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DAZN観戦 2023年J1リーグ第16節 サンフレッチェ広島vs京都サンガFC

2023-06-07 18:26:55 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

  • 京都・イヨハ理ヘンリーは、広島からのレンタル選手なため出場不可。

満田を悪質タックルによる故障で失って以降、4戦3敗(1勝)と退潮著しい感じである広島。
その他塩谷やピエロス・ソティリウなども故障中と、負傷というファクターに対して敏感にならざるを得ない状況で、上位を目指すためにこれ以上離脱者が膨らむのは避けたい所であり。

相手の京都は大連敗の真っ只中(5連敗)で、最近上がっている残留争いのラインに飲み込まれている最中。
あまりの不振ぶりを受けてか、試合前インタビューに応える曹貴裁(チョウキジェ)監督も、その顔のどす黒さに拍車が掛かっているように見えたのが気になりました。
こうした、連敗脱出のために「とにかく我武者羅に挑む」という思考に陥り易いチームを相手にする状況。
必然的に前述した故障の危惧が高まり易いなか、広島が勝ち点3に向けてどう戦っていくか注目される一戦。

開始して間もない前半1分、ビルドアップの最中でボールを持った佐々木に対して豊川が激しくプレッシャーにいくも、それをフェイントで剥がした末に持ち運ぶ佐々木。(その後川村が左からクロスもクリアされる)
我武者羅な相手を華麗にいなすといったシーンを演出すると、広島がペースを掴む事に成功します。

そして色を失った京都は、躍起になってしまったのかその後反則を量産。
アフターチャージ・バックチャージの頻発に、何処かで警告を突き付けられても可笑しくない展開でしたが、幸運にも主審(西村雄一氏)からカードは出ず。
それでも良い位置でのフリーキックに脅かされる危機は避けられず、7分には中央やや右という位置から、川村が低い弾道で直接狙ったもののGK太田がキャッチ。
12分にもほぼ同じ位置で、再び川村が直接シュートを放ちましたがこれは左上へと大きく外れ。

開始15分で4度も直接シュート・クロスに繋がるFKを与えた京都。
そんな流れを変えたのもやはり反則というファクターで、16分にGK太田のロングフィードを前に出てカットした住吉。
そのままドリブルで上がったものの、戻った松田のディフェンスに対しチャージして反則。
これで広島の流れを切る事に成功したでしょうか。
17分には逆に一美のドリブルが茶島に倒されてFKとなり、左ハーフレーン・エリアからかなり手前という位置からキッカー平戸はクロスを選択。
跳ね返りを松田がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、こちらもFKからフィニッシュを放ちます。

激しい京都のプレッシングを剥がすため、ロングボールを配給する割合が必然的に増えていったこの日の広島。
技術面・個人能力では上回りを見せているものの、(浦和と共に)唯一連戦の真っ只中という要素もあり、京都の圧力を受けた結果失速気味に陥ります。

一転して攻勢に入る京都ですが、その主体的な攻撃は、白井を前面に押し出しての右サイドアタック一辺倒。
左サイドバックが、本職がセンターバックの麻田という布陣も影響したでしょうか。
27分には相手のクリアボールを川﨑が落とし、拾った白井が野津田のスライディングを受けるも強引に剥がして前進。
そしてカットインで右ポケットを突き、シュート気味にクロスを送る(クリア)という具合。
もっぱら白井の推進力と、広島のクリアを拾ってからの攻撃に活路を見出していた感があり、技術力・組織力で劣るチーム故の限界も感じさせるようでした。

ともかく、コンディション面で有利な立場にある京都がゴールを目指す流れへ突入した試合展開。
33分には再び広島のクリアを川﨑が拾い、今度は中央から攻めて福岡がミドルシュートを放ったもののゴール左へと外れ。
その後は左サイドからの攻撃も、スローインの連続での漸進などで不器用ながらも巧くいくようになり。
37分からコーナーキック攻勢に入り、グラウンダーでのクロスや、キッカーを平戸・松田と使い分けるなど変化を付けて揺さぶり。
4本目の右CKで、キッカー平戸のクロスが裏を掻く事に成功し、やや遠目という位置でフリーの川﨑がヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
精一杯の努力をゴールに向けて行ったものの、先制はなりませんでした。

一方の広島は時折ゴールまで迫る攻めを見せるも、立ち上がりの好循環はすっかり消え去り、連戦故の疲労感も滲み出してしまう展開を強いられ。
45分にはあろう事か、バックパスが強くなってしまいトラップミスを拾われショートカウンターを受ける事態に。
豊川のエリア内へのスルーパスを何とか遮断して防いだものの、このままでは目も当てられない内容となる危惧を孕ませながら前半を終える事となりました。

スコアレスの維持には成功した広島、ハーフタイムで当然ながら動きを見せ。
柏・松本泰→東・エゼキエウへと2枚替えし、川村をボランチにシフトさせるやり繰りを敢行します。

かくして体力面の不安をカバーして後半に臨んだ広島。
その立ち上がりはまだ不安を隠せず、後半2分京都の自陣からのFKで、井上左へロビング→麻田折り返しでエリア内へ入ったボールをクリアしきれずに混戦を招き。(豊川が拾うもシュートは撃てず)
しかし直ぐに持ち直し、自陣でのパスカットを起点として素早く敵陣へ運び、押し込んだうえでボールを繋ぐ攻めでペースを奪います。

再びの劣勢に、京都は反則で止めざるを得ない状況が再び顔を出し。
後半7分にはヴィエイラのポストプレイを受けにいった森島を平戸が倒してしまうも、野津田に拾われて継続し東のクロスにまで繋がり。(シュートは撃てず)
12分にも東の左サイドでのドリブルに対し豊川が倒してしまい、すかさず起き上がり拾った東に対し、さらに福岡が腕でチャージして反則。
こうしたシーンに対してもカードは出ずに終わり、逆に広島が19分に佐々木の一美へのバックチャージが反則・警告の対象となった(この判定自体は妥当)ため、不満が齎されるのは広島サイドの方だったでしょうが冷静さは失わず。(結局この日の警告はこの場面の1度のみ)

それでも13分の京都の左CKでは、キッカー平戸ファーにクロス→麻田折り返しと先程と酷似した流れとなると、GK大迫が跳び出してキャッチするも荒木隼と交錯しこぼしてしまい。
すかさず反応したのは福岡でしたが、シュートはジャストミート出来ずに佐々木のクリアが間に合って惜しくもゴールならず。

冷や汗を掻いた広島並びにGK大迫でしたが、その後すぐの14分にその大迫からの攻撃。
左サイドへフィードを送ると、入れ替わって前を向いた森島、追走できずに転倒してしまったアピアタウィアを尻目にドリブルで疾走。
そしてポケット奥を突いてグラウンダーでクロスを入れると、ニアサイドでエゼキエウが合わせシュート。
GK太田がセーブと京都が何とか防いだかに見えたその刹那、ポストに当たった跳ね返りを詰めたのは茶島。
放たれた強烈なシュートに成す術無く、ゴールネットを揺らして先制点に辿り着きます。

必死の戻りも空しく、リードを奪われてしまった京都。
16分に中央をアバウトに繋いでいき松田がシュート(ブロック)と反撃の狼煙を上げに掛かり。
そして前述の佐々木への警告の直後に3枚替えを敢行、温存していたパトリックを投入します。(一美と交代、同時に松田・福岡→山田・谷内田へと交代)

圧力を強めにいったものの、21分に再びGK大迫からの攻撃でそれをかわす広島。
左サイドを佐々木縦パス→野津田ポストプレイ→佐々木ダイレクトで縦パス→東サイドチェンジと、ディフェンスを二重三重に揺さぶりながら前進していき、茶島がクロス。
これが手前からの低いクロスでファーサイドを突くも、川村の手前でクリアして何とか凌ぐ京都。
前掛かりになる隙を突かれるという危惧も抱える事となり。

それでも、24分にそれをスキップする攻撃でモノにします。
GK太田ロングフィード→パトリックフリックという単純明快な基点から、左サイドで拾った豊川が浮き球を巧みにコントロールして前進していき、左ポケットへ進入。
そして対峙する荒木隼を剥がしてシュートを放ち、ゴールネットに突き刺します。
手数の少なさと浮き球の時間の長さ故に、力業というイメージが強いものの、ともかく同点に追い付いた京都。

しかし安堵する時間はあまりに短かった。
25分の広島の攻撃、川村のスルーパスを前に出た白井がカット出来ず、東に左奥まで運ばれ押し込まれ。
そこからのスローインで、パスを回して生まれた隙を突くように野津田の低く速いクロスがファーサイドへ流れると、またも茶島のシュートがゴールネットを揺らします。
再びの勝ち越し点に喜ぶ広島サイドを尻目に、京都は東のトラップの際のハンドを必死にアピールしたものの、VARチェックすら入らず仕舞いとなり。
むしろ東の手に当たった瞬間のセルフジャッジが、隙を突かれる一因となってしまったのは何ともお粗末という場面でした。

連敗脱出のために、またも攻めなければならなくなった京都。
同点ゴールのシーンのように、パトリック狙いのロングボールを中心に何とかペースを掴まんとします。
一方の広島は30分に左サイドで裏を突き、走り込んだヴィエイラがダイレクトで右足アウトサイドでのクロス。
このこぼれ球を川村がボレーで合わせ、叩き付けて放たれたシュートはバウンドしてゴール上へ外れと惜しい好機。
一連の技の流れで、大分余裕が生まれてきたという印象を残し。
直後に2ゴールを挙げた茶島がお役御免となります。(中野就斗と交代)

一方そんな余裕も無い京都、33分に豊川→木村へと交代。
その後36分にこぼれ球を拾いにいった麻田が足を攣らせて倒れ込むも、彼に対しカードを切る余裕も作れないベンチ。
何とか反撃体制を整え、38分にはロングパスを合わせにいったパトリックが荒木隼にチャージされ反則。
得たFKからの二次攻撃で、右サイド奥を取った白井がカットイン、ポケットを突いての戻しから平戸のシュートが放たれ。
しかしGK大迫のファインセーブに阻まれ、決定機をモノに出来ず終わります。

その後もロングボール攻勢と、白井を中心とした右サイドでの推進で同点を目指す京都。
しかし41分に最後の交代を敢行したベンチ、下げたのはアピアタウィアで、荒木大吾を投入して左SBへ。
これにより麻田がCBに回ったものの、どう見ても足が攣っていた麻田を下げた方が良いのでは……という疑問が拭えない曹監督の采配。

逆に広島は43分に野津田→山﨑大地へ交代したのち、ヴィエイラが足を攣らせるという事態に襲われましたが、しっかりカードを残しておりそれに対処。
ナッシム・ベン・カリファを投入し、破綻を防ぎます。

そして突入した、両サイド疲労の色が濃くなるアディショナルタイム。
こうなると体力的に不利だった広島サイドもその不安が無くなり、迎えた3分台に自陣中央で拾った川村がドリブルで推進を開始。
京都は既にこれを止められる手段は無く、唯一コースに入れたのが足に不安を抱える麻田という点で勝負あり。
カリファとのスイッチも疑わせた末にそのまま中央を突き進み、悠々GKと一対一に持ち込んで太田の左へとシュート。
ゴールネットを揺らし、道中のカリファの動きでオフサイドかどうかの確認が挟まりましたが、OFRに持ち込まれるもゴールが認められ。
スコア的にも精神的にも、文字通り止めを刺す3点目となりました。

VARチェックによりATの時間が長くなったものの、その後特に見せ場を作る事は無かった京都。
広島が悠々と敵陣でパスを繋ぎ、時間を使われた末に試合終了の時を迎える事となりました。

守備の崩壊に采配ミスも絡んでは、ダメージは計り知れないという京都の敗戦。
試合後には異例のミーティングが行われたようですが、過去の事件もありこの上からの圧力と取られても仕方が無い曹氏の手法も、一層事態の深刻さに拍車を掛けるようであり。
冒頭で述べた曹氏の様相も焦燥を深めている風でもあり、危険水域という状態でしょうが、巻き返す事が出来るかどうか。

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