なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

ユルキャラ

2006年02月14日 23時35分53秒 | 本・雑誌
「考える日々Ⅱ」池田晶子 1999/12 読了 ☆☆☆☆
『~ネット通信というのは「人とつながりたい」という欲望によるという。この「人とつながりたい」という欲望とは如何なる欲望なのか、それが不可解なのだ。人の言う「淋しい」という感覚が、どうも私には欠けているようなのである。

孤独ということなら、私は自分の孤独に満ち足りているので、少しも不足を覚えない。孤独が充実しているからこそ、言葉も充溢してくるわけで、空虚な孤独が空虚な言葉でつながって、果たしてつながったことになるのかと疑う、他人を求めるより自分を索めるほうが、順序としては先のはずだ。~ガラクタのような外界の情報群に、いったい何を求めているのか、各自で自問するしかない。』(本分より)

「ぼくのともだち」エマニュエル・ボーヴ(1924本書)2005/11 読み始める
パリでもっとも不器用な男の話。孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!…実際、友情を示してくれる人には、ぼくはとことん優しくなれる。年金もベッドも独り占めしない。逆らったりなんか絶対にしない。ぼくの望みは、その人の望みを叶えることだけだ。犬みたいにどこにだってついていく。その人が冗談を言ったら、ぼくはきっと声をあげて笑うだろう。もしも誰かがその人を悲しませたら、ぼくは涙を流すだろう。(「BOOK」データベースより)

第一次世界大戦後に書かれた作品。ブックレビューでの紹介。ユーモアとペーソスを交え、都会で孤立する不器用な人物像に読者の共感。今で言うユルキャラみたい。

図書で4冊借りる。
「ぼくのともだち」エマニュエル・ボーウ
「古道具 中野商店」川上弘美
「ロビンフッドに鉛の玉を」ステュアート・カミンスキー
「ブログ 世界を変える個人メディア」(原題:We the media)ダン・ギルモア

ピータン

2006年02月14日 23時21分13秒 | 生活
晴れのち曇りのち雨、
朝からマンガ喫茶で新聞・雑誌以外にコミックKISSの「ホタルノヒカリ」を読んでみた。「のだめカンタービレ」やこの手のマンガは若い人にまかせましょう、それより同本掲載の伊藤理佐の「おい ピータン!!」の方が好みにあった。卵酒の正しい作りかた知らなかったぞ。

午前は天気よく暖かかったので発作的に植物園登山口から近くの山に登る。標高425m、距離1.8km、 登り35分・下り25分。頂上の見晴らしいまひとつ。
メモ
①ライブドア事件は、単に証券取引法違反にとどまらず、マネーロンダリング、プライベートバンク等など金融犯罪の様相を見せてきた(犯罪収益の洗浄の犯罪化: ・犯罪収益の不正な起源を隠匿すること等の目的で犯罪収益である財産を転換し又は移転すること及び犯罪収益である財産の真の性質等を隠匿し又は偽装すること。 ・犯罪収益である財産を取得し、所持し又は使用すること)。

日本外国特派員協会の講演で立花隆氏は東京地検特捜部の100人規模捜査体制はロッキード事件以来だと指摘し、ブラック(裏)社会との関係が言われているが、その恐ろしさは(自殺されたとされる)野口英昭エイチ・エス証券副社長の件にうかがえ、リクルート事件のような展開もあり、ライブドア事件は戦後最大の事件になる可能性を示唆させていた。

②中国の戸籍制度。同じ交通事故で死亡した農村籍の子の賠償金7万元(約98万円)、都市籍の子20万元(約280万円)、死亡賠償金規定の戸籍のある本籍の平均収入の20年分が根拠。経済発展に必要な労働力として暫定的に都市住居を認められているにすぎない。

賃金抑えられ、長時間労働を強いられる。社会保障も不十分。中央党校の四川省調査で出稼ぎ農民の労災保険加入率3.14%、失業保険加入率0.83%、医療保険加入率0.84%。小中学入学も追加費要求の地域あり。
日本より強烈な格差社会だ。

オリンピックで印象に残った選手、試練をのりこえ7位に入ったフィギアペアの井上怜奈。

レンタルDVD

2006年02月14日 23時14分01秒 | 映画
「ションヤンの酒家」(原題:生活秀 LIFE SHOW)2002、2004/9DVD ☆☆☆
監督: フォ・ジェンチイ 原作: チ・リ 脚本: ス・ウ 出演: タオ・ホン/タオ・ザール/バン・ユエミン
『山の郵便配達』のフォ・ジェンチイ監督とス・ウ脚本コンビによる感動ドラマ。急激な都市開発が進む重慶の旧市街を舞台に、一軒の屋台を営む女主人・ションヤンが、明日の身に怯えながらも、身に降りかかる不幸にめげず懸命に生きる姿を描く。(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

「山の郵便配達」(1998)での父と息子の交流と自然や村描写で好感もてたのでこの監督作品をかりる。文革後の登記簿不正、都市再開発、株の個人投資、官僚腐敗、都市戸籍、一人っ子政策、麻薬汚染、家庭内対立などさりげなく織り込みながら高層ビルが立ち並ぶ経済開発区の対岸とは対照的な旧市街地、夜店が賑わう昔ながらの雑踏が「吉慶街」を舞台にションヤンの生活ぶりを描く。

小説「生活秀」原作の映画化だったらしいが、農村が舞台で自然にも人間にも素朴さの残る郵便配達とは大違いだった。
気になった2点①出演者のタバコ吸いすぎ  ②ションヤンが好意をよせる男優のデコの禿げ上がり。
ションヤンは、若い雇い人に言う。
「ふりかかる災難は自分でカタをつけるのよ」