goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2025年J2リーグ第6節 モンテディオ山形vs徳島ヴォルティス

2025-03-25 16:00:48 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山形の記事はこちら(2節・水戸戦、0-1)
※前回の徳島の記事はこちら(3節・いわき戦、1-1)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(熊本戦、3-1)負傷交代したディサロはベンチ外に。
  • ユース所属のGK佐藤・齋藤の2名が2種登録選手となり、今節から登録される。

<徳島スタメン>

  • ジョアン・ヴィクトルの負傷が発表され、3/6に発生して全治約4週間との事。

両チームともに、ストライカーを失って臨む事となった一戦。

守備重視のスタイルを確立しつつあった徳島は、そのカウンターの矛であったヴィクトルが離脱してしまい。
スピードストライカーは得てして、相手ディフェンスの脚に引っかかり易い特性のため負傷とは常時背中合わせでもあり。
しかし今回はトレーニング中との事で、ただでさえ開幕前から離脱者が続出している状況で痛い事この上無く。
それを受けてか、この日はバルセロスが初のスタメンとなったものの、ポストプレイヤーでありタイプの違う彼(とはいえ前回を見るや素のスピードはあるっぽい)をどう組み込むかが課題となりました。

対照的に攻撃力を爆発させ不振からの脱却を図る山形、その矢先に前節ディサロが負傷交代の憂き目に遭い。
それでも3得点を挙げての快勝と勢いを持続させ、代わりに投入されて初ゴールも挙げた堀金がスタメンに昇格。
鉄は熱いうちに打て、を地でいく抜擢となり、それに伴いミケルタゼも秘密兵器的に初のベンチ入りと微調整。
ピッチ内とともに、ベンチワークも前掛かりとなっているようでしたが、果たして堅守の相手を崩せるか否か。

試合が始まると、抜擢されたバルセロスがいきなり負の方面で目立ってしまう事に。
開始3分足らずで反則を犯す事3度で、しかも2度目の西村に対する反則で、激しく不満を示した事で主審(岡部拓人氏)に注意を受け。
それにも拘わらず更なる(安部に対し)反則で、カードが出ると思われましたが、流石に開始早々で見せしめとする事は選ばなかった岡部氏。

こうした不穏な空気に負ける事無く、立ち上がりからガンガンデュエルを仕掛ける徳島。
前半5分に山田奈が前に出て反則気味に奪ってのショートカウンター。(杉本が左ポケットを突くもバルセロスへの横パスは通らず)
続く6分には右奥でのスローインからバルセロスレイオフ→杉森クロスと、手数の少ない好機の作り方。
このクリアボールをバルセロスが拾い二次攻撃になりかけますが、田中渉に倒されボールロスト。
これに笛が鳴らずと、警告は受けずとも入りの悪印象はしっかりと審判団に植え付けられたようでした。

徳島の積極的な守備は留まる事を知らず。
基本は3-4-2-1ながら、杉本・高木が一列前に出ての4-4-2となりハイプレスを仕掛ける守備時。
降りてボールを受ける土居に対し、先程の奪取シーンのように山田奈が激しく喰い付き前を向かせないという具合に、最後方でもその趣が強く。
そんな相手に対し地上でどう崩すかという山形。
前回観た際(水戸戦)は、ハイプレスに屈するような内容でしたが、ホームへ帰還かつそこで勝利した(4節・秋田戦、4-2)事でその暗雲を振り払うに至ったでしょうか。
間を通すパスを軸とした、主体的な崩しの姿勢を貫き徳島に対抗します。

それでも入りの絵図が影響してか、肉弾戦かつ「世界基準の判定」が悪目立ち。
18分自陣での左スローインからの組み立てで、間で受けた高江が逆サイドへスルーパスを通し、受けた氣田がカイケと競り合いながらボールキープ。
一旦奪われるもすかさず國分が詰めて反則気味に奪い返し、拾った高江が重廣を剥がして好機を迎え。
そのまま堀金とのワンツーでエリア内を突かんとしましたが、山田奈と交錯する形で両者倒れ、反則の笛も鳴らず。
この日は全体、こうした一見イーブンな形での転倒が多く、判定に難儀するといった印象でした。

バルセロスとは対照的に、山形の堀金は正当的にフィニッシュに絡まんと躍動。
15分にスルーパスに走り込んだ氣田が右奥からグラウンダーでクロス、これにニアに入り込んで合わせた堀金ですが、山越のブロックに阻まれ。
24分には左から野嶽がアーリークロス、これを中央で収めてまたもシュートしますが、これも山田奈がブロック。

山形がハイプレスの穴を突き、好機を作っていくという流れに。
一方の徳島は運動量を高めてそれを防ぐも、どこかでやり返さなければ持たないといった印象であり。

潮目が変わったのが26分で、徳島が最終ラインからの保持。
例によってビルドアップ面で難があるカイケに対しハイプレスを掛けられ、左ワイドの高木がハメパス気味に受ける状況に。
しかし3人に囲まれながら、ボールキープからの反転で岡本を剥がし前進する高木、その後バルセロスのポストワークから逆サイドへ展開してビルドアップ成功を果たします。(杉森がクロスもブロック)
ここから本来の姿である、ボール保持による攻撃の体勢に入り。
28分に全員敵陣に入り込んでのパスワークからクロスの応酬を経て、クリアボールをエリア内で拾ったエウシーニョがシュート。(枠外)
31分には山田奈が左サイドへロングパスを届け、バルセロスのカットインから中央→右への展開を経て、上がって来たエウシーニョがポケットからクロス。(クリアされる)
長いパスワークの最中に上がってくる事で、本来の攻撃性を発揮するエウシーニョ。

攻撃機会が増えていくにつれ、そのビルドアップも流動的に。
ハイプレスを掛ける山形に対し、いつの間にかその間を通すパスを駆使して好機を量産するのは徳島の方、という展開となりました。
先程見せた高木のパウサ能力からの推進をチラつかせながら、ドイスボランチを経由させてのパスワークで組み立て。
カイケに対し追い込んで獲り所とすべく目論んでいた(と思われる)山形サイドも、アテが外れたという感じで前進を許してしまい。

しかし終盤、再びデュエルの色が高まり、今度は徳島の反則量産という流れに。(エウシーニョのハンドも絡む)
この機会かつ追い風を生かし、遠目からながら放り込みを続ける山形、といったアディショナルタイムの攻防。
最後は流れの中からで、ロングパスを右奥で受けた氣田のクロスを堀金が合わせヘディングシュート(枠外)と、山形のフィニッシュで締められ前半が終了します。

山形はその攻撃性に反して我慢を強いられ、徳島は堅守を盾に仕掛けるも得点源不足、といった前半戦。
共にハーフタイムでの交代も無く、そのもどかしさを覚えがちな展開は何処まで続くかが注目の後半。

徳島のキックオフで幕が開けると、ロングボールで右奥に持ち込んでスローイン、というその初手。
そして前半立ち上がりに見せたように、ポケットへ投げ入れ→バルセロスレイオフ→杉森クロスという流れで、ニアに低く入れられたそのボールに重廣が跳び込み。
僅かに合わず終わり、後半もこうした原始的な手法による我慢・塹壕戦が前面に出る戦いを匂わせる絵図に。

しかし前半の序盤を彷彿とさせる、という事は必然的に山形ペースで試合が進む事でもあり。
後半3分GK寺門からのパスワークで、ハイプレスを受けながらも右へ展開ののち岡本ミドルパス→堀金ポストプレイを経て、氣田がドリブルで抜け出す好機に。
中央に流れつつラストパスを送る氣田、それを受けた國分がシュートを放つもGK田中颯がキャッチ。
ハイプレスの穴に対し、鋭い矛を突き付ける攻撃が甦ります。

再び、山形の猛攻を凌ぎながら反撃……という我慢を強いられる徳島。
その早期に苛立ちを増幅されかねない出来事が発生し、4分に山形の背後を突く事に成功するも、走り込んだバルセロスが安部と交錯して双方倒れ込み。
そして反則無し(これも「徳島の好機」という場面を抜けばイーブンに見える)の判定となった事で、一気に不満を噴出させる徳島サイド。
山形の攻撃が続く中、従来の如く増田功作監督の異議が飛び交うという絵図へと変わるピッチ上。
その山形がシュートまで繋げた(氣田がワイドから切り込んでクロス気味にシュート、GK田中颯キャッチ)事もあり、とにかく冷静さを保たなければならない展開を余儀なくされます。
途切れたのちも収まらない増田監督ですが、前半のバルセロスと同様にカードの乱発は避けたい審判団の思惑か、何とか注意のみに留まり。

徳島は前半と同じくハイプレスで規制を掛けにいくも、悉くかわされて機能せず。
最終ラインで凌ぐ時間が続きますが、12分にようやくGKにロングフィードを蹴らせ、それをカイケが跳ね返したのち確保に成功。
杉本のボールキープが高江に反則を受け、ここからセットプレーで一息つくとともに先制点を狙います。
FK→CKと続くも、後者からバルセロスのレイオフがズレた事で、山形のカウンターになりかけた所で(土居を)反則で止めた杉森に警告。
納得のジャッジながら、ついにカードを貰ってしまい。(山形は前半のうちに田中渉が貰う)

攻撃を続ける山形ですが、次第に背後を狙うスルーパスを徳島ディフェンスに対応されて尻すぼみに。
それでも地上でのパスで上下動させ相手を動かすその姿に、フィニッシュは放てなくとも、疲労感が色濃くなる終盤に押し切るという思惑も感じられ。
堅守の相手には流石に複数得点は諦めざるを得ず、1点取って最後に笑えば良いと言わんばかりのサッカーに移行したでしょうか。
21分の徳島の攻撃で、クロスが流れた所を野嶽が拾うも、杉森に深めに追い込まれた末にゴールラインを割ってしまいCKに。
そんな思惑が伺えるように、時間経過とともに綺麗な攻撃も繰り出せなくなり押し込まれる絵図。
停滞感が深まってきた所でベンチが動いたのは24分、氣田・堀金→イサカ・藤本へと2枚替え。
堀金は良く抜擢に応えていたものの、やはり窮地を救う役割は本来のメンバー、といった所か。

一方、山形に先んじて主体的な攻撃の色を失いかけていた徳島。
我慢による苛立ちも最高潮、と言わんばかりに26分にバルセロスがついに爆発。(という程でも無いが)
前線で安部に反則を犯すと、リスタートを遅らせた(ポイントからどかず)という事で警告を貰ってしまいます。
悪目立ちも極まれりといったバルセロスですが、対する山形サイドも、その1分後にバルセロスのポストワークに対し安部が反則を犯すという具合にその対応に難儀。

徳島も30分に交代カードに手を付け、杉本・杉森→児玉・渡へと2枚替え。
ここからバルセロス・渡の2トップとなったようで、3枚のボランチというべき3-5-2の布陣に。(アンカーは鹿沼)
そして両サイド奥を抉られる局面を防ぐべく、高木も後方に待機して5バックの色を強める体勢へとシフトします。
これにより後方を固めつつ、2トップによる圧も維持して体制を整え。
敵陣でボール奪取する場面も増え、山形の思惑とは裏腹に燃料を最後まで保ち。

再び好機が目に見えて減ってきた山形は、35分に土居→藤本へと交代。
それでも徳島が押し込む時間が長く、それによるセットプレーの連続と守勢に回る破目に。
フィニッシュは37分エウシーニョのロングスローからの二次攻撃で、バルセロスの(足での)フリックでエリア内を突き、クリアボールを拾った重廣がミドルシュート。(GK寺門キャッチ)

41分に双方ベンチが動き、徳島は両ウイングバックを代える手段に。(エウシーニョ・高木→西野・高田颯)
山形は國分→吉尾で、イサカが左へと回り。

疲労が色濃くなる終盤戦。
徳島はその采配の通り、ワイドからの推進力で膠着を破らんと図り、高田颯の突破を何度も炸裂させ。
反対に山形は、ウイングのカットインという体勢になったものの、そのイサカのカットインが奪われたり(45分)と冴え渡りません。

そのままATに突入し、高田颯がパスカットからのドリブルで自陣から一気にバイタル手前まで迫り。
そして反則で止めざるを得なかった高江(警告)により、ほぼ中央からの直接FKを得たものの、児玉の直接シュートは壁を直撃。
堅守と反比例するかのように、どうしても貧打が拭えずゴールを奪えません。
(ATの最中にバルセロス→ローレンスへと交代)

何とか凌いだ山形、目安時間(+4分)も一杯という所で、GK寺門のロングフィードで敵陣へと運んだ末にCKに繋げ。
得た左CKから、(キッカー高江の)クロスの跳ね返りを吉尾がダイレクトでシュートするも、重廣のブロックで防がれ。
こちらも最後までゴールには届かず、結局スコアレスドローでの決着となりました。

ストライカー不在が特に響いたのが、ウェイトが大きかった徳島の方という印象が強く。(バルセロス2得点、ディサロ1得点)
彼の離脱と同時に無得点のスパイラルへ突入しているように、堅守を続けるのみでは勝ち点3は遠い状況であり。
その守備対応も、かなりの運動量を使うのは必至で、年齢層が高い編成のなか何処まで耐えられるか。
不安が尽きませんが、それでも戦う姿勢を貫けているだけ前年序盤の惨状からは遥かにマシ、といえるでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ


DAZN観戦 2025年J2リーグ第6節 サガン鳥栖vsカターレ富山

2025-03-24 16:01:10 | サッカー視聴記(J2)

<鳥栖スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 松田詠太郎がJ1・マリノスからレンタルで加入し、前節(大宮戦、1-0)から登録され即途中出場、今節スタメンに。
  • 前節負傷交代した堺屋はベンチ外に。
  • 安藤の負傷が発表され、2/18に発生して全治約12週間との事。
  • クリスティアーノの負傷が発表され、3/2に発生して全治約8ヶ月との事。
  • 鈴木の負傷が発表され、1/27に発生して全治約10週間との事。
  • ユース所属の新川が2種登録選手となり、開幕節から登録され即ベンチ入りし2節(磐田戦、0-1)で初出場、以降毎試合途中出場を続ける。
  • ユース所属の東口・黒木の2名が2種登録選手となり、今節から登録される。

<富山スタメン>

  • 前節(今治戦、0-0)負傷交代した碓井はベンチ外に。
  • 開幕前の負傷者の発表は、ガブリエル・エンリケ(1/15発生、全治約3ヶ月)のみ。
  • 大山の負傷が発表され、2/4に発生して全治約6週間との事。
  • 浦の負傷が発表され、2/9に発生して全治約4週間との事。
  • 吉平の負傷が発表され、2/12に発生して全治約3週間との事で、今節無事復帰してベンチ入り。
  • 佐々木の負傷が発表され、3/17に発生して全治約4週間との事。

シーズンの立ち上がり、期待を裏切った者同士の対戦。
鳥栖は悪い意味で・富山は良い意味でと、ハッキリ正反対となってしまったのですが。

前節ようやく初勝利と、降格クラブの定番の謳い文句である「1年でのJ1復帰」を果たすには、あまりにも厳しい滑り出しとなった鳥栖。
立て直すために取ったその手法も、トレンドとなりつつある3バックへのシフトと目新しいものでは無く。
効果が出ているうちは良いが……となるのは避けられないと予想しますが、ともあれ今のうちに勝ち点を稼いでおきたいのは確か。

一方前評判を覆す位置に居る、昇格クラブの富山。
強豪・磐田に勝利(4節、3-1)するなどその中身も評価できるものであり、4位という順位はまだ序盤ながら清々しい存在に見え。
しかし反対に目下最下位である愛媛も、昇格1年目の前年序盤は上の方で奮闘していた事実があり、まだ断を下すのは尚早という感も強く。
それ故に、降格の2文字がチラつく前に出来るだけ勝ち点を……と、立場は違えど思惑は鳥栖と一緒といった所でしょうか。

富山のキックオフで迎えた試合開始。
その初手で富山は、GK田川ロングフィード→跳ね返りを高橋が拾いミドルシュートといきなりフィニッシュを放つ攻め。
これがブロックされ、跳ね返りをさらに遠目から植田がシュート(エリア内でブロック)と、「ゴールしか見えない」と言わんばかりに足を振り。
先制点ならびに勝ち点への執着を形にした入りとなりました。

鳥栖はボール保持の意識は高めながら、富山の初手と同様にGKのロングフィードでスタートする事が目立ち。
最前線のスリヴカに当てるものが多く、富山のプレッシングを浴び続けるのが必然的な対戦で、まずはこうしたセーフティな立ち回りでペースを確保しに掛かったでしょうか。
ちなみにスリヴカは、富山のゴールキックでのロングフィードに対しても、ボランチの位置まで下がって跳ね返し要員になるなどチームプレイに徹し。

お互いロングボール、という攻防が一段落すると、本来の保持の体勢へと移った鳥栖。
巧くボランチを経由させ、高めに位置されたウイングバックへと届け、その突破力に期待する攻撃で幾度もアタッキングサードを突き。
しかし移籍して間も無い松田詠は、周囲との連携はイマイチで、かつその単独突破も阻まれがちとあまり冴えず。

逆に左サイドは良好で、新井をサポートするように動き回る西澤が第2の脅威と化し。
前半4分にカットインからミドルシュートを放った(枠外)のを皮切りに、巧みなポジション移動でパスを引き出しながら、自身もゴールに迫る働きを見せ。
9分に長いポゼッションを経て、新井がワイドから仕掛けると見せてエリア内へスルーパス、これを足下で受けて抜け出した西澤。
左ポケットへと流れ放たれたシュートは神山のブロックに防がれるも、攻めの流動化を担う存在なのは一目瞭然となり。
やはり彼にはこうしたゴールを目指す役割が似合っていると、サイドバックにコンバートされるなどした近年(清水時代)も回顧しながら痛感させる姿となりました。

富山は両シャドー(西澤・西川)の立ち位置に翻弄され、ドイスボランチ(西矢健・櫻井)に対してもプレッシャーを剥がされるなどで鳥栖のビルドアップを阻めず。
守勢は必至という流れで迎えた16分、降りて受けた西澤を経由して左サイドを運び、一度は西川を走らせるミドルパスが跳ね返されるも拾って継続する鳥栖。
ワイドで(新井が)溜めを作ったのちハーフレーンから攻めかかり、(上がって来た西矢健を経由し)西澤の前進が阻まれるもポケットへこぼれ、そこへ再度抜け出す西川。
そしてダイレクトで放ったシュートがゴールに突き刺さり、先制点に辿り着きました。
ディフェンスに遭ってのこぼれ球が有利に働いた事で、憚らずも序盤の不振からやっと運が向いてきた、という格好にもなり。

追い掛ける立場となった富山、自身もボール保持を主体にしなければならない状況に。
右肩上がりの最終ラインに、高橋のポジショニングを交えたビルドアップを肝として前進を図ります。
本来ボランチである高橋が、その通りに第3ボランチというようなポジショニングを取り、中央寄りで受ける事で出口役を果たし。
25分、その高橋が戻りながらボールキープののち、パスを受けた今瀬が切り返しで西澤を剥がし。
再度受け直した高橋が高目の西矢慎へとミドルパスを通すと、そのまま(松田力と武を交えた)連続のヘッドでエリア内まで運んでいくも撃てず。
28分には最終ラインでの繋ぎから竹中が一気に裏へロングパス、左ポケットで受けた伊藤がワイドで溜めたのち濱のクロス、松田力がファーで落とすもこれもフィニッシュには繋がらず。
ロングパス主体で効果的にゲームを作っていくも、威力的には物足りないという攻勢に。

逆に鳥栖に持たれると、ハイプレスを剥がされて危機を招くシーンが目立ち。
GK泉森も拘わりながらのパスワークで誘ったのち、その間を通してボランチが受けるというビルドアップの連続でペースを掴む鳥栖。
こうした、ハイプレス主体のチームを地上でのパスワークで翻弄していく姿の連続はこの試合(J3第5節、栃木SCvsFC大阪)でも顕著でしたが実に心地良く。
それに連れて松田詠も威力を発揮するようになり、40分には西矢健のミドルパスをワイドで受け、カットインからの戻しを経て自身がポケットに抜け出す役に。
そしてスリヴカのスルーパスが送られ、奥でクロス(シュート?)を上げにいきましたがGK田川のブロックに阻まれ。

果たして、攻勢を折られる格好となった富山。
時間が進むにつれ、裏狙いもただボールを失うのみと化し、それによりまた鳥栖にボールを握られるという悪循環に陥ってしまいます。
結局反撃の糸口を掴めないまま、1-0で前半終了を迎えました。

共に交代無く迎えた後半、キックオフの鳥栖の初手は富山と同じ、GKのロングフィードによるものでしたが好機とはならず。
その後激しくボールが移り変わるなか、最終ラインからミドルパスを収めた西澤が反則を受け(後半2分)、これにより後半も保持による攻撃権の確保を匂わせた鳥栖。

しかし富山の反抗が始まり。
前半のようなロングボールに頼らず、左サイドから攻勢を掛け。
4分に最終ラインからの展開を経て濱のスルーパスに伊藤が走り込んだ(カットされスローインに)のが発端で、そのシンプルに見える前進の形が鳥栖を押し込む原型となり。
即ち伊藤が高い位置をキープする事で松田詠をピン止め、という手法でSBの濱の前にスペースを作り、前進の余地を生み出します。

8分には今瀬が前に出てのカットで鳥栖の前進を阻み、そのまま中盤でサイドを振りながらのパスワークを経て左の濱に。
しかしここは中央からを選択し、竹中のミドルパスを収めた武がエリア内へ送り、高橋が浮かせて裏へ送った所に伊藤が走り込んでシュート。
小川がブロックするも左コーナーで継続し、キッカー植田はライナーでエリア外でのクロスと変化を付け、逆サイドからの(西矢慎の)クロスを武が頭で合わせるも枠外に。

前半とは打って変わって、効果的にフィニッシュに繋がる富山の攻撃。
それを受けた鳥栖は、前半より一層保持の色を強め、戻して作り直しという選択が目立つようになり。
攻撃機会を減らしに掛かったのは明らかで、それが本格化する前に富山ベンチが動き。(14分)
伊藤・松田力→布施谷・吉平へ2枚替えと、局面を変えに掛かります。

それが利いたか直後の15分。
プレスを受けながらも送ったGK田川のロングフィードが、裏抜けする武に繋がりそうになった所を、あろう事か腕を伸ばして遮断してしまった井上太。
故意と取られてのハンドで警告を貰う始末となり、富山のフリーキックへ移ると遠目ながら放り込みを選択。
拾った今瀬がキープする所に櫻井がアタックし、奪ったと思われましたが腕を使ってのチャージを取られて反則に。
これに激怒する鳥栖サイド、特にベンチの紛糾ぶりが激しかったようで、GKコーチの室氏に警告が突き出される事態にまで発展してしまいます。

反則絡みで退潮の機運が高まりかねない鳥栖。
しかし19分、富山の保持vs鳥栖のハイプレスという状況で、右サイドからパスワークで脱出しかけるも竹中がパスミス。
カットした小川から逆に鳥栖の攻撃になると、左ハーフレーンで西澤が神山に反則を受け。
その流れを止めるとともに、直接FKの好機になるとキッカー西澤は角度が付いた場所ながらも直接シュート。(GK田川正面でキャッチ)

優勢を保つ鳥栖ですが、こちらもカードを切る状況となり。
初手は西川→新川(24分)で、彼が1トップに入る事でスリヴカが右シャドーにシフト。
しかし機動力に難があるスリヴカにより、富山は濱が尚もスペースを得る状況が高まり。
それを防がんと、さらに保持の色を強めに掛かります。
ベンチも積極的となり、先んじて2度目の交代も行い櫻井→渡邉。

32分、その渡邉がプレッシャーで奪われかけるも何とか繋ぎ、GK泉森の小さいフィードで脱出ののち左サイドから前進。
そして新井がワイドから仕掛ける状況に持ち込み、カットインからポケットを突くもディフェンスに遭いCKに。
すると新井を防いだ植田が足を攣らせ、それと同時に竹中も攣らせて倒れ込むという具合に、ドイスボランチ双方が限界を示してしまいます。
苦境を露わにする破目となった富山を尻目に左CKで再開すると、クロスがニアで合わせにいったスリヴカを抜けた奥で小川が身体で強引に合わせ。
ゴールネットを揺らして追加点、と思われた刹那、小川のハンドを告げる笛が鳴った事で得点は認められずに終わります。

何とか希望が繋がった富山、35分に植田・竹中を揃って退かせ。
末木・松岡を投入し、高橋がボランチに回ります。

鳥栖も38分に西澤が足を攣らせる事態が発生すると、最後のカードを切り。
松田詠・西澤→上原・堀米へ2枚替えを敢行(スリヴカが左シャドーに回る)しますが、同時に富山も最後の交代。
西矢慎→亀田へ交代すると、布陣も大きく動き右から今瀬・神山・濱の3バックに。
そして松岡・布施谷をウイングバックとした3-4-2-1へシフトし、残り時間に賭ける事となりました。(亀田は左シャドー)

それでも鳥栖の保持の局面が続き、左スローインを絡めながら時間を稼いでいく絵図に、焦りを隠せない富山。(パスカットした松岡がハンドを取られる場面も)
アディショナルタイムで何とか断ち切り、逆に富山が保持に入り隙を伺う、最終盤の攻防に。
左サイドでのパスワークを経て、投入された亀田がワイドからカットイン、末木とのパス交換の末にペナルティアークからシュート。
森下のブロックを掠めるも枠を捉えられず、CKで継続と押し込む流れを得ます。

ここから鳥栖の反則も絡んだ事でセットプレーで脅かし、CK→FK→FKと続いた末に、GK田川も前線に上がり。
右ハーフレーンの位置からキッカー松岡はニアにクロスを入れ、クリアが小さくなった所を高橋が詰めてシュート。
ジャストミートせずも、ループとなった難しい軌道のこのフィニッシュ、GK田川が左手一本でセーブしますが尚も神山が詰める状況に。
放たれたシュートは田川・小川の2人掛かりでブロック、さらに神山が追撃にいきましたが、何とか抑えた田川を削る格好となってしまい反則・警告。
寸での所で防いだ鳥栖と、惜しくも届かなかった富山、これが文字通り決着を意味する攻防となりました。

GK田川が(FKで)再開させたと同時に、試合終了の笛が鳴り。
何とか逃げきった鳥栖、内容もこれまでの暗雲を覆い隠すように、リスク管理に努める色が目立ち。
その戦い方は、盤石では無いチーム状態と妙に合致したスリリングな感じですが、遅れを取り戻す事が出来るでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ


DAZN観戦 2025年J2リーグ第5節 レノファ山口FCvs大分トリニータ

2025-03-20 16:01:39 | サッカー視聴記(J2)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 田邉の負傷が発表され、2節(長崎戦、2-2)の試合前に発生して全治約3週間との事で、今節無事復帰しベンチ入り。

<大分スタメン>

  • 基本である3-4-2-1から微調整し、3-3-2-2(3-1-4-2)ないしは3ボランチという感じの3-5-2へシフト。
  • 小野が北信越リーグ1部・富山新庄クラブへ育成型レンタル移籍となり、前節(水戸戦、0-0)をもって登録抹消。

ともに1勝同士、それも全敗の札幌相手に挙げたものという共通点を抱えた対決。
真に恐ろしい存在は、やはりJ2の舞台に慣れている普段からのライバルという事を再認識させるに至りましたが、そんな事よりも早く2勝目が欲しい状況なのは言うまでも無く。
尚その札幌は今節ようやく初勝利(秋田戦、3-1)と、やっとJ2慣れを示せたでしょうか。

そんな不完全燃焼ぶりを受け、微調整したのは大分の方。
野村・伊佐を起用し、前者が下がり目・後者が上がり目となる事で、天笠アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)の色が強く出たフォーメーション。

その成果を表したい入りですが、山口のセットプレー攻勢を浴び。
前半2分にコーナーキックからの二次攻撃で、クリアボールを拾った横山が右ポケットからカットインを狙うもこぼされ、それを成岡がダイレクトシュート(天笠がブロック)とファーストシュート。

この日も水分多いピッチ上の環境下、それをモノともしないスタイルを貫くホーム(維新みらいふスタジアム)の山口。
それは前年でお馴染みである、ロングボールの使い方の巧さに他ならないですが、大分はそれに対抗すべくの2トップへのシフトだったでしょうか。
果敢にプレッシャーを掛ける事で、以降好機に繋げるボールを蹴らせず時間を進めていき。
そして大分自身も、ダイレクトでボールを前線に届ける色を強くして好機を量産に掛かり。
5分に榊原の落としを拾った伊佐がすかさずスルーパス(有馬が抜け出すもオフサイド)と、背後を脅かしに掛かると続く6分にも、ロングボールの跳ね返りを拾った伊佐がスルーパス。
今度は有馬に繋がり左奥に進入し、ディフェンスに遭い左スローインになると、吉田が逆サイドからやって来てロングスローを敢行。(ニアでデルランがフリックも撃てず)

前年残留争いを勝ち抜いた、パワーサッカーのスタイルは健在といった立ち回り。
12分に中盤で伊佐が(三沢に)反則を受けると、遠目からながら放り込みを選択とその意識にブレは無く。
左ハーフレーンから、対角線に入れた(宇津元の)ロビングが右奥へ流れた所、野嶽が追いついて入れたクロスの跳ね返りを吉田がシュート。
下堂のブロックでさらに右CKへ移ると、ここでもキッカーの位置に2人が立ち(野村・天笠)かつショートコーナー(戻しを経て後方から榊原のクロス、GKマルスマンキャッチ)という具合に、ワンチャンスを仕留めんと揺さぶりを掛けます。

それでも野村が起用された影響か、そんな立ち上がりの時間が過ぎると、繋ぐ意識が出てきたでしょうか。
19分に最終ラインからのミドルパスをカットされて山口の好機、という絵図が2度続き。
巻き返したい状況となるなか、21分にはクリアボールを確保ののちその野村のサイドチェンジ(左→右)が決まると、吉田が前進を経て中央へクロス気味に縦パス(に見える横パス)。
これをエリア外ながら有馬が合わせシュート(枠外)と、流れの中で初のフィニッシュに持ち込み。

ここからビルドアップでどう上回るかという時間帯に突入し。
山口は右サイドバック・亀川の可変を中心に、最終ラインから作りを図り。
大分は高目に位置取るウイングバックの前に、シャドー(榊原・野村)を配置して縦のラインを作る基本形での勝負。
決定機は24分の山口で、自陣での三沢のボール奪取から縦に速い攻め。
山本駿の1タッチパスを中央で受けた有田がドリブル、前に出た藤原をかわしてシュートチャンス、という所で天笠の戻りを受けて防がれる事に。

地上でのパスワークの意識を高めても、やはりダイレクトプレー・縦に速い攻めの方が効率が良い。
そんな葛藤を感じさせるような、攻防が先制点に繋がります。
36分大分のゴールキック、ロングフィード→有馬ポストプレイから好機に結び付け、左奥を取った伊佐の溜めを経て宇津元がクロス。
これが流れて今度は山口のゴールキック、こちらもロングフィード→有田フリックと類似した手で前線に運び、末永が野嶽に倒されるも繋がった事でアドバンテージ。
ここからショートパス攻勢に入る山口、サイドを振って右奥で受けた横山が、マイナスのカットインを経てシュートを狙いにいき。
これを有馬が詰めて防ぐも右CKとなり、キッカー岡庭クロス→下堂落としがこぼれた所、山本駿がシュートに繋げて(有馬のブロックで)再度右CKに。
今度はファーへのクロス、有田が合わせるもこぼれた事で混戦となり、横山の左ポケット奥からのマイナスのクロスは跳ね返されるも尚もエリア内で拾った末永。
そして放たれたシュートが、吉田のブロックでループの軌道となりゴール右へと吸い込まれます。
初手は同じでも、敵陣で細かく繋いだ山口の方が、得点で終わらせる事に成功してリードを奪いました。

喜びも束の間、直後に亀川が足を痛める事態が発生。
交代準備の間プレーを続けた亀川ですが、最後は倒れ込み担架で運ばれ、今後が心配される途中交代(43分)となってしまいました。
センターバックも出来る板倉が投入された事で、以降前年同様の左肩上がりの色が高まった山口の最終ラインの可変。

既に時間も終盤で、アクシデントが影響したかそこで目立ったのはデルランのチャージを受ける山口選手。(山本駿と有田)
特に頭部に彼の腕を食らった有田は、出血のためそのままピッチ内で治療が施される惨事となり。(無事にピッチ外→復帰)
結局どちらも流れを作り上げる事はままならず、1-0で前半終了の運びとなります。

共に交代無く始まった後半。
反撃したい大分の方が積極性を見せ、初手の後半1分にはプレスを呼び込んでのデルランのロングパスが一気にエリア内を突き。(有馬が走り込むもGKマルスマンが抑える)

前年最終盤に観た際もそうでしたが、ビハインドになると最後方から組み立てる意識が強まる大分。
追い掛ける側故に当然と言えばそれまでですが、立ち上がりのスタイルは何だったのかと思わされるぐらい、ボランチ(この日はアンカーか)経由での繋ぎやサイドチェンジの駆使をそつ無くこなして好機に結び付け。
5分には最終ラインで天笠を経由させながらサイドを振りつつ、右サイドで受け直した天笠のサイドチェンジで左からの攻めとなり、宇津元が野村とのワンツーで奥へ切り込む(クロスが阻まれてCKに)という具合。

天笠が良くボールに絡むため、その脇でのプレーが目立つ野村・榊原も空きやすい状況となり。
7分に決定機、左スローインを受けた野村がサイドチェンジし、受けた吉田がそのまま右奥へ切り込んでグラウンダーでクロス。
ニアでの有馬のポストプレイでフリーという大チャンスに、走り込んできた野村がシュートしましたがふかしてしまい決められず。
それでもめげずに攻める大分、11分に最終ラインから左でのパスワークに入り、プレスをいなしたのち伊佐が逆サイドへ展開。
この王道の流れを経て榊原がフリーで受けると、中央へのカットインから果敢にミドルシュートを放ち、ゴールに突き刺します。
これが本来の姿、と言いたくなるようなファインゴールで、開幕節(札幌戦、2-0)以来の得点を挙げました。

これで勢い盛んに……といきたかった大分ですが、15分に左サイドを担ってきた宇津元が退き。(薩川と交代)
この日が開幕節以来のスタメン(3・4節は欠場)と、コンディション面による交代の色が強い采配で、ここから併せるように意気消沈気味となり。

その交代直後、山口はスルーパスに抜け出さんとした有田が野嶽に倒されて反則。
これにカードのアピールを強めるものの覆らず、前半にもデルランのチャージに対しアピールしていた一面から、フラストレーションを溜めながらのサッカーを強いられていた感があり。
これによるフリーキックでは、立ち上がりの大分同様に中盤の位置ながらも放り込みを選択。
キッカー岡庭のロビングがこぼれた所を、成岡がシュートを狙いましたがミートせずに終わり。

ここからポゼッションを高め、地上での攻めの割合を増やす山口。
しかし大分は勢いを失った分撤退意識を強めたため、第一ラインを突破してもその戻りを受けて好機にまで繋がらない、の繰り返し。
相手が戻りきらないうちに……という葛藤を得るような状況で、23分にその機会が訪れ、大分の攻め(左奥からデルランのクロス)をGKマルスマンが抑えて断ち切り。
ここから素早い攻めに入ると、デルランも上がったため戻りながらの大分の裏を突くべく、左から岡庭が遠めから一気にアーリークロス。
これぞアーリー、というべきファーに上がったボールを山本駿が落とすと、中央で有田がダイレクトシュート。
完璧な流れを描きましたが、野嶽の決死のブロックを掠めて枠外となり決められません。
直後のCKもモノにならなかった山口、26分にベンチも動き横山・山本駿→野寄・小林へと2枚替え。

一方古巣対決の小林に対し(スタンドが)ブーイングをひとしきり浴びせた大分も、28分に野村・伊佐→池田・鮎川へと2枚替え。
布陣変更の肝として起用された2人を揃って退かせたため、3-4-2-1へのシフトも匂わせたものの、池田・鮎川ともにそのまま入り3-3-2-2のまま戦い。
ここから大分が攻撃権を握るも、右からのクロス攻勢に終始。
フィニッシュが生まれず、停滞感も強まるなか再度動いたのは山口ベンチ。
既に前半アクシデントでカードを切っているため次が最後の交代でしたが、早め(31分)に動き三沢・有田→田邉・古川へと2枚替え。
本来のスタメン、といえる2名を投入しました。

これで安定感を得たか、保持の色を強めながらの裏狙いという、本来のスタイルを取り戻しに掛かる山口。
34分にはGKマルスマンが裏へのロングフィード、セカンドボールからの好機と(札幌戦を思い出す)実に嫌らしい攻め手。
こぼれ球を野寄が1タッチでクロスと、整わないうちに攻めきる意識も押し出しましたが、ファーに走り込む古川の前でGK濱田がキャッチして防ぎます。
36分には大分の攻めを最奥で切ったのちのカウンターで、末永ミドルパス→小林落とし→田邉スルーパスと1タッチでの繋ぎで裏を取り。
抜け出した古川に対しデルランがカバーも、こぼれ球を拾った小林が継続させ、左サイドをドリブルののちグラウンダーでクロス(古川の手前で藤原にクリアされCKに)と相手の裏も取れるようになり優勢に。
それでもフィニッシュに持ち込めない焦りからか、39分の左CKではキッカー岡庭が直接ゴールを狙うようなボールを送る一幕も。(ゴール上に突き刺さる枠外)

何度か攻めの姿勢を見せるも、それが仇となりかねない流れにもなった大分。
39分にこちらも最後のカードを使用、野嶽・有馬→戸根・有働へと2枚替え。
それでもアウェイ故に、勝つ事が無理と判断すれば引き分け狙い、という立ち回りも視野に入れなければならず。
そんな中で42分、パスワークを経て榊原が裏へロングパスと、今度は大分が山口の裏を突く攻撃。
これを受けた鮎川、左からのカットインでバイタルを視野に入れ、ラストパスを何処に送るかという状況で選んだのは吉田の走り込む右。
しかしこれがズレてしまい(右奥で吉田が拾い直すもののクロス止まり)、決定機に繋げられずに終わり。
結局これが大分最後の攻撃シーンとなりました。

以降攻撃権独占に至った山口ですが、試合終盤の疲労感は隠せず、綺麗な攻撃とはいかず。
両サイドから岡庭のロングスロー(と、フェイントで短く入れる)を多用する泥臭い攻めに頼らざるを得ない状態のまま、試合はアディショナルタイムへ突入。

右CKを得た山口、キッカー岡庭のクロス→こぼれ球を再度岡庭のクロスと押し込みますがフィニッシュには届かず。
万策尽きたかと思いきや、敵陣での成岡のカットから最後の攻撃に入り、左ポケットでパスを受けた小林がキープを経てクロス。
シュートもチラつかせながら送ったこのボールに、ファーで古川が合わせにいく際どい絵図となった所、GK濱田が間一髪パンチングでクリア。
そして古川と濱田が交錯して反則と、大分の凌ぎきりで試合の幕が閉じられました。

結局1勝のみという状態はどちらも払拭できず。
内容も塹壕戦の色が濃く、コンスタントな勝ち点3は中々厳しいと思わされましたが、今後どうなっていくか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ


DAZN観戦 2025年J2リーグ第5節 水戸ホーリーホックvsベガルタ仙台

2025-03-19 16:43:42 | サッカー視聴記(J2)

※前回の水戸の記事はこちら(2節・山形戦、1-0)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 知念は仙台からのレンタル選手なため出場不可。
  • 3節(愛媛戦、1-1)で負傷交代した久保の詳細が発表され、3/6に手術実施したとの事で治癒期間は未発表。

<仙台スタメン>

  • GK堀田の負傷が発表され、1/28に発生して全治約10週間との事。
  • ユース所属のGK笛田・GK渡邊航聖の2名が2種登録選手となり、2節(徳島戦、0-1)から登録される。

これが今季5戦目という事で、そろそろチーム内の序列も固まってくる頃であり。

水戸は3節を境に、久保の負傷という事象も考慮してか一気に入れ替え。
両センターバックを牛澤・板倉→知念・飯泉と総替えしたのが象徴的であり、他にも山本→齋藤・川上→長尾・草野→多田とほぼ半数を代えて前節(大分戦、0-0)に臨み。
内容は伴っているものの1勝のみという現状に活を入れつつ戦っている、そんな節が伺えます。
しかし今節、知念が規定により出場不可のため、すぐさまの入れ替えが必須な一戦となり。

その相手の仙台、こちらも2節終了後に大きく入れ替え。
奥山→石尾・工藤→武田・宮崎→エロンと3人を代えましたが、こちらは敗戦直後かつ小規模の動きと、微調整的な采配。
その他、その2節で有田を荒木に代えて起用した他はほぼ固定で、微調整を重ねながらいかに前年あと少しで届かなかった昇格に辿り着くか。
そんな風景を見つめながらの戦い、といった所でしょうか。

この日のケーズデンキスタジアム水戸は、傍らから観ても強風に晒される事が一目瞭然な環境下となり。
ロングボールの使い方がカギとなるのは一目瞭然で、思い出させるのが前年の森直樹監督就任直後の試合。(14節・熊本戦、2-0)
向かい風となった後半に2点先取してそのまま逃げきり勝ちと、追い風に頼るのみがサッカーでは無い。
そんな内容を、その追い風が逆に足枷となった熊本とともに憚らずも証明する一戦となりました。
この日も当時と同様、コートチェンジはせず前半追い風の下で試合に臨み。

戦略としては、右肩上がりの布陣でビルドアップをする仙台に対する対策が採られ。
即ち高めに位置取る真瀬の裏を突くべく、推進力のある&サイドでターゲットと成り得る津久井を、普段とは逆の左に配置。
そんな意図が伺える策が、狙い通り嵌まるかどうか。

立ち上がりはお互い慎重に……というよりは、仙台が水戸の出方を伺う意識が強かったか。
相手がどれだけ風を利用する立ち回りに舵を振るかを冷静に見ていた感があり。
前半6分にそのロングパスを石尾が跳ね返し、前線の荒木が確保ののち敵陣でポゼッションを繰り広げるも、結局戻して作り直しを選択。

対する水戸は、前回観た通り立ち上がりから主導権を狙いにいく意識が強く。
仙台が構える意識が強いと見るや、9分に中盤でボール確保すると最終ラインへと戻し、プレスを誘発させたのち飯泉が右ワイドへのミドルパスで脱出。
そのまま右ワイドで飯田がアタッキングサードまで運び、コーナーキックに繋げるという具合に前向き思考を強め。
この右CKから、ショートコーナーを経て上げられたクロスから牛澤がヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と、その意識を示すようなファーストシュート。

しかし10分を過ぎると、分析を終えたのか仙台が押し始める展開に。
向かい風ながら逆にそれも利用した、果敢な水戸のハイプレスを呼び込んでのロングパスで、良い具合に戻される事により最終ラインと二列目の間を突く立ち回りが良く嵌ります。
14分には真瀬が裏へロングパスを狙ったはずが、風で戻されバウンドしたボールをエロンが合わせて好機に繋げる(その後自ら拾いにいった所を飯泉に倒されるも笛は鳴らず)という具合に、運に左右されがちなそのボールの行方でしたが「水戸のスペースを突く」姿勢は裏切らず。
19分には荒木のミドルシュートを牛澤がブロック、そのままラインアウトかと思いきや風の影響であわやゴールになる(GK松原がセーブしCKに)など、逆に水戸の守備対応の方が困惑されがちに映りました。

後は、両サイドのFWの差というべきか。
仙台はロングボールを収めてくれるエロンの存在が大きいものの、水戸は経験の浅い多田に多くは期待出来ず、思いきってのロングボール主体に舵を振れない背景が感じられ。
21分には地上ながら、相良がラフに送ったスルーパスに走り込んだエロンが牛澤を跳ね飛ばして確保と、そのフィジカルを活かしたプレーは(J2では)一級品。
そしてそのまま左ポケット奥からグラウンダーでクロス、ファーで郷家がスライディングでシュート(枠外)と、優勢に立った仙台がフィニッシュを重ねる流れに。

それでもスコアは動かせず、逆に水戸が23分に得た右CKでゴール間近で混戦となり、シュートせんとした飯泉にGK林が詰めて防ぐなどあわやという場面も。
そんな紛れの要素を減らすべく(推測)、ここからボール保持重視へと切り替える仙台。
真瀬が高目に位置取るのは不変で、石尾が内に絞った3枚の最終ラインから、武田を中心に匠に繋いで水戸に隙を与えない立ち回りへと変貌します。
32分には右スローインから、逆から張り出した相良がこれを受けた事で水戸ディフェンスの外で回す体制に入り、左から石尾がクロスと見せかけてのサイドチェンジで右奥を突き。
そしてトライアングルでのパスワークを経て奥へ切り込んだ郷家が満を持してクロス、ニアでバウンドしたボールをエロンが収め、いったんは奪われるもエリア外で再奪取ののちシュート。(ゴール上へ外れる)
水戸にとっては試合前の狙い所の余地が生まれる状況にもなりましたが、リトリートを余儀なくされる事で、攻撃機会を確保できないためとてもその真瀬の裏を突く余裕は無く。

そのまま終盤を迎えると、仙台はそろそろ相手が慣れ始めると踏んだか、ボランチが降りての3枚での繋ぎへと変化させる最終ライン。
多彩な可変により奪う余地が無いといった水戸は40分、自陣左サイドで確保する(ここで多田がようやく初めて浮き球を収めるシーンが)と、津久井が痺れを切らしたかドリブル開始。
もっと高い位置で始動したかったのでは……という刹那、山﨑を経由し右へ展開ののち、ダイアゴナルに走り込んで飯田のスルーパスを右奥で受けた津久井。
本来の右でプレーに絡むと、その攻めで取った右CKでは、キッカー大森のクロスを大外で折り返した津久井のボールがGKを越えてさらにファーサイドへ。
クリアが小さくなった所を長尾がシュート(枠外)と、不本意な流れを必死に変えに掛かり。

結局スコアレスのまま終了した前半。
ともにハーフタイムで交代は無く、風向きが逆となる後半の内容に注目が集まるのは当然であり。

追い風となった仙台は、既に前半に重厚かつ多彩な立ち回りを繰り広げていた事もあり、素直にそれを使う攻めへと移行。
後半3分、井上のラフなロングパスで右奥を突くと、受けた荒木の戻しを経て武田が右ハーフレーンで山﨑を剥がした末にミドルシュート。
惜しくも右サイドネット外に終わるも、一気呵成に仕留める意気込みを覚える強烈な一撃を放ち。
その後もCK攻勢に持ち込み郷家がヘディングシュートを放つ(ゴール上へ外れる)など、ゴールまで後一歩という状況に持ち込みます。

後れを取った水戸ですが、ここで焦らずに風を考慮し地上で繋ぐ意識を高め。
ゴールキックも短く繋いでリスタート、という姿勢で巻き返しを図り。
7分にそのゴールキックから、仙台のプレスを受けて飯泉が右へロングパスを送ると、飯田の落としたボールを石尾がクリアミス。
これを拾った山﨑がドリブルののちクロス、ファーで渡邉が折り返し(クリアされ撃てず)と、この姿勢が疑似カウンターに繋がり奏功。
潜在的に、不利な環境下でも仙台に対抗できる確信を得たでしょうか。

11分の仙台の攻撃は、武田の縦パスから右サイドで前進するも、郷家のアーリークロスが乱れて終了。
水戸のゴールキックになると再び短くリスタートし、仙台のプレスを受けながら津久井がミドルパスと、先程と類似する攻め手に。
しかし多田が菅田と競り合い、こぼれ球を渡邉が拾い繋がると2対2が出来上がる絶好の疑似カウンター(放送席ではアナウンサーがただの「カウンター」と言っていたが全然違うだろう)になります。
そして前進から右へスルーパスを送る渡邉、これに石尾がカットの姿勢を見せた事で、受けた飯田に対する障害は無くなりポケットへ進入の末にシュート。
勢いのまま放たれた強烈なシュートがネットに突き刺さり、歓喜の先制点に辿り着いた水戸。
正直石尾の守備対応がどうか(戻る事に専念できていればシュートは防げたかも)という場面ながら、劣勢をひっくり返す事に成功しました。

ダメージの残る展開を描いてしまった仙台、それを振り払うべく押し込み。
失点に関与してしまった石尾が、(井上の)サイドチェンジを受けてからの縦パスでアタッキングサードに持ち込み、クリアされたのちは自身でロングスローを放り込み。(14~15分)

しかしこれがまたも失点に繋がる事となり、クリアボールを収めた山﨑を経由して再び渡邉のドリブルと、純正のカウンター(今度は「ショートカウンター」と言う放送席……)に持ち込んだ水戸。
今度は左へ展開する渡邉、そのままボックス内へ走り込み、長尾のクロスに対し跳んだ津久井の後方で合わせヘディングシュート。
ゴールに突き刺し、見事に完遂させ追加点を齎しました。

焦って攻めたうえロングスローからのカウンターと、泣き所を突かれた仙台。
それでもキックオフでの再開の初手、井上のロングパスを収めた相良が左ポケットへ切り込んでシュート。
GK松原にセーブされるも、この目の覚めるようなフィニッシュによりノーチャンスでは無くなり。
その後もミドルレンジでシュートを放ち続ける相良(17分と24分、ともにGK松原キャッチ)により、反撃の機運を高め。
これを見せられると、2点リードの水戸サイドも「守りを固めるか、攻撃権確保か」という二択に頭を悩ませる展開となるのは避けられず。

そんな思惑故か先にベンチが動き、25分に齋藤→山本へと交代。
この直前に、齋藤がミドルシュートを放っており(ゴール右へ外れる)、結果的にお役御免となり。
しかしあくまで攻撃性を保ち、直後に真瀬のコントロールミスから敵陣で攻撃開始、右への展開を経てカットインシュートを放つ山本。(石尾がブロック)

それ故に、追い風かつエロンという強力なターゲットの存在を忘れてしまったか。
あるいはフィニッシュを量産していた相良への警戒心の方が強くなったか。
27分、ここも左サイドからの攻めで相良を意識させると、武田が中央寄りからアーリークロス気味に送るミドルパス。
これをファーサイドでしっかり収めたエロンを経由し、送られた横パスから郷家がボレーシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
フィニッシュ攻勢がついに実り、1点を返した仙台。

しかし水戸のキックオフでの初手、左サイドでのパスワークで仙台ディフェンスを前に寄せたうえで、長尾の裏へのミドルパスに多田が抜け出し。
当初の狙いのように真瀬の裏を突いてとうとう迎えた決定機、そのまま単騎突撃で左ポケットからシュートを放った多田。
これをGK林がセーブと寸での所で防ぎ、正直決まっていれば水戸の勝利だったでしょう。(ファーサイドを狙えていれば……)
直後のCKからも、多田の折り返しを経て牛澤がヘディングシュートと、決定的なフィニッシュが生まれましたがGK林がライン際でキャッチ。

ビハインドながら、攻撃の形は作れていたという事で我慢を重ねた(推測)仙台ベンチ。
33分ついに動き、相良・エロン→名願・宮崎へと2枚替え。
奮戦した攻撃陣2人に代え、新たなターゲット・サイドアタッカーを補填する贅沢な采配が敢行されました。

それを受けて水戸は36分、多田・渡邉→安藤・板倉へと2枚替え。
FWに代えてDFを投入と、5バックシステム(3-4-2-1)を採るのは明らかでついに逃げきりを選択したか。
この交代は一定の効果を齎し、仙台は相手が隙を見せなければ決定機を作れない。
そんな状況に陥ります。(41分に水戸のパスミスから、縦に速く運ぶも宮崎のスルーパスはオフサイドに)

双方最後の交代は41分で、水戸が山﨑・津久井→前田・沖田。(山本が左に回る)
仙台は鎌田・荒木→松井・梅木。

時間が押し迫り、仙台は遠目からのFKでも、武田のキック精度を活かしての放り込みへと意識を振り。
逆に水戸は、サイド奥に運んでもクロスは上げずキープで時間稼ぎと、こういった展開での約束へと移る両チーム。

しかし最後は、やはり追い風がモノを言ったか。
アディショナルタイムに突入し、水戸の右コーナー前での時間稼ぎを切った仙台、スローインでのリスタートを経て石尾がラフなロングパス。
これが風によりターゲットの宮崎を越えた事で、拾った郷家のキープを経て武田が1点目と似た位置(やや近め)からアーリークロス。
これも先程と同様ファーサイドで跳んだのは宮崎で、今度は素直に放たれたヘディングシュート。
GK松原がセーブした跳ね返りを郷家が詰め、板倉がブロックして浮き上がったボールを再度ヘディングでねじ込んだ宮崎。
激しい応酬の末に、前田のブロックも及ばず左ポスト内側を叩いてのゴールゲット。
執念という他無い連撃で、土壇場で追い付いた仙台。

再び前に出なければいけなくなった水戸、それがドラマを齎し。
前田のボール奪取から素早く攻め、沖田がドリブルで右ポケットを突く絶好機に。
一度抜かれた松井が、後追いの形で後ろから倒してしまいますが、これに主審の笛が鳴らなかった(腕でのチャージだったので見えていなかった感あり)事で水戸サイドの一斉のヒートアップを招きます。
しかしVARが無いため中断期間が採られず、すぐさま仙台が(ゴールキックで)再開させた事で、水戸・森直樹監督の異議が飛び乱れるなかで仙台の攻撃に。
そして名願の左ポケットからのシュートにまで繋がる(板倉がブロックしてCKに)、これが決まって逆転負けなんて事になったら……という絵図を描くに至りました。
結局、尚も治まらない森監督に対し警告が突き出されて手打ちとなった事で試合は続き。

これにより勝利の機運は既に無いといった水戸。
仙台の猛攻を凌ぐのみとなり、その後も被決定機を迎えましたがGK松原の好守(右ポケットからの真瀬のシュートをセーブ)で3点目は許さず。
2-2で試合を終わらせ、辛うじてという引き分けになりました。

双方課題が垣間見えた試合も、終了間際の一騒動で全て掻き消される、といったような展開となり。
ゴール量産という清涼感も雲散霧消のようになりましたが、当事者も観ている側も「これもサッカー」と納得するしかないでしょう。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ


DAZN観戦 2025年J2リーグ第5節 ジュビロ磐田vsヴァンフォーレ甲府

2025-03-17 16:01:19 | サッカー視聴記(J2)

※前回の磐田の記事はこちら(3節・長崎戦、0-1)
※前回の甲府の記事はこちら(2節・大宮戦、0-1)

<磐田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ユース所属の甲斐・石塚が2種登録選手となり、今節から登録される。

<甲府スタメン>

  • 基本であった3-4-2-1から微調整し、土屋・荒木をハッキリサイドバックとした4-2-3-1で挑む。
  • 前節(藤枝戦、3-3)出場停止だった井上はリザーブに留まる。
  • GKイミンギ(韓国・漢陽大)が加入し、3節(富山戦、0-2)から登録される。
  • GK石川の負傷が発表され、2/23に発生して全治約4~6週間との事。
  • 松山(日本体育大)が来季夏から加入内定し、同時に特別指定選手となり前節から登録される。

思わぬ連敗を喫してしまった磐田。
新監督(ジョン・ハッチンソン氏)の下、組織立ったサッカーを繰り広げて昇格を目指すなかで、序盤における警笛となり。
それが本当に警笛なのか、はたまたその目論見自体が壊れているかは今後ハッキリしてくるでしょう。
いずれにせよチームがまだ発展途上の段階なのは、この日も貫いている割には、印象的にはイマイチであったハイプレスに表れ。

この日は本拠地(ヤマハスタジアム)では無く、サブであるエコパスタジアムを利用して臨んだ一戦。
様子見のロングボールの蹴り合いもそこそこに、最初にボール保持に入ったのは相手の甲府。

甲府は前節までの3-4-2-1から布陣を弄ったものの、ビルドアップ時は4バックへの可変を主としていたので保持の際には不変なシステム。
しかし前半3分、ボールを持つセンターバックの孫に対してクルークスが絞ってプレッシャーを掛けた結果、左への展開を経て荒木に対しSBの植村が前に出て対処。
これが仇となり、荒木→中山→熊倉と繋がれあっさりその背後を取られるという、早くもハイプレスの危うさを露呈する一幕が見られます。(その後左ポケットを取った鳥海がマイナスのクロス→クリアされコーナーに)

その後守備の脆さを攻撃、つまり自身のボール保持で隠すという立ち回りに入る磐田。
しかしそのビルドアップも、8分にはパスミスを宮崎縦パス→三平ポストプレイと甲府の素早い攻めで危機に変えられる(その後スルーパスを受けた熊倉が左ポケットへ切り込むも撃てず)という具合にミスが付いて回り。

甲府にとっては、そんな足並み揃わない相手の隙を突きたい一戦となり。
しかしこちらも6分に、GK河田のロングフィードが江﨑に跳ね返されるとそのままペイショットフリック→クルークス右ポケットへ進入と、縦ポン一つで被決定機に。
そのままワイド奥でのパスワークを経て、スルーパスに走り込んだ植村のマイナスのクロスを松原が合わせシュート(土屋ブロック)と、立ち回りを間違えれば強烈な個の力に晒されるのは明白な一戦。

こうして中々落ち着かない立ち上がりを描くと、磐田はビルドアップを微調整。
サイド奥へとロングパスを届け、クルークス・倍井のアタッカーを活かしに掛かり。
そのうえで地上での繋ぎに入る、冷静さを取り戻す立ち回りを描きます。

ビルドアップは前回観た際と同様、SBの上がりは抑制しながら、「偽SB」気味に3枚の最終ラインへと可変。
それでもこの日は、残る側と逆のSBは、最後方で保持する段階で上がっているシーンが心なしか増えていた印象であり。
GKを阿部に代えた事で、最後方での安定度が増したのが影響したでしょうか。
それに対して甲府は前線で規制を掛けるも、奪えずに結局リトリートを強いられ。
最終ラインで磐田の攻撃を断ち切っても、クリアボールを拾われて二次攻撃……と押し込みを受ける、一重に劣勢と言う他無い状態に陥ります。

しかし23分、磐田の左サイドからの前進に対し、土屋が(広大なスペースがあるなかで)読みを利かせて縦パスをカット。
そしてすかさず裏へミドルパスを送り、三平が走り込むという決定機になりかけましたがGK阿部が前に出てヘッドでクリア。
26分には磐田の攻撃を切ったのち、ゲーゲンプレスを受けながらの最終ラインでの繋ぎという局面。
しかし左サイドで小出→孫→平塚→荒木と繋ぎきり、平塚のスルーパスで三平が抜け出したもののオフサイド。
磐田の強者めいた立ち回りにも、徐々に慣れを示し始め。

そんな中、ビルドアップの循環だけは失いたくない磐田。
27分、ここはどちらのSBも上がらず横並びのままの繋ぎに入ると、左へ展開ののち松原の縦パスを受けたのはトップ下の角。
可変を示さない際は、角が広範に動き回る事で出口を作っていた感があったこの日。
ここは結局好機にならずも、再び前進のための燃料を得たような磐田。
30分台に入ると攻撃権を独占し、再度甲府をリトリートに追い込み押し込み続け。

一見盤石な磐田ですが、それでも前線の守備の未整理な感は残り、40分GK河田から繋ぐ甲府に対し平塚にロングパスを許した結果裏を取られ。
左奥を取った熊倉からポケットで受けた鳥海、切り返しからシュートを放ったものの惜しくもゴール右へと外れ。
ここからにわかに甲府が巻き返し、磐田のビルドアップをパスカットで阻むなど良い流れに。

好循環をモノに出来なかった事で、不穏ぶりが漂い始めた磐田ですが一歩先は誰にも判らず。
43分、上夷のミドルパスで甲府の前線を突破すると、倍井の持ち運びで敵陣左サイドでパスワークの状況に持ち込み。
細かな繋ぎのなか、上原のフリックがディフェンスに阻まれた所をすかさず中村がスルーパスし、反応し直した上原が左奥からクロス。
そしてニアに入り込んだペイショットのヘディングシュートが炸裂し、フリック気味に合わせた軌道とも相成って流れるようにネットに突き刺します。
相手に光明が見えた所で、それを掻き消すような先制点となりました。

そしてそのまま前半終了。
共に交代無く迎えた後半、やはり大きすぎる先制点だったようで、立ち上がりから磐田の好機が続く展開に。
甲府にとっては痛すぎる失点とともに、40分台の攻防を制していれば逆に……との思いも過るような防戦を強いられます。

磐田のキックオフからの攻めは、戻しから右サイドで地上での前進に入るというもので、植村が躊躇なく甲府の前線の間をパスで通した事が契機。
ワンツーを経てクルークスのスルーパス、そして奥で受けた角がクロスに辿り着く(CKに)という具合に、その流れを象徴する初手となり。
甲府は必死で規制を掛けに行くものの、磐田はその後も躊躇わずにその間を通すパスを連発する事でそれを無効化。
ボランチ経由での前進を難なくこなし、前半同様甲府にリトリートを強いる状況を作り上げます。

フィニッシュシーンは後半5分で、右サイドに降りて受けた角がロングパスで裏を突くと、奥で受けたクルークスが溜めたのちクロス。
その跳ね返りを上がって来た上原がミドルシュート、土屋のブロックによる跳ね返りをさらに中村がミドルシュート(枠外)と、ドイスボランチによる連撃を見せましたが決められず。
長短交えた攻勢に、完全にゲームを支配したかのようにも見えましたが落とし穴は何処にでもあるものであり。

一方振り回され続け、退潮著しいといった甲府。
追い付くためには前に出なければならないものの、迷いが見えている状態では闇雲に出ればドツボに嵌まるのみ。
そんな心理的状況も伺えましたが、ベンチワークでは早めに手を打ち、12分に荒木・宮崎→小林・レイリアへと2枚替え。
レイリアが左サイドハーフに入る事で、熊倉が右へと移りました。

その交代が行われている際、ペイショットが(土屋に)チャージを受けて倒れ込んでいたというちょっとしたブレイクに。
ペイショットはピッチ外→復帰となったものの、それが拙かったか、はたまた仮にも支配していたが故のふとした緩みか。
14分、敵陣でパスワークを続けていた磐田ですが、ペイショットのタッチが大きくなった所を鳥海に奪われ。
そして拾った三平から受け直した鳥海、スルーパスでレイリアが裏抜けとカウンターに結び付ける甲府。(その後右ポケットへ進入したレイリアがシュート、GK阿部キャッチ)

予兆が露わになった磐田ですが、それでも気丈に攻勢を続け。
16分にも全員敵陣に入り込んでのパスワークで、倍井がクロスフェイントから左奥へ切り込みと、多彩な選択を見せ付けた末に満を持してクロス。
ニアのペイショットには合わずも繋ぎ続け、今度は右からの攻めでポケットを取った植村がマイナスのクロス。
そして中央で松原が合わせシュートと決定機に繋げるも、土屋がブロックして防ぐ甲府。
「攻撃は最大の防御」を地でいく磐田の振る舞いですが、際どい凌ぎの連続である甲府も「動かざる事山の如し」といった雰囲気を醸し出してきたでしょうか。

そんな戦国時代めいた雰囲気のなか、甲府は19分その機運を一気に爆発させ。
それは自陣での右スローインからで、磐田のプレッシングも細かな繋ぎでかわした末に平塚の中央への縦パスで脱出。
レイリアのポストプレイを経て逆の左へ展開し、中山のエリア内中央へ落ちるアーリークロスを受けたのは猛烈に駆け込んできた鳥海。
その勢いのまま切り込んだ所、防がんとした江﨑に引っかかる形で倒れた結果、主審の笛が鳴り響きます。
反則ならびにPK(江﨑に警告)となり、ビッグチャンスが訪れた甲府。
そしてキッカー鳥海は落ち着いてゴール右へと蹴り込み、我慢を最大級の結果に結び付けました。

振り出しに戻り、甲府も磐田の攻めに対し振り回されず、という落ち着きを得たでしょうか。
ミドルブロックで磐田のボール保持に対抗姿勢を取り。
23分にそれが奏功し、中央で上原→中村のパスを鳥海がカットするも、そのボールを収められずペイショットにミドルパスを許す(その後右からクルークスが切り込み→クロス)という具合にあと一歩。
直後に前線の燃料を保つべく、三平→内藤へと交代します。

一方追い付かれた磐田。
そんな甲府のミドルブロックを見て、あまりプレッシャーを受けなくなった最終ラインは裏狙いへと切り替え。
相手守備の立ち回りを見ての変化が取れる辺り、少なくとも攻撃面においては昇格を狙うに相応しいクラブであるのは疑いようは無く。(26分に角→佐藤凌へと交代)
甲府も29分に深めでゲーゲンプレスを受けるなか、レイリアのキープから小林のロングパスでそれを脱出。
そのセカンドボールを拾って前進に持ち込み、内藤がペナルティアークからシュートに持ち込む(ミートせず枠外)という具合に、奮戦するも地力の差は如何ともし難く。

そして30分、ここも植村のロングパスで裏を取る磐田、一気に右ポケットを突くボールとなり受けた佐藤凌の溜めを経てクルークスがクロス。
仕留めたのはまたもペイショットで、今度は強烈に叩いてのヘディングシュートでゴールに突き刺します。
再度勝ち越した磐田ですが、ここで植村が足を痛めて(攣らせて?)交代となり、同時に3枚替えを選択したキックオフ前。(植村・上原・倍井→為田・金子・川﨑)

一方苦労を重ねるも、結局またも追い掛ける展開を強いられた甲府。
同時に最後の交代も敢行します(平塚・熊倉→遠藤・田中)が、カンフル剤とはならず苦戦は続き。
38分に小林のアーリークロスを中央で鳥海が足下で受けるという、PKゲットのシーンを彷彿とさせる好機が訪れるも、今度は鳥海も収められずにモノに出来ず。
逆に39分、ビルドアップの最中に犯したパスミスにより、拾った川﨑がすかさずスルーパス(クルークスが走り込むも繋がらず)と焦りも顔を出すその姿に「動かざる事……」も雲散霧消気味となります。

リードを最大限活かすべく、保持の際は前進よりも支配という意識を高める磐田。
時間も押し迫り、構えるだけでは埒が明かない甲府も前に出るしか無く。
何とか奪わなければ……という終盤戦となり。

しかし43分、1分以上繋ぎ続けた磐田に対し、小林が前に出てカットに成功するとすかさず佐藤凌に倒されて反則。
これで磐田の流れを断ち切り、かつセットプレー攻勢と最後の望みを得る格好に。
スローインからの攻めも重ね、何とかフィニッシュに辿り着かんと攻める甲府。
方や逃げきりたい磐田は、アディショナルタイムに最後のカードを使いペイショット→ゴメス。(佐藤凌がFWに回る)

セットプレーの流れも途切れ、万事休す感が強まりながらも甲府はボール保持からの攻めに全てを賭け。(ここでこれを許す辺り、磐田の前線の守備はまだまだという感が強い)
孫から左へ展開し、(中山の)縦パスを受けたレイリアが前進開始、ボールキープから逆の右へ展開してついに好機に持ち込みます。
そして土屋のスルーパスに走り込んでクロスを入れたのはCBの小出と、総員前掛かりな姿勢の末に、ニアに走り込んだレイリアによりこぼれた所を鳥海がシュート。
しかしゴール右に外してしまい、最後の結晶はモノに出来ずに終わってしまいました。

試合はそのまま2-1で終了となり、無事に連敗を止めた磐田。
弱点は未だ健在ながらも、1年での昇格を果たすためにその歩みを止める事は許されず。
何とかエレベータークラブからの脱出を……というのはまだ先の話ですが、その願いが叶う日は訪れるでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ