こんな、薄く花びらのような野菜が散りばめられた、美しい一皿を頂いたのは、何年ぶりだろう…。
パリ、マレ地区にあるclaude colliotというレストラン。
正直、子ども2人も一緒で、こんなレストランには絶対に行けないだろうと思っていた。
展示会のオープニングの為、一日早くパリに着いていた主人が、前日夜に主催者に連れて行ってもらったというお店。
外観はとてもシンプル。そんなに堅苦しい感じではないが、明らかに大人な雰囲気。ドアを開けると、感じの良いウエイターが迎えてくれた。子どももOK!
ここのマダムはとても気さくな感じで、子どもたちが飽きないようにと気遣ってくれて、おもちゃやバゲットの端など、さり気なく、タイミング良く持ってきてくれた。そのおもちゃがまた趣味が良く、布でできた野菜がバスケットに入っているものや、動物の家など、どれも素敵で、この店に馴染んでいて、素敵だった。こだわりのある店のセンスは、そんなところにも光るものだ。
食いしん坊の息子、特別に持ってきてもらった、バゲットの端をガジガジ。
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私が前菜に頼んだかぼちゃのスープ。かぼちゃのスープは良く作るけれど、こんなのは初めての味!半分は息子のものに。トリュフの香りがした。
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主人の前菜、卵の火の入り具合が絶妙。
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私のメインの皿、「本日のお魚」
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お魚と一緒に出てきた副菜、マッシュポテト。マッシュポテトの上に、カプチーノのような泡状のクリーム。メレンゲのような感じもした。この組み合わせは◎!もう一つの副菜は、和食の白煮を思わせるような一品。玉葱の甘みが引き立つ、繊細な良いお味。
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主人のデザート、サクッとしたビスケットのチョコレートソース絡め。添えられたイチジクも美味。
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私はデザートに、マスカルポーネとリンゴの一皿を。じっくりと引き出されたリンゴ本来の甘みと、マスカルポーネ。真似をしてみよう!と思ったけれど、きっと同じ味にはならないかな?これは本物の花びら付き。
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美しく上品な盛り付けで、そんなに量が多く見えなかったのに、すべて頂いてみると、結構な量だ。でも、味付けが全体に繊細で、さっぱりしているので、後にもたれるようなことはなかった。素材の味を最大限に生かしつつ、素材のみではけして引き出せない味、そして目にもおいしい美しさ、という二重の愉しみ。
我々がデザートを堪能している頃、店のシェフ、Claude Colliotさんが出てきた。隣の席に座って、何やら真剣に話をしている。話し相手は、最初にあのマダムと話をしていた若い青年、どうやら仕事の面接をしている様子。フランス語で、何を言っているのか全然わからなかったが、このシェフの仕事に対する情熱が、私たちにまで伝わってきた。後から知ったのだが、彼はパリの様々なレストランで、次々と人気レシピを生み出した、フランス料理界の新星、とのこと。キラリと鋭い目が印象的な、素敵なシェフだった。
ため息の出るような、この上なくおいしいランチ、ご馳走様!
claude colliot
40 Rue Blancs Manteaux, 75004 Paris
+33 (0)1 42 71 55 45
続いて、2軒目は、日本人シェフのフランス料理店、Kigawa。
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土曜日のディナー。当日の昼頃、電話で予約したが、9時半までに席を空けるという条件で、何とか予約が取れた。
ドアを開けると、日本人のスラリとした女性2人が迎えてくれた。日本人の心配りは素晴らしい!ベビーカーや買い物袋など、小さな店にはとても迷惑な大荷物で出かけてしまった私たちに、とても快く対応してくれた。入り口正面に飾られた白いカンパニュラの花が目に留まる。
小さな店だが、隅々まで手が行き届いている感のあるお店。
私と夫は、セットメニューから、前菜、メイン、デザートと3皿ずつ、友人は前菜、メイン。子どもたちは、娘がシーフードのリゾット、1歳の息子はスープをオーダーした。
前菜は、いわしのマリネ、ネギとシソ添え。ネギの甘みがグッと凝縮されて、いわしととても良く合う。
息子のスープはコンソメベースのシンプルながらコクのある一品。卵白のムースのようなものがプカプカ浮いていて、いかにもフレンチ。一歳児にはちょっと贅沢かもしれないけれど、かなりおいしかった様子。
私のメインは、本日のお魚。鱈のムニエルに、トロトロの茄子が添えてあった。お魚もおいしかったけれど、この茄子が絶品。
主人のメイン、牛タンのロースト、マッシュポテト添え。牛タンは、お箸で切れそうなくらいホロホロだった。
私のデザート、レモンクリームのベリーフルーツ添え。下に敷いてあるカリカリのクランブルの食感がこれまた良い。
在仏日本人の間で話題の新しい店、と聞いていたが、周りを見渡すと現地の人の方が多かった。
厨房は一人なのだろうか。世界に名立たるフランス料理の本場、パリで経験を積み、現地で店を構え、現地の人に立派に支持されている日本人のシェフ。
店の奥の厨房から、時々そのシェフが顔を覗かせて、客の食事の進行の具合を伺っていた。
こうして一皿一皿丹念に作られたお料理。どれもその心が伝わってくるようで、温かでおいしかった。親切な客の対応をしていた二人の女性のうちの一人は、シェフの奥様で、デザートを担当するパティシエらしい。昨年オープンしたばかりというこの店。若いお二人の料理への情熱が詰まった店。好きだなー、こんな店。
もっと写真を撮りたかったけれど、何となく撮りにくい気がして、外から一枚のみ。
Kigawa
186 Rue Chateau、Paris
+33 (0)1 43 35 31 61
そしてこちらは、レストランではないけれど、Sadaharu Aoki。
唯一カフェスペースのあるセギュ-ル店。
有名だけど、こちらもパリの日本人。
パリが本店のSadaharu Aoki、ロンドン在住の私だが、東京ミッドタウン店にしか行ったことがなかった。東京の店でぜひお茶が飲みたかったのだが、小さな娘を長蛇の列に並ばせることはできず断念、持ち帰り用に焼き菓子等を買ったのみだった。でもそのお菓子の一つ一つが驚くほどおいしくて!
パリに行くたびに、必ずここのお菓子をおみやげに買ってきてくれるCちゃん。何と今回偶然にも同時期にパリにいるということが判明。CちゃんとSadaharu Aokiでケーキを食べる!という夢が、とうとう叶ったのだった。東京では信じられないほど空いている店内。ゆっくりと静かな空間で頂くと、味も違うに違いない。せっかくのパリ、日本でも行ける店にわざわざ行かなくても、と思うかもしれないが、やはりパリ本店に行く価値大!
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娘が一番欲しがった、カラフルなチョコレート。店でも頂き、買って帰った。
こんなチョコレートは、ありそうでなかなかない。
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モンブラン。
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ホワイトチョコと抹茶、ゴマのケーキ。
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カウンターの後ろの壁に掛けてあった、植物、苔。
苔って本当に面白い。
日本の庭の美が凝縮されているような…。
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テーブルの可憐な花。
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ケーキの味はもちろん極上。こんなもの、絶対に自分では作れない。
お茶は南部鉄器の急須で出された。
良い午後でした。
Sadaharu Aoki
25, rue Perignon, 75015 Paris