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DAZN観戦 2019年J2リーグ第27節 ジェフユナイテッド千葉vs愛媛FC

2019-08-13 16:53:09 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の千葉の記事はこちら(19節・柏戦)
※前回の愛媛の記事はこちら(23節・ヴェルディ戦)

今夏の移籍ニュースが毎日のようにサッカーファンを沸かせたり驚かせたりする中、そんな最前線とは距離を置いている印象なのが千葉。
大学生の内定選手を特別指定選手として登録した(本村・見木)以外は、ガンバから米倉を獲得したのみ(レンタル)。

この米倉が、2013年まで千葉に在籍していた選手であり出戻りという事で注目され、この日早速右サイドバックでスタメン起用しました。
シーズン前は佐藤寿人の復帰、シーズン中は江尻篤彦氏の監督復帰、そして米倉。
このノスタルジックな補強路線を歩むのは何か狙いがあるのか。それとももう今季は昇格も厳しくなってきたから、支持を集めやすい路線でいこうという諦めにも似た感情か。
同じ出戻り勢の工藤もこの日久々のスタメン起用(13節・山形戦以来)となり、現場レベルでも現在の千葉はこの路線で突き進む方向が窺えてしまい、何とも言い難くなります。

試合が始まると、千葉は米倉のいる右サイド中心に攻撃。
右サイドハーフでの出場となった工藤とともに再三右からボールを運びますが、ペースを掴むまでには至りません。
逆に愛媛は前半6分、ロングボールの跳ね返りを近藤が拾い、藤本→下川と渡って下川がダイレクトでクロス。
グラウンダーのボールがファーサイドまで転がり、近藤が合わせますがゴールならず。
序盤の印象は、ともに一進一退ながらもやや千葉側に息苦しさを感じるものでした。

右サイドで手詰まり感を出していた千葉、20分辺りから左サイド主体の攻撃へと切り替わります。
ボールキープの際、工藤が左にポジションを移動するなど厚みを見せます。

それが功を奏したのが32分で、ここも工藤が左へ展開するとともに、自身も左へと移動した所から。
左SBの下平が、工藤・船山・熊谷アンドリューとのパス交換から奥に進入する事に成功してクロス。
これをFWクレーベがヘディングでトラップ、収めようとした所を下川・前野のチャージを受けて倒れてしまうと、審判の笛が鳴りPKに。
キッカーは船山、GK岡本の逆を突いた右へのシュートはポストの内側を叩き、ヒヤリとしたもののゴールイン。

千葉が先制に成功すると、その3分後(36分)。
今度は右サイドからで、米倉のエリア内右へのスルーパスを工藤が受けると、一旦戻し小島・米倉が溜めを作ります。
そして小島がニアサイドにクロスを入れると、クレーベがダイビングヘッドでシュート、ボールはGK岡本の股を抜けてゴールに突き刺さりました。
2-0とリードを奪った千葉、以降は愛媛にペースを握られますが、シュートは許さず前半を終えました。

スコア上は理想的な展開でハーフタイムを迎えた千葉。
しかし相手の愛媛は、言うなれば前半2-0というスコアに慣れきってしまったチームであります。

逆転の愛媛。
そう呼ぶと逆転「する」方ととれますが、23節のヴェルディ戦では「される」方として目立ってしまいました。
目下2連勝中の愛媛ですが、連勝中はいずれも前半で2-0とリード、その度にDAZNの放送席では23節の逆転負けが話題になるという可笑しな場面も。

14節・新潟戦では0-2のビハインドから、後半の3得点で見事な逆転勝利。
その時スイッチになったのが大ベテラン・山瀬の交代出場で、この日も後半頭からボランチ・野澤との交代で出場します。
しかしあの時と違ったのは、そのままボランチに入るのでは無く、シャドーだった神谷をボランチに下げ山瀬自身はシャドーの一角に。
新潟戦ではボランチの位置で決めたミドルシュートが印象的だった山瀬ですが、この日はシャドーからの飛び出しを期待されての起用だったでしょうか。

そんな愛媛のベンチワークで始まった後半ですが、立ち上がりの愛媛のチャンス(近藤クロス→下川折り返し→藤本シュートもGK鈴木セーブ)の後は千葉に決定機が。
後半4分小島がエリア内右へスルーパスを出すと、受けた米倉が中へ折り返し、ここからシュートの矢玉を浴びせにかかる千葉。
船山がシュート体勢に入るもこぼれる→工藤が詰めてシュートもブロック→船山フェイントでブロックをかわしシュートもGK岡本がセーブ→クレーベが詰めてシュートもブロック、という蜂の巣状態をなんとか凌ぎ切った愛媛。

愛媛の反撃は6分、右ウイングバック・長沼のスルーパスを受けた山瀬がエリア内右でシュートを放つもブロック。
10分にはセンターバック・前野のロングパスで裏を取り、近藤がエリア内に持ち込んだ所新井に倒されて反則、新井に警告が出るとともにPKを獲得します。
これを近藤がGK鈴木の逆を突いてしっかりと決めました。
後半の狙いの一つであろうDFの裏狙いでまずは1点を返した愛媛。

すると14分、山瀬のロングパスから藤本が前線でキープし神谷→下川と繋がります。
下川は切り返しで戻ってきた米倉をかわすと、フリーの状態でエリア手前左からシュート。
豪快にネットを揺らし、あっという間に追いついた愛媛。

千葉にとっては立て直す暇も無く、1失点目とは違う攻撃であえなく崩されたという最悪のパターン。
その通りに以降しばらくは完全な愛媛のペースで展開する事に。
21分にはコーナーキックからの二次攻撃、エリア内右で茂木→山瀬と渡り、山瀬のクロスでファーサイドの下川がフリーでトラップする決定機。
これも決めれば下川はこの日ヒーローとなるのは確定でしたが、シュートをふかしてしまいチャンスを逃してしまいます。

同時に愛媛の勢いも止まり、以降は両チーム選手交代も交えながら、勝ち越しの隙を伺う展開に。(25分に千葉は為田→茶島、愛媛は藤本→丹羽)
千葉はさらに32分、工藤を下げて矢田に交代。
ここからにわかに千葉側に針は傾き、33分には右SHに回った小島がエリア手前右からシュート。(枠外)

一方の愛媛、最後の交代枠を使ったのは37分。
神谷→有田へと交代し、山瀬がボランチに回ります。
その直後に有田がシュートを放つ(38分・枠外)と、39分には下川のグラウンダーでのクロス、DFに当たってコースが変わり丹羽がシュートしますがGK鈴木がセーブ。
両チームとも選手交代で試合の流れを引き戻すという展開に。

千葉は40分、クレーベがエリア内右からシュートを放つというチャンスがあったものの決められず。(GK岡本セーブ)
最後の交代は船山に代えて佐藤寿というもの(45分)でしたが、この交代で逆に流れを失った感があり、それが終幕に繋がっていきます。

アディショナルタイムも3分が過ぎ、愛媛は前野がロングパスを通し、この日何度も左サイドで攻撃の形を作っている下川に渡ります。
彼のクロスが上がると、ファーサイドで近藤がヘッドで折り返し、そこに丹羽が飛び込んでヘディングシュート。
この土壇場の状況で流れるようなプレーでゴールを奪い、愛媛が勝ち越しに成功。
ラストプレーで千葉は米倉クロス→クレーベヘディングシュートという見せ場を作りましたが、GK岡本がこれをキャッチして試合終了。
新潟戦の再現を果たした愛媛、順位でも千葉の上にいく事となりました。(愛媛14位・千葉17位)

敗れた千葉は2試合連続の逆転負け。(前節・鹿児島戦は1-2で敗戦)
抜擢された米倉・工藤はまずまずの働きでしたが、工藤が逆サイドにまで動く分、米倉が右サイドで孤立してしまう場面が多かった。
そのため守備でも、愛媛に左サイド・下川の跳梁を許してしまった感があります。
新戦力も加わり、後は組織の部分で纏めるのが必要だと思いますが、その面で今の千葉は非常に頼りない。
監督である江尻氏の舵取りも、攻守にあいまいな印象で強い組織力は感じ取れません。
クレーベ・船山はじめ個々の選手頼みな局面が目立ってしまっている現在の千葉、明日はどちらになるでしょうか。

コメント
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