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DAZN観戦 2023年J2リーグ第21節 いわきFCvsジェフユナイテッド千葉

2023-06-21 16:34:57 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回のいわきの記事はこちら(12節・長崎戦、0-1)
※前回の千葉の記事はこちら(16節・清水戦、1-0)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督を交代。前節(山形戦、0-3)終了後に村主博正氏が退任し、GMだった田村雄三氏(2017~2021年の監督)が就任。
  • 監督交代に伴いフォーメーションを変更し、アンカーシステムを採用。(yahooスポーツナビでは4-1-2-3)
  • 13節(甲府戦、0-1)で負傷した杉山の詳細が発表され、5/10に手術を実施して全治4か月との事。
  • 前節負傷交代した山口の詳細が発表され、全治2か月との事。
  • 天皇杯2回戦(徳島戦、1-2)で負傷した宮崎の詳細が発表され、全治2か月との事。

<千葉スタメン>

  • 田口が負傷離脱から復帰し、10試合ぶりにメンバー入りかつスタメン出場。
  • メンデスが19節(町田戦、0-2)から選手登録。
  • 小森がプロA契約を締結。

いくら攻め込んでも得点が奪えず、逆に守備では大量失点が目立ってきたという悪循環に入り込んでしまったいわき。
そのタイミングで監督交代を断行するに至り、田村氏のJ2初陣となったこの試合。

初陣といっても、Jリーグ参入を果たすまでの5年間、県リーグ・地域リーグ・JFLでの戦いで監督を務めていた田村氏。
JリーグではS級ライセンスが無いと指揮が執れない規定があるので、一旦GMへ退避?し、ここに来てライセンス獲得を果たした事で監督業へと返り咲くという流れを描きました。
悪く言えば、村主前監督は体のいい「繋ぎ役」だったとも取れ、交代に則しての大倉智代表のコメントも「成績面での交代では無い」事を強調しており。
クラブと密接な関係にある田村氏の就任で、気心を取り戻し常勝集団への歩みを取り始めるといった所でしょうが、思惑通りにいくかどうか。

ここ最近の低迷で、一本槍のサッカーだけでは戦えないと判断したでしょうか。
フォーメーションはアンカーシステムを採用し、4-1-2-3とも4-1-4-1ともいえる布陣へと変更。
鉄板のドイスボランチだった宮本・山下(といっても最近右サイドバック起用が多かった宮本)を、一列上げてインテリオールで起用と変化を付けて来ました。
古巣対決となった千葉の日高に対し、ボールを持つのみでブーイングが上がるという洗礼を浴びせる環境となったホーム・いわきグリーンフィールドでの一戦。

しかしその新布陣が馴染むまで我慢を強いられた立ち上がりに。
距離感の長いパスによる千葉のビルドアップに翻弄され、何度もクロスに繋がる攻撃で押し込まれる事となり。
前半6分には田中和のグラウンダーでのクロスを、ニアサイドで小森が合わせたもののジャストミート出来ずGK鹿野がキャッチ。
序盤はこの小森をニアに入り込ませた所にクロスを送るという狙いで、先制点を狙いにいった千葉でしたが、そのクロスがブロックに引っ掛かる事も多く思惑通りにはいきません。

すると8分に宮本が小林にアフターチャージを受けて反則、これによるフリーキックから、セットプレー攻勢を掛けるいわき。
こうなると千葉サイドは、秋田戦がそうであるようにパワーサッカーに対する耐性の乏しさが露呈しかねない流れとなります。
2本目のコーナーキックではクロスの跳ね返りを嵯峨が繋ぎ、右サイドで谷村が入れ替わりを見せると、サンドしにいった日高と高橋がかわされてお互い交錯する状況となり。(その後谷村がカットインでポケットを突くも奪われる)

相手のフィジカルに混乱する事無く、落ち着いて主体的な攻撃を貫くのが勝利へのカギといえたこの日の千葉。
その後も最終ラインから地上で繋ぐビルドアップを軸に、攻撃権を支配していきます。
選手の距離感の長さにいわきサイドもプレッシングの的を絞れず、サイドハーフ・SBの2人+見木というサイドからの推進も中々止められず。
何とか攻撃を断ち切っても、前線へアバウトなボールを送るだけとなってしまい、1トップの近藤が機能する場面はほどんと作れません。
32分に左スローインからの繋ぎで、近藤がクロスを送ると、ブロックに当たった事もありファーサイドへ高く上がり。
そして加瀬のボレーシュートに繋がりましたが、日高のブロックに阻まれゴールならず。
これがこの日初のフィニッシュと、これまで「いくらシュートを撃っても決められない」試合を量産していたいわきとはにわかに信じられない展開でした。

それもそのはずで、流れの悪さを受けたいわきはアバウトな前進を諦め、地上でショートパスを繋ぐ攻撃の割合を増やしていき。
アンカーシステムの採用もこのためと言わんばかりに、「従来のスタイルでは通用しない」事を十分に悟っての、ボールポゼッションへの傾倒を幾ばくか見せていきます。
それでも今まで疎かにしていた事を、急にやれと言われても良い結果を出すのは難しく。
後方の選手の持ち運びに依存する事となり、嵯峨をはじめ遠藤や下田もドリブルで相手を剥がすシーンが目立ち。

40分には中央で拾った嵯峨がドリブルから右へ展開、受けた加瀬もドリブルで奥を突いたところ、日高に倒されて反則・警告。
カード一番乗りが、古巣対決の日高という皮肉な結果を生み出します。(当然客席からはブーイング)
これを境に45分には嵯峨が、アディショナルタイムには田口が警告と、黄色いカードが飛び交う流れが出来てしまい。

その嵯峨の(椿のカットインを後ろから倒しての)反則で、左ハーフレーン・エリアからすぐ手前という絶好の位置で直接FKを得た千葉。
いわきの壁の枚数が少ない(2枚)中で、日高が恩返し弾を狙うという雰囲気を見せたうえで、田口が直接狙ったもののシュートはゴール左へ惜しくも外れ。
結局前半はスコアレスで終了となりました。

共にハーフタイムでの交代は無く。
始まった後半、いわきはロングボール攻勢の一つが繋がり、近藤狙いのボールがこぼれた所を加瀬が拾い右サイドを推進してクロス。
これをニアサイドで宮本が走り込んで合わせるもミート出来ずと、前半序盤の小森とカブる印象を残すのみに終わり。

入りに得た決定機を逃すと、千葉に流れが傾くのは自然の定理のようでもあり。
後半3分に左サイドを踏襲した千葉、パスワークを経ての田口のダイレクトクロスが、放物線を描いてゴールに向かうボールとなって右ポストを直撃。
跳ね返りを小森がボレーシュートで追撃するも枠外と、心の隙を突かれる形となった危機を描きます。
すると5分に遠藤が高橋のドリブルを後ろから倒してしまい反則・警告、これで再び好位置での千葉の直接FKに。
今度は右ハーフレーンから、日高が直接狙ったものの壁を掠めてゴールへ向かったボールはGK鹿野がしっかりキャッチ。

その後9分にいわきが、下田のコントロールミスで田中和に奪われ、たまらず倒してしまい反則。(ここからのFKはフィニッシュに繋がらず)
11分には千葉が不要なフリックをカットされていわきの攻撃(嵯峨がすかさずスルーパスも加瀬には通らず)と、お互いミスからピンチを招くシーンが生まれ。
ややダレ始めて来た雰囲気を受けてか、14分にいわきベンチが先に動き加瀬→永井へと交代します。(永井は左SHに入り、谷村が右に回る)

プレッシングの際は山下が前に出る形のいわきですが、攻撃の流れでは宮本が前線へ飛び出す役割を務める両インテリオール。
この形に千葉サイドも手を焼く場面は少なくなく、18分にはこぼれ球を拾いにいった宮本が、防がんとした佐々木と激しく交錯して両者倒れ込み。(双方無事に起き上がり続行)
21分には最終ラインから右サイドで素早く運び、スルーパスに走り込んだ宮本がクロスに辿り着く(ブロックされCKに)という具合に、脅威を与えにいきます。

押し込まれ気味になってきた千葉は、23分に交代カードに手を付け。
一気に3枚替えという選択を採り、田中和・椿・小森→米倉・高木・呉屋へと交代しました。(3人とも同ポジション)

そして25分、左サイドを高木のドリブルで奥を突いてクロス、呉屋がヘディングで合わせたボールが上空へ舞い上がり。
落ちて来た先はゴールバーと、いわきにとって肝を冷やす結果となりましたが跳ね返りを何とか掻き出して凌ぎ。
ホッとしたのも束の間、続く26分に再び高木がドリブルからクロスを送り、今度はファーサイドで米倉がヘディングシュート。
これも右ポストを直撃と、枠に救われるシーンが続きます。
交代選手の奮起で押し込む千葉ですが、肝心のゴールは後一歩。

28分にいわきベンチは再び動き、河村・谷村→石田・吉澤へと2枚替え。
32分にこちらも投入された吉澤の奮起で右サイド奥を取り、カットインを経てのクロスはクリアされるも、こぼれ球を山下がエリア内からシュート。
しかしゴール前で米倉がブロックで防ぎ。
その後足を痛めた嵯峨が退く事となり(といってもその前から交代準備はされていた)、芳賀を投入して以前のように宮本を右SBへと流用します。

交代カードを使いきったものの、ここから失速気味を隠せなくなったいわき。
今までとは異なるサッカーを取り入れれば、それだけ消耗具合も激しくなるといった試合だったでしょうか。
再び攻撃権を得た千葉は、前述の流れの通り高木を中心に左サイドを推進し、ファーサイドへのクロスで仕留めにいく攻撃を目立たせ。
決定機は39分で左CKから、クロスの跳ね返りを拾ったのち逆サイドで高橋が遠目からのクロス、これをファーサイドで呉屋がボレーで合わせ。
距離の長いクロスボールにいわきが完全に逆を突かれた格好となりましたが、放たれたシュートはゴールバーを直撃、跳ね返りを米倉が追撃するもゴール前で山下がブロックして防ぎます。

またも寸での所での凌ぎとなったいわき。
既に攻勢に出られる余裕も無く、最終ラインからの繋ぎも自陣でカットされて千葉の攻撃を許すという具合に一方的な状況となり。

ゼロで抑えたいいわきと、何とか1点もぎ取りたい千葉の思惑がぶつかり合う試合終盤。(43分に千葉は田口→風間へと交代、見木がボランチへシフト)
運動量が落ちた影響もあり、サイドでの推進に対し反則を膨らませてしまういわきでしたが、そこでのFKからのクロス攻撃も実らない千葉。

この流れはATまで続いたものの、その中で千葉の右CK、キッカー高木ファーにクロス→鈴木大折り返しで上がったチャンスボールに対し米倉がバイシクルにいき。
しかし永井を蹴ってしまう形となり、ゴールどころか反則で途切れどうしてもモノに出来ません。

永井は無事だったものの、治療を受けた事で一旦ピッチ外へ。
その永井が復帰した刹那に芳賀のパスを受けて意表を突く事に成功すると、ドリブルを経て受け直した芳賀が左ポケットを突き。
乾坤一擲の好機かと思われましたが、クロスは上げられずそのままゴールラインを割ってしまった芳賀。

結局ゴールは生まれる事無く、0-0のまま試合終了。
引き分けで勝ち点1を得る形となって、田村氏の初陣は可もなく不可もなくな結果に終わりました。
そのいわきのシュート数は僅か2本と、これまでの内容とは完全に相反したものに。
それでも一方的という印象はそこまで強くなく、ここからどう推移していくでしょうか。

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