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DAZN観戦 2019年J2リーグ第27節 FC町田ゼルビアvsツエーゲン金沢

2019-08-15 16:51:33 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の町田の記事はこちら(25節・新潟戦)
※前回の金沢の記事はこちら(14節・長崎戦)

20節の千葉戦で勝利してから6戦未勝利(5敗1分)と、泥沼に嵌ってしまっている町田。
さらにホームでの勝利となると6節(愛媛戦)にまで遡らなければならず、引き分けすらままならなくなっている状況に、順位的にも降格圏が近づいてしまっています。

今夏の補強では、鹿島から獲得した平戸が目玉選手で、加入直後の前節から早速スタメン起用が続いています。
鹿島からレンタルで2年間在籍(2017~2018年)していた経歴があり、前年のリーグ4位に大貢献した選手ですが、今季戻った鹿島ではリーグ戦出場は僅か1試合のみ。
壁にぶつかっていた所をこの度町田が再び、今度は完全移籍で獲得。
気持ちを切り替え、町田に骨をうずめる覚悟は出来たでしょうか。
その他大ベテラン・李漢宰(リハンジェ)がボランチで今季初スタメン(初出場)するなど、低迷打破へ必死な舵取りが窺えます。

試合開始。
そこには町田戦おなじみの風景となった、「町田のワンサイドアタックと、それに対抗する相手チーム」がありました。
ただこの日の金沢はというと、町田攻略の一つの手段であろう大きなサイドチェンジはあまり行わず。
町田のプレスにかかる前に縦パスを行い、FW垣田に当てるか、スペースを使うかの二択が主な攻撃手段。
序盤はいつものようなスローインの嵐とはならず、ややオープンな展開で双方チャンスを作っていきます。

互角か金沢やや優勢で展開する中、迎えた前半16分の金沢の左からのコーナーキック。
キッカー藤村のクロス→ファーに流れた所垣田折り返しという流れは一旦クリアされますが、そのボールを藤村が拾いもう一度クロス。
これにセンターバック・廣井が頭で合わせ、先制弾を叩き出しました。

しかしこの得点の後は町田がペースを握ります。
狭いエリアでのパス交換から、一発の縦パスでチャンスを作らんとする攻めを展開し、それに伴いスローインも増え始めます。
19分、中盤でボールを奪った酒井の縦パスを中島が受け、ロメロ・フランク→後方の李へと渡った所で李がエリア内左へ浮き球のパス。
左サイドバックの佐野が走り込みますが、金沢・大石が左タッチラインに逃れます。
そのスローインを左サイド奥で富樫キープ→佐野→エリア内左のロメロと繋ぎシュート(左に外れる)という場面は、「ワンサイドアタック」理想の攻めが出来ていたと思いました。

そして22分、CB深津が右サイド奥へロングパス、これを受けたFW富樫が溜めを作り李へバックパス。
李は手前からクロスを上げ、ニアサイドで土居が頭から飛び込みシュート。
ボールは頭では無く背中に当たっていましたが、土居の執念でゴールネットを揺らしました。

同点に追い付いた町田。
その後飲水タイムを挟んでからも攻勢で、これは後半金沢が選手交代を行うまで続きます

そのアクセントとなっていたのはドイスボランチの2人、ロメロと李でしょう。
戦術の特性上FW2人がサイドに流れる事が頻発するので、MFの攻撃力も重要なファクターとなる町田。
ロメロは大学生の時期から日本のJFLでプレーしており、その後主にJ2のクラブを渡り歩き現在31歳と日本生活がかなり長い助っ人です。
町田は2シーズン目となり、今季は既に前年を上回る出場試合を数え、主力の一員に定着。
最前線への飛び出しでパスの受け手となり、そこからエリア内に進入する動きで相手に圧力を与える役割を担っていました。
李は2001年に広島に入団、以降ずっとJのクラブに在籍して今季で19年目と実績十分。
町田ではJ3時代からプレーしており今季で6年目、昨季は5試合のみの出場に留まり、今季もこれまで未出場ながらこの日スタメン。
ベテランらしく、後方からの一発のパスで好機を演出する役割を担当し、縦パス・楔のパスを何度も供給していました。

この日本経験豊富な助っ人2人の力を借り、金沢守備にダメージを与えていった成果はアディショナルタイム。
右サイドからの中島のクロスが流れた後、ロメロがボールキープし金沢・長谷川を振り切ってエリア内に進入、角度の無い所からシュート。
GK白井が弾きますが、こぼれ球を中島が詰めてゴール、欲しかった勝ち越し点を町田が奪うと同時に前半終了の笛が鳴りました。

金沢が流れを引き戻したのは後半7分、垣田→クルーニーへの交代からですが、それと前後して町田側に「運が無い……」とボヤきたくなる場面が。
後半2分左サイドで佐野→平戸と渡り、平戸のクロスがブロックされると、コーナーキックかと思われたボールはコーナーフラッグに当たりピッチ内へ。
11分にはまたもロメロが左サイドからカットインしエリア内進入、シュートするも平戸に当たり、ファーサイドへ流れたボールに富樫が足で合わせます。
決まったかと思われたボールはポストに当たり、好機を逃してしまいます。
13分にも平戸のエリア手前右からのシュートが左ポストを叩き、惜しい所で3点目が入らない町田。
ツキの無さが色濃く表れたシーンを演出してしまうと、次第にペースは金沢へ。

26試合で引き分け数が13と膨れ上がっている金沢。
得失点差こそ11と多いですが、これは6-1の大勝劇(4節・奇しくも前回の町田戦)があった分膨れ上がっており、8勝5敗の成績に大体準じていると思います。(若干得点が多いですが)
大量失点試合が無く、多くても2失点なのが負けが少ない理由。
現監督の柳下正明氏が就任して3年目、67→48→22(前節終了まで)とシーズン毎に失点数の減少が濃く表れています。しかしこれも天敵であった松本が今季J1なため(過去3年・6戦で21失点)弱さが隠れてしまっているという見方もできますがまあ揚げ足取りでしょう

一方で今季はツートップの組み方に苦労している印象。
小松・垣田・クルーニーと長身選手を揃えても、故障もあり2人揃わない時期もあるなど苦労が窺えます。
そのためかタイプの全く異なる山根を獲得(セレッソからレンタル)したのが今夏で、チームに加わるやいなや4試合出場で3得点と結果を出しています。

話戻って、前半は垣田にロングボールを当てても、攻撃のペースを掴めずに終わっていた金沢。
その駒をより屈強なクルーニーに代えた事で、流れを引き戻しにかかりました。

しかし同点劇はポストプレイではなく裏抜けから。
左サイドで沼田と加藤がパス交換から突破し沼田が中央へスルーパス、これにクルーニーが飛び出してエリアすぐ手前で受けます。
すると飛び出してきたGK増田に倒されて反則となり、絶好の位置でフリーキック。(増田に警告)
これを山根が直接狙い、緩やかに壁を越えたシュートは増田にセーブされますが、大橋が詰めてシュート。
これも増田に止められ、さらに加藤が詰めて三度目の正直、ネットを揺らして同点に。
後半19分の事でした。

勢いを失いつつあった町田、失点直後に李に代えて森村を投入しますが、全体的には金沢ペースで進みます。
25分の金沢、町田ペナルティエリアからかき出されたボールを大橋が拾い、沼田に渡りクロスが上がるとクルーニーがヘディングシュート。(GK増田キャッチ)
26分の町田、中島が左の土居にパス、土居はエリア手前でカットインしてからミドルシュート。(GK白井セーブ)
29分の金沢、左サイドからのスローインをクルーニーがダイレクトで加藤にパス、加藤はエリア内に進入するもののボールを奪われて倒れますが反則は無し。

双方セットプレーも増えていきますが、かなり手前からのフリーキックでも一気に前線に放り込むシーンも目立つなど次第に泥仕合の様相に。

そして決勝点は大詰めの44分、そのエリアかなり手前からのフリーキックでした。
クルーニーに対する深津の反則で金沢が得た右サイドでのフリーキック、キッカー藤村がファーサイドに上げる→廣井頭で折り返し→中央で山本がヘディングシュートでゴール。
両CBによる頭での共演でついに勝ち越した金沢。

試合はそのまま2-3で金沢が勝利しますが、アディショナルタイムにコーナーキックを得ても、露骨な時間稼ぎはせずそのままクロスを上げた金沢サイド。
この非情への徹しきれなさが引き分け試合が多い要因ともとれますが、金沢は未だ発展途上のクラブだと思うので個人的には好印象でした。(こんな記事も上がっている事ですし  

コメント
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