「沈黙のルール」(原題:THE RULES OF SILENCE)デイヴィッド・リンジー 2006/10 読了 ☆☆☆☆☆
IT業界の大立者タイタス・ケインが、アルヴァーロと名乗る男から、6400万ドル(約70億円)を払わなければタイタスの近親者を一人ずつ殺していくと脅迫された。警察やFBIへの通報を禁じ、タイタスの二匹の飼い犬を惨殺して男は立ち去った。翌日、タイタスの親友が事故死する。続いて秘書が謎の死を遂げた。やつらの思いどおりにはさせない。タイタスは身の危険を顧みず、最新鋭のテクノロジーを駆使して犯行グループの追跡を開始した…。闇の中で、人知れず、両者の戦いの幕が切って落とされる。(「BOOK」データベースより)
このところ五つ星の連続でその採点基準の見直しが迫られるが、予備知識少なく初めて読む作家である本書は、グレッグ・ルッカ「逸脱者」、マイクル・コナリー「暗く聖なる夜」、ローレンス・ブロック「すべては死にゆく」を越える抜群のおもしろさ、今年はじまったばかりだが、年間1位の最有力候補となる。
著者がある日、突然世界が変わる同時多発テロの9,11事件をモチーフにはなった国際陰謀小説。平和に豊かに暮らしていた、そのことが豊かでない人々の憎悪を招いてしまう。狂気と呼ぶしかない憎悪をいだかせてしまうほど現代社会における国際間の経済格差は絶望的になっているのか。
特定のイデオロギーを持たず暴力的で自分本位の略奪者、恐怖の巨匠であるルクウェインと元CIA情報員バーデン率いるそれぞれプロの戦士が、いきなり不条理な要求をつきつけられたタイタスを間にすさまじい闘争をくりひろげる。題名のとおり沈黙のルールのなかで暴力、残酷、戦慄、苦悩、復讐、絆、自己存在が脅迫された1日目からケリのつく4日目までスリリングに展開。昨年の年末年始期は、ジェイムズ・カルロス・ブレイクの「無頼の掟」に、今期は、この本の壮絶さに興奮させられた。
それにしてもこの本は対象期間発刊なのに2007版「このミステリーがすごい」の海外篇ベスト30位にも入っていない。好みの差?出版社が柏艪舎になって本屋にならんでいないから?
IT業界の大立者タイタス・ケインが、アルヴァーロと名乗る男から、6400万ドル(約70億円)を払わなければタイタスの近親者を一人ずつ殺していくと脅迫された。警察やFBIへの通報を禁じ、タイタスの二匹の飼い犬を惨殺して男は立ち去った。翌日、タイタスの親友が事故死する。続いて秘書が謎の死を遂げた。やつらの思いどおりにはさせない。タイタスは身の危険を顧みず、最新鋭のテクノロジーを駆使して犯行グループの追跡を開始した…。闇の中で、人知れず、両者の戦いの幕が切って落とされる。(「BOOK」データベースより)
このところ五つ星の連続でその採点基準の見直しが迫られるが、予備知識少なく初めて読む作家である本書は、グレッグ・ルッカ「逸脱者」、マイクル・コナリー「暗く聖なる夜」、ローレンス・ブロック「すべては死にゆく」を越える抜群のおもしろさ、今年はじまったばかりだが、年間1位の最有力候補となる。
著者がある日、突然世界が変わる同時多発テロの9,11事件をモチーフにはなった国際陰謀小説。平和に豊かに暮らしていた、そのことが豊かでない人々の憎悪を招いてしまう。狂気と呼ぶしかない憎悪をいだかせてしまうほど現代社会における国際間の経済格差は絶望的になっているのか。
特定のイデオロギーを持たず暴力的で自分本位の略奪者、恐怖の巨匠であるルクウェインと元CIA情報員バーデン率いるそれぞれプロの戦士が、いきなり不条理な要求をつきつけられたタイタスを間にすさまじい闘争をくりひろげる。題名のとおり沈黙のルールのなかで暴力、残酷、戦慄、苦悩、復讐、絆、自己存在が脅迫された1日目からケリのつく4日目までスリリングに展開。昨年の年末年始期は、ジェイムズ・カルロス・ブレイクの「無頼の掟」に、今期は、この本の壮絶さに興奮させられた。
それにしてもこの本は対象期間発刊なのに2007版「このミステリーがすごい」の海外篇ベスト30位にも入っていない。好みの差?出版社が柏艪舎になって本屋にならんでいないから?