<蔚山スタメン> 4-2-3-1
GK チョヒョヌ
RSB キムテファン CB キムギフィ CB ダビー・ブルトハイス LSB ホンチョル
DH キムソンジュン DH ウォンドゥジェ
RSH イドンジュン CH イドンギョン LSH ヴァレリ・カザイシュヴィリ
FW オセフン
<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB ジェジエウ CB 山村 LSB 登里
DH ジョアン・シミッチ
IH 脇坂 IH 橘田
RWG 家長 CF レアンドロ・ダミアン LWG 小林
※表記はyahooのページに準拠しています
前年優勝を果たしたクラブである蔚山。
その実力はリーグ内でも折り紙付きで、Jリーグに縁のある選手の名も見られ。
スタメンではドイスボランチの2人がそれで、個人的にはこの日ゲームキャプテンを務めたウォンドゥジェの名がとりわけ印象的。(福岡に3年在籍)
監督を務めているのも、かつて柏のリベロとして名を馳せたホンミョンボ氏。(過去には現千葉監督・尹晶煥氏も)
一方日本の方も、この日古巣対決となった家長をはじめ阿部(現琉球)・豊田(現栃木)・増田(引退)と所属経験がある選手がチラホラと。
今季、目下Kリーグ首位の蔚山に対し、川崎もJリーグ首位を維持しているクラブ。
首位同士の対決という事で注目度もひとしお、といった所でしょうか。
試合が始まり早速の前半1分、川崎に決定機が。
ジェジエウがクリアしたボールを自身で走り込んで再度繋ぎ、受けた家長のスルーパスに小林が抜け出し。
そしてシュートを放つもGKチョヒョヌにセーブされ、電光石火の得点はならず。
これ以降、睨み合い・我慢の展開となった事を考えれば、ここで決めておきたかった。
その後は蔚山が、長短織り交ぜたパスワークを展開。
ホンミョンボ氏の指導の下、ボール保持を根底とした攻撃を繰り広げるという事前情報の通りの攻撃で、Jリーグを知るドイスボランチの2人もしっかりとゲームメイクに関わり。
5分にはそのキムソンジュンのロングパスから、右サイドで受けたキムテファンのクロスがブロックに当たり上空へ。
ここから空中戦となり、イドンギョンの落としをオセフンがポストプレイ、そしてイドンギョンのシュートが放たれるもゴール左へ外れ。
川崎の立ち上がりは様子見していたのか、プレスを掛ける事はあまり見られず。
11分にはキムテファンのクロスがクリアされた所、再びイドンギョンがミドルシュートを放ちますが2人掛かりでブロック(シミッチと脇坂)して防ぎ。
22分には蔚山・オセフンを倒したジェジエウ(アドバンテージで流される)に警告が与えられるなど、中々積極的な守備に入れず苦労します。
自由にやらせていたというより、やられていたという感が強い印象の前半となり。
それでも攻撃でやり返せば……と思っていたかは不明ですが、好機は作れていた川崎。
14分に山根縦パス→ダミアンポストプレイで受けた脇坂が前進してシュート。(ゴール左へ外れる)
22分には右サイドで人数を掛けてパスワーク、橘田が山根とのワンツーでエリア内右へ進入、そしてグラウンダーのクロスにダミアンが足から跳び込むも合わず。
しかし23分に再度蔚山の攻撃、右サイドからのクロスがクリアされるも逆の左サイド奥でカザイシュヴィリが拾い、ホンチョルから再度クロス。
今度は速いクロスが中央を突くと、オセフンがヘディングシュートを放ち、GKチョンソンリョンのセーブで何とか防いだ川崎。
この直後辺りからフォーメーションを弄り、シミッチに橘田を加えたドイスボランチにして、ダミアンが頂点の4-2-3-1へと移行。
やられていたという認識がチーム内にも行き渡っての事だったでしょうか。
それでもシミッチに対するチェックは厳しく、28分の川崎の攻撃、左サイドから中央に展開したのちシミッチが縦パスを入れようとするも2人掛かりでカットされ。
するとカウンターに持ち込む蔚山、カザイシュヴィリのドリブルから、中央でパスを受けたイドンジュンがシュート。(GKチョンソンリョンキャッチ)
尚も厳しい展開が続く川崎。
32分には蔚山が長いポゼッションを経て、キムソンジュンの右サイドからの斜めの縦パスを受けたイドンジュンがエリア内右を急襲。
オセフンとのパス交換を経て、奥からクロスかシュートか区別のつかないボールを蹴り、GKチョンソンリョンがブロックした所でディレイでオフサイドの笛が鳴り。
その後も押されるシーンが目立ち、アディショナルタイムに入って脇坂のミドルシュートが生まれる(ウォンドゥジェブロック)も、劣勢の印象は拭えず。
0-0のまま前半終了となります。
流れを変えたい川崎(ともにハーフタイムでは交代無し)、前半同様後半1分に好機。
脇坂の浮き球のパスを収めたダミアンがシュートするも、蔚山・ブルトハイスがブロック。
早速フィニッシュに持っていきますが、前半はここから蔚山にペースを握られた事もあり、払拭するには足りず。
しかし後半はここから一転し、果敢にプレッシングを掛けては蔚山の攻撃を遮断する事数多。
蔚山陣内でサッカーを展開しゴールに迫るも、後一歩の所でシュートは放てずという時間が続きます。
それでも11分に蔚山・オセフンが敵陣でパスカットして攻撃を展開、一旦それを切るもシミッチの蹴り出しをイドンジュンがブロックして右サイド奥で拾い継続、シミッチの反則でフリーキックを得る(シュートには結び付かず)など後れは取らない姿勢を見せる蔚山。
後半はビルドアップを修正したのか、片側のサイドバック、主に左の登里が中央に絞る後ろ3枚での最終ラインでの形が目立った川崎。
それでもシュートは19分まで待つ事となり、右サイドで家長のキープから、シミッチのダイレクトスルーパスがエリア内右を突き。
脇坂が走り込んでシュートにいったものの、ミートせず枠外に終わり。
そんな残尿感を自ら払拭しにいった脇坂、その2分後に中央からミドルシュートを放ちましたが蔚山・ブルトハイスのブロックに阻まれゴールならず。
直後に蔚山が最初に交代に踏み切り、キムソンジュン・イドンギョン→イチョンヨン・ユンビッガラムへと2枚替え。
ユンビッガラムは10番で、さらにキャプテンマークがウォンドゥジェからイチョンヨンへ渡されたという具合に、リーグ戦でのレギュラー組を加えた交代だったのでしょうか。
その通りに、川崎ペースとなっていた絵図がここを境に終わり、1分毎にお互いに攻撃機会を作るという展開となります。
何とか1点が欲しい川崎、31分にロングパスを右サイドで受けた家長から、受けた山根がドリブルでエリア内右を突き。
こぼれた所をダミアンがシュートするも蔚山・ユンビッガラムのブロックに防がれます。
35分には左サイドで登里が反則を受けてFK、キッカー脇坂のクロスが中央に上がり、山村が跳んだ所を越えて合わせたのはジェジエウ。
しかし身体に当てた、という感じで打ち切れずとなりGKチョヒョヌがキャッチ。
決して流れが良くない中、40分にはミスでピンチを招き、オセフンからカザイシュヴィリへと繋がりシュート。(脇坂がブロック)
41分に初めてカードを切った川崎、脇坂→知念へと交代。(4-4-2へとシフト)
するとその知念が蔚山・ウォンドゥジェの反則を受け、ウォンドゥジェに警告。
直後の42分に蔚山も再度交代(オセフン・カザイシュヴィリ→キムジヒョン・ユンイルロク)と、終盤を迎えたらしく泥仕合の雰囲気も加わり始めます。
45分に蔚山に好機が到来、交代で入った元マリノスのユンイルロクのパスカットから組み立て、そのユンイルロクのエリア内へのパスをホンチョルがポストプレイ。
受けたキムジヒョンがシュートするも川崎・山根のブロックに阻まれ、モノに出来ず。
結局後半も得点が生まれなかった両チーム、延長戦へと突入します。
延長前半も先制攻撃は川崎で、左ハーフレーンからのFK。
家長のクロスにダミアンが中央で合わせたものの枠を捉えられず。
しかしその直後(延前3分)にまたも川崎のミスから好機を作る蔚山、イドンジュンのクロスをユンイルロクが中央で収めるチャンス。
クリアされるも尚も繋ぎ、ユンビッガラムがシュートしましたがゴール上へと外れ。
疲労度の影響か蔚山の反則が目立ち始め、そこからFKでの好機が目立った延長の川崎。
迎えた終了間際の15分、ここもダミアンが蔚山・ウォンドゥジェに反則を受けての左サイドからのFK。
キッカー家長のクロスがファーサイド遠目に上がると、シミッチの折り返しを知念が合わせヘディングシュート。
ゴール上部を襲うも、GKチョヒョヌのセーブに阻まれ得点ならず、と同時に前半終了の笛が鳴ります。
最後の15分間に突入、川崎は4-2-3-1のフォーメーションへ戻し。
家長をトップ下に置き、知念が右SH・小林が左SHへ。
それでも疲労の蓄積は半端では無く、4度目の入りは一転して蔚山の好機となる(シュートまではいけず)と、以降も蔚山ペースで推移。
故障者の影響もあり、交代を出し渋っていた川崎ベンチも、延後5分にようやく動きます。
ダミアン・小林→遠野・長谷川へと交代し、知念の1トップへとシフトして遠野が右SH・長谷川が左SHに。
しかしそれと同時に山村が足を攣らせてしまい、もう一枚切る事となります。(山村→塚川)
疲労度はピークなのか、ボールを握っても前に進めずキープする場面が目立ったこの時間帯。(12分には蔚山・キムテファンが足を攣り、イミョンジェと交代)
ゴールに迫った蔚山の方で、7分にキムギフィのロングパスが送られると、キムジヒョンの落としを受けたイドンジュンがエリア内を突いてシュート。
しかしゴール左へと外れてしまい。
14分に川崎・ジェジエウのミスで左CKを得た蔚山、キッカー・ユンビッガラムのクロスが中央に入ると、直接抑えにいったGKチョンソンリョンがキムジヒョンと交錯しかかる格好でファンブル。
これがゴールに向かう、川崎サイドの悲鳴(上がっていない)が聴こえて来そうなシーンとなりましたが、ボールは右ゴールポストに当たってゴールならず。
ミスが続き、心臓が止まりそうな場面を作ってしまった川崎。
その後も蔚山の攻撃機会が続きますが何とか凌ぎ、とうとうPK戦にまで辿り着く事となりました。
既にダミアン・小林というゴールゲッターが退いている川崎、1人目を務めたのは知念。
一抹の不安が過ったものの、ゴール左へ蹴り込んで(GKホンチョルは反応するも届かず)成功。
蔚山の1人目・イチョンヨンも成功し、迎えた2人目。
川崎は長谷川が務めたものの、先程の2人のキックで、ポイント部分の芝が削れる事態が発生しており。
その影響か大きくふかし、枠外となってしまった長谷川のシュート。
続く蔚山はウォンドゥジェ、これで決めれば有利となりましたが、放たれたシュートはゴールバーを直撃して跳ね返り。
ともに失敗に終わり、3人目へと移行します。
川崎・遠野がGKの逆を突いて左へ決め、迎えた蔚山・イドンジュンのPK。
イドンジュンはフェイントを入れたのち中央へ蹴り込み。
(キッカーから見て)右に跳んだGKチョンソンリョンは足を残しており、これをセーブ。
しかしフェイントを入れたのが奏功したか、チョンソンリョンが蹴る前に前に出ていたとされてやり直しになります。
再度のイドンジュンのシュートでしたが、今度は左へのシュートを完璧にセーブされ、2本とも止められてしまう結果に。
これでリードを奪った川崎ですが、勝負は下駄を履くまで解らない。
4人目はシミッチが務めましたが、彼も芝の状態の影響かふかしてしまい、ゴール上へと外れ。
蔚山はユンイルロクがゴール中央へと蹴り込み、これで同点。
重大な責任が伴うキックとなった5人目、それに耐えうるのは家長しか居らず。
チームの想いを乗せて蹴った家長のゴール右へのシュートは、GKチョヒョヌの読みに上回られ、セーブされてしまいます。
これで次を決めれば勝利となった蔚山。
キッカーは10番を背負うユンビッガラムで、4人目と同様にゴール中央へと蹴り込み。
結果ゴールとなり、歓喜の渦を作り上げる蔚山メンバー。
川崎は先に勝利に近付けたものの、逆転で敗戦する事となったPK戦。
2年前のルヴァンカップ決勝(札幌戦)を思い起こさせたものの、結果はあの時とは反対の逆転負けに終わりました。