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DAZN観戦 2019年J2リーグ第23節 水戸ホーリーホックvsFC琉球

2019-07-25 12:29:04 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の水戸の記事はこちら(17節・福岡戦)
※前回の琉球の記事はこちら(19節・甲府戦)

沖縄のクラブチームといえば、Jリーグ入りを目指しながら、経営難により2010年に解散を余儀なくされた沖縄かりゆしFC。
それと2015年に入れ替わるように(といっても5年も経っていますが)創立され、元日本代表の高原直泰氏が監督・オーナー・選手を兼任する沖縄SV(現在九州サッカーリーグ所属)辺りが有名どころでしょう。

琉球はというと、かりゆしより4年遅れてのチーム創立(2003年)ながら、かりゆし選手の大量解雇における受け皿として一定の機能を果たしつつチーム力を強化。
2006年にJFL昇格、2014年にJ3入りを果たし、そして今年からJ2の戦いの場に足を踏み入れております。
その足取りは盤石では無いながら、急がず着実にステップアップを果たしているのが伺い知れます。(スピードでいうならば山口のJ2までの昇格の速さは凄まじいものがある)

今季から監督の座に就いているのが樋口靖洋氏で、過去には横浜所属の3クラブいずれも監督経験を持つ(マリノス・横浜FC・YSCC横浜)という人物。それだけに今季端も端といえる沖縄を監督業に選ぶとは意外でした。(過去には山形・甲府で監督経験あり)
J1~J3全てのJカテゴリで監督をした人物でもあります。

J3で威力を発揮した攻撃サッカーは今季J2に昇格しても健在で、開幕4連勝を果たしたのは決して偶然では無く。
しかし徐々に緩やかな下降線を描き、拠り所にしてきたホームでの無敵ぶりも甲府に止められると、現状順位も14位まで落ちてきました。
特に痛手だったのがコスタリカ代表でもあるGKカルバハルの負傷(16節・横浜FC戦)で、それを境に以降1勝2分6敗と一気に負けが込む結果に。

この日は高校卒の新人である猪瀬をGKに立てるなど苦しい台所、ちなみに彼はこれがプロ初出場だそうです。
それがドタバタした雰囲気を作ってしまったのか、立ち上がりは水戸ペース。
猪瀬自身も前半2分、抜け出した水戸・清水のシュートを浴びる事に。(セーブしさらに白井に詰められるも枠外)
4分には水戸・志知の直接フリーキックを受ける(パンチングで防ぐ)など早速プロの攻撃力を対眼させられます。

それでもこの時間帯を耐えると、その後は自身の攻撃力を発揮。
いかに1トップで目下J2得点王の鈴木にシュートさせるか、ないしはポストプレイをさせて富所・越智・河合・風間らに飛び出させるかというのが主な攻撃法。
17分に増谷の頭でのパスを受けた富所が必死に後向きでボールキープ、そこから越智→鈴木ポストプレイと繋ぎ、上がってきた富所がシュート(ゴール右に外れる)といったシーンはその一端でしょう。

しかしこの時間帯で点を奪えずにいると、水戸のセットプレーの流れに。
19分、右からの直接フリーキックを平野が直接狙うも壁に当たります。
20分は琉球陣内でボールを奪い黒川→前→清水と繋がり、清水のクロスがブロックされてコーナーキックに。(蹴るのは平野)
このクロスこそニアでクリアしましたが再びコーナーになり、2本目はファーサイドへのクロス。
今度は志知の頭に合いシュート、これをゴール前に居た黒川が胸に当ててコースを変えるという、GK猪瀬もどうしようも無かったゴール。

その後は琉球もセットプレーを多く得、27分には上里がエリアすぐ手前からの直接フリーキックを狙いにいくも、壁に当たりゴールならず。
ポゼッションを握る琉球とそれに対抗する水戸という構図になり、水戸は激しく動き回るFW・黒川を中心にプレスを掛けにいきます。
その甲斐もあり以降琉球は中々流れの中からシュートまで持って行けず、34分の越智のヘディングシュートぐらい。(これは越智が中盤でボールに絡んだのちの良い上がりからのシュートでした)
また前半も中頃に、サイドハーフの木村・白井の位置を入れ替えるという策も採られましたがこれはあまり効果無く。(前半のうちに再度入れ替えで元に戻る)

水戸のプレスが着実に琉球ディフェンスラインにダメージを与えつつあり、その実は前半42分に。
中盤でボールを奪った前が中央をドリブル、そしてパスを受けた白井がシュート。これがブロックされた後、外山のクロスがクリアされコーナーキックに。
このコーナーを平野は中央へクロス、巧くマークを外した志知がこれに合わせ、強烈なヘディングシュートで2点目をゲット。
2点差となり前半を終えます。

J2も日程の半分を過ぎると同時に、今季も彼らを襲うのが夏の移籍市場。
早速J1の毒手にかけられたのが水戸であり、センターバックで不動のレギュラーであった伊藤がマリノスに移籍してしまいます。
抜けた穴は幸いンドカ・ボニフェイスが埋め、それ程破綻してはいないのが救いでしょうか。

それでも今季は昇格圏内の争いを繰り広げている水戸。
やられっぱなしでは無く、レンタルながらJ1から小川(磐田)・福満(セレッソ)・レレウ(湘南)を獲得し、シーズン後半の戦いに向け陣容を整えつつあります。

予算に限界があるJ2クラブはレンタル移籍を利用しての補強で急場を凌ぐという手法が多く見られ、そこから完全移籍に移行させる・レンタル期間を延長させる・レンタル先に戻すの3択に。(といっても選択権は相手クラブ次第という所があるのですが)
現在水戸所属の前・茂木もレンタルを経てからの完全移籍で獲得した選手であり、黒川・清水の主力組は現在レンタル中の身(2人とも大宮)。
それを踏まえた上での未来設計も建てなければいけず、つくづく編成は大変な職業であるのだと痛感させられます。

この日早速、補強した小川・福満をベンチ入りさせてきた水戸。
2人とも中盤から前目でプレーする選手であり、2-0とリードした展開になった事で彼らの出番は無さそうな雰囲気が漂います。

しかし後半開始から琉球がチャンスを多く作り、水戸は押し込まれる展開に。
琉球は頭から越智に代えて上門を投入した事で、後方からのパスの出し所が増えて有利に進められます。
そして後半11分に1点差に詰め寄るゴールが生まれ、これもコーナーキックから。
キッカー風間のクロスをDF・増谷がヘディングシュート、GK松井の手を弾いてバーに当たるもそのままゴール内側に入りました。

水戸が小川を投入したのはその直後でした。(黒川と交代)
それでも琉球ペースは変わらず、逆に黒川が下がった事で支配力は落ち、カウンター狙いの我慢の時間帯が続いた水戸。
後半16分、相手コーナーキックのカウンターから志知が抜け出すも倒され、そのこぼれ球をエリア左で拾った小川。彼も増谷のスライディングで倒されここで反則。
このフリーキックは角度が狭いながらも平野が直接狙い、壁をすり抜けましたがGK猪瀬の正面。
琉球側は押し込むもののシュートを放つ事は無く推移し、続いて福満が投入されたのが後半19分。(平野と交代)
平野が退いたボランチには白井が入り、この交代後ようやく水戸が攻勢に。

22分、代わった福満が早速シュート。(左サイドで清水がカットインしてからのパスを受けた後)
これを号砲に幾度も琉球ゴール前に迫ります。
26分にはンドカのロングフィードに福満と小川が走り、福満が琉球・岡崎と縺れ倒れるのを尻目に小川が抜け出す絶好のチャンス。
当然小川はシュートを選択しますが、GK猪瀬にセーブされ逃してしまいます。

新加入2人がシュートを放った事で水戸を覆う嫌な雰囲気は去ったか、ついにゴールをこじ開けたのが後半29分。
右サイドで福満→外山→前と渡り、前のクロスが綺麗に小川に渡ると、ワントラップからのボレーシュートでネットに突き刺しました。
この場面は小川に付いていた琉球・増谷が、前のクロスに対し自身の後方(小川の前方)に来ると思って一瞬ゴール方向へ下がったのですが、クロスは予想とは逆に小川が立つそのままの場所へ。
小川は「前方にくれ」というようなジェスチャーをしていたので、予め両者打ち合わせがあっての意図的だったのでしょうか、見事に増谷を釣るのに成功してシュートを放った小川。J1のレベルを見せ付けての貴重なゴールとなりました。(試合後のインタビューで小川はボディーフェイクと語ったとの事、増谷は前の方を向いていたので視界に映っていたのかは判らないが、増谷が下がる直前に右に姿が映るような位置取りはしていた)

再び2点差となり後半も後半に差し掛かった35分の琉球直接フリーキック、かなり遠い位置でしたが富所が直接狙い、GK松井がセーブ。
惜しいシーンでしたが、ポゼッション指向のクラブがかなり無理矢理なシュートを放つという、無理にでも攻めなければならない琉球を象徴するシーンでもありました。
アディショナルタイム直前からCB岡崎を最前線に上げるも、パワープレイを展開する訳でもなく。
ボールを放り込まずにパス回しをするシーンが続き、結局ゴールする事無く試合終了の笛が鳴りました。

J参入以来20年間ずっとJ2に居る水戸だけに、J1クラブからの移籍選手は貴重な存在です。(水戸の選手構成は全体的にJ1在籍はあってもJ1出場数は少ない選手が多い)
早くも小川・福満という新戦力を確立できたこの試合、彼らが優勝争いを勝ち抜くブーストと成り得るかが注目されます。

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