鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

遊佐町沖風力発電 安全性に疑問や不安の声

2024年03月08日 | 鳥海山

 コミュニティしんぶん2024年3/8号記事より


遊佐町沖風力発電
安全性に疑問や不安の声
沿岸域検討部会で住民、漁業者から


関係者約40人が出席した遊佐沿岸域検討部会

 洋上風力発電事業の「促進区域」に国が指定し、1月に発電事業者の公募を始めた遊佐町沖での影響や課題などを議論する「遊佐沿岸域検討部会」(部会長・三木潤一東北公益文科大学公益学部長、委員27人)が2月29日、遊佐町の遊楽里で開かれ、委員から能登半島地震を踏まえ、発電施設の安全性に疑問や不安の声が上がった。同町沖の洋上風力発電事業では、庄内地域の住民団体が同月20日、遊佐町議会に対し事業者公募の中断を要望する意見書を経済産業、国土交通の両大臣に提出すよう求める請願を提出しており、町民の間で洋上風車の安全性を危惧する声が強まっている。(編集主幹・菅原宏之)

予定地5キロ先に海底活断層

 同部会の意見交換では、脱炭素・気候危機対策の手段として、事業化に期待を寄せる意見が相次いだ。
 伊原光臣県漁協理事は「温暖化による海水温上昇の影響や陸上の経済活動による環境変化の影響を最も受けやすいのが漁業。共存共栄に向け、漁業振興策を真摯に話し合える事業者を選定してほしい」と述べた。
 池田穣町商工会事務局長は「温暖化を阻止するための事業であり、実現させてほしい。この事業をうまく活用しながら、地域経済を活性化する知恵を出し合う必要がある」と語った。
 こうした前向きな声がある一方で、筒井義昭吹浦地区まちづくり協議会長は元日に発生した能登半島沖地震に言及し「事業予定地の5キロ西側先には数多くの海底活断層がある。そこを震源とする地震が発生した際の、洋上風力発電施設の安全性を担保する調査はなされているのか」とただした。
 西尾文吾資源エネルギー庁新エネルギー課長補佐は「発電事業者の選定の際には、厳しい技術的な基準を設けており、500年に1度発生する最大規模の地震、50年に1度発生する最大規模の台風があったとしても、構造上安全な施設を求めている」と答えた。
 五十嵐敏彦県北部小型船漁業組合員は、青森県六ケ所村で昨年3月に発生したタワーの倒壊を取り上げた。
 そして事故は風速8~10メートルで起きたと指摘し「我々は洋上風車の下で操業しなければならないが、その程度の風速で倒壊することを危惧している」と話した。

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関係者約40人が出席した遊佐沿岸域検討部会

町の回答書を厳しく批判

 佐藤憲三遊佐地域づくり協議会長は、本紙2月9日号、同23日号の記事を基に、庄内の住民でつくる「鳥海山沖洋上風力発電を考える会」と、遊佐町を中心に全国各地の住民でつくる「山形県鳥海山沖の巨大風車はいらない有志の会」の両住民団体の活動を取り上げた。
 このうち考える会については、1月30日に町幹部と面談した際に、同16日付で町長に提出していた意見書に基づき、海域における遊佐町の権限や予防原則の考え方など計7項目で疑問点などを指摘している、と経緯を降り返った。
 その上で「報道によれば『町側から明確な見解は得られなかった』とあるので、町として親切、丁寧に対応するべき」と話した。
 太田智光遊佐町地域生活課長は「当日は私が面談した。その際の回答内容は、コミュニティしんぶんにも詳しく載っていなかったが、回答書(2月1日付)として答えている」と述べた。
 これに対し考える会事務局の梅津勘一氏は本紙の取材に「回答書には『ご意見として承ります』『ご意見の通りだと考えます』などといった記述が7項目中4項目で見られる。町の回答は、我々の疑問や問題視していることに、まともに答えていない」と厳しく批判した。
 当日は、槙裕一県エネルギー政策推進課長が公募占用指針を踏まえ▼発電事業者の海域占用期間は最長30年間▼発電施設は着床式で発電出力は45万キロワット▼運転開始時期は最速で30年6月30日▼利用(基地)港湾は酒田港―などと説明した。

住民が公募中断求め請願

 考える会は、遊佐町議会に請願を提出してもいる。
 請願では「報道により、新潟から北海道までの海底活断層について、文部科学省の地震調査研究推進本部によるボーリング調査・評価が、まだ行われていないことを知った。活断層の活動が分かって初めて、洋上風力発電の安全を担保する設計方法を決めることができるはず」と指摘した。
 そして「文科省の地震調査研究推進本部による地震活動の調査・評価が行われ、洋上風力発電の設計方法を決めることができるようになるまで、今回の事業者公募を中断するよう、経済産業大臣と国土交通大臣へ意見書を提出するよう請願する」と主張している。
 町議会3月定例会では6日、請願審査特別委員会で審査され、採決を行った。


 3/6の請願審査特別委員会の審査は案の定不採択となりました。その審議は傍聴してすべてメモとってありますが脱力して書く気も起きません。
 りょうぜん町(と聞こえたが、霊山町は福島の小型風車あるところ)の風力発電は1/1の地震で三基とも倒れなかったから風車は地震に対して大丈夫だと、場所も規模もかけ離れた話ですけどね。

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