって、見る番組がない。残念。
その国谷さんが、降板後、初めて寄稿していると Litera が教えてくれた。胸中、どんなだったのだろうと思っていたから、この記事は、皆に紹介しなくてはならないと、このコラムを書いている。http://lite-ra.com/2016/04/post-2160.html
部分引用
政権からの圧力によって、23年間キャスターを務めてきた『クローズアップ現代』を降りた国谷裕子キャスター。降板後、初となる文章を、現在発売中の月刊誌「世界」に
2014年7月に『クロ現』で行った菅義偉官房長官へのインタビューだ。
国谷氏は厳しい質問を繰り出し、菅官房長官ならびに官邸は激怒。
国谷氏は、菅官房長官に集団的自衛権の行使にかかわる問題点を次々に質した。国谷氏の質問内容はいずれも正鵠を射るものだった。
菅官房長官は「日米同盟の強化によって抑止力が高まる。それによって武力行使をせざるをえなくなる状況は大幅に減少する」などと詭弁を弄した。
国谷氏は、〈批判的な内容を挙げてのインタビューは、その批判そのものが聞き手の自身の意見だとみなされてしまい、番組は公平性を欠いているとの指摘もたびたび受ける〉と綴っている。
〈聞くべきことはきちんと角度を変えて繰り返し聞く、とりわけ批判的な側面からインタビューをし、そのことによって事実を浮かび上がらせる、それがフェアなインタビューではないだろうか〉
国谷氏が直面したのは、〈人気の高い人物に対して切り込んだインタビューを行なうと視聴者の方々から想像以上の強い反発が寄せられるという事実〉だった。これを国谷氏は“日本の社会に特有の、インタビューにたいする「風圧」”と表現する。
この同調圧力はどんどんと強まる一方だ。国谷氏はこの寄稿文のなかで〈メディアまでが、その圧力に加担するようになってはいないか
政権が報道を意のままに操るという異常事態を引き起こしてしまった一因には、メディア自体がジャーナリズムの使命よりも既得権益を守るべきという同調圧力に支配されている問題がある。無難を至上命題にするキャスターだらけ
引用終わり
部分的に印象的な言葉を拾ったが、筋は間違えていないと思う。
特に僕が強く感じるのは、日本の今日的な問題は、国谷さんが言う「風圧」であり、「同調圧力」だ。
右に倣え、空気を読め、お上の言うことを批判するな、という、自分の意見を持たない、今の民度の問題だということだ。
この記事を読んで、思い出すのは、山本七平氏の「空気の研究」だ。怪しげな空気ができあがってしまっているのではないかと危惧する。
Lotera にリンクを貼ってあるので、時間の見つけて読んでみてください。