鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

鳥海国定公園におけるスノーモービルの乗り入れについて(山形県議会議事録より)

2022年02月27日 | 鳥海山

 鳥海山のスノーモービルについて、みどり自然課、森林管理署、猛禽類保護センターなどが、「自主規制」を求める協議会を立ち上げる動きがあるようですが、自主規制ということで行政の責任逃れではないかとの声も上がっていますがちょっとだけ期待しましょうか。まともに考えたら規制すべきなんですけどね。車馬というのは規制を受けるものですから、スノーモービルは車馬には当たらないというのはもちろん詭弁。

令和三年山形県議会十二月定例会予算特別委員会会議録 より(議長の呼びかけは省略)

質問者:松 田 敏 男 委員

続きまして、鳥海国定公園におけるスノーモービルの乗り入れについてお伺いします。
 自然環境保全法は、自然公園法その他の自然環境の保全を目的とする法律と相まって、自然環境を保全することが特に必要な区域等の自然環境の適正な保全を総合的に推進することにより、広く国民が自然環境の恵沢を享受するとともに、将来の国民にこれを継承できるようにし、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的としております。そして、同法五条においては、「地域開発施策等における配慮」として、「国は、地域の開発及び整備その他の自然環境に影響を及ぼすと認められる施策の策定及びその実施に当たつては、自然環境の適正な保全について配慮しなければならない。」と定められております。
 また、自然環境保全法の関連法である自然公園法は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的とし、国立・国定公園の保護規制や利用の程度が定められております。   近年、鳥海国定公園において、スキー場が冬季営業を終える四月、五月頃になると、東北内外のスノーボーダーからの予約を受けて、鳥海山の山形県側の南斜面や秋田県側の北斜面をスノーモービルで駆け上がり、客を山頂周辺まで案内し、滑降とモービル走行を繰り返すことへの賛否が自然保護の観点から話題を呼んでおります。
 そこで、鳥海国定公園におけるスノーモービルの乗り入れについて、まず、規制が最も厳しい特別保護地区との関連で、スノーモービル走行をどのように捉えているのか、環境エネルギー部長にお伺いいたします。


○杉澤環境エネルギー部長

 お答え申し上げます。山形県と秋田県にまたがる鳥海山は鳥海国定公園に指定されており、その中で、山形県側の山頂付近一帯は特別保護地区に指定されておりまして、スノーモービル等の乗り入れが禁止されております。それ以外の、第一種、第二種、第三種とありますけれども特別地域、そして、普通地域には特に規制がないため、スノーモービル等の乗り入れは可能な地域となっております。 
 このほかに、自然公園法における保護規制としましては、今申し上げた規制が最も厳しい特別保護地区とは別に、特別地域の中にスノーモービル等の乗り入れを禁止する車馬等乗入れ規制区域というものを指定することによって規制することも可能な仕組みにはなっておりますが、ただし、この区域指定を設定する場合には、スノーモービルの走行が野生動植物にどのような影響を及ぼすのか、これについて科学的な根拠を示す必要があります。また、その土地の所有者ですとか管理者にもその乗り入れ規制の受忍義務というものが生じますので、これら関係者の積極的な賛
同が必要になるということがあります。現時点において、これらの関係者からこうした意向までは示されていないという状況です。
 それから、秋田県側で設定されている自主規制エリアですが、これは、スノーモービルの愛好者団体ですとか地元の山岳会、そして自然愛好家、こういった地元の関係者が協議の上で自主的にエリアを設定してルールを遵守するというものであります。現時点において、山形県側ではこうした動きには至っていないという状況にあります。しかしながら、地元関係者からは、スノーモービルの走行によって低木等が損傷している可能性ですとか、あるいは騒音がイヌワシの生息への環境に影響をもたらしているのではないかといった懸念の声も聞かれております。自然公園の保護と健全なスノーモービル利用の促進というこの両立を図るために、どのような対策や仕組みが可能であるのか、今後、地元関係者等と意見交換を行うなどして研究してまいりたいと考えております。


○松田委員
 いろいろ月山辺りの状況なども調査をさせていただきました。月山周辺では、鳥海山よりもかなり規制が厳しく、住民の理解が得られている、住民自らが規制すると、こういうような状況になっていると。こういう状況から見ますと、あまりにも鳥海山としては生ぬるいんではないか、こんなふうに私は考えるわけであります。鳥海山一帯は、今、部長がおっしゃったような国の天然記念物であるイヌワシの行動圏となっており、特に、冬から春は産卵やふ化の重要な時期である。スノーモービルの乗り入れを規制する実効性のある法令はないものの、それぞれこれらのことを考えれば、県としても何かの規制があってもいいのではないかと、こんなふうに私は考えるわけでありますけれども、部長、この点についていかがでしょうか。

○杉澤環境エネルギー部長
 ただいま申し上げましたとおり、法規制上、直ちに有効な手だてというのはなかなか見いだせてはおりませんけれども、まずは地元関係者の方々、ここにはその土地の所有者、管理者である公的機関も含まれますけれども、そういったところとも話合いを持って、今後の方策について何ができるかということで研究してまいりたいと思っております。

○松田委員
 いろいろ賛否が分かれるところでありますけれども、法律というのは抜け道があって、なかなかついていけない点もあることは私も承知しているところでありますけれども、こんな記事がありましたので紹介させていただきます。
  登山者とモービル愛好家の縄張争いと取られてしまったら鳥海山というかけがえのない自然に対しては失礼なことではないでしょうか。一説によると、月山、朝日など他の山岳で規制が厳しくなってきているので、規制が薄い鳥海山に全国からスノーモービル愛好家が多く集まってくるのではないか。こんなことを言われる方もあります。そして、鳥海山の地域がイヌワシの行動範囲であり、その餌となる小動物に与える影響はもとより、動植物の生態系保全の立場から何らかの規制が必要ではないでしょうか。月山、朝日ではスノーモービル協会に自主規制を呼びかけた結
果、それなりの効果があったと聞いております。スノーモービルの入山地点に自粛の看板を設置するだけで、少しは改善された。
 こういうようなこともありますので、ぜひ県としてもこれらの対応を、看板の設置ぐらいはできるのではないかと思いますので、ぜひ実施をしていただきたいと、こんなふうに思います。部長、その点いかがでしょうか。

○杉澤環境エネルギー部長
 看板の設置というお話がございました。その管理責任を持つ管理者がどうなっているかというところもありますので、その点も含めていろいろ研究してまいりたいと思っております。


○松田委員 環境エネルギー部長、ありがとうございました。 

 

 この回答を読んで、逃げだ~、とは誰しもが思うでしょう。普通の会社であれば、こういう回答をしたら怒鳴られ口先だけでやる気がないなと見下されます。いろいろ研究、ということであればだれがいつまで、どのような方法でどのような研究をするか、まずは書面で何日まで提出、と質問者もそこまで求めます。PDCAのとっかかりでしょうか。したり顔で「政治というものは」「諸事情が」と擁護するものも出てくるのは先刻ご承知。コロナもウクライナもあるでしょうがこれもあるのです。

 鳥海山は信仰の山でいたる所拝所ですのでこの際スノーモービルで走り回るものには刑法の礼拝所不敬罪(刑法188条1項、罰則は、6月以下の懲役・禁錮または10万円以下の罰金)を適用しましょう。😁


コメントを投稿