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DAZN観戦 2019年J2リーグ第23節 東京ヴェルディvs愛媛FC

2019-07-22 19:32:42 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回のヴェルディの記事はこちら(20節・岐阜戦)
※前回の愛媛の記事はこちら(14節・新潟戦)

水曜日に、ギャリー・ジョン・ホワイト監督の退任(解任?)が発表されたヴェルディ。
昇格へ向けて勝ち点の取りこぼしが目立った前半戦に加え、天皇杯で大学のクラブ(法政大)に敗れた事が彼の評価を決定づけたのかもしれません。
ロティーナ氏(現セレッソ大阪監督)が一定の成果を上げた故の外国人監督路線は失敗という結果に終わり、代わりに監督の座に就いたのは永井秀樹氏。
Jリーグ創成期のヴェルディ生え抜きの永井氏という立ち位置ですが、ヴェルディ全盛期ではレギュラーを獲れず他チームに流れた(福岡→清水→ヴェルディ復帰→横浜F→横浜FM)経歴であり、おまけに晩年は琉球に6年在籍していた事もあり生え抜きという取り方がしづらくもあります(引退前の3年間はヴェルディに在籍)。

一方の愛媛・川井健太監督も、愛媛生え抜きでありシーズン途中からの就任の経験の持ち主。(前年途中で間瀬秀一氏(現秋田監督)の解任により就任)
愛媛のレジェンドといえば「ズーパー」こと友近聡朗氏が真っ先に思い浮かびますが、彼が引退後別の道を歩んだ(政治家)事もあり、OB監督として川井氏に白羽の矢が立ったのでしょう。
OB監督としては過去に石丸清隆氏が監督を務めた事がありますが彼は福岡・京都のイメージが強いのでここでは触れません
兄・光一氏とともに兄弟揃って愛媛一筋だった選手時代ですが、僅か3年の在籍で引退してから早くも指導者の道を歩むという、監督になるべくしてなった人材ともいえます。
おかげでまだ38歳と若く一選手に見えなくも無い風貌で、良い兄貴分的な存在……かどうかは傍らからでは判りませんが、ここから名将への道を駆け上がる事は出来るでしょうか。

下位グループから抜け出せない愛媛ですが、要所でインパクトある勝利をしてきた前半戦。
アウェイ・新潟戦での2点差からの逆転勝利や、ホーム・柏戦での終盤立て続けの得点で勝利といった試合はその最もたるものでした。
しかしこの日は、全く逆の展開を演じてしまう事になります。

監督交代した事もあり、ヴェルディは最近の3バック(3-4-2-1)から、初期の4バック(4-1-2-3)へとフォーメーションをシフト。
しかし展開したサッカーはホワイト監督時代とそれほど変わらず、パスワークでボールを支配し相手を敵陣に釘付けにする、所謂ポゼッションサッカー。
にも拘わらず、フォーメーションを動かした事により選手間でズレが生まれてしまったのか、前半はパスミスが目立ち愛媛に攻撃権を渡すシーンが多々。
前半5分のヴェルディの攻撃、ゴールキックから速い攻撃を見せた(レアンドロポストプレイ→渡辺ドリブル→梶川シュート)のは、悪い流れを払拭するため早くシュートを撃ってしまおうという意思が感じられました。

一方の愛媛、川井氏が目指しているサッカーもポゼッションスタイルですが、U-22代表への選手輩出(神谷とか長沼とか)という要素もありここまで苦労している印象。
守勢に回る試合も珍しくなく、この日もヴェルディのボール支配に対し、特徴を隠さざるをえない試合展開。

双方中々シュートまで持っていけない場面が続いた前半。
この均衡が傾いたのは前半25分ごろからで、ここでも中盤でヴェルディのパスワークを愛媛が遮断するのが主な契機。
25分は愛媛が奪った後野澤が中央をドリブルで上がり近藤にパス、近藤はエリア内左で溜めてから野澤に戻し、受けた野澤がフェイントからシュート。(DFがブロック)
30分にはインターセプトから野澤→吉田と渡り、吉田がドリブルでエリア手前左まで持っていきそのままシュート。(枠外)

そしてその2分後の32分でした。
右サイドでのスローインからパス回し、一旦奪われたものの長沼が取り返してそのままクロス。
これに1トップの藤本佳希が頭で合わせ、綺麗にゴールゲット。愛媛が先制しました。

これを受けたヴェルディ、永井氏は早くも選手交代を決断します。
37分、梶川の直接フリーキックが外れた後に、ボランチの井上と森田を交代。渡辺がボランチの位置に回ります。

しかし流れはそのまま推移するどころか、その2分後には追加点を献上する破目に。
その渡辺が愛媛・吉田に対しスライディングで反則をしてしまい、エリアすぐ右脇でのフリーキックに。
前野のキックはファーサイドに上がり山崎がヘディングシュート、一旦はGK上福元が止めますが、こぼれ球をユトリッチに押し込まれてゴール。
痛い追加点となり、その後もアディショナルタイムに愛媛・藤本にボレーシュートを撃たれる(枠外)などがあり0-2で前半を終える事に。

後半を迎えるに辺り、ヴェルディベンチは決断を下します。
それは永井氏就任前の基本であった3バックへの再移行でした。
この日はスタメンの両サイドバックに永田・小池を起用していましたが、彼らは3バックのウイングバックとして出場を重ねていた選手。
4バックのSBとしては高めに位置しすぎ、そのため1ボランチの機能も今一つで、それが井上の交代に繋がってしまったと推測します。

永田・小池を従来の起用に戻し、3-4-2-1に合わせるためウイングの河野を山本と交代。
2シャドーには梶川と藤本寛也、ドイスボランチには渡辺・森田。
交代出場の山本は右センターバックに入り、後半が開始。

ミラーマッチとなった事で相手に容易に主導権を渡さず、しかし攻撃でも中々好機を作れず。
そんな立ち上がりの睨み合いを崩したのはセットプレーからでした。
後半5分のヴェルディの右コーナーキック、ショートコーナーから最終ラインまで下げ、ボールを受けた渡辺がファーサイドへクロス。
競り合いの中ボールは愛媛・ユトリッチに当たりゴールに向かい、ゴール直前で愛媛にかき出されますが、これをエリア内で永田が拾いボールキープ、近くにいた小池がシュートしてネットに突き刺しました。

1点差に迫り尚も攻めたいヴェルディですが、ここから一進一退。
7分には逆に愛媛がコーナーキック、前野のクロスを山崎が落とすと混戦が生まれますが、最後はGK上福元が抑えて難を逃れます。
14分はヴェルディがパス回し、右サイドから藤本が中央にパスしレアンドロがポストプレイ。
この後森田→レアンドロ→梶川とボールが回り、梶川が浮き球でスルーパスを出し森田が一気に抜け出しますが、GK岡本が抑えてシュートは撃てず。

次のゴールが生まれたのは後半18分でした。
左CBの平が左サイドでボールを持ち、エリア手前からクロス。
するとそこに待っていたのは、巧くマークを外してフリーになっていた1トップのレアンドロでした。
難なくヘディングシュートを放ち、ボールは美しい弧を描いてゴール右隅へ。

試合開始時からレアンドロに付いていた愛媛DFはユトリッチなのですが、この場面はエリア内左に位置していた永田に付いておりクロスの落下地点にはおらず。
野澤にマークが受け渡っていましたが、見事にレアンドロに外される形となってしまいました。

これで勢いづいたヴェルディ、20分には小池・渡辺が立て続けにシュートを放つなど尚も意識が前に向きます。
愛媛は21分に大ベテラン・山瀬を野澤と交代出場させ事態の収拾を図りますが、その成果が出る前に再びヴェルディに決定機が。
小池が梶川とのワンツーから渡辺にパスを送り、受けた渡辺はエリア外から思い切ってシュート。
GK岡本がセーブするものの、ゴール左に転がったボールは永田が拾い、再度シュート。
起き上がってセーブしにいった岡本の動きを見ての、逆を突く見事なシュートで逆転ゴール。

逆転された愛媛はその後攻勢に出、ボール支配はするもののフィニッシュまで持っていけない場面が多々。
ヴェルディの悪い時である症状が愛媛側に降りかかったような展開で、シュートは34分の山瀬のミドルシュート(DFがブロック)ぐらいでしたか。

最終盤には双方オープンな展開となり、45分はヴェルディがカウンター、森田がエリア内まで進入してシュートを放つもポストに嫌われ枠外。
アディショナルタイムに入り、愛媛は神谷(藤本と交代)が近藤とのワンツーでエリア内に入ってシュート。(枠外)
フリーキックから藤本のヘディングシュート(枠外)もありましたが、同点ゴールとはならず3-2で試合終了。

これで永井氏は監督就任後最初の試合で記念すべき初勝利。
去年の愛媛・川井氏(4試合目)と比べても早いですが、この日は結果的に柔軟性を発揮しての見事な逆転勝利となりました。
しかし月並みですが、本領が試されるのはこれからとなるでしょう。

コメント
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