LONDON DIARY

ロンドン在住フローリスト、asuka のブログ。

グリさんの帽子

2010-10-21 01:44:56 | shops

「その帽子、どこで買ったの?」と何度この夏聞かれたことか。
それ程いつもいつも、とにかくよく被っていた。

その度に、「これはねえ…グリさんの帽子と言って…」とこの帽子を買った経緯を話す私…。

グリさん、というのは、内山グリさんといって、東京、千駄木で手作りの帽子を作っているデザイナーの方。去年の夏、ふと何かで彼女の記事を見つけて、一時帰国していた、栃木の実家から暑い暑い日に、わざわざその為に、当時4歳だった娘と二人で、電車を乗り継いで行ったグリさんのお店。



棚にはまだ夏の帽子が並んでいたけれど、もう秋冬ものの注文が中心となっていて、今からオーダーしても、最低1ヶ月はかかるので、その夏に被るのはもう無理だとのこと。とっても素敵だったから、本当はすぐにでも被りたかったのだけれど、ロンドンに戻るまでにはどうしても間に合わない。それでも、次の年には被れるのだから、と楽しみを先に延ばしてオーダーすることに…。

帽子を選ぶ際には、私の顔に似合う形、(グリさん曰く、どんな人にも似合う帽子はあるとのこと。)雰囲気などを、的確にアドバイスしてくれて、迷いなく、オーダーをすることができた。


私はこの帽子のリボンの色だけ、紫色に変えてもらうことにした。
同じ紫色にもいろいろあって、リボンの見本を見ているだけでも楽しい!

グリさんの帽子は、形の美しさは然る事ながら、色使いが絶妙。
日本では、千駄木のお店の他、バーニーズや伊勢丹などでも扱われているとのこと。
ロンドンから来たという話をしたら、ロンドン帽子デザイナーのフィリップトレイシーの店に行かれた話など、楽しそうに話してくれたグリさん。グリさんのブログには、帽子のお話以外にも、食べ物やアートのお話など、ちょっとした小話がいつも盛り込まれていて、いつも、ああ覗いてみてよかった!と思う。

この日も、近所のおいしいお店などを聞いたら、(やっぱり食いしん坊の私にとって、千駄木辺りでは、食ベる楽しみは不可欠!)快くいろいろと教えてくれた。


娘が「おそばが食べたい!」と言うので、おそばの「鷹匠」へ。


千駄木名物!?アイスもなか。

この夏は行けなかったけれど、今度帰国したら、またもうひとつ、とっておきの帽子を手に入れたい。
去年の夏から始まった、この夏の思い出…、グリさんの帽子。
(私の物だけど、娘の方が似合う?)

春ですね

2010-03-28 09:22:09 | shops
皆さん、ご無沙汰しております。

年末以来更新を怠っていて、気が付けばもうすぐ4月…。
日本はだいぶ暖かくなってきたと聞いていますが、こちら、ロンドンもようやく少し寒さが緩んできたような気がします。それにしても、今年の冬は寒かった!こちらに来てからの13年間で、一番寒い冬でした。
それだけに、春がどんなに待ち遠しかったことか!

今日は、私の働く店から、春をお届けします。


私の大好きな春の花、マグノリア。これはプランツではなく、大きな枝を切ったもの。これでもちゃんと花が咲きます。大きな木を植える庭がなくても、こんな風に室内を飾るのも、なかなかです。空に向かって真上に咲く花々の清清しさ!それをぜひ撮りたかったのですが…。もう少ししたら、屋外のマグノリアの花が咲き始めます。

実はこちらのほとんどの写真は、2月頃に撮ったものなのです…
まだまだ寒い時期に、そういった春の花々が出始めて、いよいよ春が来るのだなあと
嬉しくなって思わずパシャリ!というわけで、ちょっと時差がありますが、ごめんなさい。

下の方に写っているハート形のIvyと、壁に掛かっている樺の木の枝のリースは、うちの店の定番。このように、至る所にハートのモチーフが使われている、と言うと、なんだか少女趣味の可愛らしい店のように聞こえるけれど、実はこのハートには全く別の意味が込められているのです。うちの店は、元々オーガニック食材とレストラン経営を中心とした会社で、ハートはHealthy Heartを意味しています。お客様にHealthyなHeartを!という願いを込めて、自社食品のパッケージデザインにも、甘すぎない程度に、ハートのモチーフが用いられています。個人的にあまり好きではなかったハート型の印象が、この店に来てから変わりました。


春を代表する?チューリップの花は、1月くらいからたくさん出回り始めます。うちの店に置かれる花は、白い花のみ。チューリップは、常時だいたい3種類、エッジにフリルがかかった、Honeymoon と、グリーンがかったSuper Parrot、それから写真のTres Chic。私はちょっと細長く、エレガントにカーブしているこのTres Chicが一番好き。


「クリスマスローズ」とも呼ばれるヘラボラスは、どちらかというと、冬の庭に咲くイメージが強いけれど、意外と開花期間が長く、5月くらいまで咲いてくれます。あまり持たないけれど、切花も素敵です。





ムスカリ。日本の実家の庭でも、春になると咲いていたので、私にとっては故郷を想う花。
白いムスカリも可憐。


うちの店には、プランツや切花の他、ガーデニング用品や、リビング雑貨、そしてアンティーク家具、雑貨なども扱っています。主にフランス、ベルギーからのものが多く、白を基調とした、シンプルで日常的な品揃えです。他にもいっぱい好きなものがあるのですが、写真を撮り損ねました…。フランス、ベルギーのアンティーク家具といえば、うちの店の近くに、Appley Hoareという、素敵なお店があります。高価な家具も多いですが、リネン雑貨など、小物も扱っています。


店の外にディスプレイしているものも、古いものが多く、この引き車もそのひとつ。プランツをスクエアの向かい側のうちの店のカフェに運ぶ時などは、実際にこれに乗せて運んだりもします。









もうすぐイースター!
今年のイースターのディスプレイは、猫柳をあしらった巨大なリースと、同じく猫柳で、アンティークの鉄の鳥かご?(実際何なのかよくわかりません)のような枠を飾りつけたもの、それを天井からいくつもぶら下げました。巨大リースは費用もそれなりになりますが、鳥かごのようなものは、手軽にできます。

日本でも、卵形のチョコレートをプレゼントしたり、以前よりイースターを祝う、というよりは愉しむ?方が増えてきましたね。
こちらでは、クリスマスと同じくらい長い休暇(2週間で、家族でお祝いしたり、旅行に出掛けたりして、それぞれに過ごします。

子どもたちは、エッグハント。卵の形のチョコレートを大人たちが庭や公園、森など、屋外のいろんな場所に隠して、順番に隠されているメッセージをヒントに、子どもたちが卵を見つけていく、というゲームです。去年はこのエッグハントの為に、太ってしまった我が娘、今年は卵の数を半分にしようかな…と検討中です…。

皆様、楽しいイースターを!


キングスロード

2007-09-05 15:49:02 | shops


チェルシーのキングスロードに、花とお出掛け。

基本的には歩いてお出掛けが多いけれど、最近バスの座席がお気に入りの我が娘。今日はどこに行こうか?と、いつもはあまり行かないチェルシーに向かった。

この辺りの住宅地は、とっても気持ちが良さそう。何故か空さえも明るく見える。ノッティンヒルからバスに乗って、降りたのは、ワ-ルズエンドと呼ばれるエリア。スローンスクウェアから伸びるキングスロードの外れで、いわゆる小洒落た店に混じって、床の軋むような古本屋があったり、昔ながらの食堂風カフェがあったり…。上の古本屋には、中二階があって、そこにかなり年季の入ったアップライトピアノが置いてあって、突然ピアノ演奏が聞こえてきたりする。古本屋にピアノという組み合わせ、それも屋根裏風の中二階からというのが、ありそうでない絶妙な雰囲気。こういうところに、イギリスの底力のようなものを感じてしまう私…。

あのヴィヴィアンウエストウッドが最初に店を構えたのもこの辺り。上の写真は、店の看板となっている、私の大好きな、大きな大きな時計。花が並ぶとさらに大きく見える。

コンラン系食のワンダーランドBlue Birdも、すっかりこの辺りの顔として定着している。レストラン、バー以外のエリアは、一時はスーパーが入ったりもして、少しずつ変貌を遂げ、現在はファッションも取り扱っている様子。外のテラスから見える花屋と、とびきりおいしいフルーツタルトがなくなってしまったのは、個人的にはとても残念…。あのケーキだけのためにわざわざ足を運んでいたのに…。でも、2、3年前からできた、ブルーバードエピセリーという、デリカテッセンのコーナーの充実度は高く、幻のケーキ無き今も、時々訪れる動機になっている。

店の外には、サラダに使える野菜やハーブ類が、木枠のボックスにディスプレイされていた。夏のごちそうはサラダが一番!


もうちょっとクローズアップ!



そして、今回のヒットは、何と言ってもコレ!


数年前、オーストリア人の友人にお土産でもらって以来、大ファンになってしまい、いつも彼が実家に帰る時に頼んで買ってきてもらっていた、幻のZotterチョコレート。何でも小さな会社で、味を保つために、大きなビジネス展開はしないというポリシーだそうで、ロンドンでは絶対に手に入らないと思っていなのに。やっぱり侮れないブルーバード・エピセリー。時々とんでもなくおいしいものが置いてある…。Zotterチョコレートは、日本ではヒルサイドパントリーで手に入るようですが…。ウェブサイトはこちら…。

http://www.zotter.at/4.html?&no_cache=1





ついでにもう一軒、私の好きなキングスロードの雑貨屋さん。Couverture。子ども服もかわいい。ネットでも購入可能らしいので、ご紹介。

http://www.couverture.co.uk/




Ottolenghiの誘惑

2007-07-20 16:20:49 | shops

実はこのチョコレートケーキには特別な思いがあるのです。
お皿に盛り付けたのは私ですが、ケーキを焼いたのは私ではなく…。

ノッティングヒルのWestbourne Groveエリアの一角に、住宅に見間違えられそうなくらい控えめな外観の、とっておきデリカテッセン「Ottolenghi」があります。
もうここは、本当に昔から大好きで大好きで…。ウィンドーに並べられたおいしそうなケーキやビスケットを見ているだけでも、ワクワクしてきます。甘党でなくても、つい立ち止まってしまいそうなほど。

そして店内に入ると、お惣菜やサラダがズラリ。メニューの例をいくつか…。「パルマハム巻きフィグ、ゴルゴンゾーラ&バルサミコ酢ドレッシング」「エビの生姜マリネ、クレソンとマカダミアナッツサラダ添え」「ワカモレタルトの紫玉ねぎとガーリック添えとダチョウの卵のカイエンヌ&塩風味」どれも、シンプルなのに一捻りあって、見た目にも、そしてもちろんお味もすばらしいのです。こんなお料理を毎日ささっと作って出せたら素敵だな…と、お勉強も兼ねて(というのは言い訳?)少しずつ試しています。ここの良いのは、メニューに材料がほとんど書いてあるので、それを頼りに、自分でも真似て作ってみることができること。なかなか全く同じにはなりませんが、それでも組み合わせの参考になります。

奥に進むと階段の下に、長テーブルがひとつだけの細長いカフェスペースになっていて、そこがまた気持ちが良いのです。真ん中に、必ず大きな花が生けてあって、天窓からはいつも明るい日差しが降り注ぎ…。狭いので特に週末はすぐに席が埋まってしまいますが、それでも窮屈に感じないくらい心地良い空間です。

さて、写真のチョコレートケーキのお話に戻りますが、これはお店に行くと必ず置いてある、定番ケーキなのですが、何故か今まで一度も買ったことがなかったのです。おいしそう~といつも惹かれるのですが、ただのチョコレートスポンジケーキにチョコがかかっているようにも見え、その割には値段も高く、(£4近くします)そこまでのものかなー、でも一度は食べてみたいな…と、自問自答の末、いつも「まあ、次回でいいか…」ということになり…これをいつも繰り返していました。

ところが、この日は、いつもと違う事態が発生し…。
というのも、最近チョコレートなるものを覚えた2歳の娘が、これを見るなり、「チコレート!」「チコレート!」と指差して離れなくなったのです。
いつもなら、そんなことで折れる母ではないのですが、何せ自分も興味があったもので、つい、「えー?これ買うの?本当に?」と言いながら、仕方なくレジに持っていったのでした。こんなに欲しがっているんだから仕方ない仕方ない…と妙な言い訳で自分を納得させつつ…。

こうして持ち帰ったケーキ、せっかくの記念すべき第1号なので、家にあるフルーツでちょっとだけ飾りつけて…。さてお味の方は…。

これが、想像以上に絶品!チョコレートとアーモンドのスポンジは、焼き加減もふんわり、でも軽すぎず、まさにJust Right。さすがOttolenghiの定番!

いつかレシピ本出してくれないかな…。

今回買ってみたお惣菜「カボチャのロースト、、フィグとフェタチーズ、ネギ」「ローストコジェット、ハーフドライミニトマト、ローズマリーパルメザンフレーク」





ケンジントンハイストリート店の外観





ウィンドーのチョコレートケーキ



Ottolenghi (Notting Hill)
63 Ledbury Road W11 2AD
Tel: 020 7727 1121

Ottolenghi (Kensington)
1 Holland Street W8 4NA
Tel: 020 7937 0003

Ottolenghi (Angel)
287 Upper Street N1 2TZ
Tel: 020 7288 1454

ポートベロー

2007-07-16 10:14:19 | shops
先週久々に、ポートベローの北の方を歩きました。

ポートベローマーケットで土曜日はごった返すこの辺りですが、平日でも野菜やチーズのマーケットが出るので、時々散歩に出かけます。

というよりも、第一の目的は、何といってもBooks For Cooksという本屋。本屋といっても名前の通り、お料理に関する本の専門店で、狭い店内に世界中のお料理の本がぎっしり。そしてその奥の、小さなキッチンカフェでは、毎日日替わりで、店にある料理本から選ばれたレシピのランチがいただけるのです。食事に行くと、いつも素材や作り方が気になる私にとって、気に入った料理のレシピをその場で知ることができるなんて、二重においしい!とっておきのカフェなのです。しかも、値段も3コースでも£9と、ロンドンにしてはかなりお得。ちょっと遠くても、何度でも行ってみたくなるお店なのです。

Books for Cooks
4 Blenheim Crescent London W11 1NN
Tel: 020 7221 1992


さて、いつもは、行ってもせいぜいこの本屋止まりなのですが、さらに先にある、スペイン食材店や、ゴルボーンロードのポルトガル系カフェを目指して、歩きました。

ポートベローのガード下をくぐって、さらに歩くこと数分、右側に、The Cloth Shopという、布地屋さんがあります。上質なコットンをあれこれ見て、次はこんな布で何を作ろうかな、などと考えるだけでも、いくらでも時間が経ってしまいそう。(うちの2歳児が一緒にいなかったらの話ですが)

この店では、フランスのアンティーク雑貨もとても気になります。
ひとつひとつ、微妙に柄が違う古いリネンが束ねてあったり、上品な色合いのリボンがあったり…。針仕事に使う小物類も素敵で、飾っておくだけでも良さそう…。
今回は、リネンを一枚購入しました。昨日のフレンチトーストの下に敷いていたものです。布一枚で、フランス気分に浸れるなんて、単純な私…。でもこういうささやかな幸せを、大事にしたいなと思うのです。

The Cloth Shop
290 Portobello Road London W10 5TE
Tel: 020 8968 6001




途中見かけたいかにもイングリッシュなソーセージ&マッシュカフェ。中を覗いたら、子どもにクレヨンのお絵描きセットや絵本を貸してくれていました。今度入ってみようかな?


看板に惹かれたAll Saints Roadのペリカンパブ


同じ通りにある自転車屋さん。専門店らしい雰囲気が素敵。


ハイドパークで乗っている子どもを時々見かけて、気になっていた子ども用自転車。木製ですが、ちゃんと乗れます。


すっかり寄り道をしてしまいました…。
本来の目的地、スペインの食材店、ポルトガルのカフェについては、また別途ご紹介します。