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DAZN観戦 2021年J2リーグ第30節 東京ヴェルディvsアルビレックス新潟

2021-09-22 16:03:03 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(27節・京都戦、1-3)
※前回の新潟の記事はこちら(27節・水戸戦、0-4)
※夏の移籍情報についてはこちら

今季中の昇格の望みは既に薄く、また降格の可能性を見ても、危機感を覚えるほどの位置では無い。
そんな心理状況に陥り易い中位をキープしているヴェルディですが、グラウンド外からの大波に呑まれ政変を余儀なくされる事となりました。

中位の位置を3年程続けていた永井秀樹監督が、27節終了後に辞任する運びとなり。
表向きは成績不振が理由(当時は7戦未勝利中)との事ですが、試合と前後して沸き上がった「パワハラ疑惑」が背景にあり、何らかの影響を及ぼしたという事は想像に難くなく。ヴェルディのHP上での声明
臭い物に蓋をするかのような手際の良い監督交代で、突然永井体制は終焉を迎えてしまいます。

その代役を務めたのはコーチであった堀孝史氏で、これが実に3度目のシーズン途中での就任。
永井氏の基本フォーメーションであった4-1-2-3は、2度目の浦和監督時に取り入れた経験があり。(2018年)
その形だけを見れば偶然とはいえ継続性ある交代となりましたが、当時の浦和は全く完成度が高まらず、堀氏は早期解任(5節終了後)の憂き目に遭ったため果たしてどうなるか。
ともあれ、前節(松本戦・2-0)で9試合ぶりに勝利を挙げたヴェルディ。

ともにボールポゼッションに定評あるチーム同士の戦いで、先に仕掛けたのは新潟。
前半3分、左サイドから堀米が斜めの縦パスを入れたのを契機に、高木→早川→三戸と渡って逆の右サイドへ。
受けた三戸がカットインで中央まで流れるという、サイドを激しく振る攻撃の末に三戸のミドルシュートが放たれます。(ゴール左へ外れ)

一方のヴェルディは、最終ラインでの散らしから、アンカーの佐藤優平の長いパスでの組み立てが中心。
新潟のプレッシングに対処すべく立ち回りましたが、序盤はボールロストするシーンが目立ちペースを掴めず。
攻撃権を得てもシュートに結び付かず、再度新潟に攻勢を浴びる事となります。

ファーストシュートを放った三戸は右サイドハーフの登録ですが、この日は3バックの右ウイングバックといったような振る舞いが顕著で、タッチライン際に張ってボールを受ける事数多。
彼がカットインを仕掛けるのがメインの手段で、結果に結び付いたのは14分でした。
最終ラインを経由し右サイドで受けた三戸、中央方面へ流れてからパスを送ったのち、舞行龍ジェームズが前進してミドルシュート。
ブロックされるも堀米が拾い継続し、左サイドでパスワークから高木のクロスが上がり、GKマテウスがパンチングするも右ハーフレーンで拾った三戸。
ここから浮き球をコントロールしつつのカットインで中央へ流れ、先程のように果敢にミドルシュートを放つと、若狭のブロックでコースが変わりゴール左隅へと突き刺さり。
その積極性で先制点を生み、幸先良いスタートを切った新潟。

その後ヴェルディも反撃に出て、最終ラインからのポゼッションで攻撃を組み立て。
この辺りから、通常型である最終ラインを3バックにしてのビルドアップを抑制し、2センターバックによる繋ぎの形が目立つ事となります。
長らくシュートを撃てずに居ましたが21分に決定機が訪れ、自陣左から梶川の斜めの縦パスが石浦に入り、右へと流れて前進したのちエリア内へスルーパス。
走り込んだのはゴールゲッターの小池で、シュートを放ったものの右ゴールポストを直撃してしまい同点ならず。
最初のフィニッシュを惜しい形で逃してしまったヴェルディ、そのまま23分に飲水タイムが挟まれ。

28分、新潟は長短交えたパスを16本繋いだ末に、中央から高がミドルシュートを放つもGKマテウスがキャッチ。
ポゼッションを高めようとする新潟に対し、ヴェルディもプレッシングで対抗して容易にペースを渡さずに推移したブレイク明け。
それでも新潟は32分、最終ラインでの組み立てを経て再び三戸が、早川のスルーパスを受けたのち中央へ流れシュート。
しかしこれもGKマテウスのセーブで防いだヴェルディ。

その後流れを引き戻し、この時間帯は3枚の最終ラインに戻し、ンドカ・ボニフェイスが左に開いて福村が前に出る従来の形で組み立て。
終了間際には、ンドカと若狭の2CBの立ち位置を左右入れ替えるなど、若干の変化を挟みつつ反撃を試みます。
そこから端戸にチャンスボールが出るものの、立ちはだかったのはオフサイド判定。
36分に左サイド裏へロングパスが供給されると、既にオフサイドポジションに居た端戸は走り込むフリをして福村に受けさせたものの、そのフリの部分で笛が吹かれてしまいます。
そして40分には、左→中央→右とパス回しののち、石浦からエリア内右へ出されたスルーパスを受けた端戸。
すかさずシュートを放ち、ゴールネットを揺らしたもののここでも笛が鳴り、オフサイドを取られノーゴール。
振り返れば、第1クォーターの19分にも福村のクロスを端戸がトラップしてシュート、ゴールに入れたもののオフサイドで無効となっていたのもあり。
苛立ちを隠すのが難しい状況になってきたヴェルディ。
逆に新潟は、44分に今度は左から堀米がカットインしてミドルシュートを放つ(エリア内で若狭がブロック)場面を作り、好循環を保ちつつ前半を終えます。

ハーフタイムで新潟が先に動き、谷口→鈴木へと交代。
チーム得点王の谷口ですが、1トップを務めたこの日はやはり新潟というチームの宿命というべきか、三戸の働きに押されてあまり目立たず終わった印象を受けました。

後半も先制攻撃を果たしたのは新潟で、後半3分に敵陣中央で高木がヴェルディ・杉本に反則を受けて直接フリーキックに持ち込み。
これを高木が直接狙い、外側からカーブを掛けてゴール右を襲うも僅かに外れてしまいます。

やり返したいヴェルディ(後半からンドカと若狭は元の位置に戻る)の意識を逆手に取り、再度新潟が決定機を作ったのは7分。
ここも三戸が高の縦パスを受け右サイドをドリブルで抜け出し、エリア手前からグラウンダーでクロス。
ファーサイドでロメロ・フランクが走り込み、合わせてゴールゲット。
早い段階で点差を広げる事に成功します。

これで新潟は幾ばくか楽になると思われましたが(10分に高木→福田に交代)、その意識が隙となってしまったのか、11分に佐藤優のスルーパスで決定機を得るヴェルディ。
エリア内左への浮き球に杉本が走り込んだ所、追走した新潟・早川の足が掛かり、倒れ込むと審判の笛が鳴って反則・PKを得ます。
キッカーはチーム得点王の小池が務め、中央へ蹴り込んでゴール。
すかさず1点差をキープするヴェルディ。

その後は佐藤優が最終ラインに降りる、ヴェルディらしからぬ(?)ビルドアップの形も見せ。
この光景が堀監督の目に焼き付き、試合終盤の交代策に繋がったのでしょうか。

15分に端戸が若狭のロビングに合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)、22分に新井(杉本と交代で出場・21分)の左からのクロスに再度端戸が合わせシュート(枠外)と、前半同様果敢にフィニッシュを務めた端戸。
それでも同点ゴールは奪えず、直後に新潟・堀米が足を攣らせたタイミングで後半の飲水タイムへ。

ブレイクが明け、選手達が散ったというタイミングで交代を敢行した新潟。
堀米・ロメロ→藤原・本間へと2枚替え、早川が右サイドバック→左SBへとシフトします。
直後の26分にコーナーキックを得た新潟ですが、そこからヴェルディがカウンターを浴びせた(シュートには繋がらず)のを契機に、ヴェルディの一方的な展開へと突入。

両SBを高い位置へ上げ、そのうえでサイドに人数を増やしてボールを支配し、圧力を掛けて攻撃していきます。
33分に左CKを得ると、クリアされたボールを尚も左サイドで繋ぎ、新井のクロスが新潟ディフェンスにより上空へとこぼれ。
ンドカが合わせにいき、こぼれたボールを小池が強烈なシュートを放つもブロックに当たって跳ね返り。
あまりの熱量故か、タッチライン際にこぼれたボールを、割る前に堀監督が飛び出して抑えるという珍プレーも生まれてしまいます。(新潟のFKに)
直後に深澤・福村→持井・浜崎へと交代。

同点への雰囲気が高まりつつあり、それに後押しされるように38分にさらに交代を敢行するヴェルディ。
ンドカ・石浦→阿野・佐藤凌我と、CBを交代して前目の選手を投入する手を打った堀監督。
ンドカの穴には佐藤優が回りましたが、その急造的な最終ラインが最後の最後で墓穴を掘る事となります。
尚も攻め上がるヴェルディ、42分には佐藤優ミドルパス→新井受けてスルーパス→佐藤凌で左サイドを突破。
佐藤凌のクロスを端戸が合わせヘディングシュート、しかしこれもゴール左へと際どく外れてしまいます。

アディショナルタイムも目前になった45分、再度GKから繋がんとする所を、新潟・鈴木がプレッシング。
これに慌てたのかGKマテウスがパスミスを犯してしまい、掻っ攫った鈴木が悠々と無人のゴールへ流し込み。
みすみす決定的な追加点を献上してしまい、万事休すとなったヴェルディ。

尚も敢行されるヴェルディの攻撃をいなし、最後はパスワークで時計を進める体制へ突入した新潟。
最終ラインを中心にどんどんパスを繋いでヴェルディ選手を走らせる、至福の時を描いた末に、本間がボールキープする最中に試合終了の笛が鳴り。
マイボールのまま試合を壊しきり、勝利の運びとなった新潟。

3点目のシーンに佐藤優は直接絡まなかったものの、最終ラインの安心感の喪失による悲惨さを感じさせる絵図なのは変わらず。
監督経験の薄い堀氏の攻めっ気が裏目に出たようでもあり、もっと言えば最近のゴシップ的な話題で揺らいでいるヴェルディ全体の余裕の無さのようでもありました。

コメント
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