日本の名城・古城 城撮り物語

全国各地の名城・古城の現況を写真でレポートします。

杉山城の巻 戦国初期に山内上杉が築城、往時の郭、土塁、空堀が近年発掘整備される

2015-03-07 18:21:30 | 埼玉
埼玉県比企郡嵐山町にある杉山城へいきました。比企郡にある松山城、杉山城、小倉城、菅谷館は比企城郭跡群に指定され、近年発掘・整備作業が行われています。
私は昨年12月に比企郡吉見町の松山城へいきましたが、松山城も杉山城も戦国時代初期、山内上杉と扇谷上杉が抗争を続けたころに築城されました。
杉山城は2002年から始まった発掘調査により、山内上杉氏によって築城されたという見方が強くなってきました。
私はかつて東松山市の住人でしたが、松山城の存在は知っていましたが杉山城のことは知りませんでした。私が住んでいた当時はまだ発掘調査は行われていなかったので、地元でも話題になっていなかったのでしょう。

杉山城跡は関越自動車道・嵐山寄居ICの近く、玉の岡中学校の裏手の山にあります。中学を目指して進み、中学の手前で積善寺へ向かって城山の方向へ行きます。

積善寺

杉山城の大手前、出郭。積善寺のすぐ裏が杉山城跡です。

ケースの中に杉山城跡のパンフレットが入っています。近年発掘されたからなのか、きれいな冊子が用意されているのには感心しました。

小高くなっている部分が大手口です。


案内の立て札もしっかり整備されています。





外郭のすぐ下に民家があります。


東二の郭へ進みます。杉山城は本郭を中心に東方に東二の郭、東三の郭、北方に北二の郭、北三の郭、西側は崖、南方に南二の郭、南三の郭、西南に小さな井戸郭と北・東・南に郭を配し、北と東の間、東と南の間がそれぞれ谷が食い込み、西側は大きな谷となっており、理想的な城構えとなっています。





本郭の東虎口。本郭には東、北、南の3つの虎口があります。




本郭の史跡杉山城跡の碑。本郭はけっこうな広さです。視界がよければ日光の山々が見えるそうです。


北虎口
















南二の郭




井戸跡





南三の郭の南、城の最南端に馬出郭があり、大手の方へ馬を出せる構造となっています。






杉山城跡は私有地です。所有者の同意、協力のもとに嵐山町が発掘調査、整備事業を進めています。


思っていた以上に杉山城は良かったです。近年の発掘調査により城の全容が明らかになってきました。大成果でした。

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