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DAZN観戦 2021年J2リーグ第40節 ファジアーノ岡山vs京都サンガFC

2021-11-22 16:05:31 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(38節・山形戦、1-0)
※前回の京都の記事はこちら(34節・群馬戦、1-1)

前節の磐田と同様に、あと1勝という所まで辿り着いた2位・京都。
試合前には、3位の長崎が引き分けに終わった事でさらに有利な立場になりましたが、自力で決めたいのは当然過ぎる程当然でしょう。

そこに立ちはだかるのが後半戦絶好調の岡山で、22節以降僅か2敗(7勝9分)で推移。
引き分けが多いため上位までは割って入れずにいますが、現在3連勝中であり、最後に当たるには相手にとって不足は無い。
敵地・シティライトスタジアムに乗り込んだ京都、この日も戦闘意欲を前面に押し出しての試合を繰り広げました。

しかし立ち上がりは、目の前で相手の昇格阻止を狙う岡山が攻勢を掛けます。
前半2分、敵陣でカットした宮崎智彦がそのまま前進からクロスを上げ、中央でイヨンジェがヘディングシュート。(枠外)
6分には右サイドからの攻撃、河野縦パス→イヨンジェポストプレイを経て受けた上門が前進からクロス、ここでもイヨンジェがヘディングシュートを炸裂させ。(GK清水セーブ)
今季2試合目のスタメンとなったFW・イヨンジェに合わせる攻撃を中心に、得点を狙いにいきました。
現在のターゲットマンはミッチェル・デュークが中心ですが、オーストラリア代表として国際線を戦っている立場であり、合流後間も無いという事でベンチスタートだったこの日。
存在感を示すべく、早々にフィニッシュに絡みにいったイヨンジェ。

13分にはゴールキックから、イヨンジェを狙ったロングボールのこぼれを拾った上門がミドルシュート(DFに当たる→GK清水セーブ)と、ターゲットマン絡みでの好機を作っていく岡山。
しかし京都も黙って指を加えているクラブでは無く、以降反撃。
16分はヨルディ・バイスのロングパスを、ピーター・ウタカが収めたのちヒールパスで繋ぎ、こぼれた所を三沢がダイレクトでシュート。(ブロック)
22分には右サイドから中央へ渡ったのち武田が縦パス、ウタカのポストプレイを経て武田がダイレクトでシュート。
ブロックされたボールを三沢が繋ぐと、再度ウタカのポストプレイから三沢がダイレクトでシュート。(枠外)
普段と変わらぬ、中央主体で細かなダイレクトパスの連続でゴールを狙いにいく攻撃を見せ始めます。
25分に飲水タイムでブレイクとなり、クロスを入れてターゲットに撃たせたい岡山・簡単にクロスは入れず中央で崩したい京都と、対照的な攻撃が垣間見えた第1クォーター。

再開後、28分には京都が、岡山GK梅田のフィードを宮吉が頭でカットする(そのままゴールラインを割る)場面が生まれ。
相変わらずハイプレスでのハイテンションなサッカーが繰り広げられていたものの、試合展開としてはやや膠着。
岡山は後方からロングパスをエリア内へ供給し、2列目の選手を走らせに掛かる攻撃に活路を見出し。
一方の京都も、サイド攻撃に活路を見出す場面が見られ、(主に右サイドバックの白井康介が)クロスを上げる割合が増し。
裏の手を見せ始めつつも、フィニッシュには繋がらずに時間が進んでいきました。

終盤を迎えた43分、上門が敵陣深めでボールカットに成功し岡山の攻撃。
一旦戻したのち白井永地が縦パス、イヨンジェのポストプレイでこぼれた所に上門が走り込んでシュート、しかしバイスが懸命に足を延ばしブロックで防いでコーナーキックに。
その左CK、キッカー石毛のフリック狙いのニアへのクロス、井上がすらしたボールが京都・武田に当たりゴールへ向かうもGK清水が抑え。
京都にとっては冷や汗モノの時間帯となりますが、京都最後の攻撃、パスワークから持ち上がった荻原が岡山・上門に倒されて反則。
エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接フリーキックを得て、十分時間を掛けたのち三沢が直接狙いましたが、壁を直撃してしまいモノにならず。
同時に前半終了の笛が鳴り、スコアレスで折り返します。

共に交代は無く後半が始まり、早速の後半1分に好機を得たのは岡山。
ここもイヨンジェ目掛けたロングパス、クリアされたボールに石毛が走り込んでそのままミドルシュート、しかしブロックに当たって僅かにゴール左へと逸れ。
この日得意の形で好機を得た影響か、以降押し気味に展開する岡山。
8分に決定機といえる形を迎え、左サイドでクリアボールをそのまま徳元が裏へ送ると、フリーで上門が走り込み。
さらに中央にはイヨンジェがフリーで走り込んでおり、後はそこへクロスを送るだけという上門でしたが、上がったクロスは単騎追い掛けた京都・麻田がその間で頭でクリア。
麻田のファインプレーで何とか防いだ京都。

この時間帯は中々ボールを前に運べず、好機すら作れない苦しい状態であった京都。
次第にMFのうちの一人が最終ラインに降り、後ろ3枚でビルドアップを始めるシーンが目立ってきたのもその影響でしょう。
しかしこれで落ち着きを得られたか、12分には岡山のパスミスから好機、パスを繋いだ末にウタカがエリア手前でキープする局面に。
左手前からウタカが上げたクロスをファーサイドで宮吉が収め、シュートを放ったものの岡山・井上がブロックで防ぎ。
岡山もセンターバックの好守で救われるシーンが生まれ、どちらが先に得点するのか、熱を帯びてきた試合展開。

その後先にフィニッシュに辿り着いたのは岡山で、16分自陣でのパウリーニョのボール奪取からカウンター気味にボールを前線に運び。
左サイドで上門・徳元・パウリーニョのパス交換が行われた後、上門がそのままサイドからクロス気味のシュートを狙い、これがゴール右へと際どく外れ。
惜しくもゴールはならなかったものの、京都の昇格を阻止するゴールへの期待が高まるホームの岡山。

そんな流れを変えにいくように、直後の17分に京都が選手交代。(三沢→福岡)
以降は前半控えめだったクロス攻撃を仕掛け、両SB(右=白井康・左=荻原)が盛んにサイドを抉ったのちクロスを送ります。
それでも岡山と違い決定打には繋がらず、22分に岡山がイヨンジェ→デュークへと交代した所で後半の飲水タイムが採られ。

勝負の第4クォーター、先に好機を作ったのは岡山で25分。
サイドでの細かい繋ぎからサイドチェンジを交えつつの長いポゼッションを経て、中央から白井永がエリア内右へロングパス。
走り込んだ河野がヘッドで折り返し、クリアされたボールを白井永がミドルシュート。(ブロック)
これでまたも流れを得た岡山、今度はサイドで組み立てても容易にクロスにはいかずと、前半から逆になったかのような攻撃を見せ始めます。

一方の京都も27分、今度は持ち前のダイレクトパスの連続による中央突破。ウタカを中心に細かく繋ぎ、松田のポストプレイでそのウタカにシュートチャンスが。
しかしループを狙ったのかウタカのシュートはジャストミートせず、ゴール右へと逸れてしまいました。
そんなシーンもあり流れを得れない中、31分に再度交代カードを切る京都。
白井康・荻原・武田→長井・黒木・庄司と、一挙に3枚替えを敢行します。

これで再度戦闘意欲を上げ、意識を前へと振る京都。
福岡がスライディングで反則・警告を受ける(32分)場面もありましたが、33分には交代で入った長井が中央からミドルシュートを放つ(エリア内の宮吉に当たり枠外)など、フィニッシュへの意識を取り戻したかに見えました。
尚、この場面ののちに岡山・井上が鼻から出血し、治療のためピッチ外に出る事となりました。(36分に復帰)
直後に岡山は徳元→木村へと交代。

終盤を迎え高まるテンションの中、39分には京都・バイスが岡山・デュークとの競り合いで倒れると、デュークに向かいヒートアップする場面も見られ。
自力昇格に向けて戦闘意欲は最高潮といった所で、直後の40分に切り札としてイスマイラも投入されます。(松田と交代)
しかしそんな意欲が空回りするかのように、以降はお互いにボールを素早く前に運ばんとするも、中々好機に繋がらずに時間が経過するもどかしい展開となります。

そんな中で岡山の最終ラインが右上がりの形を採り、河野が前に出る分サイドハーフの石毛がフリーマン的に動き回るのが目立ち。
その形から45分に好機、左サイドでスローインを受けた石毛からデュークに渡ると、エリア手前左という難しい位置からシュート。
これが絶妙な軌道でゴールを襲い、バーを直撃するという際どいシーンとなりました。
惜しくもゴールはなりませんでしたが、これを境にして一気に岡山ペースに針が振れてアディショナルタイムへ。

石毛の動きと共に、木村が逆の右サイドでプレーしたりと流動的に攻める岡山、白井永がドリブルでエリア内右を突いて右CKをゲット。
そのCK、キッカー石毛のクロスを中央で安部が合わせヘディングシュート、しかしこれも惜しくもゴール右へと外れ。
その後は元のポジションへと落ち着きを見せるも尚も攻勢が続く岡山、パウリーニョのボール奪取から、左サイドで木村のスルーパスがデュークに渡って抜け出し。
そしてデュークの低いクロスが守備ブロックの遠目を突くと、ファーサイドで上門が受けたのち石毛がシュートを放ちますが、京都・庄司がブロックで防ぎます。
その後も宮崎智のシュート(ブロック→GK清水キャッチ)、パウリーニョのシュート(枠外)が遠目から放たれる等、完全に凌ぎを強いられた京都。
反撃に出る隙も無く、最後まで昇格へのゴールの道筋が生まれないまま、試合終了の時を迎え。
スコアレスドローで勝ち点1に留まる事となりました。

岡山の意地に上回りを見せられた格好の京都。
結局翌日の試合で4位・甲府が勝利したため、今節での昇格はお預けとなり。
それでも後勝ち点1で良い状況に迫り、残り2節。
対戦相手は千葉と金沢ですが、彼らの意地のサッカーを振り切り、ゴールに辿り着けるか注目となるでしょう。

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DAZN観戦 2021年J3リーグ第27節 ロアッソ熊本vsカターレ富山

2021-11-19 08:47:52 | サッカー視聴記(2021年その他)

<熊本スタメン> 3-3-3-1(3-1-5-1)
GK 佐藤
RCB 黒木晃平 CCB 菅田 LCB 酒井
RWB 上村 DH 河原 LWB 岩下
RIH 杉山 CH 岡本 LIH 竹本
FW 高橋利樹
<富山スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 西部
RCB 鹿山 CCB 林堂 LCB 戸根
RWB 音泉 DH 末木 LWB 安藤
IH 椎名 IH 姫野
FW 吉平 FW 高橋駿太

J2ライセンスの無い宮崎が、首位争いの主役になりつつあるという昇格戦線異状ありの状況であるJ3。
そんな中、宮崎と勝ち点タイで現在首位のクラブと、前半戦の好調ぶりがすっかり消え失せてしまった元首位のクラブとの対決が行われました。

持ち前の3-3-4への可変システムから、この日は3-1-5-1という、俯瞰から観るとまるで飛行機の形のようなシステムを採って挑んだ首位・熊本。
それでも以前の如く、ウイングバックが中央に絞る⇔インサイドハーフがサイドに張り出す、という可変で相手ディフェンスに的を絞らせない動きは健在でした。

ボールの蹴り合いという主導権の奪い合いの入りを経て、先にペースを掴んだのはその熊本。
そしてファーストシュートで、早速スコアを動かします。(前半5分)
右サイドからの攻撃で上村がミドルパス、受けた高橋利がエリア内右を抉ったのちに岡本へ戻し、ディフェンスに遭いエリア外へこぼれた所に走り込んだのは上村。
細かい助走から、一瞬クロスと間違うようなミドルシュートを放つと、ボールは一直線に左サイドネットに突き刺さり。
ゴールを狙う果敢な姿勢で先制点を齎した上村、これが熊本にとって実に4試合ぶりの得点となりました。

先制された富山、反撃に出ようとするもボールを前に運ぶ事はままならず。
熊本の中盤の人数の厚さと、そこから繰り出されるプレッシングでビルドアップが機能せずと、前々節(YS横浜戦・0-1)に苛まれた柳下(レギュラーの右センターバック)負傷離脱の影響は甚大のようでした。
そんな惨状の富山を尻目に、最終ラインでしっかりとボールを保持して攻勢を掛け続ける熊本。
しきりに可変を繰り返す前線とは裏腹に、トップ下の岡本は逆に下がり目の位置取りが目立ち。
それは前線でボールを動かしている時に顕著であり、ベテランらしく司令塔のような動きでバランスを採っていたのでしょうか。

富山を自陣に押し込んだのちに、セットプレーを得て矢玉を浴びせるという攻撃。
13分には直接フリーキック、中央遠目の位置からキッカー杉山が直接シュートを放ち、外から巻いてゴール左を襲ったもののGK西部がセーブ。
19分には右コーナーキックから、ショートコーナーを経て右ハーフレーンから竹本がシュートしますが、惜しくも左ゴールポストを掠めて枠の外へ。
同点どころか耐え忍ぶ事を強いられる富山、FWの高橋駿が降りて来てビルドアップの出口にならんとするも焼け石に水で、そんな状態のまま飲水タイムが挟まれます。(24分)

再開後、27分に熊本・高橋利の頭部へ足を入れてしまった富山・林堂に警告。
30分には熊本・岩下と富山・吉平がスライディング同士で激突、吉平が痛んで反則となると、異議を唱えた岩下が警告を受け。(本当に異議かどうかは不明)
やや反則塗れの様相となり、FKからクロスを入れるという攻撃が盛んになる両チーム。

熊本は相変わらず富山を自陣へ押し込む攻撃を展開し、そこからサイドチェンジを頻繁に行い揺さぶり。
一方の富山、今度は姫野が降りて来てその分末木が最終ラインに入るという、ミシャ式の形を採る姿が見られるも大した効果は得られず。
つまりは熊本ペースが変わらぬまま、終盤を迎えます。

40分台に入り、富山がWBのカットインで好機を何度か作り、42分に安藤のマイナスのクロスを末木が合わせシュート。
ようやくファーストシュートに辿り着き、好転する雰囲気を醸し出しつつ迎えたアディショナルタイム。

試合を動かしたのはまたも熊本の方で、最終ラインから左サイドでの前進を経て竹本がクロスを入れ、クリアされたボールを拾った河原がミドルシュート。
富山・姫野のブロックに当たりループの軌道でゴールを襲い、ゴールバーを直撃して跳ね上がり、詰めにいったのは上村。
自らがネットに突き刺さるという勢いで押し込みこの日2点目……と思われましたが、当たったのはクリアに入った富山・戸根という事でオウンゴールに。
それでも得点は得点で、追加点を得た熊本、2点リードで折り返します。

散々な出来だった前半を経て、ハーフタイムに選手交代を敢行する富山。
この日はベンチに留め置かれていた助っ人FW、マテウス・レイリアを投入する(吉平と交代)とともに、さらに姫野→松岡へ交代と2枚替え。

後半の入りも熊本ペースで、後半2分に敵陣で河原がパスカットし、そのままミドルシュート。(GK西部キャッチ)
一方巻き返しに掛かる富山は、フォーメーションを若干弄り、末木・椎名をドイスボランチとした3-4-2-1への変更が為されていました。
それでも4分に鹿山が熊本・杉山にチャージされて倒れ込み、「柳下に続いてか……」と言いたくなるシーンが生まれ冷や汗。(鹿山は無事に起き上がり、一旦ピッチ外→復帰)

システム変更により中盤の底から繋ぐのが容易になった富山ですが、目立っていたのはマテウスの基点とともに、松岡の推進力。
ボールを持つと果敢に仕掛けてチャンスを演出する松岡、それに勇気づけられたかチームもペースを取り戻し、反撃の機運が高まり。
松岡はこれが今季2試合目という事で、埋もれていた人材の発掘により流れが変わるドラマティック(?)な展開が描かれ。
そんな状況下の18分に再度選手交代、もう一人の主力FWである大野(といってもスタメンは吉平の方が多いですが)が投入されます。(高橋駿と交代、マテウスがシャドーにシフト)

その直後の攻撃でした。
椎名が自陣でボール奪取してすかさず裏へとロングパス、走り込んで受けた大野がエリア内右に進入した所、熊本・酒井に倒されて審判の笛が鳴り反則。
トランジションの瞬間を突いた攻撃でPKをゲットした富山、キッカーはもちろん大野で、ゴール右へと蹴り込みGKの逆を突いてゴール。
1点差に詰め寄り、尚も勢い付きます。

マテウスと大野の2人の基点が、後方からロングボールを送る攻撃も機能させる結果となり、一気に押し込む富山。
そして22分に決定機、右からのスローインをマテウスが落としてからパスワークを展開し、中央→左と逆サイドに渡ったのち安藤がドリブルからクロス。
このグラウンダーのボールにニアサイドで大野が脚から跳び込み、合わずに流れた所をさらにファーサイドに音泉が走り込み。
「後は合わせるだけ」という状況ながら、本当に合わせるだけになってしまいシュートは放てず、弱々しく転がったボールをGK佐藤が抑えて同点ならず。
絶好のチャンスを逃した富山、その後23分に飲水タイムが採られ。

一気に劣勢になってしまった熊本はブレイク明けに選手交代、岡本・酒井→伊東・阿部へと2枚替え。
岡本以上に年齢の高いベテランの伊東、かつて富山・石崎信弘監督の下でプレー経験がある(山形時代)という旧知の関係。
その恩返しという、手垢がついた表現を見せ付けるように、ドリブルで突破口を開かんとする伊東。
それをスライディングで倒した富山・音泉(アドバンテージで反則にならず)が警告を受け、さらに末木が足を攣らせて続行不可能となるなど、前半から攻め込まれていた被害が露呈し始める富山。(音泉→田中佑昌へと交代)

しかし攻め込まれているのは現状の熊本も同様であり、33分には富山がロングスローで好機。
左サイドから安藤が投げ込んだボールがこぼれ、エリア内で拾ったマテウスがシュート、ブロックされたボールをさらに大野が拾ってシュート。(GK佐藤セーブ)
富山の圧を受けるうちに次第に思考も鈍って来たのか、34分に決定的なミスを犯してしまいます。
やってしまったのは伊東で、GKへのバックパスが短くなった所を富山・大野にエリア内で掻っ攫われ、そのままGK佐藤をかわしてエリア内左からシュートを放つ大野。
菅田がブロックに戻るも、通り過ぎてしまい左を抜かれ、同点を告げるゴールが突き刺さり。
富山サイドのプレスがガッチリ嵌り、バックパス以外の選択肢は厳しい状況でしたが、悔やまれるシーンとなりました。

失点直後、点を取りにいくべく熊本は2枚替え。(竹本・杉山→ターレス・坂本)
その姿勢通りに、36分に右から坂本のクロスがブロックされてCKを得ると、怒涛のセットプレー攻勢に突入します。
キッカーは全て河原で、1本目(右)はニアへのクロス、クリアされて2本目(右)のクロスは中央へ上がり。
高橋利が跳んだその奥で菅田が合わせボレーシュート、しかし富山・林堂がブロックで防ぎ3本目(右)へ。
次はファーへクロスを上げる河原、菅田の折り返しから阿部がバックヘッドでシュートしましたが、GK西部のファインセーブでゴールならず。
そして4本目(左)は中央へクロス、跳ね返りを拾った上村がシュート(ブロック)、こぼれ球に黒木が走り込んでシュート(ブロック)とフィニッシュを量産。
しかし耐えきった富山、そこからカウンターでマテウスがドリブルで運び、パスを大野がエリア内へ進入するも奪われてシュートは撃てず。
富山サイドも耐えるだけに留まらず、やり返す姿勢を見せて試合は白熱の終盤戦へ。

41分に最後の交代枠を使い、高橋利→藤川へと交代した熊本。
その後の43分に菅田が富山・大野との交錯で痛んでしまい、担架で運ばれるという事態になり騒然となりますが、無事に菅田は復帰。
数的不利での戦いは避けられ、それどころか以降パワープレイで前線に張り始めた菅田。

7分ものATへと突入し、先程と同様にセットプレーからゴールを脅かしにかかる熊本。
右サイドからのFKで、河原のクロスに阿部が合わせヘディングシュート、しかしこれもGK西部がセーブ。
直後のCKから富山がカウンターに繋げるという、これも先程と同様の流れが描かれます。(シュートまではいけず)

そして富山は再度ロングスロー、今度は右から安藤が投げ入れると、エリア内でバウンドしてこぼれ。
そして椎名が繋ぎ、大野がエリア内右からシュートするも熊本・黒木がブロックで防ぎ。
攻守が激しく入れ替わったのち今度は富山、碓井の裏へのロングパスが一気に大野に渡り、エリア内右で切り返しからシュート。
しかしこれも熊本・黒木がブロックと、必死の守備を見せるのは熊本サイドも変わりません。
そして攻撃権は熊本へと移り、ターレスの右への展開から上村がクロスを入れると、張っていた菅田がヘディングシュート。
この乾坤一擲のフィニッシュもGK西部がセーブと、大ベテランらしくゴール前に立ちはだかったこの日の西部。

結局最後まで勝ち越し点は生まれず、2-2のまま試合終了。
熊本は首位陥落、富山は昇格の可能性が首の皮一枚となる、文字通りの痛み分けという結果になりました。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第39節 V・ファーレン長崎vs栃木SC

2021-11-18 16:08:30 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(34節・新潟戦、1-1)
※前回の栃木の記事はこちら(35節・町田戦、0-0)

既に昇格の可能性があるのは4クラブのみとなり、残り4試合まで迫ったJ2リーグ。
しかし2位と3位の間に7もの勝ち点差がある状況で、3位(長崎)と4位(甲府)のクラブは悲壮感を漂わせつつ、ただ勝利を挙げるしかない立場にあります。
そんな状況下で残留争いをしているクラブとの対決となれば、お互いの悲壮感がぶつかり合って複雑な試合内容になりがち。
3位の長崎ですが、この日は栃木との対戦。
敗れた場合は首位・磐田の昇格がその時点で決定するというばかりか、翌日京都の勝利で昇格の可能性が潰えるという瀬戸際の試合となり。

ただし残留争いといえど、栃木は比較的上に位置している(15位)ため、「いつも通りのサッカーで勝ち点を1でも積み上げる」という思想に落ち着きやすい状況でもあり。
それが長崎サイドには幸いしたか、悲壮感は初期段階で振り払う事に成功した試合となりました。

前半1分、いつものようにアバウトなボールを前線に送り、こぼれ球を拾いにいったジュニーニョが反則を受けてセットプレーの好機を得た栃木。
右サイド・エリアからすぐ手前という絶好の位置でしたがシュートには繋げられず。
「ストーミング」を貫く特異なサッカーは相変わらずであり、試合前の長崎・松田浩監督のインタビューでも、それを十二分に意識したようなコメントが聞かれており。
栃木が相手の警戒通りの立ち回りを見せた事で、変な言い方になりますが、長崎は幾ばくかの安心感を得たでしょうか。

その後の3分に今度は長崎が、加藤大が栃木・西谷に反則を受けて右サイドからのFKを得ます。
キッカーはウェリントン・ハットで中央へクロスを入れると、クリアしきれず中央へこぼれた所を毎熊がシュート。
GKオビ・パウエル・オビンナがセーブするも、尚も植中が拾って混戦となり、栃木のクリアを毎熊がブロックした所を植中がシュート。
これもGKオビンナが止めるも、さらに江川が追撃してゴールネットを揺らします。
栃木のお株を奪うようなセットプレーでの乱戦で、長崎が早くも先制します。

一方乱戦でクリアしきれなかったのが致命傷となり、リードを奪われた栃木。
その後攻め込むも、6分にはジュニーニョの豊田へのスルーパスがオフサイドとなり。
7分には右からのロングスローを黒﨑が投げ入れ、ニアで柳がすらすも繋がらず、逆に長崎のカウンターが炸裂。
ハットが中央をドリブルで突き進み、エリア手前からシュートを放つもGKオビンナがキャッチ。
栃木サイドの焦りが垣間見えます。

リードした長崎、上記のカウンターの場面以外では、最終ラインでじっくりと繋ぐ立ち回り。
栃木のプレッシングを受けるも、サイドバック(右=毎熊・左=米田)の上がりは控えめで、かつどちらか一方のSBが最終ラインに残って数的有利を作るビルドアップでそれをいなし。
こうした後ろ3枚でのビルドアップを徹底されると、苦しさを見せるのが今季の栃木。
前に出ていっても、GK高木和も使いつつパスを繋いで巧くかわす、長崎の落ち着いた振る舞いの前に実りません。

栃木の反撃姿勢を無事にやり過ごし、迎えた11分。
ルーズボールを澤田が拾ったのち、中央を経由して右サイドへ渡り、ハットと毎熊がスルーパスを応酬して一気にエリア内へ。
ハットが受けにいった所に栃木・谷内田の脚が掛かり、ハットが倒れると審判の笛が鳴り反則。
あっけないような感じですが、PKを得た長崎。
ゲットしたハットがそのままキッカーを務めましたが、この好機を生んだ大胆な推進力とは一転し、実に慎重にシュートを蹴りにいき。
しかしその結果弱々しく左へ放たれたボールをGKオビンナがセーブし、失敗か……と思われた瞬間、審判の笛が鳴ってやり直しというジャッジに。
GKオビンナが蹴る前に前方に出たという事で、再度のPKとなりますが、ここでもハットのシュートは慎重さが前面に出たものとなり。
再び左に蹴られたボールをGKオビンナがまたもセーブ、しかし今度はハットの目の前に転がって万事休すとなり、3度目の正直でネットに突き刺したハット。
グダグダした時間帯でしたが、無事に追加点を得た長崎。

2点差が付いた事で余裕が生まれた長崎を尻目に、1点を返しに攻め上がる栃木。
GKオビンナのロングフィードや、ロングスローなどを絡める普段通りの攻撃を徹底するも、長崎サイドも対処法は既に熟知されており。
20分にロングスローのこぼれ球を、中央で佐藤がボレーシュートにいきますがミート出来ず終わり、結局シュートを放てないまま飲水タイムを迎えます。

ブレイク後も攻め上がる栃木ですが、最初の好機(27分)で右サイドから黒﨑がクロス、巧くフリーのファーサイドに上げるも溝渕が谷内田と被ってしまう不運。
どうにも歯車がかみ合っていないシーンを描いてしまいます。
それでもクロス攻勢を貫くしかない栃木、29分には自陣からのFKでGKオビンナのフィードをジュニーニョが収めてから、西谷から上がったクロスを柳がヘディングシュート。
会心の一撃といった柳のシュートでしたが、GK高木和のセーブでゴールならず。
この試合が今季初出場となった高木和、昇格争いの最終盤という大事な試合ながら、突然の出番に臆せずのプレーを見せます。

その後は栃木のチャージに長崎の選手が痛むシーンが目立ちつつ(39分には栃木・西谷に警告)、迎えた前半の終盤。
長崎のビルドアップに対してプレスを掛け、何とか反撃の1点を……といった栃木。
そして44分長崎エリア内のGK高木和にプレスにいったジュニーニョ、高木和のキックをブロックして奪い、次の瞬間高木和の脚に引っ掛かって倒れ。
反則PKか、と思われましたが主審の笛は吹かれずとなり、得点チャンスとはなりません。
その後ジュニーニョが痛んで暫く倒れていたのもあり、正直PKとなっても可笑しくなかったと思われますが、それまでのチャージでの悪印象がジャッジに現れてしまったでしょうか。
結局2-0のまま前半が終了します。

ハーフタイムで栃木ベンチは動き、豊田・谷内田→森・山本へと2枚替え。
矢野が右サイドハーフ→FWへと回り、投入された2名がいずれもSHに入ります。(右=山本・左=森)

圧力をかけるも、中々シュートに辿り着けなかった前半の栃木でしたが、後半1分に早くも森がドリブルからミドルシュートを放ち。
グラウンダーのボールはゴール左へ僅かに外れるも、これが狼煙となり気勢を上げて攻め上がる栃木。
後半はサイドでのドリブルを多くし、クロスを上げる体勢を作る攻撃が目立ち。
それだけ開始直後の森の振る舞いが勇気を与えた、というような感じでしょうか。

しかしクロスが増えても、フィニッシュまでは繋げられずに時間が経過していき。
長崎サイドも栃木の攻撃を脅威と感じていたのか、16分に交代カードの使用に踏み切ります。
植中・澤田→都倉・加藤聖へと2枚替え。(米田が左SB→左SHへシフト)

直後に栃木はロングスローと見せかけて手前に入れ、そこから長く繋いでジュニーニョのシュート(枠外)に繋げ。
ゴール前で変化も付けつつ、まず1点を奪う事に集中していたようでしたが、その姿勢が再度ひっくり返される事となります。
19分最終ラインから左へ展開して前進する長崎、加藤聖の縦パスを受けた都倉が中央の加藤大へ送り、これがカットに入られるもこぼれ球がエリア内へと転がり。
米田が拾って切り込む所、飛び出したGKオビンナが足を引っ掛けてしまい、審判の笛が鳴り反則・PKに。(オビンナに警告)
2度目のPK(やり直し含めて3度)を得た長崎、キッカーは都倉が務めると、実にベテランらしい時間を使う振る舞いを見せたのちゴール左隅へシュート。
GKオビンナのダイブは届かず、決定的な3点目をゲットします。

直後に飲水タイムが採られ、先程の反則の際に足を痛めた米田、一旦プレーを続けるも26分に交代となり。(山崎と交代)
栃木サイドも再開直前にジュニーニョ→松岡へと交代して第4クォーターへ。

といっても逃げ切り体制の長崎に対し、栃木がどれだけ意地を見せられるかというのが残された見所でしょうか。
28分に左コーナーキックからの二次攻撃、逆の右サイド手前からのクロスをファーで柳が折り返し、中央で乾がシュートするも長崎・江川のブロックに防がれます。
36分には再びCK、今度は右からで森のファーサイドへのクロスに矢野が合わせヘディングシュート、しかしこれも長崎・都倉のブロックに阻まれゴール出来ません。

次第に好機の数も減っていく栃木。(39分に長崎は加藤大・ハット→名倉・大竹へと交代)
手詰まり感を振り払うべく、最後の交代に踏み切ったのが41分。
佐藤・西谷→三國ケネディエブス・小野寺へと交代し、DFを投入した分柳を前線へと上げる、最後の手段的な采配が採られます。
それでも敗戦への道を堰き止める事は出来ず、時間はどんどん進んでいき。

アディショナルタイムに入り、そんな栃木の衰運に付け込んで長崎が攻勢を掛け。
山崎や都倉がエリア内からシュートを放ち(両者とも枠外)、これから始まる「絶対に負けられない戦い」に上昇機運を持ち込まんとする攻撃を見せます。

結局3-0のまま試合が終わり、磐田の昇格決定を阻止する勝利を挙げた長崎。(翌日自力で決められますが)
2位・京都が勝利したため勝ち点差は詰まらずとなり、今後は最低でも3試合で勝ち点7が求められるという、まさに首の皮一枚という昇格条件。
また別会場では、4位・甲府は最下位の松本と対戦。
終盤に点を取り合う乱戦となり、何とか甲府が勝利(3-2)して昇格の可能性を残すも、冒頭で述べた「悲壮感のぶつかり合い」のような展開を演じる事となりました。
既に京都との直接対決も無いため、運を天に任せるしかない状況ですが、まずは自分達で出来る事をやるのみです。

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DAZN観戦 2021年J3リーグ第27節 Y.S.C.C.横浜vsいわてグルージャ盛岡

2021-11-17 16:09:00 | サッカー視聴記(2021年その他)

<YS横浜スタメン> 3-3-2-2
GK 佐川
RCB 大城 CCB 宗近 LCB 池ヶ谷
RWB 船橋 DH 土館 LWB 宮内
IH 山本 IH 佐藤
FW 柳 FW 菊谷
<岩手スタメン> 3-4-2-1
GK 野澤大志ブランドン
RCB 小野田 CCB 牟田 LCB 佐々木翔悟
RWB 加々美 DH 脇本 DH 増田 LWB 中村
IH 和田 IH 色摩
FW ブレンネル

今節、岩手のパワーサッカーの餌食になるのは何処か。

とは言っても相手のYS横浜は目下4連勝中で、ややもすると昇格圏を脅かすかもしれないという勢いのあるクラブ。
しかしJ2ライセンスがあっても、前回述べた通りクラブの経営組織形態の問題があり、2位以内に入っても昇格出来るかどうかは不明なのですが。
他には宮崎や福島といったJ2ライセンスの無いクラブが上位を脅かし、昇格クラブ数の減少が現実味を帯びているJ3の終盤戦。

大事な終盤を迎え、相手に合わせたサッカーも披露して接戦をモノにしている最近のYS横浜。
スタメンは3バックと4バックを使い分け、試合中の可変システムも厭わず。
この日の特異なスタイルの岩手と相対し、どんな戦術を採るのか気になりましたが、逆に相手に合わせ過ぎという印象を抱く事となります。

開始早々の前半1分、色摩がブレンネルとのワンツーで左サイドを抉ってコーナーキックを得た岩手。
そしてキッカー中村のクロスが上がると、岩手・佐々木翔とYS横浜・宗近がエアバトルで頭部同士激突してしまい、両者倒れ込み。
1分以上掛けて何とか双方起き上がり、一旦ピッチ外に出たのち両者とも復帰します。
このヒヤリとするシーンで、「目には目を」の如くパワーサッカーにはパワーサッカーで対抗しようとする、この日のYS横浜の姿勢だと気付くべきだったでしょうか。

その後も戦術というよりはデュエルの激しさが目立つ試合となり。
ビルドアップに定評のあるYS横浜も、岩手の激しいプレスの前には思うような前進は出来ず、逆にショートカウンターを浴びる展開を強いられます。
前半7分色摩がパスカットしてそのまま中央をドリブルし、中村を経由しての展開を経て、エリア内左で受けたブレンネルがシュート。
ブロックされるも拾い直したブレンネル、奥へ切り込んで角度の無い所から再度シュートを放ち、GK佐川がセーブした所をさらに色摩が詰めるという三連撃。
しかし至近距離で放たれた色摩のシュートも、YS横浜・池ヶ谷の決死のブロックに防がれて先制はなりません。

顕著だった肉弾戦は、むしろYS横浜の選手がラフさを見せる事が多く。
目立っていたのは、サイドの選手ながらいかにもフィジカルが強そうであった船橋。
17分には岩手・佐々木翔が彼のチャージを受けて痛んでしまい。(1分程倒れるも復帰)
飲水タイムを経ての27分、岩手・増田のドリブルを引っ掛けてしまった船橋、警告を受ける破目となり。
35分にも岩手・中村が大城のチャージで倒れ込むなど、岩手のパワーに絶対負けないという意思が強く見られました。

しかしその意識がサッカー的にはマイナスだったのか、試合の主導権は岩手が握ります。
ブレンネルにロングボールを収めさせるのを基本線とし、彼がサイドに流れてでも起点となる姿勢を軸に、色摩をはじめとした2列目以降の選手の推進力を発揮させる攻撃。

そんな岩手の圧力に押され気味だったYS横浜、飲水タイム後の27分にゴールキックを短く始めてのビルドアップによる攻撃。
宗近の縦パスを受けた山本から左へ展開ののち、山本のサイドチェンジを経て右から攻撃、受けた船橋がエリア内へと前進するもシュートまではいけず。
本来の持ち味である攻撃が生まれた事で、以降攻撃機会も増えていきます。

しかしYS横浜に好循環が生まれた矢先、セットプレーでひっくり返される事に。
30分の岩手の攻撃、ブレンネルがロングパスを右へと落とし、受けた和田がドリブルでエリア内右を突き。
クロスがブロックされて右CKを得ると、キッカー中村のファーサイドへのクロスを、牟田がヘディングシュート。
角度の無い所ながら、GK佐川のセーブと宮内のブロックを破ってゴールネットに突き刺さり。
得意のセットプレーで先制した岩手。

失点により色を失ったYS横浜を尻目に、尚も岩手の攻勢は続き。
38分にはGK野澤のロングフィードから、クリアボールをさらに小野田が前へ蹴り込み、和田の競り合いでこぼれたボールをブレンネルが拾って前進。
そしてミドルシュートを放ったブレンネル、強烈なグラウンダーのボールがゴールを襲うも、左ポストを直撃。
岩手らしい、ロングパスからのセカンドボールを支配しての攻撃でしたが惜しくもゴールならず。

飲水タイム以降は、とにかくウイングバックに高い位置を保たせるようなビルドアップを貫いていたYS横浜。
サイドに開いたシャドーが、CBとWBの間でボールを受けて攻撃の橋頭堡となろうとするも、岩手の堅い守備の前に有効打とはなり得ず。
終盤の45分、再び短いゴールキックからのビルドアップを見せ。
これは好機には繋がらずも、自分達のサッカーを取り戻すという姿勢が良かったのか、アディショナルタイムにペースをつかむYS横浜。
菊谷のロングパスを左サイドの高い位置で宮内が受け、カットインを経てエリア内左からシュート。
岩手・牟田にブロックされるも左CKとなり、キッカー山本のファーサイドへのクロスを大城がシュート気味に頭で落とすと、GKの眼前で宗近がコースを変えてネットに突き刺し。
岩手と同様、セットプレーでのCBの働きで同点に追い付きます。

これで振り出しで後半に挑める……と意識したかはどうかは不明ですが、そうは問屋が卸さず。
岩手が敵陣に押し込むと、左からのスローインを受けにいった増田がYS横浜・大城に倒されて反則、深めからのフリーキックを与えてしまったうえに大城が異議で警告を受け。
この左サイド奥からのFK、キッカー中村は中央へクロスを入れ、先程と同じく牟田が合わせてヘディングシュート。
GK佐川がキャッチにいくもこぼれ、すかさず和田が詰めてネットに突き刺し、ゴールとともに前半終了の笛が鳴り。
最後のプレーで勝ち越しに成功した岩手。

結局はビハインドで後半に臨む事となったYS横浜。
ハーフタイムに動きを見せ、船橋→神田に交代、柳が空いた右WBに入って神田が前線に。
ややラフプレーに傾倒していた感のあった船橋を下げる事で、終了間際の大城の警告の件も含めて冷静さを取り戻しにかかる采配だったでしょうか。

しかしその意図が潤滑油になるとは限らないのがサッカー。
後半1分に早速岩手が敵陣で佐々木翔のカットから好機、彼のミドルパスを色摩が受けてブレンネルに渡り、そのままミドルシュートを放つもゴール上へ外れ。
いきなりのショートカウンターを浴びたYS横浜、直後のゴールキックでも、フィードがカットされ再びゴールに迫られてしまいます。
カットされたボールをブレンネルが落とし、脇本を経由してエリア内で和田がシュート。
今度はゴールネットを捉え、後半早々に貴重な追加点が生まれました。

冷静さを取り戻すどころでは無くなってしまったYS横浜。
直後の3分には岩手・増田のドリブルを柳がスライディングで倒してしまい反則。
再びのラフプレーへの傾倒が露呈するイライラ感が窺える中、5分には逆に岩手が反則。
こぼれ球を追い掛けた所、中村がYS横浜・宗近を倒してしまい反則・警告となると、倒された宗近が激高した事で騒然となってしまいます。
以降、主審もコントロールを図るべく、黄色い紙を突き出すのが顕著な展開となりました。

集中力を欠きやすい環境となりますが、半分はYS横浜の意識が招いてしまった災いともいえるので何とも言えず。
そんなYS横浜を尻目に、尚も攻勢を掛ける岩手。
7分にはブレンネルの低いクロスをニアで受けた色摩がシュート。(枠外)
11分には左サイドで受けた色摩がドリブルで切り込み、そのままエリア内左に進入し奥からシュート(サイドネット)と、和田の2ゴールに触発されたようにゴールを狙いにいく色摩。

反撃ムードを作るのも難しい状況となったYS横浜、16分に再度ベンチが動き。
大城・宮内・菊谷→田場ディエゴ・河辺・林へと交代、3枚替えで強引に流れを変えんとします。
この交代で、恐らくは↓のような布陣にシフトしたでしょうか。
<後半16分以降のYS横浜> 4-1-4-1
GK 佐川
RSB 柳 CB 宗近 CB 池ヶ谷 LSB 河辺
DH 土館
RSH 田場 IH 山本 IH 佐藤 LSH 神田
FW 林
1アンカー=土館というのは不変に見えたので、自分の無い知恵を絞った結果、こう映りました。
左サイドバックの河辺がひたすら高い位置をキープするので、ひょっとすると柳・宗近・池ヶ谷の3バックだったかもしれませんが……。
尚ほぼ同時に岩手も、色摩・和田→嫁阪・モレラトへと2枚替え。

以降はボールポゼッションを高める普段のスタイルに傾倒し、反撃を図るYS横浜。
しかし20分には岩手のカウンター、クリアボールを収めたブレンネルのスルーパスを、嫁阪が受けてエリア内に進入してシュート。(GK佐川セーブ)
飲水タイム後の27分は、YS横浜のパスミスで岩手が敵陣で拾い、再びブレンネルのスルーパスをモレラトがエリア内で受けてシュート。(YS横浜・池ヶ谷が足でブロック)
一度失ったものを取り戻すのには時間が必要、そんな言葉を突きつけられるかのように岩手に決定機を量産されます。

何とか追加点を阻み攻勢に出るYS横浜ですが、ネガトラが速く中央の堅い岩手の牙城を崩すのは容易では無く。
32分にはCKからのこぼれ球を神田がシュート(枠外)、34分には林がエリア手前からシュート(枠外)を放っていきますが、いずれも守りを固める相手に対し遠目から撃たざるを得ないという域を出ないシーンでした。

終盤を迎え、岩手がリトリートに傾倒したのもあってボールを握る事は容易になるも、得点への機運は高まらないYS横浜。
2点差をキープされたまま、とうとうATに突入される事となります。

逃げ切り体制に入る岩手、残されていた交代枠を使用していく秋田豊監督。
モレラト→有永へと交代し、モレラトのインアウトも辞さずという姿勢を見せるも、その際に中村が足を攣らせる事態が発生。
すかさず最後の交代も使う(中村→ビスマルク)事となりました。

意地を見せたいYS横浜、敵陣左からのスローインの連続で押し込むと、河辺がビスマルクに反則を受けてFKに。
左サイド・エリアからすぐ脇という位置で、キッカー神田は直接シュートを狙いましたが、ゴール上に僅かに外れてモノに出来ず。
その直後に試合終了の笛が吹かれ、結局このキックが後半最も惜しかったシュートとなり、1-3で岩手の勝利。
岩手にとっては昇格に向けて大きな勝利となり、2位(熊本)と勝ち点差2に迫り。
昇格を目指す組と、昇格出来ない組が入り乱れる上位陣という絵図のJ3、泣いても笑っても残り3節となりました。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第39節 レノファ山口FCvsギラヴァンツ北九州

2021-11-16 16:08:43 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(34節・水戸戦、2-2)
※前回の北九州の記事はこちら(35節・大宮戦、1-3)

名塚義寛監督就任以降の山口、2連敗→3連引き分け→2連勝と推移。
負のサイクルから抜け出したのち、いくばくかの助走期間を経て滑走路を飛び立ったという流れで、成績的にも無事に危険水域から脱出。
この試合に勝利すれば、他チームの結果如何では残留も確定するという所まで浮上してきました。

この間起用選手は激しく入れ替わり、全試合スタメン出場はGK関と渡部の2人のみ。
水曜開催による3連戦も交わり、メンバーを数多入れ換えての運営をこなす、まさに総力戦で浮上の兆しをガッチリと掴んだという事でしょうか。
その総決算となるかのように、この日は岸田が久々のベンチ入りを果たし、実に3節以来という遠い出来事。
この最終局面で、クラブレジェンドといえる人物の力を借りて残留を果たさんという山口。

試合が始まり、山口は「名塚イズム」と言うべき前線からのプレッシングを敢行し、そこからのショートカウンターを狙いにいき。
前半2分に高木が敵陣深め右サイドでボールを奪い、即クロスを上げるも北九州・福森がブロック。
そしてこの際に福森が痛み暫く倒れ込んでしまうシーンとなり。
無事に起き上がり続行するも、残留の切り札とされていた椿が再加入後即故障で長期離脱してしまった(現在は復帰)という苦い思い出がある北九州。
いきなりヒヤリとするとともに、山口のプレッシングに屈さないか不安感漂う入りともなりました。

5分には自陣で高井がボールを奪った山口、彼のスルーパスで抜け出した草野がエリア内左を突いて切り返し。
そしてシュートを放ち、北九州・生駒にブロックされてこぼれたボールを、さらに池上がボレーシュートで追撃。(枠外)
その危惧が現実味を帯びたものの、その後は北九州も反撃に転じ。
6分右サイドで形を作り、佐藤亮のカットインを経て中央で新垣が前進、エリア内に進入してシュート。(ブロック)
12分には、佐藤亮が山口・佐藤謙介との交錯で倒れ込むシーンがあり再びヒヤリとさせられますが、無事に復帰。
15分には高橋がボールカットしたのち中央からシュート(ブロック)、17分には高橋のスルーパスを受けた前川がエリア内からシュート(GK関キャッチ)と、フィニッシュで上回りを見せます。

しかし北九州の攻撃は、基本である「3-1-6のビルドアップ」は既に影も形も無く。
その形を支えてきた村松や岡村・針谷の名がスタメンに無いのも影響し、普通にボックス型での組み立てを採っていました。
そのためか次第に山口ペースの流れとなり、24分に決定機。
左から佐藤謙がサイドチェンジして右サイドでヘニキが受け、人数を掛けてパスを繋いだのち高木のクロスが上がり、ヘッドで合わせたのは草野。
しかし放たれたシュートは左ゴールポストを直撃し、跳ね返りを自分で詰めにいったものの及ばずクリアされ先制ならず。
山口にとって悔やまれるシーンが生まれたのち、飲水タイムが挟まれます。

ブレイク後の北九州、主に左サイドの関係性を重視して攻撃。
新垣の突破力を盾として、その新垣が降りて受けてサイドバックの福森が上がり、スルーパスに走り込むという具合に仕掛けます。
しかしこの左サイドアタックからはフィニッシュに持ち込めずにいると、次第に肉弾戦の様相が色濃くなっていきます。
37分には反則を受けた山口・草野がヒートアップし、あろう事か北九州・高橋に報復行為に出てしまい。
主審(木村博之氏)の笛が遅れた(見ていなかった?)事で両軍さらに騒然となり、結果として草野に警告が与えられる運びとなりました。
既にここまで2枚警告を受けている(15分・楠本、31分・高井)山口、残留争いを勝ち抜くためのハードワークが負の方向へ傾いてしまうシーンとなりました。

その後は山口が主体的な攻撃を見せ、最終ラインからの展開で攻め上がるもゴールは奪えず。
北九州もアディショナルタイム突入後流れを掴み、セットプレー攻勢を掛けるもやはり得点には辿り着けず。
前半はスコアレスで終える事となりました。

共に交代無く迎えた後半も、山口が前半終盤と変わらず主体的に攻め込み。
敵陣でのショートパスの割合を増やして崩さんとするも果たせず、逆にその間に北九州の反撃を受ける事となります。
後半3分、前川の展開から右サイドで前進し、高橋がエリア内へ横パスとともに中に入って佐藤亮のリターンを受け。
そしてカットインを経て中央からシュートするもブロックに阻まれます。
10分には西村の裏へのロングパスを受けた前川、そのままエリア内へ進入する絶好機となるも、追走する山口・ヘニキのディフェンスで倒れてシュートは撃てず。(反則無し)

ペースを握りながらもモノに出来ず、カウンターパンチを喰らう危惧が過る流れのようになってきた山口。
しかし11分、高井がプレッシングで北九州・福森からボールを奪った所を反則を受け、絶好の位置でのフリーキックの好機。
これをキッカー田中渉が直接、ゴールに向かうクロスのような軌道で狙いにいき、GK田中悠也がパンチングで防ぐも跳ね返りを橋本がダイレクトで縦パス。
シュート気味のグラウンダーのボールを、渡部のスルーを経て高木が触りにいくも収まらず。
モノには出来ませんでしたが、これを境に山口はプレッシングのキレも戻り始め、攻撃権も支配する事となります。

これを受けた北九州ベンチは先に動き、16分に佐藤亮・前川→富山・新井へと2枚替え。
高橋をトップ下に移しての4-2-3-1の布陣へとシフトします。
しかし1トップとなった事で、ある程度プレッシングを捨てるという選択を採らざるを得なくなり。
尚も山口に押し込まれ、17分には佐藤謙の縦パスを池上が受けたのち右サイドで前進、右ハーフレーンから田中渉がシュート。(GK田中悠セーブ)
「田中(渉)のシュートを田中(悠)がセーブ」というシーンが量産され、苦しさを隠せない北九州。

リーグ戦も最終盤の時期になり、理想と現実の挟間から、とうとう現実路線へと舵を切る事となった北九州。
前述のビルドアップの変節も、センターラインに長身選手を並べて守備を固める手段との板挟みであり、仕方無いという思いはある程度織り込み済みでしょう。

J3の苦闘を経験してきて、二度とその場に落ちたくないからこその選択でしょうが、少し遅すぎたという感は拭えず。
既に1つの勝利では降格圏を抜け出せないという状況で、残り4試合を迎える事となり。
それだけ理想を追求し、行き詰まっても中々捨て去る事は出来ずにいた今季の小林伸二監督。
全権監督という立場故にその心境は複雑なものでしょうが、まずは全力で、残された残留の可能性を掴み取るのがミッション。

劣勢に立たされた20分、さらに新垣→椿へと交代カードを切った北九州。
22分には右サイドでのボール奪取から、西村が素早く裏へミドルパスを送り、先程入った新井(今季初出場との事)が走り込むシーンを作りますがオフサイドに。
山口の攻勢を受けつつも、得た攻撃機会は全力でモノにしていくという立ち回りを匂わせつつ、23分に後半の飲水タイムに。

ブレイク明けも山口が攻撃権をガッチリと掴んで離さず。
この時間帯は、最終ラインから左サイドに展開してパスを繋ぎ、北九州を右へスライドさせたのちに逆サイドへロングパスを送るという手法が多かった山口。
そこから好機が生まれたのが27分で、ロングパスを受けた高木がエリア内右へ送り、走り込んだ池上がグラウンダーでクロス。
草野が合わせにいくもクリアされ、こぼれ球を拾った田中渉が中央からシュートするも北九州・西村がスライディングでブロック。

ギリギリの所で防ぎ、その後も何度もクロスを浴びる等押し込まれる北九州。
勝利するためのワンチャンスが訪れたのが31分で、自陣でボールカットした西村が素早く前へ浮き球を送り、受けた高橋がさらに左へ展開。
そして受けた椿が細かいタッチのドリブルで前進、エリア手前まで進んだ所で追い越した高橋へラストパス。
エリア内左から、得意の左足を振り抜いた高橋のシュートがゴールネットに突き刺さり、欲しかった先制点を挙げた北九州。
確実にモノにし、押され気味の展開を跳ね返す事に成功しました。

危惧が現実のモノになってしまった山口。
失点直後に高木→石川へと交代し巻き直しを図るも、守備を固める北九州に対し、先程までのスムーズな攻撃は失われ。
停滞感の中終盤を迎え、さらにカードを切ったのが40分。
田中渉・草野・高井→佐藤健太郎・梅木・岸田への3枚替えを敢行します。
ここに来て岸田を投入し、彼の胸すくゴールへの期待高まる采配ですが、相手は現実的なサッカーへのシフトを果たした北九州。
すかさず(というかほぼ同時に)福森・新井→永田・岡村へと2枚替えするとともに、5バックのシステム(3-4-2-1)へとシフトする守備固めを敢行した小林監督。
新井がインアウトという事態も御構い無しで、山口の情緒的な期待感に蓋をする采配を見せます。

以降の北九州、42分にカウンターを敢行し椿がドリブル、エリア内左からの切り返しでシュートを放った(GK関キャッチ)のが唯一の攻撃機会。
とにかく山口の猛攻を跳ね返し、1点を守り切るのが勝利への唯一の道となり。

山口は44分に右コーナーキックから、池上のクロスを中央で渡部が合わせボレーシュートするも北九州・生駒がブロック。
直後の45分には左サイドから橋本がクロス、これがゴール上部に向かうボールとなるも、GK田中悠がパンチングで逃れて再度CK。
そこから岸田がヘディングシュートを放つも、枠には向かわず。
そしてATへと突入し、ヘニキを前線に上げるパワープレイ体制に入る山口ですが、どうしても得点に辿り着けません。
そして試合終了を告げる笛が鳴り、ウノゼロで北九州が勝利。

実に10試合ぶりの勝利となった北九州、笛の瞬間決勝ゴールを挙げた高橋がその場で泣き崩れるという姿も見られ。
泥沼ともいえる残留争いを戦う男たちの苦難が垣間見えるシーンとなりましたが、それも残り3試合。
14位以下の9クラブは未だ残留決定出来ていない状況で、どんな結末が描かれるでしょうか。

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