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DAZN観戦 2023年J2リーグ第19節 ジュビロ磐田vsブラウブリッツ秋田

2023-06-05 16:01:07 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の磐田の記事はこちら(16節・藤枝戦、1-0)
※前回の秋田の記事はこちら(14節・栃木戦、2-1)

<磐田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 鈴木海がU-22代表に選出。国際親善試合に参加のためこの試合の後チームを離脱。
  • 16節で負傷により交代したドゥドゥだが、以降もスタメン出場を続けており問題無さそう。
  • 逆に16節でHTで退いた山田大記は以降ベンチ外が続く。
  • 負傷により離脱していた後藤が復帰し、この日ベンチ入り。

<秋田スタメン>

  • 15節(いわき戦、1-0)で負傷交代した諸岡は以降ベンチ外が続く。
  • 沖野が長期離脱から復帰し17節からメンバー入り、途中出場を続ける。

2年ぶりとなったこのカード。
チームカラー(色)がほぼ同じながらもサッカースタイルは真逆という事で、お互い長所が噛み合い好試合となるのは予想の範疇、でしょうか。

2年前に雌雄を決した?際は、J2優勝を果たした最強クラブと、異彩を放つスタイルながらも初のJ2という両者の立場。
1勝1分で磐田の勝ち越しという成績ながら、前半戦(1-1で引き分け)は磐田がチーム固めに難儀していた時期もあり内容では秋田が圧倒しており。
果たして「ボールポゼッションのチームが、パワーサッカーに難儀」という絵図となりましたが、2戦目(2-1・磐田勝利)は既に磐田が優勝・昇格を決めたのちの最終節。
そのため磐田のチーム力は1戦目とは雲泥の差で、秋田はプレスを嵌めて善戦し食い下がったものの、悔しい敗戦となりました。
前年磐田のJ1昇格→降格を経て再び相まみえたこのカードは、そんな訳で個人的に非常に注目した対戦でした。

2年前は中心を担ってきた遠藤が不在であるこの日の磐田。
しかし最晩年の遠藤、今季はプレイ時間が短くなっているうえに休息は必須となっている状況であり、欠場は想定内といったメンバー。
むしろ今季は相手にとってボールの獲り所と化してしまっているような遠藤の印象もあり、その不在を活かすも殺すも代役のボランチ次第、といった所でしょうか。

入りの前半2分に秋田が決定機を迎えた(畑→奥からグラウンダーでクロス→ファーで水谷シュート・サイドネット外)のち、磐田は早々に最後方からパスを繋ぐスタイルへと切り替え、それに対して秋田がプレッシングを掛けるという図式に落ち着く試合絵図。
3分に鈴木海のフィードを梶谷が寄せてブロック(そのままゴールラインを割る)したかと思えば、4分にはゴールキックからの繋ぎでプレッシングを脱出し敵陣へ運ぶ磐田。
立ち上がりから秋田はかなり積極的で、2トップはGK三浦にまで詰めにいく場面を数多作り。
そして磐田のドイスボランチに対しても秋田はドイスボランチ同士でチェックするなど、一重に前掛かりというスタイル。
それを受けた磐田は、2列目の選手を降ろしてポストプレイをさせる姿勢で対抗し、対応的には当然という立ち回りとなります。

この磐田の2列目に対しては、秋田はドイスボランチがその場その場で対応するという意識。
すなわち藤山・田中が常に双方を見て、磐田2列目に縦パスが出れば、素早く戻って対応に掛かるといった場面が目立ち。
サイドバックが、上がってくる磐田SBを見なければいけない状況なので、ボランチの負担は多大ながらも納得できる姿勢であり。
しかし磐田にとってはそこが落とし所だったでしょうか。

10分左サイドで縦に素早く運ぶ磐田、松原のスルーパスで抜け出したジャーメインがトラップし、前に出て抑えようとしたGK圍をかわす絶好機に。
角度が足りずジャーメインはクロスを選択、ファーサイドで松本が合わせにいきましたがここは才藤の好カバーで撃てず終わります。
しかしこの場面で才藤が松本との交錯で頭部を痛めたようで、ピッチ外→復帰となるもこれがのちの災いの元となり。

24分の磐田、ドゥドゥが前線に張って高田をピン止め。
これでスペースを得た松原が持ち上がってクロスに辿り着く(ブロックされコーナーキックに)など、徐々に秋田の対応を逆手にとっての攻めを見せるようになります。
これで得たCKから、鈴木海がヘディングシュートを放ったもののGK圍のセーブに阻まれ。

しかし攻撃権を得た事で、ノリノリとなりつつある所に落とし穴に嵌るのは良くある事であり。
26分、鈴木雄が右足アウトサイドでのパスで繋がんとするも、水谷に対応され眼前でのボールカットで攻守交替となり。(その後左奥へスルーパスも藤山には繋がらず)
32分には縦パスをドゥドゥがフリックするもこれも眼前で河野にカットされ、そこから秋田は素早く縦に運び。
左奥から水谷がクロスを上げる(GK三浦キャッチ)という具合に、小洒落たプレーから相手に好機を渡す事が目立った磐田。
ボール支配率で圧倒する流れなだけに、こうした軽いプレーが仇となって……という展開は絶対に避けなければなりません。

中盤を過ぎた辺りから、磐田はボランチが降りる(主に藤原)事で3枚の最終ラインによるビルドアップの形に。
典型的な「丁の字型」を築く磐田に対し、秋田はボランチのうち1人が磐田の前にいるボランチ(主に上原)をチェックし、もう1人が磐田2列目の動きを(サイドハーフと協力し)チェックという分業制を採ります。
2トップも果敢にハイプレスを掛ける場面は減り。
前半の終盤には完全に構える形となった2トップ、時間経過とともに体力面も考慮した立ち回りが色濃く表れた格好に。

秋田の攻撃は当然ながら、磐田の攻撃が途切れた隙を突いての縦に速い運びがメイン。
18分からのCK攻勢で、3分の間に立て続けに畑が3本ミドルシュートを放つという流れが生まれましたが、3本とも枠を捉えられず。
39分にはロングスローからセットプレー攻勢に入る、秋田お馴染みの圧力の掛け方を展開するものの、得点には今一歩足りないという印象。

最もゴールに近づいたのは33分で、自陣からのフリーキックでGK圍のロングフィードから。
左サイドで水谷に収めさせてそこから推進を掛け、奥を突いて才藤がクロス、跳ね返りを河野がボレーシュートを放ち。
しかしグラッサのブロックに阻まれ先制ならず。
磐田はミスからの危機を頻発させていた後だけに、ゴール前での緊迫感を高めていたのが決め手となったでしょうか。
秋田のラフな攻勢にもよく対応を見せ。

終盤は完全にリトリートとなった秋田に対し、磐田は全員敵陣に入り込む流れを作ったもののゴールには辿り着けず。
結局スコアレスで折り返す事となりました。

そして始まった後半。
後半3分の秋田、右スローインで高田が長距離を投げ入れ、落下点に入ったと思われた青木の頭を越えて奥へ転がり。
拾った梶谷がキープ、高田が上がって受け直したものの収まらずにゴールラインを割って終わり。
変化を交える事で、磐田ディフェンスを揺さぶりにかかったでしょうか。
19分にも、スルーパスをオフサイドポジションに居た梶谷が関与せず、後方から水谷が走り込んで拾うという場面があり。(フィニッシュには辿り着けず)

一方の磐田は4分、グラッサのロングパスが追い風に乗って一気にエリア内を突き、ジャーメインが走り込む場面となり。(GK圍が抑える)
これでややアバウトな意識を強めたのが拙かったでしょうか。
秋田と同じ土俵に立つ事となった結果、以降秋田の攻勢が続く時間に突入します。

磐田が3枚でのビルドアップの姿勢を続けたため、秋田のプレッシングもそれに対応するものとなり。(ボランチ2人の前後分業スタイル)
5分には右サイドで高田がボール奪取、ダイレクトパスを交えて繋いでいき、畑がワイドの位置からクロス気味にシュートを狙うもGK三浦がセーブ。
そこから前半同様に、CK主体のセットプレーで押し込んでいきます。

ただしその流れの中で、ボールを奪われた畑が勢い余って藤原をチャージしてしまい反則・警告。(8分)
10分には才藤が前半痛めた影響で倒れ込んでしまい、脳震盪による交代で退く事に。(飯尾を投入)
警告付きとなった畑も17分に退かせ(三上と交代)、これらの要素が緩やかに失速を描かせる事となったでしょうか。
一方の磐田も、17分に秋田と同じタイミングで金子→後藤へと交代、ジャーメインがトップ下へとシフト。

中々攻撃機会を得れなかった磐田でしたが、21分基本に立ち返り、縦パスを2列目のドゥドゥが受ける事で起点となり。
ここからのパスワークを早めに寄せて潰さんとした秋田ですが、ドゥドゥのボールキープもあり奪えず前進を果たす磐田。
そして松原がエリア手前でカットインし、中央へ流れたのちに横パスで繋ぎ、鈴木雄が右ポケットへラストパス。
受けた松本のシュートこそブロックされましたが、跳ね返りに走り込んだ藤原がミドルシュート、これがグラウンダーでブロックを掻い潜った末に右隅へと突き刺さります。
最後は技術の高さで上回りを見せ、先制点に辿り着いた磐田。

リードを奪われてしまった秋田、その後のキックオフからの、河野のロングパスでの攻めで右奥を突き三上のクロスに辿り着き。
一層圧力を掛けて対抗せんとしたのは明白で、その通りに磐田のビルドアップに対し、最終ラインにSHがプレッシャーにいく体勢へと移行します。
25分には2枚替えを敢行し青木・田中→丹羽・沖野へと交代、沖野が右SHに入った事で三上が左SHに・水谷がボランチにシフト。

しかしそれにより相手への対応がお粗末となってしまったでしょうか。
迎えた29分の磐田の攻撃、ボランチの上原が上がりを見せたと同時に、左サイドでドゥドゥが例によってグラッサの縦パスをポストプレイ。
そしてジャーメインのスルーパスに松原が抜け出しと、上原の動きに振られた格好となって危機を招くと、松原のクロスの跳ね返りを最後はその上原が拾ってミドルシュートで仕上げ。
コントロール重視のシュートがゴール右上へと突き刺さり、両ボランチが揃って得点した格好となった磐田。(しかもともにミドルシュート)

いかにも前掛かりな意識が死を招くという展開となった秋田。
その後も諦めずに攻め上がるものの、好機に繋がるシーンはめっきり減ってしまい。
磐田に対して果敢に掛けるプレッシングも有効打に出来ずと、判り易く意気消沈の感が表れてしまいます。
おまけに高田が松原へのチャージを巡ってヒートアップし、主審に注意を受けたのちもさらにアフターチャージを敢行する等、冷静さも欠いたようなシーンも作られ。

磐田はその隙を突きさらに追加点を狙わんと、35分に再び藤原がミドルシュート。(枠外)
36分には鈴木雄のクロスにドゥドゥが合わせヘディングシュート(枠外)と、フィニッシュを重ねます。
それでも終着への立ち回りは欠かさない磐田ベンチ、36分に松本→小川へと交代し右SBに入った事で、松原が左SH・ドゥドゥが右SHへシフト。
44分には松原→伊藤に交代し3-4-2-1へシフトし、完全な逃げ切り体制へ。

一方の秋田は、脳震盪による交代もあったため40分に4度目の交代を敢行。
高田・梶谷→小柳・吉田伊吹へと2枚替え。
その後アディショナルタイムを目前にして、河野が前線に上がるパワープレイ体制を取ったため、小柳がCB・藤山が右SBへと回り穴を埋め。

後は悠々逃げ切るのみという磐田ですが、ATに突入して間も無く、自陣でのFKという状況でキッカーの位置に着いた鈴木海が遅延行為で警告。
これで4枚目で出場停止といかにも勿体無い処分になりましたが、折りしも代表参加のため今後離脱する鈴木海にとってその処分は実質無意味と、可笑しな事態となりました。

しかしこれにより磐田はペースを失ったか、最後の攻勢を掛けにいく秋田。
GK圍ロングフィード→三上落としからの繋ぎで左奥を取り、CKを獲得すると、圍までも前線に上がる総動員体制に。
その隙を突き、攻撃を切った磐田はドゥドゥがロングシュートを狙うという一幕もありましたが実らず。
尚もその後CKを獲得する秋田、エリア内へ残るGK圍の下へとこぼれ球が渡りシュートチャンスが訪れたものの、放たれたシュートはブロックに当たってこちらも実らず。
尚も続いたCK、こぼれた所をファーサイドで三上が拾いシュート(後藤がブロック)と、こぼれ球の運が巡ってくる流れとなりましたがモノに出来ませんでした。

最後はスリリングな攻防が描かれた末に試合終了の時を迎え、2-0で勝利に辿り着いた磐田。
秋田は善戦空しく、またも磐田の位置へは届かなかったといった試合となりました。

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