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DAZN観戦 2019年J2リーグ第25節 FC町田ゼルビアvsアルビレックス新潟

2019-08-01 15:39:39 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の町田の記事はこちら(21節・山口戦)
※前回の新潟の記事はこちら(14節・愛媛戦)

25節は水曜開催。
前節は先週土曜・次節は日曜なので中3日とはいえ、ミッドウィークに試合があるためメンバー選考のやり繰りが悩みの種となったであろう試合でした。

目下4連敗中と既に苦闘の渦に入り込んでいる町田は是が非でも結果が欲しい状況。
入れ替えは最小限に留めざるを得なく、前節から外したのはベテランの深津・中島の2人のみ。(中島はベンチ入り)
代わってスタメンに顔を並べたのは岡田とジョンチュングン。
救いは前節のアウェイ戦がヴェルディとだったので、移動距離がほぼ無かった事でしょうか。

一方の新潟、前節は琉球に4-0で大勝と上り調子が垣間見えます。
この日はスタメン入れ替えは無く、「良い時のチームは弄らない」を忠実に実行したのかもしれません。
しかしこれで現状5試合連続で同一スタメンであり(この日まで2勝1敗1分)、ただ単に吉永一明監督の手腕から柔軟性が消えかけているだけ、とは言い過ぎでしょうか。
移動の方は新潟→東京南部に留まり、こちらもこの面ではあまり心配無し。

試合の方は、立ち上がりは町田の「ワンサイドアタック」とそれに対抗する新潟という図式の、今季の町田戦でおなじみになってきた展開。
アバウトな縦パスと、その跳ね返しによる両チームスローイン数の増大。

新潟は前半14分、クリアボールを敵陣でレオナルドが落とし、拾った渡邊新太が右へと展開。
受けたフランシスがエリア内に進入しますが、フェイントでかわそうとした隙に町田側がクリア。
これが切欠となったのか、新潟の攻めの方針は「縦パスからの速い攻め」に決定したようです。

以降はスローインの応酬に付き合いつつも、ゴールキックや味方のクリアボールを軸にして、収めたor落とした後は裏狙いの縦パス。
そんな攻撃の連続で、町田守備陣に徐々にプレッシャーを与えていきます。

それが実ったのが前半39分。
フランシスのアバウトなダイレクトパスに対し、町田右サイドバック・佐野がクリアミス。これを渡邊新が拾いエリア内までドリブルしてからパス、受けたレオナルドはエリア手前中央からシュートを放ち、見事ゴールに突き刺し先制します。

一方の町田は攻撃回数こそ互角でしたが中々シュートは撃てず。
ワンサイドアタック故、しばしば2トップのうちの1人がサイドで攻めをサポートしに流れるのですが、この日富樫と2トップを組んだジョンチュングンの動きが今一つな印象で中々ボールに絡めず。
大きなチャンスは32分、佐野の右からのクロスに富樫がボレーで合わせた場面で、ジャストミートしないながらも良いコースに飛んだシュートはGK大谷が辛うじてセーブで得点ならず。

逆に新潟はアディショナルタイム、コーナーキックを得ます。
キッカーの高木がクロスを上げ、ややファー寄りの所でセンターバック・大武がヘディングシュートを突き刺し、2点目をゲットした新潟。
最高の形で前半を終えましたが、ここでプレイバックするのが14節・愛媛戦。
前半2-0とリードしてからの後半3失点で逆転負けという試合で、同じ轍は踏みたくないという展開になります。

果たして後半開始の前に、あの時と同様に相手の町田は2枚替え。
故障明けの戸高と休養していた中島を同時投入し(岡田・ジョンチュングンと交代)勝負を賭けに来た町田・相馬直樹監督。
丁度入れ替えたメンバーである2人が交代された辺り苦し紛れのターンオーバーだった感が窺えますが、この交代で一気に形勢逆転します。

当然ハーフタイムに「立ち上がりに気をつけろ」という指示は飛んだと予想しますが、後半が開始されると町田の一方的な試合展開に。
しかも新潟ボールになってからも、前半と同じく速い攻めの方針は継続され、試合を落ち着かせようという思惑が全く感じられない振る舞いに終始します。
果たして一方的な攻撃どころかカウンターまでも浴びる破目になり、その結果後半20分までに同点に追い付かれます。

新潟を語るうえで外せないのが、キャプテンの移籍。
今年も移籍シーズンに入り、キャプテンでかつ背番号10だった加藤の福岡へレンタル移籍が発表されました。
前年もシーズン途中で磯村が長崎に移籍しており、これは大井(現磐田)・小林(現名古屋)・大野(現湘南)から5年連続で発生している出来事。
さらにJ2降格後はシーズン途中というオプションまで付いて継続中です。
低迷期で監督交代も繰り返されている新潟、監督が変わればキャプテンも変わる……という単純な事象なのでしょうが、それが移籍にまで発展するのは何故なのか。

今季の加藤は15節・琉球戦までは全試合スタメン出場していましたが、それ以降は外され、以降は途中出場で1試合のみ。
この入れ替わり時期に丁度13節~16節の4連敗が被っており、チーム成績が心象を悪くしたのは想像に難くありません。
そうしてチームがスタメン固定を明確にしている現状、出番を失った事による出場機会を求めての移籍という典型ですが、果たして出番を失った選手に対するケアはきちんと行われているのか。
前年の磯村も移籍直前は7試合で出場1度だけという記録だったので、嫌でも不安になってしまいます。

こうしてキャプテンの重みが無くなりつつある新潟、新たに任命されたのが助っ人・カウエ。
これまで全試合出場している大黒柱のボランチでありキャプテンとして相応しい人材なのでしょうが、「どうせ移籍されるのならば助っ人に任せよう」というような穿った見方をしてしまうのは自分の性格が悪いからでしょうか。
試合を落ち着けられなかった責はカウエにあるでしょうが、そんな任せ方をする方の責も問われるべきだと思います。

一方同点に追い付く事に成功した町田。
1点目は後半8分、押し込んでいた所をクリアされますが、フランシスのボールロストにより再びチャンスに。
これを戸高がエリア内やや右(65~70度ぐらい)から、巻くシュートをゴール左上に突き刺すゴラッソを披露します。
その後もバシバシ戸高がシュートを撃ち新潟守備陣にダメージを与え(9分・10分にもシュートと、実に3分間で3本)、同点になったのが19分。
右サイドのパス回しに2トップ中島・富樫が絡みに行く厚みのある攻撃から、森村縦パス→佐野スルー→ロメロ・フランクがエリア内右に抜け出すという好機。
ここでロメロは角度の無い所から無理矢理シュートを放つと、ブロックに入った大武の足に当たってゴールイン。思い切りが見事良い結果に繋がりました。

新潟にとって愛媛戦と違ったのは、同点に追い付いてからも膠着状態にはならず、さらに町田に攻撃を受け続ける事だったでしょう。
焦る新潟はその後も、中盤でのフリーキックを直接ロビングに持っていく(25分・キッカー新井)など試合を落ち着かせるような素振りは一切見せず。
するととうとう後半30分、佐野のニアへのクロスを富樫が一旦合わせそこなうも、こぼれ球が自身の足元に転がりすかさず左へパス。
これに中島が右足を振り抜き、GK大谷を弾いての強烈なゴールで町田が逆転。

完全に愛媛戦の再現となってしまいましたが、ここで一方的に攻められたのが逆に功を奏したのか町田はペースダウン。
後半頭の2枚替えでフレッシュな選手を入れる事もままならず、攻め疲れの様相を示します。
新潟はジョーカー・矢野を投入する勝負手を打ち(後半34分・フランシスと交代)、攻勢に出る事が出来るようになりました。

そして息を吹き返す同点弾が生まれたのが39分。
ここでもコーナーキックからで、高木のクロスに対し矢野が中央でヘディングシュート。
見事にノーマークになってのシュートで、起死回生のゴールが生まれた新潟。
以降シュートを3本放ち町田ゴールを脅かし続けますが、そのまま試合終了。
両者ともリードを守れずという痛み分けの結果になりました。

ようやく連敗が止まった町田ですが、新潟の試合運びのミスに付け込んでの3得点というベストな展開を作り上げただけに、勝ち切れなかったのは非常に痛い試合となりました。
相手が引く展開にならない時にこの日のような攻めを見せられるか、はたまた相手が引く展開にさせない(前半のうちにリードを奪われない)事が今後の課題となるでしょう。

コメント
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