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DAZN観戦 2023年J2リーグ第41節 徳島ヴォルティスvs藤枝MYFC

2023-11-09 16:01:39 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の徳島の記事はこちら(37節・山形戦、1-0)
※前回の藤枝の記事はこちら(37節・清水戦、2-0)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 石井が今季限りでの引退を表明。この日が今季2試合目のスタメン出場。

<藤枝スタメン>

  • 前節出場停止だった鈴木・小笠原・横山が復帰。鈴木・横山はスタメンだが、小笠原はベンチスタート。

前節で残留が決定したクラブ同士の対戦。
おまけに、終盤に来てその残留に向けて戦術変更を余儀なくされたというのも共通点。

肩の荷が下りたのは間違い無いでしょうが、果たしてここからスタイルをどうするのか。
監督交代が行われた徳島の方はさておき、藤枝は従来の「超攻撃エンターテイメントサッカー」を取り戻さんとするか。
あるいは「勝利のため」の調整の結果として、バランス重視のサッカーを尚も煮詰めるのか。
ただの消化試合というには捨て難い残り2試合、その姿勢に非常に興味がありました。

徳島のホーム(ポカリスエットスタジアム)最終戦、引退表明を行った石井がスタメン出場。
それに釣られるように同じベテランの田向もスタメンと、哀愁漂うといった終盤戦。
お互いロングボール主体の入りのなか、前半4分に西谷のドリブルを止めんとした中川創が反則を犯し、早くも警告を受けてしまい。

先に、本来の姿であるポゼッションスタイルを見せ始めたのは徳島。
すると藤枝はそれに対し、一度は投げうったハイプレスの姿勢を甦らせます。
敵陣で前線5人の五角形が規制を掛け、サイドに出させれば果敢にウイングバックないしは左右のセンターバックが前に出て来る。
どうやら、藤枝も本来の積極果敢なスタイルに戻したようであり。

10分の藤枝の攻撃、最終ラインでのパス交換から川島が左WBの榎本に届けるロングパス。
後方での様子見から一気に崩しのロングボールで組み立てるという、こちらも本来の攻撃方法で好機を迎え。
受けた榎本はマイナスのカットインから中央へ戻し、そして横山がダイレクトでミドルシュートを放つも、森昂が頭部でのブロックで防ぎ。
すると跳ね返りを回収した西谷に対し、すかさずゲーゲンプレスを敢行する藤枝、囲んで奪取に成功し連続攻撃。
久富が右ポケットへ切り込んでシュート(ブロック)と、攻撃サッカーの本領を発揮せんとします。

それは魅力的に映る反面、やはり弱点も多くあり。
15分、徳島も最終ラインでのパス交換を経て石井が縦パスを送ると、降りて受けにいった杉本がフリック。
これで杉本に付いていった中川創がスペースを開けてしまい、受けた西谷が左サイド奥へ切り込むという具合に、前掛かりな姿勢を突かれ。
クロスがブロックされ、拾い直して左ポケット奥から再度クロスを入れた西谷ですが、フィニッシュに繋がらず。

上記のように、杉本に対しては中川創が付き、一方杉森に対しては鈴木が付くという体勢がハッキリしていた藤枝。
それを利用したい徳島に対し、あくまで受けに回らず攻め続ける事で弱点を隠さんとしていたでしょうか。
20分、GK北村が前に出て繋ぎに参加した末に、彼のフィードから攻撃開始。
すっかり従来の姿を取り戻したという藤枝の攻撃、左サイドでのパスワークから西矢がサイドチェンジを敢行し、遮断されるも中川創が拾って継続し。
尚もパスを繋いだのち、中川創がポケットへ斜めの縦パスを送り、受けた横山がグラウンダーでシュートとも取れる鋭いクロス。
これにアンデルソンが脚で跳び込んだものの、(GKスアレスに抑えられたのち)オフサイドを取られてしまい。

徳島も応戦し、21分GKスアレス縦パス→田向受けて縦パスと、GKからの素早い運びで崩さんとし。
遮断されたボールを杉本が拾い、西谷のドリブルを挟んで杉森が中央チャンスエリアでラストパスを受け。
そのままエリア内へ切り込んでシュートを放ちましたが、ゴール上へ外れてしまい先制はなりません。

こうした積極姿勢のぶつかり合いで、徳島は25分に横山のドリブルを反則で止めた田向が警告を受け。
するとその直後にも、中川創の出足の良いパスカットに対しチャージする格好となった杉本も反則・警告と、1分間で2度警告という事態を起こしてしまいます。
ここからセットプレーで攻める藤枝、右サイドからのフリーキック→右コーナーキックと継続し、ショートコーナーを経て西矢のシュート性のクロス。
これを川島が合わせヘディングシュートを放ちましたが、これもオフサイドとなり無効に。(シュートはゴール左へ外れ)

どちらも、いかにも残留のための戦いから脱したようなサッカーを見せにいった試合。
それでも、J2一年目の藤枝の活きの良さが勝るという感じであり。
どうにもそれに押され気味の徳島は、36分にバックパスを受けにいったGKスアレスがあろう事かキックミス(繋ぎかロングフィードかで迷ったような感じ)、右タッチラインを割って藤枝に深めのスローインを献上してしまい。
しかしここからの藤枝の攻めで、クロスをキャッチしたスアレスからカウンターを敢行と、自作自演風に攻める徳島。
西谷のドリブルが止められ遅らされるも、田向が縦パスで継続し、森海のキープを経て西谷がシュート。(ブロック→GK北村キャッチ)
続く38分には藤枝が再びロングボールを榎本に送る攻撃から、クロスをファーサイドで久富が折り返すと、矢村がバイシクルで撃ちにいき。
これは空振りしてしまい、流れたボールを西矢がシュート、森昂がブロックしたボールを尚も繋ぎ再び榎本の左からのクロス。
すると矢村はまたもバイシクルにいき、同じく空振りに終わるという具合に、結果には繋がらずも微笑ましさすら感じる攻めを見せました。

しかしその姿勢が、綻びに繋がってしまったでしょうか。
39分に藤枝の攻撃を切った徳島、杉本がドリブルで矢印を反転させにいった所、それを中川創が止めにいき。
結果、足を出してかわされかかった所を身体で止める事となってしまい、反則の笛が鳴り無情にもカードが付き出され。
2度目の警告で、当然ながら退場処分を受けてしまいます。
これで10人となり、好循環を断ち切られる格好に。

以降、矢村・アンデルソンを2トップとした4-3-2へ布陣をシフト。
折りしも、前半11秒で山原が退場した28節・仙台戦で予習済みであったのが幸いし、大きな破綻には至らずとなりました。

当初は、数的不利でもスタイルを貫かんとしたものの、徳島は41分に永木のロングパス一本で一気にエリア内を突いてひっくり返す攻撃。
走り込んだ杉本がワントラップでシュートするも、ジャストミートせずゴール左へ外れという具合に、フィニッシュの精度に助けられた格好に。
この警告ともいえる危機を受け、守備重視へと切り替わったでしょうか。
以降アンデルソンと横山の位置を入れ替え、矢村・横山の2トップに。
それでも、アディショナルタイムにはスローインからの攻めで、一瞬の隙を突いて前進した西矢がミドルシュートでゴールを狙い。(ゴール左へ外れる)

結局スコアレスのまま前半が終了。
交代はともに行わずと、藤枝は出来るだけスタメンのまま粘る選択を採り。

後半も、アンデルソンは2列目で矢村・横山の2トップと、調整後の布陣を貫いた藤枝。
そのアンデルソンが、田向がボールコントロールを誤った所を突き中盤右サイドでボール奪取、そのまま自らドリブルでポケットへ切り込む好機を迎えたのが後半4分。
藤枝サイドにとっては「何でも良いから決めてくれ」という心境だったでしょうが、放たれたシュートはゴール上へ外れて惜しくもモノに出来ず終わります。

冷や汗を掻く格好となった徳島、気を取り直して以降はボール保持の体勢を固め。
数的不利の基本的な布陣(4-4-1or5-3-1)は採らない藤枝に対し、労せずしてアタッキングサードまで運べる状況とはなっていましたが、ここからの崩しに難儀するというお決まりのような展開に。
8分にパスワークを経て、西谷が左ポケットを突きマイナスのクロスを入れたものの、中央の杉本の前でディフェンスに遭い撃てず。

10人相手というのが逆にプレッシャーとなり、今までの残留争いの中での戦いに戻ってしまったようでもあり。
11分にはGKを交えてのビルドアップの最中に、スアレスのパスがズレて奪われかけた所を、石井がスライディングで何とか繋ぐという際どい一幕も見られ。
その繋ぎには依然として硬さが残っていたようでした。
18分に再びポケットを突く好機が生まれ、今度は杉本のドリブルで右から進入。
そして中央へ横パスを送ったものの、森海のシュートは合わせきれず終わります。

粘りが光るという展開に持ち込んだ藤枝でしたが、18分に横山が足を痛めてしまい続行不可能に。
担架で運ばれ交代となり、大曽根が投入されます。
それでも、徳島の攻撃を凌ぎつつ、ワンチャンスをモノにする姿勢は変わらず。
22分に川島のラフなミドルパスからセカンドボールを繋ぎ、矢村がミドルシュート。(ブロック)
26分には徳島のミスから奪った西矢が持ち上がりスルーパス、受けた矢村がやはりミドルシュート。(ゴール右へ外れる)
遠目からながらも、放たれるその矢はまさに勝利に向けた道筋そのものであり。

27分に徳島ベンチも動き、田向・杉森→外山・高田へと2枚替え。
31分には再び2枚替え、杉本・森海→渡・坪井と、カードを切って何とか重苦しい雰囲気を変えんとします。
戦術的にも、投入された高田が右ワイドに張り、右サイドバックの西野がハーフレーンに絞るという微調整が行われ。

30分にサイドチェンジのパスで左サイド奥を突き、上げられたクロスからアンデルソンがヘディングシュートを放つ(枠外)など、相変わらず藤枝の一貫した姿勢の方が光る展開に。(34分に矢村→中川風に交代)
それでも、数的不利での戦いの影響は終盤に色濃く表れるようになり。
徳島のポケットを突く回数が増え、際どい凌ぎを強いられます。

38分、中盤から最後方へ戻す徳島に対しプレッシャーを掛けた藤枝ですが、GKスアレスからの攻撃でひっくり返されて間延びした所を突かれる事に。
森昂のロングパスが2列目~最終ラインの間に渡り、収めた坪井からパスを受けた渡がペナルティアークからシュート。
しかしこの絶好機もゴール右へ外れと、モノに出来ない徳島。(直後のゴールキック、遅延行為でGK北村に警告)

その後もパスミスから藤枝に攻め込まれ、クロスをエリア内でブロックした外山に対しハンドアピールが行われたり。(41分、反則無し)
こぼれ球を西谷がミドルシュートするも、あろう事か前方の坪井に当たり跳ね返る(42分)など、依然として暗雲を振り払う事が出来ないでいたような徳島のサッカー。

そして突入したAT、徳島サイドも何でも良いから決めたい時間帯。
再び西谷の左サイドでの切り込みから、今度は奥からの戻しを経て白井の縦パスでエリア内中央を突く攻撃。
これを坪井のポストプレイで繋いだ事で、渡に絶好のシュートチャンスが訪れましたが、川島の決死のブロックに阻まれて決められません。
その後も好機を作り続ける徳島、高田の縦パスを坪井がスルーした事で、再びエリア内で渡にシュートチャンスが。
しかしここも川島の決死のディフェンスで撃てず、こぼれ球を追撃した西野のシュートも枠外に終わり。

一方、このATの最中に最後の交代を敢行した藤枝。(アンデルソン→新井)
流石に攻める力は残っておらずも、相手の徳島も一方的な流れを作れるだけの運気は持ち合わせておらず。
何度か攻撃のチャンスは訪れるも、奪われてカウンターを招いたシーン(エリア内からの坪井のシュートに繋がるもブロック)もあり、このまま引き分けで良しとする姿勢に落ち着くのは妥当といえたでしょうか。
最後の攻撃も、中川風が無理目のロングシュートを狙う(ブロック)事で穴を開けずに終わらせ。

それでも最後の徳島の攻撃、クロス攻勢に持ち込み、西野のバイシクルが空振りとなるも奥で拾った永木がシュートにいき。
しかしジャストミート出来ずに終わるという、不完全燃焼な空気は最後まで振り払えず。
結局スコアレスのまま試合終了でドロー決着となり、数的不利の藤枝にとっては勝ちに近いような引き分けに。
J2初年度故に前向きな残留となった藤枝と、不振に塗れて何とか泥沼から脱した徳島との違い、という立場を象徴するような結果だったでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第41節 いわきFCvsモンテディオ山形

2023-11-08 16:44:41 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回のいわきの記事はこちら(37節・町田戦、3-2)
※前回の山形の記事はこちら(39節・金沢戦、1-0)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節退場(警告2度)となった遠藤が出場停止。また累積警告により下田が出場停止。
  • 37節で負傷交代した石田の詳細が発表され、全治2か月との事。

<山形スタメン>

前節で6クラブが残留決定したものの、残念ながらその輪に入れなかったいわき。
連敗で足踏みを強いられているのに輪をかけ、39節(清水戦、1-7)では7失点の大惨敗。
前節(千葉戦、0-1)は前半で退場者を出し、何とか踏ん張りながらも終盤に勝ち越されて力尽くという具合に、傷口が広がっていくかのような内容だった2試合。
そしてこの日はその余波で2人が出場停止と、苦戦は免れない状況で山形に挑みました。

試合が始まると、山形はダイレクトパスを繋ぐ事による攻撃の組み立てを披露。
渡邉晋監督の、いわきのチーム特性をよく理解していたような試合前インタビューの通り、プレッシングの強度を十分警戒しての繋ぎを見せていきます。

そうして繋いでいくなか、いわきはGK後藤雅のフィードを受けにいった後藤優に対し、センターバックの家泉が喰い付くシーンが発生し。
綻びを突くのが巧い山形の攻撃故に、これが懸念材料となる予感を孕ませます。

しかし前半7分、自陣で繋ぐ山形は野田のバックパスをGK後藤雅が受けられず、ラインアウトでコーナーキックを献上してしまうミス。
ダイレクト主体の繋ぎを選択する事は、それだけいわきのプレッシャーが脅威となっているという裏の思想を露呈してしまい。

10分から5分間、小野が激しいチャージで痛み倒れるのを繰り返す事3度。
そしてこの時間帯は攻撃でも、大きなサイドチェンジを繰り返しての前進を図るなど微調整を見せる山形。
それでもフィニッシュに辿り着けず終わった辺り、プレッシャーにより多発するデュエルを嫌がっていた感もあり。

いわきは前述の家泉の守備対応以降、それを改め。
アンカーの山下が後藤優をマンマークする事で調整し、これにより徐々に山形はボールを繋げなくなり。
そして必然的に攻撃でもペースを握り始めます。
20分にその山下が後藤優へのパスをカットし、最終ラインで落ち着けたのち左から前進。
岩渕がドリブルで中央へ向かい、エリア内へのパスが阻まれるも今度は右から攻め、谷村がカットインからミドルシュート。(野田がヘッドでブロック)

山下の役割が決定する一方で、序盤はその山下と2人並んでプレッシングに参加する姿勢を取っていたのが相方?の宮本。
戦術調整に伴い、相手ボランチの片方に付くという役割が自動的に決まったようであり。
宮本が南を、もう一人のインサイドハーフである岩渕(序盤は2トップの位置取りでプレスを掛けていた)が高江をマークするという基本姿勢で、山形のビルドアップを封じに掛かりました。

こうして自陣で自由を奪われるに至った山形。
いわきがアタッキングサードでサッカーを展開する時間が続き、何度もボックス内を脅かされるものの何とか凌ぎ。
そして29分、クロスの跳ね返りを確保した有馬からボール奪取した事でカウンターに持ち込み、左サイドを藤本がドリブルして敵陣へ。
ディフェンスに遭うも、カウンター故自由になれていた後藤優が繋ぎ、川井が右ハーフレーンからポケットへスルーパス。
そして藤本が走り込んでシュートにいくも、スリップしてしまいミート出来ず逃してしまいます。

じっくり守ってカウンターという、あわよくば山形らしくない戦法が定着してしまいそうな前半。
34分、トランジションの部分でフリーになれていた南がボールを持って組み立て。
そして左サイドでのパスワークから中央→右へ展開せんとしますが、これは出足良く河村がカットして逆にいわきがカウンター。
そのままドリブルで左サイド奥まで進入した河村、対峙した川井を股抜きしながらのカットインでポケットへ。
そしてマイナスのクロスを送り、有馬がシュートせんと足を振ったもののその手前でディフェンスに阻まれ空振りに終わり決められません。

ともにカウンターが彩ったものの、フィニッシュが不発に終わる流れ。
39分の山形、野田のミドルパスを宮城がダイレクトで浮き球で繋ぎ、さらに南が落とし。
ダイレクトプレーの連続で後藤優への繋ぎを果たすと、その後藤優の右への展開から好機を迎え。
ワイドの川井がカットインの姿勢からポケットへパスを送り、南がフリックした奥で受けたイサカがシュート。
しかし家泉のブロックで左へ逸れ、続く左コーナーキックからもクロスがGK田中謙にパンチングされた所をエリア内で拾った宮城がシュート(ブロック)と攻め立てましたが決められず。
後藤優が受けた時は好機に繋げられるも、山下のマークによりその機会が決定的に少ないという前半戦を強いられました。

いわきも終盤にセットプレー攻勢。
左サイド中盤でのフリーキックで放り込みを選択すると、家泉の落としがクリアされてさらに右CKに。
ここからクロスをGK後藤雅がパンチングしたボールをエリア内で岩渕が拾うという、先程の山形と似たような好機が生まれると、横パスを経て山口がシュート。
これが前にいた家泉に当たってしまうも尚も混戦で、有馬が拾って追撃するもイサカのブロックに阻まれ、惜しくも決められず。

結局前半はスコアレスで終了となり。
ともに交代無く迎えた後半、前半同様いわきが活発に動きます。

後半3分、山形のビルドアップに対し右サイド深めでボール奪取する好機が生まれると、谷村のグラウンダーのクロスがブロックされたボールを宮本がさらにエリア内へ送り。
これを受けにいった有馬が高江に倒される事象が発生するも、反則無しに終わり。
判定へのヘイトを溜めながらも尚も攻めるいわき、4分にGK田中謙ロングフィード→谷村フリックという一本から右サイドを抉り。
カットインでポケットに切り込んだ谷村はパスを選択すると、追い越した有馬がシュートしましたがGK後藤雅がセーブ。

いわきがゴールに着実に近づくと同時に、その後もいわき選手が倒されるも笛が鳴らなかったり、スルーパスに走り込んだ藤本のGK田中謙への反則で警告アピールをするなどで判定への苛立ちも高まり。
それに対してベンチも宥める(別の意味で)我慢の展開となりましたが、そうした姿勢が報われたでしょうか。
10分にとうとう野田が(谷村への)反則で警告を貰ってしまった山形。
得た右サイドからのFKで、キッカー岩渕は低いクロスをディフェンスラインの後ろへ送ると、走り込んだ有馬が合わせシュート。
ゴールネットを揺らし、我慢の報酬と言わんばかりの先制点を挙げたいわき。

一方追い掛ける展開となった山形。
いわきが残留を決めたい試合ならば、こちらはPO圏争いに喰らい付く立場で、是が非でも勝利したい試合であり。
小野・宮城を中心として左サイドから攻める手法が後半目立っていましたが、失点以降は右の川井を前に上げる体制へと切り替わり。
ベンチも15分に動き、宮城・後藤優→チアゴ・高橋へと2枚替え。

そして16分、最後方からのロングパスを右サイドで高橋が収めてのポストプレイを経て、南のスルーパスで奥を突きイサカがグラウンダーでクロス。
中央で藤本が合わせましたが家泉がスライディングでブロック、防いだものの尚も右CKに。
キッカー高江はファーサイドへクロスを上げ、西村が折り返したボールをチアゴが反転しながらシュートし、ネットに突き刺します。
ボールウォッチャーを生み出す典型の、ファーへクロス→折り返しが綺麗に決まった格好で同点弾を挙げました。

追い付かれたいわき、突き放すべくベクトルを前に向け。
直後の18分に再び敵陣深めで有馬がボールカットしたものの、拾い直してのボールキープは奪われてしまいショートカウンターにはいけず。
しかしその直後にはクリアボールを縦に速く運び、谷村が裏へロングパス。
岩渕の手前でクリアされるも、左サイドで拾い直した岩渕がカットインを経ての前進でポケットを突き、そのままシュートするもGK後藤雅がセーブ。

未だゴールが生まれる雰囲気は持ち合わせていたものの、同点にされた影響か、以前のような攻め急ぎの意識が噴出していたようにも見えました。

24分の山形、最終ラインからやはり右サイドでの攻めを選択し、川井が「偽SB」のような立ち位置を取り。
縦パスをイサカが浮かせるポストプレイ、カットされるも高江が繋ぐという具合にダイレクトかつアバウトな前進が目立ったものの、最後は裏への浮き球に川井が走り込んでクロスに辿り着き。
このグラウンダーのボールに、後方から走り込んだ高橋が合わせてゴールネットを揺らします。
これで逆転と同時に、高橋にとっては2試合連続の勝ち越し弾となり。

ひっくり返されたいわきは、キックオフの前に有馬→吉澤へと交代。
当然ながら諦める訳でも無く、尚も圧力をもって好機を作ります。
しかし細かい部分でのミスも目立ち始め、28分には宮本のポストプレイがズレてしまい岩渕に繋がらず。
29分には岩渕が右からカットインでエリア内中央へ切り込み、タッチが大きくなった所をスライディングで横パスで繋ぐも、西村を削る形となってしまい反則で途切れ。

一方の山形は30分に藤本・イサカ→デラトーレ・横山へと2枚替え。
逆転後も強力な攻撃のカードを切っていくその姿勢は、いわきには羨ましく思えたでしょうか。
遠藤の出場停止があり、それがベンチにDF不在という状況に繋がっているように、離脱者続出も絡んでの層の薄さは深刻であり。

そして35分、山形は右スローインからの攻めで、デラトーレのポストプレイを受けた高橋が左スペースへアバウトなスルーパス。
奥で受けたチアゴがポケットに入り込んでグラウンダーでクロスを入れると、デラトーレが中央で合わせシュート。
ジャストミートしなかったものの、チアゴを警戒していたGK田中謙はシュートの前に(半分読みで)飛び付く格好になっており、右隅へと転がるボールに届かせる事が出来ずゴールに吸い込まれます。
これで3点目となり、勝利を大きく手繰り寄せた山形。
その喜びぶりに、ベンチメンバーのGK長谷川が警告を受ける(原因不明、暴言では無さそうなのでピッチ内に入ったとかか?)という余分なものが付いてしまったものの大勢に影響は無く。

窮地に追い込まれたいわき。
38分に河村・山口→芳賀・永井へと2枚替えし、山下が左SBに回り宮本がアンカーに。
左サイドハーフに入った永井の突破力に賭ける形となります。

その後もいわきは押し込み続け。
こうした展開でもリトリートの姿勢は採らない山形に対し、スペースを利用して好機を作っていくも状況は厳しく。
42分に左サイドでの攻防を制した末に、中央から谷村の縦パスを岩渕がフリックでエリア内へ。
そして吉澤がボレーシュートを放ちましたが野田がブロックと、最終ラインの粘りは健在の山形。
最後の交代はともに43分に行われ、いわきは岩渕→有田、山形は高江→小西。

そしてアディショナルタイムを迎え、再度エリア内中央を突くチャンスを得たいわき、谷村が短いスルーパスを入れた所に吉澤が走り込み。
しかし放たれたシュートは、今度は西村がスライディングでブロックと身体を張って防がれます。
どうしてもゴールに辿り着けず、逆に山形がカウンターを展開しCKに持ち込むという具合に、攻め疲れの様相も表れ始め。
2点差故に仕方無いものの、勝負あったという感がピッチ内にも蔓延します。

最後は再び中央から、宮本のエリア内への浮き球パスに谷村が走り込み、ディフェンスに遭い浮いたボールを有田がボレーシュートにいき。
しかしこれは空振りに終わってしまい、その後右から上がったクロスが流れた所で試合終了を告げる笛が。
ファイナルスコアは1-3で、山形がどうしても欲しかった勝利に辿り着きました。
一方のいわきも、同時に行われていた大宮の試合が終わり、敗れた大宮(清水戦、0-4)の降格圏決定により無事に残留が決定。(同時に山口・栃木も)

これで残留争いは晴れて決着が付き、後は昇格を巡る争いに。
自動昇格圏が掛かる2位と、PO圏最後の一枠の6位が決まる最終節。
後者を争う山形は、その相手も6位の甲府と、前年最終節(徳島戦、3-0)を彷彿とさせる状況となりました。
偶然の一致ながらも、再現を果たす事が出来るかどうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第41節 V・ファーレン長崎vsベガルタ仙台

2023-11-07 16:01:37 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(39節・甲府戦、1-1)
※前回の仙台の記事はこちら(35節・水戸戦、0-1)
※前回対戦時の記事はこちら(7節、仙台 0-1 長崎)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節までの4-1-2-3から、再びドイスボランチ基調の4-2-3-1にシフト。
  • 負傷離脱していたエジガルが復帰し、21節(大宮戦、2-0)以来のメンバー入り。(ベンチ)
  • 39節で負傷交代した中村はやはり離脱(放送席の談)との事で、以降ベンチ外。

<仙台スタメン>

  • 37節から4-4-2に布陣変更。(DAZN予想では中島トップ下の4-2-3-1だったので、間を取って4-4-1-1で表記)といっても攻撃時には、堀孝史監督のオリジナルフォーメーションである4-1-4-1気味に可変するシステム。
  • 前節退場(警告2度)となったホヨンジュンが出場停止。
  • 中山の負傷が発表され、9/6に発生して全治6週間との事。

前回の甲府戦との状況から一転し、その甲府によって窮地に追い込まれている長崎。
前節(徳島戦、1-2)の敗戦により甲府に入れ替わられてプレーオフ圏から転落してしまい。
そして今節、ACLとの関係で、金曜に先んじて試合開催となった甲府が勝利。
そのため暫定で勝ち点差は5となり、残り2戦全勝が最低条件となるに至りました。

何としても勝利しなければならないのは勿論の事。
出来れば前回時に述べたムードの面でも、最終節に向けて一気に底上げできる内容が欲しい。
そんな「あれもこれも欲しい」というような状況で、ホーム最終節ならびにトランスコスモススタジアムがホームでの最終試合を迎える事となりました。

その長崎の思いとは裏腹に、立ち上がりから攻撃権を確保したのは仙台。
前節(山口戦、1-1)で残留が決まったという状態で、重苦しい雰囲気が削ぎ落されたかのように、サイド奥を突く攻撃を連発していきます。
堀監督が好む4-1-4-1の布陣はやはり特異故に今のJリーグでは無理があるのか、可変式でそうなるに留まっている最近の仙台のシステム。
バランス調整が為された結果は、4戦無敗という近況の成績に表れており。

そんな仙台に対し、何が何でも勝利が欲しい長崎。
攻撃時にアンカー役となる長澤に対し、カイオが前に出てチェックしにいくという積極性を見せ始め。
これにより10分頃から、仙台の好循環はストップさせられるに至ります。
その10分には、鎌田が自陣でドリブルする所に、松澤のチャージを受けた結果スパイクが脱げてしまうアクシデントが発生し。(反則無し)

そして16分、長崎の自陣からの攻撃。
仙台は前からそのビルドアップを阻みにいきましたが、長崎の左サイドの前進に対し、前線の選手を余所に小出が前に出るのか構えるのか中途半端な位置取りに。
これが命取りとなり、米田がドリブルで運んで松澤に渡し、その松澤が斜めに切り裂くドリブルで中央のチャンスエリアへ進入を許します。
エリア内で人数を掛けてボールをこぼすも、それによりあろう事かフリーになっていたフアンマが拾う事態となり。
そして悠々とシュートを放ち、ゴール左へ突き刺したフアンマ。
相手の対応ミスを突き、欲しかった先制点を早期に奪いました。

気を取り直し、ボールポゼッションを高めて攻め直しに入る仙台。
19分の郷家のヘディングシュート(ゴール左へ外れる)を号砲として、リードによりやや消極的となった長崎の姿勢もあり攻撃機会を独占します。

その長崎は、その後長澤に対してはカイオは付かず、トップ下のジェズスがチェックする体勢に。
その対応に曖昧さが目立った事で、ボールタッチを増やしゲームを作っていく長澤を軸にリズムを掴む仙台。
23分には郷家がフィードをブロックして敵陣で攻撃開始、中央から前進してエリア内を突く好機に。
しかし氣田が切り返しで鍬先をかわすも、倒れた鍬先による上半身からのスライディングという表現のディフェンスに引っ掛かり倒されてしまいます。
決定機阻止に限りなく近かったものの、この表現し難い鍬先の動きに、主審も反則の笛を吹けなかったでしょうか。

多彩な攻めで押し込んだ仙台ですが、失点以降シュートは3本のみに留まり。
一方守勢を強いられてきた長崎は、34分に再び松澤のドリブル突破で久々の好機。
カットインで左ポケット奥を取り、マイナスのクロスを入れた先にはフリーのカイオが。
しかし合わせたシュートは右へと逸れてしまい、楽にする追加点は奪えず。

再度攻め込む仙台に対し、必死の凌ぎを見せる長崎。
41分に右奥を取った仙台の攻撃、小出のエリア内へのパスはズレてしまうも、長崎のクリアを菅田が直接エリア内へ縦パス。
これもカットされるも、反応した小出が再度ダイレクトでクロスと執拗に突き続け。
このクロスをブロックしたカイオが、小出と交錯して痛んでしまうという具合に、シュートこそ防ぐ長崎ですがそのダメージも目立っていきます。
45分にはポストプレイで身体を張ったフアンマが福森のチャージで痛むなど、不利な戦況を個々の頑張りでカバーするという展開に。
結局1-0のままスコアは動かず前半が終了。

リードは得た長崎ですが、かなり押し込まれたという状況を変えたいのは当然であり。
そのためポジションを弄り、ジェズスとカイオの位置を入れ替えて後半に臨みます。
前に出がちとなるカイオの守備対応を活かすべくか、ないしは前半終盤の痛んだシーンの影響か。

結果的には前者の意味合いが強かったでしょうか、後半から仙台のビルドアップに対し、プレッシングの圧を強める長崎。
GKに対しても果敢に詰めにいきますが、それをいなして無効化しに掛かる仙台が依然として優勢を保ち。

後半5分、GK林と長澤がパス交換を続けたのち、右へと展開してからの前進。
パスワークでプレッシャーを剥がした末に、エリア付近での郷家のカットインがカイオに倒されて反則。
これで右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という好位置で直接フリーキックを得た仙台。
キッカー中島の直接シュートは壁に当たるも、尚も右コーナーキックで継続し(ショートコーナーを経て)中島からクロス。
手前でのジェズスのクリアがフリックとなり、ファーに流れた所を菅田がヘディングシュートしましたがゴール左へと外れ。

このセットプレーからの好機をモノに出来なかった仙台。
以降長崎が押し返し、こちらも地上からのビルドアップで前進を図る立ち回りに。
そして12分に右CKを得て、キッカー増山の中央へのクロスをジェズスが合わせヘディングシュート(ゴール右へ外れる)と、こちらもセットプレーからの一撃。
おまけにこちらには増山のロングスローも加わるので、この要素では長崎に分があるという感じに。

乱戦模様を象徴するかのように、14分に長崎の攻撃から、増山のエリア内へのパスがズレた事で仙台のカウンターに。
スルーパスを受けた鎌田がドリブルに入るも、敵陣に入った所で澤田のスライディングで止められ実りません。
すると直後には長崎がカウンターに持ち込み、カイオがパスカットからのドリブルで一気に右ポケットを突き。
シュート気味のクロスを2度続けたものの、ブロックとGK林のセーブでともに防がれこちらも実らず。

この読み辛い展開は歓迎かあるいは拒絶か。
仙台ベンチが先に動いたという事は、やはり避けたかったものだったでしょうか。
15分に鎌田・山田→加藤千・菅原へと2枚替え。
これにより中島がボランチに降り、郷家が中島の位置に回ります。

しかし試合が動いたのは、その変更が全貌を表す前でした。
交代直後、仙台の左スローインから再開すると、中島の斜めの縦パスを中央で受けたのは投入されて間もない加藤千。
切り返しを経てペナルティアークから放たれたシュートがゴール右に突き刺さり。
最初のワンプレーで見事過ぎる得点を挙げた加藤千により、同点に追い付いた仙台。

「追い付いた方が有利」という流れを固めたい仙台は、続く17分にゴールキックから短く繋いでビルドアップ。
前進→戻しの流れを経て左サイドから前進し、氣田が奥を突いてクロスに辿り着く(フィニッシュには繋がらず)という具合に、あくまでポゼッションによる攻めを貫く体制で勝ち越しを狙いにいき。
20分に敵陣まで運び、長澤が左→右へのサイドチェンジを前方スペースに送ると、小出は走り込まずに相手(米田)のクリアボールを拾う事で継続。
前半の連続攻撃のシーン然り、押し込まれる長崎は単純に跳ね返す事に執着していた感があり、小さなクリアを拾われてはその後も凌ぎを強いられる悪循環に。
そして右ポケットを突く姿勢から中央へ送られるチャンスとなったものの、郷家はシュートかパスか中途半端なキックにしてしまいゴール右へと逸れてモノに出来ず。

悩ましい展開になった長崎は、20分辺りからカイオとジェズスが再度位置を入れ替えるに至りカイオがボランチに。
そしてロングボール主体に舵を切った事で、敵陣でスローインを得ては増山が(長短交えて)投げ込むという流れで何度か好機を作ります。

26分に再度交代敢行する長崎。
澤田・松澤→岡野・高橋へと2枚替えし、彼らをSBで投入する事で増山・米田をSHに上げる策を採り。
同時にまたもカイオとジェズスが位置を入れ替えと、ポジションチェンジも極まれりといった格好に。

29分に仙台が好機を迎え、右サイドでの前進から郷家のクロスが流れるも、拾った氣田のカットインに繋がり。
そしてポケット奥からGKの眼前に迫り、マイナスのクロスを入れたもののディフェンスを掠めた事で流れてしまいます。
これを拾った長崎がカウンターを仕掛け、ジェズスの(フアンマのポストプレイを挟んでの)中央突破で一気にバイタルに持ち込みましたが、米田への浮き球パスは遮断されて繋がらず。
決定機になる一歩前という所で終了と、お互いもどかしい流れを描き。

しかし仙台の攻めの流れは、前回同様長澤の交代で途切れてしまい。(エヴェルトンと交代・同時に秋山→キムテヒョンへと交代、30分)
サッカーに欠かせないキープレイヤーが、スタミナ面で常時交代を強いられる辛さを味わう現在の仙台。

ここから長崎が攻め込み始めるも、「勝たなければならない」という思い故にそれは悲壮感に包まれたものとなり。
38分、鍬先ロングパス→岡野落としを経て右サイドでボールを持ったジェズス、溜めてクロスを上げたのち後方から走り込んだ鍬先が再度落とし。
中央のフアンマが足を振り、ディフェンスに遭いこぼれた所を岡野がシュートと波状攻撃を仕掛けますが、福森のブロックに阻まれ。
続く39分にはスルーパスを受けた米田が左奥からカットイン、中島と交錯してこぼれるも、後方から鍬先が走り込んでシュート。
しかしこれもエヴェルトンがブロックと、どうしても決められません。

そして41分、最後の交代カードを使う長崎。
復帰したてのエジガルの投入に踏みきります。(鍬先と交代・同時に増山→名倉へと交代)
これでフアンマ・エジガルを2トップとした純正4-4-2へとシフト。

劣勢の仙台、43分にGK林のロングフィードからの攻撃で、右からカットインでポケットを突く菅原。
白井に倒されこぼれる(反則無し)も尚も繋ぎ、エヴェルトンが中央からシュートするも櫛引がブロック。
終盤故に、仙台もポゼッションに拘る余裕は無くなり。

そして迎えたアディショナルタイム。
フアンマ狙いのロングボールの比重が高まる長崎でしたが、最後はドリブル突破で道を切り開きます。
名倉が反転で前を向き左ハーフレーンを突進し、米田のポストプレイを挟んでなお奥へ切り込み。
ディフェンスでこぼれた所を高橋がダイレクトでクロス、ファーに上がったボールをエジガルが折り返し。
完璧な流れで中央のフアンマに送られると、放たれたヘディングシュートがゴールバー下を叩いてゴール内へ。
落ちた跳ね返りをすかさずGK林が抑えるも、ラインを割ったとの判定でゴールが認められます。
微妙な雰囲気から一転しての歓喜が、苦労の末の勝ち越しに色を加える結果となりました。

残り時間は極少ながら、直後のキックオフでの仙台の攻撃。
ロングパス→菅田落としを左サイドで拾った菅原がカットインから前進し、ポケットを突いてシュート。
GK波多野がセーブしたのちボールを抑えるという具合に、最後まで気を抜く事は許されない長崎。

そして無事にやり過ごし、試合終了の時を迎え。
2-1で勝利に辿り着いた長崎、勝ち点2差を保って最終節に望みを繋ぎました。
欲しかったであろうムードを高める劇的な幕切れに、試合後のセレモニーも挟まれた事で、勢いを嫌でも付けなければならない展開に。
その最終節の相手は千葉で、一方の甲府は同じくPO圏を争う山形という直接対決。(ただし千葉は今節でPO圏が確定)
よって、勝利に加えて甲府vs山形が引き分けという厳しい条件が付加される事となり。(得失点差では現段階で勝っているのでそれだけでOK)
どんな結果が齎されるか、神のみぞ知るといった所でしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第40節 ファジアーノ岡山vs栃木SC

2023-11-02 16:11:54 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(36節・磐田戦、2-1)
※前回の栃木の記事はこちら(35節・千葉戦、0-1)

<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン

<栃木スタメン>

  • 新人の高嶋が初のスタメン出場。

残り3試合と今シーズンも大詰めですが、この段階で「昇格も降格も無し」となったクラブが皆無という縺れぶり。
そんな状況故に、昇格争いの瀬戸際と、残留への扉を開けるのにあと一歩のクラブの対決が発生するのはある意味必然か。

岡山は前回で上位の磐田相手に競り勝った事で、昇格に向けて上げ潮モードといきたかったですが、続く千葉戦でそれを完膚なきまでに潰されてしまう大敗。(0-5)
ここからプレーオフ圏を追い掛ける戦いを強いられたものの、以降も未勝利と厳しい局面になってしまい。
一方の栃木も、一時は12位で残留まで残り僅かとなった所で4連敗を喫するという具合に、芳しくない歩みとなっている両クラブ。

ともに久々の勝利が欲しいという状況で始まった試合。
やはりそれに向けた思いが先走るかの如く、ロングボールの蹴り合いで入る事となり。
そしてお互いFWに強力な助っ人が控えるのを活かす立ち回りに。
前半4分裏へのロングパスに左サイドで抜け出したチアゴですが、追いすがった石田と縺れて倒れ込み受けられず。(反則無し)
5分に今度はイスマイラが裏へと走り込み、ロングパスを受けにいったもののこちらも柳を倒してしまい反則と、ともに相手ディフェンスとの対応で難儀する結果となります。

その威力が発揮されたのが12分で、こぼれ球を拾ったチアゴがドリブルに入り中央を突破し岡山の好機。
そのままエリア内へ切り込んでシュートを放ちましたが、高嶋のブロックに遭い先制ならず。

マンパワーを盾として攻撃権を支配したい岡山でしたが、その後はビルドアップvsプレッシングの争いで難儀する事となり。
栃木はハイプレスを掛けるものの、頂点のイスマイラがアンカーへの切り方が甘く(それ故自身が輪笠に付いて他選手に任せる事もあり)、輪笠へパスを通す隙は十分に得られた岡山。
しかしいざ輪笠がパスを受けても、その先に渡す事が出来ずに時間を浪費していきます。
この日は高萩がボランチに・西谷がシャドーに入るなどやや変則的な前線の守備となっていた栃木。
ベテラン・高萩が統率するディフェンスが絶妙だったのか、ないしは岡山サイドの2列目やウイングバックのポジショニングが悪いのか。
何度か坂本が降りてボールを受ける場面はありましたが、次第にそれも無くなっていくとパスを繋ぐ道筋は無くなったと言って良い状態に。

22分、GK堀田からの繋ぎで左サイドに渡し、その坂本の降りを利用して前進に成功。
右からの輪笠のクロスの跳ね返りを拾い、さらに攻撃せんとした所で田部井が(佐藤に)反則を受けてフリーキックに。
この左サイド奥からのFK、クロスを選択するも防がれ今度は左コーナーとなり、再びのクロスがニアサイドへ。(キッカーは全て田部井)
跳んだ鈴木を越えた奥で田中が合わせヘディングシュート、これをチアゴがコースを変えんと詰めた結果、(スルーされて?)ゴールに吸い込まれます。
しかしチアゴがオフサイド判定に引っ掛かり、残念ながら無効となり。

甘さも見られる栃木のプレッシング故に、こうして好機も作れていたものの、30分頃からはそれも潰えてしまい。
イスマイラが前に出ると、空いたアンカー輪笠に対しボランチが出て行って詰め、輪笠に前を向かせない姿勢を取り始めた事で機能不全となるビルドアップ。
そしてペースを握る栃木、こちらも脅かすのはセットプレーが中心に。
33分にプレスを嵌めてカットに成功した西谷が田部井に倒され、右サイドからのFK。
中盤寄りの位置で放り込みを選択するキッカー石田、左ワイドへのロビングを福森がエリア内へと折り返し、拾ったイスマイラが反転しながらシュート。(ブロック)
直後の35分には石田が右からロングスロー、ニアでのイスマイラの落としでエリア外へ流れた所を大森がミドルシュート(エリア内で高木がブロック)とフィニッシュへの道筋を作っていきます。

ディフェンスを物ともしないイスマイラの威力に、岡山ディフェンスもそのダメージで頭の中が掻き回されていたでしょうか。(38分にはクロスを合わせにいったイスマイラに鈴木が倒されて反則、イスマイラに警告)
その矢面に晒されていた柳は39分にあろう事か、自身のボールキープの最中に転倒してしまいボールロストする致命的なミスを犯し。
こぼれたボールを大島が繋ぎ、受けた西谷がペナルティアークからシュートと決定機に結び付きましたが、放たれたシュートはゴール左へ外れて何とか命拾い。

先制点に近付いたような栃木ですが、こちらも40分に平松がチアゴにアフターチャージを受けた事で思わずヒートアップしてしまうなど、その威力によるプレッシャーは常時抱えており。
そしていくら攻撃権を支配したといっても、その軸は強さを押し出してのものでアバウトな攻撃が中心。
アディショナルタイムには石田のロングスロー自体が乱れて直接ゴールラインを割るなど、セットプレーでもその粗雑さは荒ぶりを見せてしまいます。

結局スコアレスのまま前半が終了。
押し込まれた岡山は、前節(山口戦、2-2)同様に輪笠をハーフタイムで退かせる交代策を採り。
同時に2枚替えして輪笠・坂本→バイス・ムークへ交代、バイスが最終ラインに加わった事で本山がアンカーに上がるという微調整も加えます。

後半の入りも中々リズムが作れない岡山でしたが、後半4分に右サイドから前進。
ムークが降りてパスワークに加わると、右センターバックに移った柳も攻撃参加し、最後は末吉の戻しを受けて奥に切り込んでクロスまで上げた柳。
ブロックされてCKと成果を得ましたが、この右CKからはクロスが上がったのちに反則を取られて実らず。
7分に今度は左サイドから、バイスのミドルパスに入れ替わった田部井がさらに裏へミドルパスで奥を突かんとする攻め。
これで左CKを得て、キッカー田部井のファーへのクロスを柳がヘッドで合わせたものの枠には飛ばず。
アンカーを省略するような攻撃へと活路を見出したでしょうか。

しかし押し込むものの盤石とはいえないその流れ。
栃木は9分にゴールキックからのロングフィード、セカンドボールを拾っての攻撃をCKに繋げ。
そしてこの左CK、キッカー福森が中央にクロスを上げると、柳がクリアするもフリック気味になってしまいファーサイドへ流れ。
これを高嶋が折り返して再度中央へ送られると、ヘディングシュートでゴールを揺らしたのはイスマイラ。
前半から得ていたセットプレーでの流れは健在であり、とうとう先制点に辿り着きました。
一方栃木は前半のシーン程大きくは無いが柳のミスが絡んでしまい、後ろでGKもパンチングにいっていただけに任せて良かったかもしれません。

追い掛ける立場となった岡山。
最終ライン中央のバイスから攻撃開始する状況が増えましたが、やはりサイドに追いやられての前進を強いられ。
12分にそのバイスの右への展開を田中がダイレクトで縦パスを送り、ムーク→チアゴと渡って好機。
そしてエリア内を突いたチアゴがシュートを放つも、GK藤田にキャッチされ実りません。

逆に14分、再びGK藤田ロングフィード→イスマイラ落としからの攻撃でCKに繋げる栃木。
この左CKから、ゴールへ直接向かうクロスを連続して上げるキッカー福森。
あわよくば2点目を、という意識を感じさせる攻撃ですが、ロースコアの接戦のなかリードしている状況故にそれは相当なプレッシャーであり。
糸口を掴みたい岡山、16分にチアゴ→ルカオへ交代し前線の駒を代えて挑むも流れは変えられず。
17分に敵陣右サイドでカットした栃木、その流れのまま反則を受けて今度はFKに。
クロスの跳ね返りから、右ハーフレーンで拾った高萩のミドルシュートがゴールを襲いましたがブロックを掠めて左へと外れ。
しかしCKで継続(ここからもクリアボールを石田がミドルシュート、ブロック)と、セットプレーで押し込まれる岡山。

何とか流れを断ち切るも、今度はリトリート重視へと意識を移す栃木ディフェンスに難儀する状況を強いられます。
中央から運べないので、アンカー本山もサイドに流れてパスワークに加わり前進を図りますが、フィニッシュに繋ぐ事は出来ず。
23分に高木→木村へ交代、木村が右WBに入った事で末吉が左に回り。
効果が出ないまま次々にカードを切るだけ、という感じの采配に映りましたが、結果的にこの策が後に奏功する事となり。

以降も大まかな流れは変わらず、それどころか栃木のカウンターが牙を向き始め。
23分に田中のスルーパスがカットされると、矢印を反転させられ大島が前進からスルーパス、走り込んだイスマイラが柳をフィジカルで剥がして受けた事でGKと一対一の決定機が生まれます。
しかしエリア内に切り込み左にかわさんとした所を、GK堀田が抑えるビッグセーブでこれを防ぎ。

再び何とか命拾いといったシーンを演じてしまった岡山。
それでもその後栃木は、高萩と西谷の位置が入れ替わるという、高萩の燃料切れが露骨に示される布陣を取り。
そして28分にその高萩が退き小堀と交代、同時にイスマイラ→宮崎へ交代と、やや後ろ向きな感じの交代策を強いられたでしょうか。
同時に岡山も最後のカードを使い、本山→仙波へと交代。

この日3人目のアンカーとなった仙波は、フィードで組み立てる姿勢を取り。
それにより両WBもスムーズにアタッキングサードでボールを受けれるようになり、ようやく反撃の道筋は整った、という所でしょうか。

左に移った末吉の仕掛けが目立ち始め、優勢になっていく岡山。
そして35分右サイドから中央→左へと移すと、鈴木縦パス→田部井フリックで素早く末吉に繋ぎ、奥を取ってカットインを仕掛ける末吉。
付いていった高嶋がボールを外に掻き出すも、アフターで末吉の脚を引っ掛けて倒した事により反則を告げる笛が鳴り響きPKに。
栃木サイドにとっては「先にクリアしたじゃないか」という意見が飛び出しかねない場面でしたが、「決定機阻止」よりは「ラフなプレー」の意識が先に立った主審(川俣秀氏)の判断だったでしょうか。
このPKはバイスが蹴りにいき、決められなければ地獄というこのキックを、冷静にゴール右へ蹴り込んでGKの逆を突き。
同点に追い付き、そのバイスがGK藤田の妨害を制してボールを拾い素早く戻しにいき、文字通りの総攻撃に入る岡山。

しかし栃木も勝利が欲しいのは変わらずで、前に意識を戻した事により、俗に言うオープンな展開に。
40分には栃木がカウンターに持ち込むも、ドリブルで運んだ宮崎がエリア内で奪われると逆に岡山のカウンターに。
末吉のスルーパスをルカオが収められずと、カウンターのカウンターという激しい流れとなるも、繋ぎの粗雑ぶり目立ち始め。

栃木は38分に大森・石田→ラファエル・福島へと2枚替え。(高嶋が右CB→左CBへシフト)
45分に大島→矢野へ交代と、カードを切っていったものの流れを変えるには至りません。

岡山はパスワークで押し込み、その流れの中で柳もエリア内へ入り込む状況が増えていきますが、それが実る事は無く。
突入したAT、岡山も木村がロングスローを投げ入れる等、形振り構わない姿勢に入ります。
そのロングスローからの二次攻撃で、右サイド奥でボールを持った木村がカットイン、そしてクロスを低いボールで入れ。
ムークの手前でクリアされ、小さくなった所を鈴木がシュートに繋げましたがブロックに阻まれ。

結局フィニッシュはこれだけに終わり、粗雑ぶりがさらに高まった事で好機の数自体も多くなかった5分間のAT。
1-1のまま試合終了の笛が鳴り響き、崖っぷちに追い込まれた岡山と、残留を決められなかった栃木の文字通り痛み分けの結果に終わりました。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第40節 ジュビロ磐田vs東京ヴェルディ

2023-10-31 16:01:45 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の磐田の記事はこちら(36節・岡山戦、1-2)
※前回のヴェルディの記事はこちら(38節・大分戦、1-0)

<磐田スタメン> ※()内は前節のスタメン

<ヴェルディスタメン>

  • 長期離脱していた梶川が8節以来の復帰、ベンチ入り。同じく深澤も11試合ぶりに復帰、ベンチ入り。

自動昇格枠を巡る3つ巴の対決。
清水・磐田・ヴェルディという3クラブの顔ぶれを見て、「ああ、昔の名門の揃い踏みなんだな」と「クラブ規模で劣るヴェルディが頑張ってるな」とどちらの思いが先に立つか。

そんな訳で、清水と磐田が一年でのJ1復帰を目指している中、割って入って異彩を放っているヴェルディ。磐田の一年間新規登録禁止も別の意味で異彩ですが
2008年以来16年ぶりのJ1を目指す、過去の栄光は何処かに置いて来たという状態であり。
その15年間で様々な事があり、クラブ維持すら覚束なくなる状況もありましたが、ノスタルジックに浸るのはシーズン終了後で良いでしょう。
前節(千葉戦、3-2)は終盤奇跡的な逆転勝利を演じたものの、その得点は決して綺麗なものでは無く。
サイドからのクロス攻勢を執拗に貫き続ける、まさに執念の一言で勝ち点3を奪いました。
それでも追い掛ける立場は変わらず、尚も奇跡が必要ならば起こし続けるしかない中で、アウェイ・ヤマハスタジアムに乗り込み。

試合が始まると、共に目標の2位しか視野に無いというような入りとなり。
つまりはボールに対する激しい寄せと、それをとにかくかわすべくのラフなボールの蹴り合いという絵図が描かれます。
その副作用というべきスローインの量産から、磐田は前半5分に好機。
右サイド奥での執拗な繋ぎを経て、スルーパスで右ポケットへ走り込んだ松本がクロス、逆サイドへ流れた所をドゥドゥが再度クロス。
これをジャーメインが合わせたものの、放たれたヘディングシュートは左へ逸れて先制はなりません。

原始的なぶつかり合いを経て、抜け出すのは個人の力に勝る磐田か、ないしは前節同様の乱戦に持ち込まんとするヴェルディか。
そんな展開を想像していた刹那、ファーストシュートを放ったジャーメインをアクシデントが襲います。
こぼれ球を追い掛けていったジャーメイン、林との交錯で倒れ込むと、その際に足を変に捻ってしまった影響で動けなくなり。
これから試合を動かす(放送席でもこの日の注目選手として扱っていた)どころか、早々に途中交代を余儀なくされる無念の一日となってしまいました。
代役の1トップには後藤が起用され。

そんなトラブルもあり、白兵戦のなかペースを握らんとするヴェルディ。
度々起こるデュエルにより、例によって磐田は松原が苛立ちを隠せないという様相を見せるのを尻目に先制を狙い。
15分に染野の前進が鈴木雄に反則で止められ、中央からの直接フリーキック。
距離は結構あったため、キッカー中原は放り込みを選択すると、その染野がヘディングシュートを放ちましたがGK三浦がセーブ。
以降も攻め上がるヴェルディ、敵陣で攻撃が途切れてもすかさずのゲーゲンプレスで磐田に主導権を渡さず。
19分には左サイド深めで磐田がボールを確保し、凄まじいプレッシャーを受けるなかドゥドゥがヒールパスでそれを脱出させるという苦しそうなシーンも見られ。

それ故に先に試合を落ち着けようとしたのは、当然ながら磐田。
中々ボールを繋げられれない中で、23分頃から鹿沼・上原のドイスボランチが縦関係の位置取りを見せる等、ビルドアップでの修正を図り。
25分での繋ぎは、最終ラインで中央→右→中央と渡し、左を窺う姿勢からグラッサが中央へ斜めの縦パス。
山田大フリック→後藤ポストプレイ→松本と渡って左へ展開し松原が前進に入るというもので、ヴェルディの最前線に中央への意識を高めさせたうえでサイドを激しく振りにいったでしょうか。
結局ここでの攻撃は、左サイド奥まで進んだもののそこからの繋ぎを遮断されて実らず。

ビルドアップの下地を作らんとした磐田ですが、28分にはドゥドゥが敵陣で反則気味にボール奪取してショートカウンター。
拾った上原がドリブルでそのままエリア内を突いてシュート(ブロック)と、やはり最短距離での攻撃の方が効率は良く。
しかし防がれた結果ヴェルディがカウンターに持ち込む(河村が右サイドでドリブルからカットインを経て、こぼれた所を稲見がミドルシュート・枠外)という具合に、反動の怖さが常に付きまといます。

その後はヴェルディもボール保持の時間を増やす等、常時ハイテンションな姿勢を貫く事は不可能であり。
お互い落ち着きを見せた事で、30分台はフィニッシュが放たれる事は無く、前半も終盤戦へ。

43分の磐田、右サイドで鈴木雄のミドルパスを山田大が収め、その後戻しを経て鹿沼縦パス→松本ポストプレイと同サイドで上下に激しく振り。
そして中央への展開を経て、ドゥドゥがペナルティアークからシュートを放ちましたがGKマテウスのセーブに阻まれ。
しっかりとした組み立てで好機を作り、その後のコーナーキックではクリアボールを拾った齋藤のハンドをアピールするもPKとはならず。
ヴェルディもアディショナルタイムに、GKマテウスからショートパスの連続で左サイドを前進。
加藤の縦パスはカットに入られるもそれを拾って継続と、繋ぎの分野でも泥臭さを見せていき。
そして入れ替わりで左奥を取った稲見がマイナスのクロス、クリアボールを拾ったのち再度の齋藤功のクロスもクリアされてCKに。
ここからの二次攻撃でも長らく繋いだ末に再度左サイド奥を取った齋藤功がクロス、ブロックで方向が変わるも加藤→稲見と経由し、河村がシュートに辿り着き。(ブロック)
終盤にはお互いパスワークから好機を作る流れとなるも、得点は入らず前半を終えました。

共にハーフタイムでは交代無しを選択する中、1時間前のキックオフとなった2位・清水は(熊本に)敗戦という結果に。
これにより文字通り2位浮上がかかる試合と化した中で、迎えた後半。
磐田はキックオフからの攻撃でGK三浦が左へロングフィード、これを後藤が足を伸ばして繋ぎ、拾ったドゥドゥがクロス(クリア)と形にします。
ここから磐田がペースを握り、最終ラインが受けるヴェルディのハイプレスもいなして好機を作り。
次々とアタッキングサードまで進入していき、ヴェルディを守勢に追い込みます。
後半4分には一旦攻撃が途切れるも、伊藤槙が前に出てボール奪取し継続、CKを得るなど得点まであと一息という状況に。

しかしこの右CKから齎されたのは、ヴェルディの得点でした。
キッカー上原はニアに低いクロスを入れ、中央へ流れた所をグラッサが拾い。
2タッチ目でポストプレイしたものの、ダイレクトでの叩きをシュートにいくつもりで足を振ったドゥドゥは空振りしてしまい。
すると拾った中原がドリブルした事でヴェルディがカウンターに突入し、中央を一気に切り裂いた末に左ポケットにスルーパスしたのちも走りを止めない中原。
走り込んだ齋藤功の折り返しをそのまま合わせシュート、GK三浦がセーブした跳ね返りをすかさず詰めたのは、同じく止まるのを止めなかった林。
強烈なスピードで完遂させ、とうとう試合を動かしました。
磐田はゲーム支配に成功しつつあっただけに、助っ人2人の意思疎通の乱れが悔やまれる事となり。

反撃に掛かる磐田ですが、ビハインドとなった影響は大きく。
10分には右サイドで鈴木雄→松本のパスが遮断されると再度ヴェルディのカウンターとなり、カットした加藤がそのまま一気にドリブル。
そして左ポケットへのスルーパスに染野が走り込みましたが、ここはGK三浦が抑えて何とか防ぎ。
後半開始からここまで磐田の攻撃機会9度に対し、ヴェルディはカウンターの2度以外は全く無しと、「ゲームを支配するも、相手のカウンターに沈む」展開が現実のものとなりかけていたでしょうか。

しかしヴェルディベンチの方が先に動き、12分に齋藤功・河村→平・山田剛へと2枚替え。(加藤が左サイドハーフに上がる)
激しいサッカーを貫くのは、やはり消耗激しいものであり。
それを見る形となった磐田も、15分にベンチが動き松本・山田大→藤川・古川へと2枚替え。
2列目の立ち位置が一新され、右=ドゥドゥ・トップ下=藤川・左=古川となりました。

早速威力を発揮したのが古川の突破力で、17分に左サイドをドリブルで突き進み奥でカットイン、ポケットからマイナスのクロスを入れた事で好機を演出。(クリアされた後も繋ぎ、右からのクロスのクリアボールを松原が拾いシュート・ブロック)
19分にも左ポケットを突いてカットイン、今度は自らシュートを放った古川。(ブロックされたこぼれ球を上原がシュート・枠外)
その威力に掻き回される格好となったヴェルディ、すかさず加藤→綱島へと交代(森田が左SHへシフト)して守備を固めんとします。

その後23分に、再び磐田の攻撃をエリア内で切ったのち中原のドリブルでカウンターに持ち込むヴェルディ。
今度は早めの仕掛けを選択し、スルーパスに走り込んだ染野がダイレクトでロングシュートを狙う(右サイドネット外側)も惜しくも決められず。

しかし古川の突破力を警戒させた磐田は、逆の右からの攻撃を続け。
それが結実したのが直後の24分で、ドゥドゥの前進から中央へ展開し、受けた松原がミドルシュート。
GKマテウスにセーブされるもクリアボールをドゥドゥが拾い、カットインを交えながのパス交換でフリーとなった上原がポケットで持つ決定機に。
そしてワンテンポ置いて放たれたシュートが豪快に左サイドネットを揺らし、同点に追い付いた磐田。
古川の逆サイドでの攻めのみならず、彼がワイドで張るのを受けて松原が中央で好機に絡むという具合に、効果が最大限に発揮されたゴールだったでしょうか。

同点となった事で、地力に勝る磐田が(追い付いた勢いも得て)有利となったのは明らかであり。
28分には再び右サイドからの攻めでドゥドゥが奥を突き、ディフェンスに遭いスローインとなったのちも素早くリスタート。
受けた藤川がカットインでポケットを突き、マイナスのクロスをニアで合わせたのは古川。
しかし放たれたシュートは右サイドネット外側と、惜しくもモノに出来ず。
ヴェルディは劣勢をカバーせんと、磐田のボール保持に対し一層圧力を掛けてプレッシャーにいき。
それでも32分にはGK三浦からの繋ぎで、磐田選手はそれを縦パス→ポストプレイなどのダイレクトプレイで紙一重でいなしていくなど、「各人の頑張りで戦力差を埋める」行為の限界も露わになり始めます。

最早守勢のなか凌いでカウンター、というのが唯一の勝ち筋に見えたヴェルディ。
32分にその通りにカウンターチャンスが訪れ、クリアボールを拾った鈴木雄のトラップ際を山田剛が奪って抜け出す絶好機。
そして脇を追い越す染野にスルーパスを送ったもののオフサイドを取られてしまい、染野はそのままエリア内でグラッサを剥がしシュートまで放ったために警告を貰い。

磐田もヴェルディのハイテンションぶりに応戦してきた結果か、ここから急激にペースを落とし。
パスが繋がらなくなり、中盤~自陣でカットされてショートカウンターを浴びるシーンも増え始めます。
ヴェルディサイドも、39分に森田が上原との激突で痛んで2分近くも倒れ込む事態が発生したためか完全には流れをモノに出来ず。
終盤には前述のカウンターチャンスも何度か見られましたが、スルーパスの精度も乱れがちで疲労度の高さを感じるのみに終わります。
その終盤のベンチワークは、磐田は42分に鹿沼・ドゥドゥ→藤原・ゴンザレス。(後藤・ゴンザレスの2トップによる4-4-2に)
ヴェルディは43分、森田・林→梶川・山越。

勝負のATも目前に迫った所で磐田が、縦パスに入れ替わったゴンザレスがエリア内を窺う好機を迎え。
しかしクリアに入った山越をチャージする結果となり、得点どころか警告を受ける事となったゴンザレス。
その山越も1分以上倒れ込むに至った事で、目安(6分)よりかなり長めになるのが予想されたAT。

古川のドリブルを反則チャージで阻止した谷口も警告を受ける等、劣勢ぶりは隠せないヴェルディ。
しかし磐田もパスの精度を欠き、強引な繋ぎに活路を見出す他無く。
ヴェルディのクリアを鈴木雄がヘッドで跳ね返すと、藤川が逆向きでのヒールでダイレクトで裏へ送り、それを後藤が受け。
ディフェンスに遭い倒れるも、こぼれたボールをゴンザレスが拾いシュートを放ったものの、これも後藤がオフサイドを取られた事で無効となります。
その後ヴェルディにもGKマテウスのロングフィードからエリア内へ運ぶ(中原が左ポケットからクロスも繋がらず)シーンが見られるなど、乱戦に相応しい様相に。

そして7分台が近付いた所で、試合終了を告げる笛長り響きます。
熱狂ぶりが冷めやらない状態故に、そのATが短いという異議が磐田・横内昭展監督、ヴェルディ・城福浩監督の双方から飛ばされる事態となり。(審判団の言い分(予想)は、山越が倒れたのはATに入る前だった事で既に加算済みだったという所でしょうか)
お互い2位浮上のチャンスを失ってしまった状況も手伝った、珍妙な絵図となりましたが、引き分けで終了という事実は変わらず。

勝ち点差が1となったものの順位は変わらなかった3クラブ。
残り2試合の相手は、3クラブとも水戸・栃木・大宮のいずれかという運命の悪戯に。
相手サイドにも3すくみが生まれるスリリングな日程となりましたが、運も味方にして2位となるのは何処か。

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