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DAZN観戦 2023年J1リーグ第17節 ガンバ大阪vsFC東京

2023-06-16 18:10:58 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

理想と現実の狭間でもがき苦しむなか、必死に最適解を探し続けてきたガンバのダニエル・ポヤトス監督。
ディフェンスリーダーの三浦をレギュラー落ちさせたり、正GKを東口へ戻したりと、様々な微調整の果てにようやく泥沼脱出の兆しが見えつつあり。
2連勝で迎えた前半戦最後の試合、ここでとうとうキャプテンの宇佐美がベンチ外になるなど、開幕前の理想との乖離は極限レベルに達したようで。

この日のキャプテンマークは、15節(新潟戦、3-1)からスタメンに復帰した山本悠が付ける事となりました。
彼をはじめ、倉田・佐藤瑶が序列を上げてスタメンに名を連ねる、前回とは違ったメンバー編成に。

相手はFC東京で、こちらも欧州スタイルの構築に時間を費やすも結果が出ずという共通している相手。
おまけに前節(マリノス戦、2-3)退場となった松木が出場停止と、故障者続出にこうした要素も加わっては、ガンバとは違い最適解の選択もままならず。

アルベル・プッチ・オルトネダ監督自慢のボール保持が浸透できないなか、ハイプレスに活路を見出しているという現在のFC東京。
しかしこの日は、夏が見えて来た気候の要素の影響か普段よりも弱く見え。
おかげでこれまで流動性に欠ける印象が拭えなかったガンバのビルドアップも、目立った遮断を受ける事無く攻撃機会を確保していきます。

それによりアンカーのラヴィも存在感を際立たせ。
パスコースを切られては、ボールに触れる事無く時間が経過していくという以前観た際の流れとは一変し、パスを受けてはボールキープ・展開力を見せて攻撃を流動化させていきます。
プレーの流れの動作が非常にスムーズで、特に浮き球の(足での)トラップの際に顕著に現れ、ボールの置き所かつ一歩目の置きが素晴らしく。
相手にとっては「絶妙に取れない位置にボールが置かれるので、釣り出されるか動かないかの二択を強いられる」感じであり、これがトップレベルの技かと痛感させられました。

そんなラヴィのプレーと、ジェバリの前線でのポストワークを軸にして攻め上がるガンバ。
それを受ける体勢となったFC東京にアクシデントが発生し、13分のガンバの攻撃、最終ラインから右へ出されたのちアラーノがハーフレーンへのカットインから右ポケットへスルーパス。
走り込んで受けたジェバリが中央へ横パスを送り、ダワンへと渡るこのパスを青木が足を延ばして何とか遮断。
防いだFC東京でしたが、無理目の体勢でのカットとなった代償は凄まじく、足を痛めてしまい動けなくなる青木。
一旦ピッチ外→復帰でプレー続行を試みた青木でしたが、16分に再度倒れ込み交代の運命は避けられずとなりました。
同ポジションに東慶悟を投入と、早くも誤算を強いられたアルベル監督。

この青木の離脱直前の15分にガンバが決定機を迎えた(アラーノのラストパスを山本悠がシュート、GKスウォヴィクが足でセーブ)事もあり、劣勢のイメージが拭えずとなったFC東京。
何とか負の感情を振り払うべく、前回観た通りに渡邊が逆サイドに張り出してパスの引き出しを担うスタイルで攻め上がり。

しかし青木同様、その運命を変える事は出来なかったのか。
24分にコーナーキックを得たFC東京でしたが、クロスの跳ね返りを拾った仲川がボールキープし二次攻撃を掛けんとするも、コントロールを誤った末に半田に奪われカウンターを招いてしまいます。
ジェバリがドリブルで持ち運んでエリア内へとスルーパス、走り込んだアラーノがフィニッシュするも、放たれたシュートはまたもGKスウォヴィクがセーブ。
何とか凋落の流れを止めんとした守護神でしたが、続くガンバの右CK。
キッカー山本悠ファーにクロス→佐藤瑶折り返しを経て、ジェバリの足下に収まった末にシュートがゴールネットを揺らします。
近況の上昇機運が示す通りに、リードを奪ったガンバ。

反撃体制にかかるFC東京ですが、アンカーの東慶が最終ラインに降りてのビルドアップをしたがるという、ガンバのスタイルとは真逆の組み立て。
アンカーはアンカーの位置を保つという欧州スタイルの構築での敗北、といった姿勢を露骨に表してしまいます。
するとガンバは29分、ラヴィが敵陣でパスカットから持ち運ぶショートカウンター、左ポケットでパスを受けた倉田がグラウンダーでクロス。
これをジェバリがフリック(ないしはシュートにいって合わず?)するも繋がらずと、依然として鋭い攻めを見せる流れを維持。
そして直後の右スローインから、ダワンが手前から素早くクロスを送ると、ジェバリがヘディングシュートを放ってゴールへと突き刺します。
流れの中での攻撃で押し込んだ末に、セットプレーでGKスウォヴィクの牙城を破るというパターンで、2点を挙げ。

その後ガンバも34分にダワンが足を痛めるというアクシデントに見舞われますが、続行は可能なようでピッチ外→復帰となったダワン。
以降も流動的な攻撃を続け、FC東京はプレスを嵌められず守勢を強いられるという具合に、優劣はこの前半のみで完全についてしまう形に。

2得点を挙げたジェバリは尚も得点を重ねんと前線で躍動し。
自身でのフィニッシュのみならず、サイドに開いてのクロス然り、ポケットに切り込んで際どいクロス然りとチャンスクリエイトにも貢献していきます。
そして44分彼の下にまたも決定機が訪れ、倉田・黒川と協力して左サイドを前進し、奥からマイナスのカットインを仕掛けるジェバリ。
そしてハーフレーンから切り返してポケットに進入と技を見せ付け、シュートにいくも東慶のブロックに防がれますが、エリア内にこぼれたボールは木本のミスもあり再度ジェバリの下へ。
そしてゴールエリアに入り込んでのシュートが放たれますが、これも小泉が際どくブロックと、寸での所で凌いだFC東京。

一向に反撃の機運が高まらないFC東京、アディショナルタイムにディエゴの収めから仲川のドリブルで切り込み、黒川の反則・警告を誘発させたのがまだしもの事であり。
この右サイドのフリーキックから、キッカー徳元クロス→東慶ヘディングシュートと一矢を放つもGK東口がキャッチし、結局2-0のまま前半終了となりました。

窮地のFC東京、既に戦力温存する余裕は無く、ハーフタイムでアダイウトンを投入します。
長友と交代し、空いた右サイドバックには小泉が回り、渡邊がインサイドハーフとダルマ式にシフトしていきアダイウトンは左ウイングに。

そのアダイウトンと、ディエゴのパワーを最大限に生かす事で反撃体制を取り。
後半2分、右サイドでの前進からアタッキングサードで細かくパスワーク、渡邊のクロスがファーへ流れた所をアダイウトンが拾ってシュート。
ブロックされるも拾って繋ぐディエゴ、左からの徳元のクロスで自らヘディングシュートに持っていく(GK東口キャッチ)など、その姿勢をいきなり見せ付けます。

しかし無理矢理というような流れは切られるのも早く。
攻勢を掛けるもフィニッシュは放てず、8分にアダイウトンが遠目からシュートを狙う(ブロック)という苦しさを表し。
そして10分にラヴィの敵陣でのパスカットから攻撃するガンバ、その姿は同時にFC東京の一筋の希望をも遮断したようでありました。
敵陣でサッカーを展開していくガンバ(その中で倉田へアフターチャージしてしまった東慶がアドバンテージの果てに警告)、12分にはまたもワイドで受けたジェバリが、マイナスのカットインを経てシュート。(GKスウォヴィクキャッチ)

迎えた15分、自陣で拾ったラヴィの左→右へのサイドチェンジが遮断に入られ乱れ。
しかしスペースに転がったボールに半田が追い付いて繋ぎ、アラーノがそのままドリブルで右ポケットを取り中央へ横パス。
合わせにいった山本悠がディフェンスに遭いこぼれるも、後方から走り込んで拾った半田がシュートを決め、3点目を挙げたガンバ。
ポヤトス氏の試行錯誤の末に攻撃的な位置でも起用されていた今季の半田、ようやく歓喜のJ1初ゴールへと辿り着きました。

好循環が止まらないガンバとは対照的に、最早死に体というようなFC東京。
諦めずに攻め続けるも、攻撃が途切れるとガンバの反撃に晒されるという流れを変える事は出来ず。
18分には自陣でボール奪取したアラーノ、そのままロングシュートを狙い枠へと飛ばしたものの、GKスウォヴィクの戻りが間に合って何とかキャッチ。
ようやくFC東京が決定機に辿り着いたのが21分で、敵陣中央で渡邊がボール奪取し、その渡邊がスルーパスに走り込んでエリア内を突かんとするショートカウンター。
これは遮断されるも尚も細かく繋ぎ、徳元が左ポケット奥を突いてグラウンダーでクロスを入れ、ディエゴが合わせシュート。
しかし右へと逸れてしまい、僅かに枠の外となり決められず。

この直後に、前半足を痛めていたダワンが再度倒れ込み続行不可能に。
交代の準備を取るガンバベンチを尻目に、先にFC東京が動いて仲川・安部→俵積田・塚川へと2枚替え。
その後ガンバもダワン・倉田に代えて石毛・福田を投入しました。

投入された福田湧矢は、目下ブレイク中であるJ3・福田翔生の兄。
弟の大活躍に釣られるように、投入直後から果敢にゴールを狙います。
26分、右サイドを推進したアラーノがクロスを送り、ファーサイドでジェバリの折り返しにスライディングで合わせた福田。
しかしGKスウォヴィクのファインセーブに阻まれ、尚も続くCKからヘディングシュートと、2分足らずで2本シュートを放ちましたが決められず。

この福田に乗せられ、ガンバの攻勢はさらに高まり。
次々とエリア内を抉っていき、FC東京は反撃すらままならない状態へと追い込まれます。
32分のガンバのCKからは、大幅リードされているはずのFC東京がカウンターに持ち込むという逆転現象が起き。
このカウンターでディエゴがアラーノに反則を受けた事で左サイドからのFKを得たFC東京、キッカー徳元のファーサイドへのクロスを木本がヘディングシュート。
ワンバウンドでGK東口を抜いたものの、ゴールライン直前でジェバリがブロックして防がれてしまいます。
攻守でゴールに直結する仕事をしたジェバリ、これで2得点+1失点阻止と、変則的なハットトリックというような図式となりました。

盤石というべきガンバの試合運びですが、それを遮断しにかかったのがアクシデントという要素。
35分に佐藤瑶が接触で肩を痛めてしまい、一度はプレーを続けたもののすぐさま続行不能となり。
それと同時に木本と黒川の頭部同士の激突もあり(両者ともに無事)、終盤が近くなった事で故障というファクターに逆らえない流れとなってしまったでしょうか。
佐藤瑶の代わりに三浦が投入され、福岡と左右を入れ替え。(同時にアラーノ→食野へと交代)
無事に起き上がった木本も、のちに(脳震盪による)交代の措置が採られます。(エンリケ・トレヴィザンを投入)

しかし尚も波は止まらず、アダイウトンまでが足を痛めて交代となってしまったFC東京。
チームメイトに抱えられてピッチ外に出されるその姿は何とも痛々しく。
ペロッチが投入されましたが、前半の青木と合わせてこの日は被害甚大となってしまい。
ただでさえ中村帆高・バングーナガンデ佳史扶と離脱者が多い状況で、今後の不安をも強まる一日となり。

結局ATに、徳元のクロスからヘディングシュートを放った塚川がゴールネットを揺らし、1点を返したFC東京でしたが反撃はこれだけ。
3-1でガンバが勝利に辿り着き、「欧州スタイル構築による迷走からの脱却」というコンセプトマッチを制しました。

追い付かない程度の反撃は見せたFC東京でしたが、故障者続出で試合終盤はそれどころでは無いといった感じでもあり。
それはフロントレベルでも同様だったようで、アルベル監督の退任が発表される事態にまで繋がってしまいました。
決定となったのは試合から2日後の火曜のようで、フロント(小原光城GM)も「現有戦力でボール保持のスタイルを……」という旨のコメントを残している辺り、強化部を巡っての対立も窺わせる監督交代劇。
序盤のガンバの迷走と入れ替わるようなその試合内容ならびに事後処理であり、外野からはその選択に幸多かれ……という事を祈るばかりです。

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