LONDON DIARY

ロンドン在住フローリスト、asuka のブログ。

ミラノサローネ Charity Box

2011-04-12 01:59:23 | 頑張れJapan!


震災発生から一月。
悲しみに明け暮れる暇もなく、未だ続く余震や原発の脅威に怯えながら
不自由な生活を続けられている被災地の人々。

この一月ほど、日本人であることを考えたことはなかった。
自分には一体何が出来るのか、多くの人がそんな自問を繰り返していたのではないかと思う。

そして、被災地の人々を思う余り、自粛が過ぎて経済の危機に瀕する恐れもあり…。

何が出来るのか、何が一番良いのか…
考え出せば限がないことかもしれないけれど、
皆が、自分のできる事を精一杯、心を込めてやっていく、
それしかないような気がする。

こんな状況でも、世界は動いているわけで…
今週はミラノで毎年恒例の家具の国際見本市、ミラノサローネが開催される。
美しい家具…なんて言っている場合では…と思ってしまいがち…だけど、
どんな生活においても、工夫をする心を持ち続けること、
美しいものを創り表現すること、そんな心が、
苦しい生活を、少しでも明るくして行くのではないか…などと思ったりもする。

そんな思いを巡らせている中、デザイナーによる、募金活動を兼ねた展示会の知らせを受けた。

Charity Box Emergency Project For Japan
デザイナーが、それぞれ募金箱をデザイン作成、展示し、来場者に募金してもらう、という企画。

大切なサローネの直前、かなり急な話だったのにも関わらず、著名なデザイナーを含む
58人ものデザイナーが参加するとのこと。

本来、お金を集めるだけなら、コストのかからない、簡易的な箱、それだけで良いのかもしれない。
だけど、考えに考え抜いて、人々を救いたいという気持ちが形となった箱には、また別の、
人々の心に、特別に訴える力があると思う。

だから…
こんな時でも、デザイナーはデザインをしっかりやって、
気持ちを伝えていけばよいのではないかな…と思う。

今朝、ミラノに旅立つ前に、夫が、出来上がったばかりの募金箱を見せてくれた。
赤いアクリルの巨大な円形の板を2枚重ねてある。
箱、と聞いて思い浮かべるものとは程遠い、意外なものだったけれど、とても彼らしい。
なかなかきれいだなー、と思うと同時に、祖国への特別な情感が込み上げてきた。
日本、日本、日本を思わせる箱なのです。

皆が募金してくれるといいな。
ちなみにうちの娘は早速コインを入れていました。一番乗り!

参考までに、プレスリリースの内容を掲載しておきます。
(PDFのままリンクしたかったのですが、できなかったので…。)


「Charity Box EMERGENCY PROJECT FOR JAPAN」

 東日本大震災 被災地支援のためのデザインイベント
 イタリア ミラノ 2011年4月15日~17日

プレス各位

日本の東北地方に甚大な被害を及ぼした、2011年3月11日の東日本大震災。
「Charity Box EMERGENCY PROJECT FOR JAPAN」(非営利団体 L'isola della Speranza主催、在ミラノ日本国
総領事館 後援)は、母国の辛い経験に胸を痛めた、ミラノ在住の日本人有志が発起人となって
「遠く離れた故郷のために何かをしたい」と立ち上げた、被災地支援のためのイベントです。
「Charity Box EMERGENCY PROJECT FOR JAPAN」は、ミラノ・サローネ期間中4月15日~17日
の3日間、ミラノの Spazio Corso Como 9 にて 開催致します。
当デザイン・イベントは、作品展と募金活動をリンクさせたエキシビション。日本の被災地に心を
寄せる、国際的に活躍する日本人デザイナーと外国人デザイナーたち58名がデザインした募金箱を
展示し、エキシビション来場者は募金箱に義援金を募金していただきます。多くの方々に長く
日本を応援していただけるよう、今会期終了後も巡回展などを通じて、呼びかけを行っていく
計画です。
この募金活動による収集義援金は、イタリアのINSIEME PER LA FRATERNITA' Onlus
(www.onlusinsieme.altervista.org)を通じ、宮城県、福島県に直接送金されます。
義援金使途に関しては、後日、イベントの公式サイトwww.charityboxforjapan.com にて、
義援金の会計開示を行います。
                  
                                         以上
            主催団体 リゾラ・デッラ・スペランツァ

展示会名    Charity Box EMERGENCY PROJECT FOR JAPAN
会  場     「Spazio Corso Como 9 」
Corso Como 9 20154 Milano
開催日時    2011年4月15日 11:00_21:00 *カクテル 18:00~21:00  
        2011年4月16日 10:00_20:00
        2011年4月17日 10:00_20:00
参加デザイナー  深澤直人、デニス・サンタキアラ、バルナバ・フォルナセッティ、
         リカルド・ブルメール 他計58名 
公式ウェブサイト www.charityboxforjapan.com
主  催    L'isola della Speranza(リゾラ・デッラ・スペランツァ)
   htpp://lisoladellasperanza.blogspot.com
後 援     在ミラノ日本国総領事館
協賛・協力   INSIEME PER LA FRATERNITA' Onlus
www.onlusinsieme.altervista.org
 
Giappone in Italia
www.giapponeinitalia.org/
Spazio Corso Como 9
www.witowito.com/
一般
お問い合わせ先   info@charityboxforjapan.com
  
プレス
お問い合わせ先  e-mail press@charityboxforjapan.com
高橋 恵  mobile (+39) 338 2442996
小林もりみ  mobile (+39) 334 5713589
エヴァ・パスケ mobile (+39) 328 9424088( 英, 伊, 仏語 )


参加デザイナー

ADRIANO DESIGN +,(+'- #$%. (www.adr ianodesign.it)
ARCHIPASS +/01) (www.stu dioarchipass.it )
TOMOKO AZUMI 2345 (www.tnadesignstu dio.co.uk )
ENRICO AZZIMON TI 6.(78+9:;<.=; (www.enricoazz imo nti.it )
ALESSANDRA > BALDERESCHI +?9@.,A8B/#?)0
(www.ales sandrabalderes chi.c om )
TAMAR BEN DAVID CD/ 8E.8 FG;9 ,
FABIO BORTOLANI HIJK 8L/*A'M (www.fabio-bortolani.c om )
RICCAR DO B LUME R (N/,8O/P'/ (www.ric cardoblumer.it )
SERGIO CALATRONI Q/RS8NA*T'M (www.sergioca latroni.c om )
CAIOLA + POLGA N%KAUV/W (www.sir albertmr simon.com )
ANTONIO COS +.*MK87) (www.antoniocos.c om )
CARLO CONTIN N/T87.=;. (www.carlocontin.it )
LORENZ O DAMIANI T?.:X8FY+'M (www.lorenzodamiani.net )
GIUSEPPE DE FRANC ESCO RZ[9\8#8HA.]^)7 (www.draPht.it )
DESIGN TRIP- PAOLA NUNZIA CARALLO & JACOPO GRAN DIS
#$%. *(9_ 1KA8`.:;+8NA9T & a7L8bA.#;) (www.designtrip.it )
DAN DOREL & LINA GHOTME H & TSUYOS HI TANE
F.8,?/ &(&8c9*P &def (www.dgtarchi tects.com )
VINCENZ O FANCINELLI G;. ]^.:X8HI.]g9(
BARNABA FORNA SETTI B/&B8HX/& Q9=; (www.fo rnasetti.c om )
ENRICO FRAN ZOLINI 6.('78HA.h('M (www.enricofranzol ini.it )
MARC O FERRE RI D/78 H^?'((www.marcofer rerides ign.it )
NAOTO FUKASAWA ijkl (www.naotofuka sawa.com )
ALESSANDR O GA JA +?9@.,T8W%+ (www.aless androgaja.net )
DIEGO GRAN D I #;6c8bA.#; (www.diegograndi.it )
ALESSANDR O GEDDA +?9@.,T8R^9F (www.ales sandrogedda.it )
GUMD ESIGN bm#$%. (www.gumdesign.it )
HIROKO HAYASHI noT7 (http://hi rokohayashi .jp )
GIULIO IACCHET T I con EMMANUEL ZONTA
RZ(K8%+p9=;q6D`6/8h.C (www.giul ioiacchetti.c om )
SETSU ITO & SHINOB U ITO rst & rsuv (www.st udioi to.com )
JOE VELLUT O RS6G^/'* (www. joevelluto.it )
KINGS !"#$
KAZUYO K OMOD A %&'( (www.ka zuyo komoda.com )
GIOVANNI LEVANTI )*+,"-./+,"01 (www.giovannilevanti.c om )
PAOLO LOMAZ ZI 234.4561 (www.durbinolomazzi.it )
RAF FAELLA MANGIAROT TI 78,9:7. 5");4:01 (www.deepdes ign.it )
ILARIA MARELLI <7=>.5/:= (www. ilar iamarelli.c om )
MAUR O MERLINI 5?4.@A=BMARIO
M INALE & KUNIKO MAEDA CDB/ 59E (http:// minale-maeda.com )
MIRIAM MIRRI C=>F .C:= (www.miriammirri.it )
KAORI MIY AYAM A GHIJ (www.st udioetcet era.com )
MINORI NAKANISHI KLM
LORENZ O PALMERI 4/"6N.2A @B=(www. lorenzopalmeri.it )
DONATA PARUC CINI ODBP.2A:QB- (www.donataparuccini.it )
CHIARA PASSIGLI !>7.2:R= (www.chiarapass igli.c om )
MAT TEO RAGNI & MAU RIZIO PRINA 5:03.7B- &5?=:613.S=BD
(www.matte oragni.c om )
MAR TA LAUDANI & MARC O ROMAN ELLI 5AP.7? EB-& 5AT.45U:=
(www.marcoroma nel li.it )
LUCY S ALAMANC A ABRB.V75"W (www.salamancadesign.com )
DENIS SANTAC HIARA X-$.V"P!>7 (www.denisan tach iara.it )
KAORI SHI INA & RICCARD O NARDI YZI[ & =WAO.DAX 1
(www.kaorishi ina.it )
NAOMI SUGHITA \&]^ (www.naomi-sugita.c om )
KAZUHIKO TOMITA _&`a (www.tomitadesign.com )
FABIUS TITA 8,b?$.01BP
PAOLO UL IAN 234.?=>" (www.paoloulian.it )
RAF FAELE VENTU RI 78,9/.+c"deB=
MASATO YAMAMOT O Hfghi (http://studio. inthea ir.ch )
KAZUHIRO YAMANAK A HK`j (www.kazuhiroyamanaka.com )
PAOLO ZANI 234.kB- (www.paolozani.it )
MARC ELLO ZILI ANI & SELENE TUN ESI
5AQc:4.)=>B- &l/BU.deUB )(www.marcelloz iliani.c om )
MARC O ZITO 5AT. )Bd(www.marcozito.c om )

ケーキセール

2011-03-30 02:14:03 | 頑張れJapan!

やっと春らしくなってきたと思っていたら…。
あんな大惨事が待ち受けているなどと、一体誰が予想したことか。

東北地方太平洋沖地震のニュースは、ここロンドンでも連日トップで報道され続けている。

多くの方々が亡くなり、行方不明となり、そして今まだ、原子力発電所の危険な状態で、
被災地での物資不足など、深刻な問題が依然続く中、
イギリスにいる我々にできることは何だろうと、日々考えては、心いたたまれなくなるばかり。

そんな折に、チャリティーケーキセールで義援金を募ろうという誘いを受けた。
我が家の娘が通う学校には、日本人のお母さんが3人。
学校が終わる時間に、手作りのお菓子を売ってみよう、ということになり、学校に相談してみると、校長先生も大賛成。
早速翌週にケーキセールが実施されることになった。

お菓子作りを手伝おうかと、申し出てくれた母親友達も何人かいたものの、
何しろ皆子どもがいて、しかもその多くは二人目の小さな子を抱えている。
それに、小さな学校のこと、どれほど売れるかもわからないし、とりあえずは私ともう一人、
日本人の主婦2人だけでお菓子を作ってみようと決めた。

最初は日本のお菓子をと考えたが、これまでの経験上、こちらの子どもたちには
あまり受けないのではないかという危惧もあり、結局、シンプルなドーナツと、ビスケットを売ることになった。
ビスケットは、ゴマ、抹茶なども交えて、少しだけ日本風に…。

2日前から、オーブンフル活用で、焼き続け、(といっても、家事等でかなり中断せざるを得ず、
集中できたのはほとんど夜間、子どもが寝ている間だけだったけれど…)
うちのオーブンでのビスケットの焼き加減は、もうバッチリ。
友人はドーナツ揚げの達人に。
しかし家庭用キッチンで業務用級の需要を満たすだけのものを作るのは、つくづく大変。
それでも、ビスケットとドーナツ、合わせて300袋分のお菓子が出来上がった。
一袋50pで、全部売れたら£150。

ナーサリーのあるEarly Unitと、本校舎とは、徒歩5分ほど離れた別の敷地になるため、
友人と私はそれぞれ別の場所にそれぞれの下の子を抱いて、お菓子を持って参上。
さあ頑張るぞ!と意気込んでドアを開けると、その瞬間に6年生の4人組が飛び出して来るなり、
"Can I help you?"



何て優しい子どもたち!
瞬く間に私の持参した日の丸が壁に掲げられ、テーブルはお菓子でいっぱいになった。







お決まりかもしれないけれど何故かいつも大人気の折鶴。
今回も例外ではなく、子どもたちが「すごーい!これ欲しいー!と殺到した。
今度学校で折り方を見せてあげようかな。

開店前から、まずは先生たちがお買い上げ。
近所の日本人の方の姿も。
そして、ご覧の通りの人だかり。



「おつりはいらないから」と、代金の倍以上くれる人。
黙って大きなお札を手渡してくれる人。
そんな人が次々に現れ、励ましてくれる。
人々の温かさに、じーんとして、思わず涙ぐんでしまった。



思えば、地震、津波発生当日から、どれほどの友人知人から、
私の家族の安否を気遣うメールや電話をもらったことか。

世界のどこかで災害が起きる。
自分の知らない土地、だけど誰かその国の人を個人的に知っていると
それは外国の出来事でなく、友人の家族の出来事になる。
関心もそれだけ大きくなる。
誰も知らないから良いということでは、決してないのだけれど。

結局、売り上げの倍以上の寄付金も加わり、254.38ポンド集まった。
聞くところによると、イギリス各地の学校で、同様の母親の手作りお菓子セールが催されているらしい。
復興に必要な金額は10兆円にも登ると言われている。
ひとつの小さな学校からの、寄付金は些細なものかもしれないけれど
皆が同じことをしたら、それなりの金額になる。
さらに、同じビスケットを少し日曜の教会で友人に売ってもらい、£49.50になり、
合わせて£303.88になった。

集まった義援金は、日本大使館へ持って行くと、送金手数料等、一切かからず、
日本赤十字社に届けられるとのこと。British Red Crossよりも確実に日本の援助に使われるとのことだ。

今回の地震、津波で亡くなられた方々のご冥福を祈って…。
被災地に生きる方々、ここでも皆が応援しています。