LONDON DIARY

ロンドン在住フローリスト、asuka のブログ。

春の山 雛祭り

2008-03-05 01:42:06 | food


娘にとって3度目の雛祭り。
今年も、両親が贈ってくれたとっておきの葵雛を飾って、ちらし寿司と和菓子でお祝い。故郷は遠くても、大和撫子にとっては、大切なお祝いの日。
日頃は人一倍やんちゃな我が娘も、お雛様には邑楽を感じるのか、最初の年から、格別な敬意を表してきた。もうすぐ3歳になる今年は、「おみさま」…と、かえって「お雛さま」とそのまま呼ぶよりも恭しい呼び名を、自ら名付け、毎朝「おみさま、おはよう」(ございます…はまだ知らず…)そして夜寝る前は、「おみさま、おやすみなさい」とご挨拶も欠かさない。





雛祭りの数日前、妹から小包が届いた。
中にはひなあられと、和菓子「春の山」。
こういう和菓子には、見た目に美しく、おいしいだけでなく、作り手の、そして贈り手からの心が込められている。送られた側はその心も味わうのだ。
そんなことが、一緒に送られてきた「銀座百点」という冊子にも書かれていたけれど、本当にそうだと、しみじみと思った。

そういえば、最近読んだ、「終わらない庭」という本で、三島由紀夫が京都の仙洞御所の庭を取り上げて、日本の庭には時間の概念があり、そこが西洋の庭と根本的に異なると述べていた。視点の移行によって、始まりが終わりになり、終わりが始まりに…つまり永遠に終わることがない、庭。滝や池の水の流れや、木々の葉の移ろい。広大な規模の幾何学的美によって、権力者の支配的空間となった西洋の庭には全くないこの「時間」という概念。おそらくこの概念は、四季それぞれの趣に浸れるだけの変化のある風土と深く関っているのだと思うけれど、それにしても、日本ほどに”季節”というものを大事にしている国が他にあるだろうか。

この細やかな感覚こそ、日本固有の美意識であり、大切にしていきたいと思う。
だから、雛祭りには、ゆっくりとお茶を淹れて、できれば季節の和菓子を味わいたい。

日本から届いた「春の山」に、故郷の桜を見た思いがした。




元々は、こんな贈り物は期待していなかったので、何か手作りしようと、数日前に自家製つぶあんだけは用意していた。そこで一応、手作り和菓子をいくつか試作。まずはあんこと生クリームを巻いて、抹茶ロールケーキ。和菓子に馴染みのないメキシコ人親子のおもてなしに…。お母さんの方は、結構気に入って食べてくれたけれど、2歳の子はあんこをきれいに残していた…。ちなみに我が娘には大好評!







それから、いちご大福。大のいちご好きの我が娘。苺のショートケーキは苺のみをぺロリ!だったけれど、これは気に入ってくれた様子。あんこもかなり好きらしい。



あとは「春の山」の風情には程遠いけれど、お団子も作った。みたらしとあんこと両方で…。

それと、これは作ったとはいえないけれど、バナナに生クリームとあんこを乗せて、簡単和風パフェ。これが意外においしかった。適当だったので写真はなし…。


我が家の雛祭りメニューから2品ご紹介。



いちご大福


材料

おもち 270g
砂糖  80g
水   100g
あんこ 200g
いちご 10個
片栗粉 適量

作り方

1.あんこを20gずつ分け、いちごの下に置き、下からいちごに半分くらい被せる
2.砂糖と水を溶かしてシロップを作る。
3.おもちを鍋に入れてお湯で茹で、やわらかくなったら水を切ってボールに移し、木べらで混ぜ、徐々にシロップを加えながら、軟らかく練り上げる。
4.3.を鍋に戻して弱火で熱しながら練り上げる。
5.片栗粉をたっぷり入れた平たい容器におもちを移し、10等分。
6.熱いうちに円形にのばして、手に片栗粉をまぶして、すばやく1.を包む。


作り方はCookPadに載っていたものを参考にしていますが、レンジがないので、鍋で作りました。


ホタテの茶碗蒸し
<桜井笑子さんの「白だし和食」(講談社)より>




材料 (2人分)

帆立缶 小1缶(75g)
卵液  卵2個
    帆立缶の汁 大さじ4
    だし汁   カップ1
    白だし   大さじ 1半
    酒     大さじ1
トッピング 長ネギのみじん切り 大さじ3
      ごま油       小さじ1
      白だし       小さじ1

作り方

1.帆立缶の身を取り出してほぐし、汁はとっておく。
2.ボールに卵を溶き、帆立の汁、だし汁(冷やしたもの)、白だし、酒を加え、よく混ぜ合わせる。
3.器に2.を漉しながらいれ、ほぐした帆立を入れる。
4.蒸気の上がった蒸し器で強火で2~3分、その後弱火で10~13分火を通す。(菜箸を一本蓋に挟んで蒸すと、失敗が少ないようです)
5.トッピングの材料を混ぜて上にのせる。

主人方の母から送ってもらったこのレシピ本。全て「白だし」という調味料を使うレシピなので、それまで使ったことのなかった私も初めて白だしを購入。要するに、おだしの効いたお醤油なのだが、色が薄いので、料理がキレイに仕上がる(はず)。それまでは、そんな調味料を使うのは邪道だと考えていたけれど、結構おいしいので、時々使っている。(ロンドンでも購入可能!)特にこの帆立の茶碗蒸しは、大のお気に入りで、我が家の定番メニュー。