LONDON DIARY

ロンドン在住フローリスト、asuka のブログ。

ケーキセール

2011-03-30 02:14:03 | 頑張れJapan!

やっと春らしくなってきたと思っていたら…。
あんな大惨事が待ち受けているなどと、一体誰が予想したことか。

東北地方太平洋沖地震のニュースは、ここロンドンでも連日トップで報道され続けている。

多くの方々が亡くなり、行方不明となり、そして今まだ、原子力発電所の危険な状態で、
被災地での物資不足など、深刻な問題が依然続く中、
イギリスにいる我々にできることは何だろうと、日々考えては、心いたたまれなくなるばかり。

そんな折に、チャリティーケーキセールで義援金を募ろうという誘いを受けた。
我が家の娘が通う学校には、日本人のお母さんが3人。
学校が終わる時間に、手作りのお菓子を売ってみよう、ということになり、学校に相談してみると、校長先生も大賛成。
早速翌週にケーキセールが実施されることになった。

お菓子作りを手伝おうかと、申し出てくれた母親友達も何人かいたものの、
何しろ皆子どもがいて、しかもその多くは二人目の小さな子を抱えている。
それに、小さな学校のこと、どれほど売れるかもわからないし、とりあえずは私ともう一人、
日本人の主婦2人だけでお菓子を作ってみようと決めた。

最初は日本のお菓子をと考えたが、これまでの経験上、こちらの子どもたちには
あまり受けないのではないかという危惧もあり、結局、シンプルなドーナツと、ビスケットを売ることになった。
ビスケットは、ゴマ、抹茶なども交えて、少しだけ日本風に…。

2日前から、オーブンフル活用で、焼き続け、(といっても、家事等でかなり中断せざるを得ず、
集中できたのはほとんど夜間、子どもが寝ている間だけだったけれど…)
うちのオーブンでのビスケットの焼き加減は、もうバッチリ。
友人はドーナツ揚げの達人に。
しかし家庭用キッチンで業務用級の需要を満たすだけのものを作るのは、つくづく大変。
それでも、ビスケットとドーナツ、合わせて300袋分のお菓子が出来上がった。
一袋50pで、全部売れたら£150。

ナーサリーのあるEarly Unitと、本校舎とは、徒歩5分ほど離れた別の敷地になるため、
友人と私はそれぞれ別の場所にそれぞれの下の子を抱いて、お菓子を持って参上。
さあ頑張るぞ!と意気込んでドアを開けると、その瞬間に6年生の4人組が飛び出して来るなり、
"Can I help you?"



何て優しい子どもたち!
瞬く間に私の持参した日の丸が壁に掲げられ、テーブルはお菓子でいっぱいになった。







お決まりかもしれないけれど何故かいつも大人気の折鶴。
今回も例外ではなく、子どもたちが「すごーい!これ欲しいー!と殺到した。
今度学校で折り方を見せてあげようかな。

開店前から、まずは先生たちがお買い上げ。
近所の日本人の方の姿も。
そして、ご覧の通りの人だかり。



「おつりはいらないから」と、代金の倍以上くれる人。
黙って大きなお札を手渡してくれる人。
そんな人が次々に現れ、励ましてくれる。
人々の温かさに、じーんとして、思わず涙ぐんでしまった。



思えば、地震、津波発生当日から、どれほどの友人知人から、
私の家族の安否を気遣うメールや電話をもらったことか。

世界のどこかで災害が起きる。
自分の知らない土地、だけど誰かその国の人を個人的に知っていると
それは外国の出来事でなく、友人の家族の出来事になる。
関心もそれだけ大きくなる。
誰も知らないから良いということでは、決してないのだけれど。

結局、売り上げの倍以上の寄付金も加わり、254.38ポンド集まった。
聞くところによると、イギリス各地の学校で、同様の母親の手作りお菓子セールが催されているらしい。
復興に必要な金額は10兆円にも登ると言われている。
ひとつの小さな学校からの、寄付金は些細なものかもしれないけれど
皆が同じことをしたら、それなりの金額になる。
さらに、同じビスケットを少し日曜の教会で友人に売ってもらい、£49.50になり、
合わせて£303.88になった。

集まった義援金は、日本大使館へ持って行くと、送金手数料等、一切かからず、
日本赤十字社に届けられるとのこと。British Red Crossよりも確実に日本の援助に使われるとのことだ。

今回の地震、津波で亡くなられた方々のご冥福を祈って…。
被災地に生きる方々、ここでも皆が応援しています。