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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第40節 清水エスパルスvsロアッソ熊本

2023-10-30 16:01:55 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の清水の記事はこちら(37節・藤枝戦、0-2)
※前回の熊本の記事はこちら(34節・藤枝戦、0-2)
※前回対戦時の記事はこちら(20節・熊本 0-1 清水)

<清水スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • この試合に勝てないと首位・町田の優勝が確定。勝利しても、町田が今節勝利すれば優勝確定。
  • 森重の負傷が発表され、10/18に発生して全治3ヶ月との事。
  • 加藤の負傷が発表され、9/3に発生して全治10ヶ月との事。

<熊本スタメン>

  • 平川の負傷が発表され、34節に発生して全治3週間との事だが既に復帰済み、今節もスタメン出場。
  • 38節(徳島戦、1-0)で負傷交代した大本の詳細が発表され、全治約4週間との事だが、今節復帰してベンチ入り。
  • 大崎の負傷が発表され、10/1に発生して全治3週間との事だが、今節復帰してベンチ入り。

天皇杯では準決勝で敗退となったものの、何とか残留まで後一歩の所までこぎ着けている熊本。
ゴール裏サポーターにも「OURS BOSS」と称される程の拠り所絶対的存在感となっている大木武監督。

その大木氏、過去にこの日の対戦相手である清水の監督を務めていたという事実は果たして世間にどれだけ認知されているか、という事をふと考えてしまい。
始めて監督に就任したのが甲府で、見事初のJ1昇格に導く大業を成し遂げたものの、その時は再就任であり。
2002年・2005年の間の空白期間に一年だけ清水の監督を務めた(2003年)ものの、J1という舞台で結果を出す事が出来ず、シーズン終了を待たずして解任。
以降2期目の甲府・京都・岐阜そして熊本と監督業に邁進する中、この清水時代のみ不本意な成績と異質に映る事となりました。
かくして優秀な人材でもその力を発揮出来ない、近年の清水の負の空気はこの頃から顕在していたのではないかという疑惑が浮かび上がり。

そんな空気を振り払いながら、J1復帰を目指す戦いを続けている今季の清水。
シーズン序盤で途中就任した秋葉忠宏監督のキャラクターは、まさにそれにうってつけの人材といえたでしょう。
それでも「圧倒的個の力」に相応しい成績とはいえず、今節終了後にも首位・町田に優勝を許してしまう状況であり。
何とか自動昇格を確定させたいという戦いの終盤戦。

試合が始まると、その個の力に対し熊本は対抗姿勢を見せるものの、それが反則チャージという形に表れてしまい。
特に降りてボールを受けるサンタナに対し、岡崎が激しく食い付いて防がんとするなど、必死の形相で食い止めに掛かります。
しかし前半3分、乾に対する大西の反則で清水が左サイドからフリーキックの好機。
キッカー山原のクロスに対し中央で高橋・鈴木のセンターバックコンビが走り込むと、跳んだ高橋のヘディングシュートが鈴木の後頭部に当たってコースが変わるという2人掛かり?でのフィニッシュ。
意表を突いたものの、ゴールバーを直撃して惜しくもゴールはならず。
10分にも、山原のミドルパスに裏抜けした中山を岡崎が倒してしまい、これがエリアからすぐ手前という位置だったため絶好の直接FKを与える事に。
横位置は左ハーフレーンで、キッカーは同じく山原が務めて当然ながら直接シュート、ゴール上部を襲ったもののGK田代が辛うじてセーブ。

何とかセットプレーによる失点は避けた熊本でしたが、前回対戦時とは裏腹に、清水のビルドアップに対しプレスを嵌める事が出来ず。
この面は清水サイドがしっかり修正を図ってきたという印象で、前回はボランチが降りて3枚の最終ラインで、かつサイドバック双方が高い位置を取っての繋ぎ。
それが熊本の3トップ+トップ下にガッチリ嵌められ、「個の力vs組織力」で劣勢に映る要因となってしまいました。
しかしこの日はSBが上がらず、幅を取ってパスワークに加わる事で熊本はマーカーが曖昧となり。
天皇杯準々決勝・神戸戦(1-1・PK4-3)が顕著でしたが、純正4バックに対してのプレッシングに難が見られる熊本。
しっかり幅を取られると、特にウイングが中央かサイドかどちらにいくかの選択を迫られてしまい、そこから運ばれる隙が生まれ。

そんな状態により最終ラインから繋げる下地が生まれていた清水ですが、あくまで狙いは速攻との事であり。
前節(いわき戦、7-1)そのスタイルで最良の結果を出したとあり、またシーズンも佳境という時期で、昇格へ最後まで突っ走る状況を後押しする意味合いもあるでしょう。

一向に状況を改善出来ない熊本でしたが、20分に原のトラップ際を突いてボール奪取した松岡、そのまま原に倒された事で反則に。
これで得た左サイドからのFKで、キッカー平川のクロスを阿部海が合わせヘディングシュート、これでゴールネットを揺らしたものの残念ながらオフサイドに。

劣勢を跳ね返すチャンスは費え、迎えた25分。
ここも清水はGK権田からショートパスで繋ぐビルドアップを成功させ、縦パス→ポストプレイやサイドチェンジも交えながら右サイド奥へ運んだのち、一旦戻して作り直し。
そして左サイドに移したのち、またも山原縦パス→カルリーニョスポストプレイを経て空いた中央から崩し、乾のラストパスを受けた中山が反転しながらシュート。
ゴールネットを揺らし、しっかりと繋ぎ崩しきった攻撃で先制を果たします。

先制された事で焦りも見え始める熊本、そのビルドアップもまるで冴えず。
常時アンカー上村に対してサンタナが付く事で、サイドから運ばんとするも詰まりは避けられず。
27・28分に立て続けに自陣で奪われるなど、反撃どころか追加点の危機も膨らみます。

追い打ちをかけるように、36分に岡崎が足を痛めて倒れ、続行不可能となってしまい。
前節(町田戦、0-3)初のスタメンに抜擢されて間も無い岡崎、清水のクオリティ高い攻撃にかなり振り回されており、内容的にも無念の交代だったでしょうか。
江﨑が投入され、同じ3バックの中央に入り。

光明が見えない熊本ですが、その中でもビルドアップの際に、島村・松岡の両ウイングが中央寄りの位置取りをする等やりたい事は朧気ながら見え始め。
そして43分、島村が下がった所にそのスペースへ黒木がロングパスを送り、受けたのは上がっていた阿部海。
これで深さを取り攻撃開始、戻しを受けた伊東の中央へのパスを竹本がスルー、受けた平川が右ポケットへスルーパスと細かい繋ぎ。
そして走り込んだ島村のシュート気味のクロスをファーで伊東が合わせヘディングシュート(枠外)と、この日初めてといっても良い有効打を放ちます。

一度成功体験を得れば、結果が出るのも早く。
アディショナルタイム、左サイドでスルーパスを受けた松岡がポケットへ切り込んだ事で得た左コーナーキック。
キッカー平川はニアサイドにクロスを送り、阿部海が捉えてヘディングシュート。
GK権田がセーブするも、その位置はゴール内という事でゴールが認められます。(その後詰めた伊東のシュートがネットを揺らしたためどちらにしろゴール)
ワンチャンスを活かした格好の同点弾でしたが、その道筋は事前に得ていた熊本。
終了間際に追い付くという最高の流れで、前半を終えました。

そして後半が始まると、熊本が内容を改善し押し込み始め。
後半2分に早速平川が敵陣右サイドでボール奪取し、細かな繋ぎを経て阿部海が奥を突き低いクロス。
ニアサイド奥での伊東のポストプレイを経て平川がシュート、ブロックされ左へ流れた所をさらに松岡がシュート(枠外)と波状攻撃。

課題だった前線の守備は、前半はボランチを切る事が多かった平川が最終ラインのプレッシャーに加わり。
これでWGもサイドまでチェイスできるようになり、その分後方の選手の連動もスムーズとなった事で、逆に清水がビルドアップに難儀する展開となります。
それでも5分の清水、自陣でのスローインからダイレクトでの繋ぎを経て、乾のスルーパスを受けたカルリーニョスがドリブルに入り。
そして一気に左ポケットを突いてそのままシュート(サイドネット外側)という具合に、個の力に屈しかねない雰囲気は健在でしたが。

前半の終盤に良い流れを作った阿部海、後半も高い位置で攻撃に絡み。
大本の離脱(この日復帰)が右サイドでの攻撃力減退の要因と思っていましたが、この日ようやく形になって来た感がありました。

そして11分、ここも右サイドからの前進で奥を窺う熊本、一旦戻して中央からの攻め。
松岡パス→伊東スルー→島村という流れでチャンスエリアを突くも、ここで奪われてしまいホナウドがドリブルに。
しかしすかさず戻った島村が奪い返すと、間髪入れずにエリア内へスルーパスを出し、走り込んだ平川がシュート。
小さくループさせて前に出たGK権田を抜いてのゴールゲットで、逆転を果たします。

勢いに乗る熊本は、直後の清水のキックオフからの攻撃も敵陣で遮断し好機に持ち込み。
左奥での細かな繋ぎから、逆サイドから張り出してきた島村がポケットを突いてマイナスのクロス、受けた上村がシュート。
ブロックに遭うも、すかさず拾った上村の再度のシュートもブロックに阻まれ、さらに平川が追撃しシュート(ブロックに当たり枠外)と3連撃。
その後のCKでも二次攻撃で島村が右ポケットを突くなど、執拗な攻めを続けて形成はすっかり逆転といった展開に。

苦しくなった清水、15分に中山→北爪へと交代。
前回同様、後半途中からの3バックへの変更(3-4-2-1)で流れを変えんとします。
しかしこれで熊本サイドも、清水の3枚の最終ラインに3トップを当てるだけで良くなるという具合に、良好なプレッシングが保たれる事に。

こうした状況では、ビルドアップを修正してボール保持の道筋を整えるべき、というのが個人的な感想であり。
しかし清水はここから速攻狙いの意識をさらに強めた節があり、それが追加点に直結する事となります。
焦って縦パス・ミドルパスを送らんとしては、熊本がそれを立て続けにカットして好機を作ったのが20分。

これを見た秋葉監督、修正を図らんとしたのかサンタナ・カルリーニョスを退かせる交代策を準備します。(個の力での打開を諦めたのがその修正に映った)
しかしその手は間に合わず、22分にも敵陣でのボール奪取から好機を作る熊本。
一旦カルリーニョスに奪われ途切れるも、そのカルリーニョスのドリブルがすぐさま竹本に奪われてしまい継続。
そして伊東のミドルシュートが炸裂し、ゴールネットを揺らします。
浮足立つ清水の隙を突く組織力を、豪快な個人技で締めての追加点となりました。

これでキックオフ直後での交代となった清水、サンタナ・カルリーニョス→北川・神谷へと2枚替え。
その後も24分にパスミスから危機を招き、島村のミドルシュート(ゴール左へ外れる)で脅かされる等苦境は続き。

流れを変えたい清水、26分に松岡のプレッシャーが甘くなった所を右サイドから運び。(シュートまでは繋がらず)
熊本の前線にもやや疲労が見られ、ここからポゼッションを高めて反撃体制に入る流れとなります。
(29分にホナウド・山原→宮本航・岸本へと2枚替え)

29分に中央を縦パスの連続で突き、北川のラストパスから乾がシュート体勢に入ったもののディフェンスに遭い撃てず。
33分には執拗にエリア内を窺う攻撃の末に、右から上がった原のクロスを北川が収めてボレーシュートの体勢に。
しかしトラップ際を江﨑にクリアされ、その勢いのまま江﨑を蹴る形となってしまい反則を取られて終わり。
ボックス内で好機を作っても、熊本最終ラインの粘りもこの日は凄まじく。
35分にも決定機を迎え、原のクロスをボレーで合わせにいった岸本が空振りするも、奥で乾が拾いエリア内で継続。
最初のシュートこそブロックされるも、すかさ中央へ横パスを送り、放たれた北爪のシュートをコース上で北川がフリックで流し込み。
決まったと思われましたがライン寸前で伊東がブロックして防ぎ、どうしても熊本ディフェンスを上回れません。

2度目の交代を我慢し長く引っ張った熊本、36分にようやく竹本・上村→大本・田辺へと2枚替え。(田辺はアンカー、大本は左ウイングバック)
41分に伊東・島村→粟飯原・東山へと2枚替えと、勝利を確実なものにすべく運動量を担保していきます。

そしてゴールを奪えないまま、最終盤を迎えた清水。
採った手は鈴木・高橋を最前線に上げてのパワープレイで、左WBに移った乾から、幾度となく彼らが合わせるべくのロングボールが上がり。
その中で、手前から上がったクロスをファーサイドで鈴木が合わせにいき、GK田代が跳び出して弾いた所を神谷がボレーシュートと繋がったものの枠を捉えられず。
負けられない戦い故に、形振り構わないというその姿勢も報われる事はありませんでした。

結局1-3のまま試合が終わり、熊本が勝利。
一方で敗戦した清水により、首位に立つ町田の優勝が試合前に確定する事となりました。
初の昇格に沸く傍らで、降格した名門クラブが死に物狂いで一年での復帰を目指すという、J2初期(2000年代前半)のリーグ戦らしい様相にも見える今季。
浦和もセレッソも広島も辛うじての2位昇格を強いられた、あの頃を思い出させるノスタルジックぶり、とは言い過ぎでしょうか。(自動昇格を争っているのが磐田・ヴェルディというのも拍車を掛ける)

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第39節 ツエーゲン金沢vsモンテディオ山形

2023-10-25 16:05:44 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(再試31節・群馬戦、1-1)
※前回の山形の記事はこちら(37節・徳島戦、0-1)

<金沢スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • この試合が降格リーチ。(※)引き分けなら熊本が引き分け以上and山口と栃木がともに勝利で降格決定。敗戦ならば山口と栃木がともに引き分け以上で降格決定。

※正確には降格枠確定で、J3上位クラブのJ2ライセンス云々についてはここでは語らない。

<山形スタメン>

  • 前節(栃木戦、2-0)出場停止だったイサカがスタメン復帰。
  • 宮城が前節9試合ぶりのスタメン出場。
  • 小西が今節8試合ぶりにベンチ入り。

低空飛行どころか急降下という歩みで、とうとう降格まで後が無い状況に追い込まれてしまった金沢。
9戦未勝利という書き方では生温く、その9戦のうち8敗で引き分けすら1試合しか無い成績では、こうなってしまうのは当然であり。
上を見れば首位・町田が昇格リーチと盛り上がり、光と闇が激しく対比する状況で今節を迎えました。

その相手に対しても、プレーオフ出場のために手加減・油断は許されない山形。
立ち上がりは、金沢のマンツーマン基調の守備システムを窺いながらという立ち回り。
ストロングポイントのイサカにボールを出しながら、そのイサカに付くバイーアの習性を確かめている節がありました。

そんな、ある意味スローペースに映る山形を尻目に、後が無い状況らしく攻め上がる金沢。
上記のマンツーマンも立ち上がりは上手く嵌り、前半5分にはバイーアの敵陣でのパスカットから、梶浦のポストプレイで受け直したバイーアがミドルシュートを放つも枠外に。
その他の選手もチャンスがあれば撃つという感じで、積極的なミドルシュートでゴールを狙います。

しかし12分、これまでイサカへのパスが悉くバイーアにカットされていましたが、ここでは後藤優のスルーパスに走り込み背後を取る事に成功したイサカ。
すかさずグラウンダーでアーリークロスを入れ、手前でクリアされるもコーナーキックとなり最初の好機。
キッカー高江はショートコーナーで大きく戻しを選択し、川井が再びアーリークロスを送ると、ファー奥へ走り込む宮城の前でGK白井が何とかパンチング。
すかさず金沢ディフェンスの陣形の乱れを突く山形でしたが、エリア内で拾った後藤優のシュートはポストを直撃し、跳ね返りをダイレクトで放った南のシュートは枠を捉えられず。

冷や汗をかいた金沢でしたが、これによる心の乱れは整えられなかったか。
14分ここでも高江の縦パスがイサカに渡って好機となる山形、バイーアを振り切り例によってアーリークロスを送るイサカ。
ファーサイドへ流れるも、拾った宮城が左ポケットでキープ、小島との対峙を経て中央への戻しを選択。
受けた南、今度はワントラップで適所に置いてグラウンダーでシュートを放つと、ゴール右隅へと突き刺さるボール。
早くも山形が先制に成功した一方で、窮地に追い込まれる金沢。

焦りとの戦いも強いられる中、18分に再び山形の右サイドアタック、今度は細かなパスワークで攻め上がり。
その最中にイサカが加藤潤のアフターチャージを受け、アドバンテージが取られた末に藤本の奥からのクロスが上がり。(シュートは撃てず)
途切れたのちに加藤潤が警告を受けるという具合に、早速その被害が表れます。

それでも積極的に仕掛けるしかない金沢。
22分に前に出た庄司が後藤優から反則気味のアタックで奪い、そのまま縦に素早く運んでエリア内を突かんとするも、杉浦→梶浦へのパスが繋がらず。
この際に後藤優が足を痛めてしまった山形サイド。
無事に継続するも、前半の終盤にも何度か金沢のディフェンスを受け脚を気にする仕草をするなど影響を引き摺る事となり。

救いは山形が、1点リードしたからといってリトリートの意識を高めるチームでは無い事だったでしょうか。
守備を固められては、金沢の持ち味である縦に速い運びが殆ど出来なくなり詰みに近い状態となりますが、そうはならなかったこの日。

26分左のバイーアから組み立て、縦パス→林フリック→杉浦ポストプレイ→林と、2トップの縦関係も絡めて前進。
その最中に奥田のスルーパス?が眼前の林に当たるアクシデントもありましたが、それでも強引に繋いだ末に梶浦がミドルシュート。(野田がブロック)
距離感の近いパスワークで、まるでラグビーを彷彿とさせる運びのシーンも見られます。
ハイプレスも積極的に仕掛けるようになり、それに対しても山形はあくまでGK後藤雅を使いながらのビルドアップで対抗姿勢。
30分に金沢が巧く嵌め、左右を切った状態でGK後藤雅に中央に縦パスを出させ、梶浦がカットにいきましたが高江との接触で反則を取られ実りません。

金沢が同点を狙いに行く一方で、当然ながら山形も追加点を挙げんと攻め込み。
28分に決定機を迎え、南のスルーパスで左ポケットを取った宮城、ここでも戻りながらのキープから中央へパスを選択。
そして高江の縦パスをイサカがエリア内で受けて中継し、藤本のシュートが放たれるもGK白井がセーブ。
34分には高江→小野へのスルーパスが遮断されるも、後藤優が奪い返してヒールで繋いだのち、上げられた小野のクロスを藤本がヘディングシュートで合わせ。(枠外)

相変わらずの積極姿勢を見せる山形ですが、その分隙も出来。
39分中央でこぼれた所を藤村がダイレクトで縦パスを送り、杉浦のポストプレイから再び近い距離間で運ぶ体勢に突入。
強引にエリア内へ進入した奥田のラストパスはズレるも、拾った加藤潤から左ワイドで繋いだ末に藤村がクロス。
そしてファーサイドで杉浦がヘディングシュートを放ちますが、GK後藤雅のセーブに阻まれ同点ならず。

以降も積極的な金沢、サイドでも、数的優位を作るべく藤村が果敢に突破を図るなど中々見られないシーンを交え攻め込み。
42分には左サイドでの繋ぎのなか加藤潤が内寄りに絞った事で、イサカがピン止め状態となりワイドが空いた所を藤村がドリブルと、そんな意識を巧く組織的な崩しに絡めた攻撃も見せます。(その後パスワークを経て藤村がクロスも合わず)

良い攻撃はかなり見せましたが、それでも結果に繋がらない金沢。
前半は0-1で終了となり、ハーフタイムで山形サイドが交代を敢行。
度々足を気にしていた後藤優を退かせ、高橋を投入する運びとなりました。

金沢にとって運命の後半戦が始まり。
先制攻撃は山形でキックオフ→野田ロングパスからの攻めで、上手く繋いで左サイド奥に持っていき。
宮城を追い越した小野が小島を股抜きでカットインし、そのまま入れたグラウンダーでのクロスを藤本が合わせるも左へ逸れ。
早めに追い付きたい金沢は、後半4分に左サイドからのフリーキック。
キッカー・バイーアのクロスが流れた所、走り込んだ小島が右ポケットからダイレクトで入れましたが誰にも合わず。

前半と比べ、中央を縦に速く運べる状況は少なくなる金沢。
こうなると力量の差が表れ、山形が追加点を狙いにいく流れに突入します。
11分にイサカの突破を、この日初めてバイーアが直接阻んで奪うというシーンが生まれましたが、依然としてここでのマッチアップは不利であり。
13分に縦パスを受けたイサカ、バイーアをかわすようにカットインしてそのまま中央からシュート。(ブロック)

優勢のまま決めきりたい山形、14分に宮城のパスカットから、金沢のお株を奪うように中央で素早い運び。
そして高江のスルーパスで右ポケットに高橋が走り込み、放たれたシュートがゴールネットを揺らしたもののオフサイドを取られ、惜しくも追加点はなりません。
やり返したい金沢、直後の15分に中央から運ぶ状況を作り、右にこぼれたボールを拾った小島のクロスはエリア内へと見せかけて外のバイーアに渡り。
するとバイーアも、クロスと見せかけてグラウンダーで直接シュートと意表を突く行動の連続となりましたが、GK後藤雅が辛うじてセーブし実らず。

続く16分には山形のビルドアップvs金沢のプレッシングという対決のなか、間を通すパスの連続で中央から前進に成功。
そして右へ展開してイサカがグラウンダーでクロス、藤本のポストプレイを経て高橋がシュートしましたがブロックを掠めてゴール左へと外れ。
しかし尚もCKで、ショートコーナーを経ての高江のクロスがGK白井の飛び出しでこぼれ、右奥へ転がった所を宮城がシュート。
2点目かと思われたこのフィニッシュも、ゴール寸前で庄司がブロックして決まりません。
18分に双方選手交代し、金沢は杉浦・林→木村・加藤大へと2枚替え。
山形も宮城・イサカ→チアゴ・横山へと2枚替え。

16分の好機を境に、GK後藤雅は金沢のプレッシングの間を通す縦パスを連発していく体勢に。
金沢は何とかそのビルドアップを遮断し好機に繋げたいという状況で、21分にはGKに戻される所を、果敢にエリア内へ詰めにいく加藤大。
しかしスライディングで後藤雅を倒してしまうと、反則を取られ警告を受ける事となり。
後が無いという状況を痛感するシーンであり、刻一刻と試合終了まで迫る時間。

それでも、金沢のマンツーマン基調の守備により、後藤雅の縦パスを受けた先で難しい繋ぎを強いられる山形。
激しく寄せられた末のダイレクトでの繋ぎが乱れた所を回収され、思うように攻撃できない状況に陥ります。

そして26分に決定機、敵陣でのこぼれ球を藤村が繋ぎ、パスワークを経て受け直した藤村が転倒してこぼれた所を山本が縦パス。
受けた加藤大を経由し、加藤潤がミドルシュートを放つもGK後藤雅がセーブ。
エリア内へこぼれたボールに梶浦が詰めにいきましたが、あろう事か抑えにいった後藤雅と交錯し倒れ込む事態が発生します。
しかしこれに反則の笛は鳴らずと、判定的にも際どい一幕となってしまい。

一転して守勢となった山形、30分に藤本→デラトーレへ交代するも流れを変える事は出来ず。
34分に再びビルドアップの乱れを突かれ、加藤潤→加藤大と経由して中央からエリア内に進入する金沢の攻撃。
そして加藤大のシュートが放たれるも、西村がスライディングでブロックして防ぎ、こぼれ球をGK後藤雅が石原(奥田と交代で出場、33分)と交錯しながら掻き出す際どい凌ぎとなります。
これ以降、GKからの縦パス攻勢を諦め、ロングボールで逃げる事を第一とするようになった山形。
金沢は容易にボールを確保できるようにはなりましたが、同時に苦手分野である最終ラインからの遅攻を強いられる事となり。

39分にショートパスでのビルドアップで左サイド奥を突かんとするも、結局戻して作り直しを選択。
しかしその後中盤でデラトーレにカットされると、南の裏へのミドルパスを受けた横山がGKと一対一に持ち込みます。
右ポケットに切り込んでシュートした横山でしたが、GK白井が前に出てセーブと好判断で防ぎ。
するとカウンターの隙が生まれ、藤村のロングパスに木村が走り込んだ所、蓋をした西村がクリアミス。
これで拾った木村がドリブルに入り、逆にGKと一対一を作るという願っても無い好機が生まれます。
こちらも右ポケットに切り込んだ木村、GK後藤雅を右にかわしにいきましたが、振り切られずしっかりとキャッチに成功した後藤雅。
一対一の応酬という慌ただしい絵図になりましたが、スコアは動かず。
(42分に山形は高江→小西に交代)

しかし逃した事が大きく響くのは金沢の方。
とうとうリードされたまま、迫る試合終了の時に怯えながらの戦いを強いられます。
44分には自陣左サイドでパスを受けたバイーア、コントロールミスで横山に詰められた末に、ラインアウトで山形のスローインとなるなど疲労感も隠せず。

そして突入したアディショナルタイム。
流石に中央を固める意識が強まった山形に対し、流れの中ではクロス攻勢しかやれる事が無くなる金沢。
何とかCKに持ち込むも、クリアボールを拾った梶浦が横山に奪われると、溜まらずその横山を倒してしまった梶浦がカウンター阻止で反則・警告を受け。
カードが出る前に横山の方がヒートアップを見せた事で、それを宥めるという落ち着く作業を強いられるなど、どうにも噛み合わないというシーンになってしまい。

それでもその後、山形の左サイドでのパスワークを遮断すると、小野・野田が前に出た隙を突いて素早く運ぶ状況を作ります。
スルーパスに木村が走り込むも、先程失態を見せてしまった西村がここで踏ん張り、カバーした末にこぼれ球を確保と未然に防ぐ好守備。
負けられない状況は山形も同じである、という事を再認識させる一幕だったでしょうか。

そして最後の好機である、FKからのキッカー・バイーアのクロスも実らず。
試合終了の笛が鳴り、0-1で山形が勝利。
それと同時に、山口・栃木がともに引き分けとなったため、敗戦の金沢は20位と勝ち点差が10に広がる事となり。
残り3試合ではどうにもならず、降格圏が決定してしまいました。

既に町田が勝利した事で、同時に昇格・降格が決まるという一日となり。
初のJ1に沸き上がる町田という要素の方が大きくなったのは、ネガティブよりもポジティブなニュースバリューが求められる世間の常態か。
あるいは、未だJ3の昇格クラブ数が決まっておらず残留の可能性がわずかながら残されている事からか。

なお後日の24日に、それを判定するJ2ライセンスの発表がついに行われ。
これにより、未交付となったFC大阪次第という限りなく厳しい状況となりましたが、金沢はまず気を取り直して21位浮上を目指して欲しいものです。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第39節 ヴァンフォーレ甲府vsV・ファーレン長崎

2023-10-23 16:00:33 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(34節・大分戦、3-2)
※前回の長崎の記事はこちら(31節・栃木戦、1-2)

<甲府スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • クリスティアーノは長崎からのレンタル選手なため出場不可。
  • GKマイケル・ウッドがニュージーランド代表に選出。帯同期間は10/18までで試合とは被らなかったが、帰還して2日後という事を考慮してかこの日はベンチ外。

<長崎スタメン>

  • 奥井の負傷が発表され、9/20に手術実施して全治3ヶ月との事。
  • 33節(大分戦、2-2)で負傷?交代した秋野は、以降ベンチ外が続く。
  • 36節(町田戦、0-6)で負傷交代した岡野は(以下同文)

プレーオフ圏の丁度境目に当たる、6位と7位の直接対決というカード。
しかし甲府は、翌週にACL第3節が控える日程なので全集中する訳にはいかず。(そんな状況故に、クリスティアーノが契約上出場出来ないのは却って良かったかも)

一方の長崎も、6位をキープしている割には安定感に乏しく。
それ故に、「このまま一気に昇格」というムードが今一つ高まっていない風に見えてしまうのは気のせいか。(それをカバーするように、マスコット・ヴィヴィくんが絡んでのイベントはディナーショーホテルルームとのコラボなど凄まじいものがありますが)
山形戦(27節・1-5)・町田戦のような、時折衝撃的な大敗を演じてしまうのもそれに拍車を掛け。(退場絡みでの敗戦が目立つのも印象悪し)
フォーメーション的には色々微調整があったようで、スタメン復帰した鍬先の下、何とか落ち着きを取り戻したといえる星取表でしょうか。

その鍬先をアンカーにして、中村慶をウイング(右)に配置したというのが前節。(藤枝戦、5-1)
町田戦での一発レッドを受けてか、負担のかかる中央での起用は避けた格好に映り、微調整の総決算のような起用でしょうか。

前半3分に長崎の左スローインから、最終ラインに戻してプレッシャーを引き込んだのち、ロングパス→米田落としを拾ったのはフアンマ。
そしてドリブルで奥を突いてマイナスのクロスを入れるという具合に、ターゲットとクロッサーが逆転したような攻撃を見せると、ニアでの米田のスルーを経て中村慶がシュート。(ゴール上へ外れる)
フアンマへのロングボールだけでは無い、というような流動性からフィニッシュに繋げた事で、以降その流動性がテーマとなります。

WG(あるいは4-1-4-1のサイドハーフ)との事だった中村慶ですが、インサイドハーフのカイオの稼働範囲に伴い、中央に絞ってのプレーの方が圧倒的に目立ち。
特に守備時は、フアンマ・中村慶の2トップで、カイオが右SHに位置取った4-4-2の布陣となる事が多かったこの日の長崎。
システム上で語れるのはこのぐらいですが、逆サイドでもギリェルメやジェズスが入れ替わったりと、全方位で流動的なポジションとなっている風でした。
助っ人の目立つ布陣だけに、ある程度自由にやらせた方が力を発揮するという思惑からでしょうか。

5分に決定機を迎える長崎、再びの左スローインからの戻しを経て今度は右へ展開し、増山が奥を突いてクロス。
そして米田が跳び込んでヘディングシュート(GK渋谷セーブ)と、フアンマに代わるように高い位置でターゲット役をこなす米田の存在もあり、立ち上がりは優位に試合を進めます。

しかしその時間を凌ぎ、落ち着きを取り戻した甲府の立ち回り。
16分に最終ラインでプレッシングを引き込んでのロングパス、セカンドボールを拾った長谷川のドリブルに対し中村慶がチャージしてしまい反則。
ここでは出なかったものの、懸念材料である長崎のカードの多さが露呈されかかる格好となり。
続く18分にも、カイオを前に釣り出す最終ラインでのパスワークから好機を作る甲府。(飯島スルーパス→小林走り込んでクロスもクリア)
以降も変則的な守備時の隊形を突かれるように、サイドから押し込まれて何度も奥を取られる状況となる長崎。

そんな流れで前半も半分を過ぎ、長崎はプレッシングを諦めて自陣で構える守備体制に。
4-5-1で守備を固めると、甲府も容易にボールを運べなくなり苦戦の色を見せ始めます。
29分に甲府のパスミスを突き、拾ったジェズスが自陣からドリブルで駆け上がり。
そしてパスを受けたギリェルメもドリブルに入り、そのまま左ポケットに進入して奥からシュート。(GK渋谷セーブ)
カウンター気味に、助っ人パワーを活かしての攻撃で脅威を与えます。

それが効いたか、33分の好機でついに試合を動かし。
ここもジェズス・ギリェルメのホットラインを作り、左サイドからジェズスのポケットへのスルーパスに走り込んだのは米田。
虚を突かれた甲府サイド、井上がスライディングで阻止しにいったものの、これが米田に入ってしまい倒れた事で反則の笛が鳴りPKに。
足裏は向けておらずカードこそ出なかったのが幸いでしたが、それを良しとせず抗議する井上ならびに甲府サイド。
しかし当然判定は覆らず、キッカーの位置には中村慶。
ゴール左隅に蹴り込み、GK渋谷も届かずしっかりとゲットします。

ビハインドの甲府が反撃せんと焦るのを受け、以降もマンパワーで脅かす長崎。
38分に今津の反則気味のボール奪取から、再びギリェルメとジェズスがパスワークで前進していき、スルーパスにギリェルメが走り込んだ事で(クリアされ)コーナーキックに持ち込み。
キッカー中村慶のクロスを今津が合わせるも、ゴール右へと外れ。
43分には得意手であるフアンマへのロングパス、しかしここは裏狙いで、一気にエリア内へ走り込んだフアンマがそのままシュート。(GK渋谷キャッチ)
攻守ともに力量の差で負けている格好のような甲府。
アディショナルタイムに左サイドからのフリーキックで一矢を放った(クロスの跳ね返りを長谷川がシュート、GK波多野キャッチ)ものの、結局有効打を放てないまま前半を終えます。

それ故にハーフタイムで動き、松田・宮崎→関口・鳥海へと2枚替えを敢行した篠田善之監督。
その通り流れを変える一手か、ないしはACLも見据えての采配か。

交代で入った鳥海ですが、後半1分にいきなり中村慶のドリブルを反則で止めた事で警告を受けてしまいミソが付き。
その後6分に鍬先に対して再び反則を犯した鳥海、これに中村亮の方が異議で警告を貰う事態となり。
前半のPKシーンを引きずるように、判定絡みでのフラストレーションは最高潮といった甲府サイド。

しかし長崎もそれに合わせてしまったのが拙かったか。
ファビオ・カリーレ監督が試合前インタビューで「主審が若い方(高崎航地氏)なので、そのレフェリングに期待したい(要約)」という具合に、判定面での不安に触れていた事もあり、そんなシーンを見てこちらもそういった面が噴出してしまったでしょうか。
2分に裏へのロングボールに走り込んだフアンマ、蓮川に足を踏まれたというような格好で倒れるも、反則の笛はならず。
すると倒れたまま激しく異議を唱えるフアンマ、負傷は無かったものの長らく倒れ続けた事で試合も止められ。
その姿は駄々っ子のようにも見えたものの、踏まれた事でスパイクの紐が切れたという物証?もあり、交換する運びとなります。

試合以外での時間が長くなると、7分に今度は判定以外でのアクシデント、即ち故障が生まれる事態となり。
これまたスルーパスに走り込んだ中村慶でしたが、その瞬間に筋肉系トラブルが発生したらしく倒れ込んでしまい続行不可能に。
すかさず交代措置を採る長崎、同ポジションで名倉を投入します。

こうした事象もあり、前半同様流れを掴めずにいた甲府。
しかし長崎のリトリートの姿勢もあり、センターバックの持ち運びなど徐々に甲府らしい攻撃が見られるようになり。

そして11分、ここも蓮川のドリブルから左サイドを前進していき、小林の低いクロスが中央で鳥海に収まる好機に。
放たれた鳥海のシュートを今津がブロックするも、これが開いていた左腕に当たった事でハンドを取られて反則・PKとなります。
決定機阻止(+PK割引?)で今津に警告も突き出され、逆に判定に後押しされる格好となった甲府。
そしてキッカー三平がゴール右へとシュートし、しっかりGKの逆を突いてネットを揺らします。
お互いPKでのゴールゲットとなり、試合は振出しに。

これで暗雲を振り払ったかのように、以降も左サイドで跳梁を見せ押し込む甲府。
長谷川と小林の関係性は抜群で、それに引き摺られるように中村亮も高い位置でボールに絡むなど人数を掛けて攻め上がり。
長崎は4-5-1のリトリートでも、カイオと中村慶(名倉)のどちらが右ワイドを担当するのか曖昧な面が(前半から)見られており、こちらでは流動性が仇となっていたでしょうか。
何とか甲府の攻めを切っても、素早いトランジションに難儀し好機に持ち込めず、攻撃機会の面では一方的な展開に。

その中で21分に名倉のボール奪取から、甲府の寄せを際どくいなして前に運ぶ場面をついに作り。
名倉がドリブルで敵陣に運んだ所に、戻った中村亮が激しいショルダーチャージで倒した所、反則を告げる笛が鳴り。
「ショルダーだからノーファール」と「ほぼフリーのドリブルを反則で止めたのだから警告」という両サイドの思惑により、どちらにも不満が残る判定が生まれる事となりました。
どちらにせよ、既に警告を貰っていた中村亮にとっては命拾いの格好に。

攻勢をモノにしたい甲府は、24分に今津の(三平への)反則により、中央やや手前からの直接フリーキック。
これをキッカー長谷川が直接シュート、壁に当たって右に跳ね返った所を関口がダイレクトでクロスを送ると、ファーで蓮川がボレーで合わせシュート。
鍬先のブロックに当たり、尚もゴール上へ向かったボールをGK波多野がセーブと、際どい好機がセットプレーから生まれます。
その後の右CKからも、ショートコーナーを経ての松本凪のクロスに、中央で跳んだ三平を越えた所を中村亮が合わせましたがゴール右へと外れ。

劣勢が続く長崎は、27分にカイオ→松澤へと交代。
左WGに入り、ギリェルメが右へ移るとともに、名倉がインサイドハーフへ固定。
功罪双方を齎していたカイオの流動性を改める采配となったでしょうか。

30分にフアンマ狙いのロングフィードから、落としを拾った松澤が左サイドを疾走。
カットインを経てポケット奥からクロス(ブロックされCKに)という具合に、早速威力を発揮しにいく松澤。
しかし流動性という面では格段に迫力が落ち、守備に奔走していたジェズス・ギリェルメもその後今一つなパフォーマンスに終始します。

一方甲府ベンチが次に動いたのは37分で飯島→内藤。
これがプロ初出場となった内藤、直後にパスを出した所(今津の)アフターチャージを受けて反則となりチャンスメイク。
中央ながら先程よりも距離のあるFKでしたが、松本凪が直接シュート。
遠目故に壁の作りも曖昧な長崎でしたが、フアンマが一枚ブロックの形で防ぎます。

41分に長崎陣内で奪い合いとなり、内藤のボール奪取から甲府の好機となるなど、トランジションの面では依然優位な甲府。
しかしクロスを抑えたGK波多野からカウンターを展開し、またも松澤がドリブルで左ポケット奥を取ってクロスを送る(合わず)など、終盤を迎えて甲府サイドの隙も大きくなり。
直後の42分に双方ベンチが動き、甲府は三平→ジェトゥリオ、長崎はギリェルメ→高橋へと交代。(増山が右WGに回る)

そしてATに突入し、甲府の攻撃が切れると、間延びした隙を突かれる場面が膨らみます。
櫛引縦パス→フアンマポストプレイ→増山ドリブルとカウンターをついに形にする長崎、そのまま右ポケットに進入してシュートした増山。
しかしブロックに当たり、跳ね返りが増山に当たる形でゴールラインを割り。
これによりCKと勘違いしてしまったフアンマが激しく異議を唱え、警告を受ける事態となります。
放送席によるとこれが今季11枚目という事で、最終盤を迎え(出場停止という)余計な爆弾を抱える破目となり。(ちなみにカイオや鍬先も7枚でリーチ)

甲府は最後の交代を敢行する(松本凪→品田)も、既に運気が残っていないかのように長崎の好機は続き。
そして右サイド深めから、櫛引ロングパス→名倉収めて戻す→増山裏へロングパスと、先程と似た流れを経てフアンマが抜け出す絶好機を迎えます。
そして右ポケット奥で切り返すと、シュートでは無くパスを選択し、走り込んだ松澤が中央からシュート。
しかしGK渋谷のセーブに阻まれ、土壇場での勝ち越しはなりませんでした。

結局1-1のまま試合終了となり、勝ち点1を分け合った6位と7位のチーム。
8位(山形)以下の接近を許す事となり、ますます混迷を極めそうなPO圏。
しかも甲府はACLによる中国遠征が挟まれるため、追い掛ける前に凌ぎを考えなければならない状況ですが、無事に乗り切れるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第26節(順延) ブラウブリッツ秋田vsFC町田ゼルビア

2023-10-16 16:01:15 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(33節・磐田戦、1-1)
※前回の町田の記事はこちら(37節・いわき戦、2-3)

<秋田スタメン> ※()内は前試合のスタメン

<町田スタメン>

  • 太田が今季限りでの現役引退を発表。この試合で今季初スタメンに。
  • デュークが例によって、オーストラリア代表に選出されたためチームを一時離脱。
  • 藤尾・平河がU-22代表に参加のためチームを一時離脱。(藤尾はその後故障発生で代表から離脱したとの事)
  • 前試合(38節・甲府戦、3-3)で変更した3-3-2-2(3-1-4-2)のフォーメーションを継続。

一悶着あった末に、この日に埋め込まれる事になった代替試合。
一刻も早く消化したかった秋田に対し、ミッドウィークを避けてペースを保ちたかったという町田の思惑がぶつかり合った結果でしょうか。(あくまで推測)

悲願の昇格まであと僅かになった町田ですが、その歩みは急にスローとなり。
数字的にはあと2勝なのですが、直近5試合で僅か1勝(2分2敗)という成績が、それさえもクリア出来ないのでは……と不安にさせてしまいがち。
おまけにこの日は代表ウィークで、オーストラリア代表のデュークのみならずアンダー代表で2人(藤尾・平河)がチームを離れ、ベストメンバーを組めない状況となり。
過密日程は避けられたものの、その代償も受ける事となりこの試合に臨みました。

開始1分で町田が、ラフな縦パス→ポストプレイを経て宇野が遠目からダイレクトでシュート。(枠外)
直後の2分には秋田が、ロングスローの跳ね返りを諸岡がダイレクトでシュート(枠外)と、双方らしさ全開といった入りに。
前節のフォーメーション変更で、過密日程のみならず(4-4-2の)ミラーゲームも避けた格好となった町田でしたが、結局はロングボール主体のアバウトな攻めばかりになりました。

しかし4分、秋田はラフな裏へのロングパスに齋藤が走り込むと、蓋をしたはずの松本大の後ろからつついてボールを確保する齋藤。
そしてドリブルで左ポケットを突く(池田のカバーで防ぐ)という具合に、一つの処理の誤りやミスから試合が動きそうな流れとなります。

そして11分の町田のコーナーキック。
キッカー鈴木はサインプレーを選択し、エリア手前中央へクロスを入れ、下田がボレーシュートにいきましたがジャストミート出来ず。
しかしエリア内へこぼれた所、諸岡のクリアが小柳に当たってしまうと、丁度荒木にシュートしてくださいという風に跳ね返り。
そして放たれたシュートがゴールネットを揺らし、やはりミス(偶発的なものでしたが)が絡んだ末に町田に先制点が齎されました。
秋田は荒木の位置がオフサイドである事を主張するも、味方に当たってのものなので当然ながら無く。

直後のキックオフ、戻しを受けた河野はライナーでロングパスを送ると、齋藤がスルーした所に走り込んだ吉田が受けるという変化を付けて奥まで運んだ秋田。
ここからロングスロー中心に攻め立て、ファイティングポーズを取り直します。

しかし19分町田のクリアボールに対し、拾いにいった安井が諸岡と交錯し、頭部を地面に叩きつける形で倒れてしまいます。
反則を取られた諸岡が警告を受けるも、一度は起き上がった安井が再度倒れ込み騒然となる雰囲気。
そのままピッチ内で治療を受け、何とか続行の運びとなり一安心といった所。(安井は一旦ピッチ外→復帰)
しかしパワーサッカーの交錯故に、危ないシーンが生まれるというのは、試合前から判っていたカードとはいえ思わず目を背けてしまうものであり。

その主要因となる、レイトタックルの趣が見られたのは秋田の方。
29分に中盤でバイロンのキープが飯尾に倒され反則になると、フリーキックからの放り込みによる二次攻撃で、クリアボールをヘッドで右奥で運んだ鈴木準が走り込んでクロス。
上がったクロスはGK圍が抑えるも、よりによってアフターチャージで鈴木準を倒してしまった藤山が反則・警告を受け、さらに町田のFKに。
結局このFK攻勢もフィニッシュには繋げられずとなりましたが、「球際に激しくいく」という意識が、間違った方面に傾いているような印象を残し。

気を取り直し、追加点を狙いにいく町田は再びセットプレー攻勢。
36分に鈴木準のロングスローの連続(2本目はフェイントで短く入れる)から右CKを得ると、キッカーは鈴木準から太田に代わり。
最初のクロスは跳ね返されるも、鈴木準のパスを受けた太田は奥から再びクロス、これもクリアされた所に下田がボレーシュートで追撃。
ゴール右へ外れたものの、これが後の伏線となったでしょうか。

しかしロングスロー攻勢はこっちのものだ、と言わんばかりにその後その体勢に入る秋田。
40分に才藤のロングスローフェイントから、パスワークの最中に藤山が宇野に倒されて反則。
これで左ワイドながらゴールからやや近い位置でのFKを得た秋田、キッカーの位置には畑。
直接シュートを匂わせながら入れられた低いクロスは、その通りゴールに向かうものであり、そこに才藤が脚から跳び込んで合わせます。
GK福井もシュートと思っていた節があり、コースを変えられたボールに反応できずゴール左へと突き刺さり。
セットプレーでやり返し、同点に追い付きます。

同点のまま突入したアディショナルタイムも、その流れは変わらず。
最初に秋田がロングスロー攻勢に入れば、その後町田のロングスロー攻勢という具合に、お互いぶつけ合う展開となり。
しかしそれをモノに出来たのは町田の方で、2本目のロングスロー(右)をニアで松本大がフリック、ゴールに向かったボールをGK圍が弾いてCKに。
ここからも2本続き、2本目の左CKからでした。(キッカーは鈴木)
ニアサイドへのクロスの跳ね返りを、先程と同様に下田がダイレクトでシュート。
利き足とは逆(右足)だったものの豪快にゴールネットを揺らし、勝ち越したと同時に前半終了を告げる笛が鳴り。
最高の形で2点目に辿り着いた町田。

そしてハーフタイムが挟まれ、秋田にとって追い風となり迎える後半。
反対に向かい風となった町田ですが、最初にやや遠目の位置で(左から)ロングスローを敢行とその姿勢にブレは無く。
これが跳ね返されて秋田のカウンターになりかけますが、齋藤→畑へのスルーパスをカットして何とか凌ぎます。

反撃に入る秋田。
後半4分にロングスロー(フェイント)からの二次攻撃で、ハーフレーンで縦パスを受けた諸岡がポケットを突く絶好機に。
しかしクロスを選択し、跳ね返りを才藤がボレーシュートにいったもののジャストミート出来ずに終わり。
続く5分にはロングパス→畑落としという秋田らしい繋ぎで敵陣に運びましたが、才藤のスルーパスが長すぎとなり齋藤に合わず。
前半の粗っぽさが、攻撃の流れでも顔を出し始めたかのようで流れを掴みきれません。
14分に敵陣で才藤が安井に反則を受けた際も、素早いリスタートを選択して右から高田のクロスが入るも、GK福井にダイレクトで抑えられ。
悪くは無い選択肢にも拘らず、焦りの方を感じたのはそうした粗っぽさからだったでしょうか。

15分に動く秋田ベンチ、畑・齋藤・吉田伊→中村・青木・梶谷と一挙3枚替え。
直後に右サイドから地上で繋いでいき、最後は梶谷のポケットへのスルーパスに高田が走り込む状況を作りましたが、鈴木準にクリアされて右CKに。
そのCKから、キッカー高田のクロスをファーサイドで小柳が合わせ、これがループの軌道でゴールを襲ったもののGK福井がセーブ。

粗いながらも秋田の圧力を受け続けた町田。
何とかそれを脱し、18分にバイロンが右奥へ切り込んでカットインを仕掛けた所、才藤に引っ掛けられて反則。
このタイミングでベンチが動き、安井→稲葉へと交代します。
古巣対決という要素からか13試合ぶりに投入した稲葉により、ドイスボランチとした3-4-2-1の布陣へとシフト。(1トップは沼田)

町田前半と比べ、バイロンのドリブル突破など個人技が光るシーンが目立ち。
しかし本質的にはセットプレーでのやり合いという展開は変わりません。
26分にはこの日初めてといっても良い、地上でのビルドアップを見せた町田。
双方ロングボール+セットプレーといった流れを、何処かで正したいという意識は少なからずあったのでしょう。
しかしこれも秋田のプレッシングの前に左サイドで詰まった末に、苦し紛れの太田のスルーパスが繋がらずに終わり。

結局試合の絵図は変わらず。
秋田は27分に再度高田がロングスローの体勢からフェイントと、変わらない攻めの末に諸岡のクロスを河野が合わせヘディングシュート。
GK福井のファインセーブで難を逃れる際どいフィニッシュとなりましたが、時間も進んできた中でどれだけこうした好機を生み出せるか、という展開に。
28分に再度ベンチが動き、才藤→三上へと交代。

町田は30分に松本大が足を痛めてしまい続行不可能に。
これで最終ラインの改変を強いられる事となり、松本大・鈴木準→藤原・奥山政へと2枚替え。
ともに3バックに入ったものの、これによりややバタバタとした感があり、再び秋田のペースとなります。
35分に左サイドを運んだのちの戻しを経て藤山がクロス、中村がヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。

そして37分、右スローインで高田がロングスローを放り込むと、ニアで跳んだ中村を越えて混戦となり。
クリアが小さくなった所を藤山ヘッド→青木フリックと尚も空中で運び、こぼれた所を反転した青木がシュート。
虚を突かれた形となりGK福井も動けずというフィニッシュでしたが、右ポストを直撃してしまい同点ならず。
痛すぎる逸機となってしまった秋田、以降も望みを捨てず攻め上がるも実る事は無く。

終盤を迎え、最後の交代をする町田。
代表参加選手が多く駒が少ない故にどういう采配を見せるかという所で、バイロン・沼田→翁長・中島への2枚替え。
ベテラン・太田を最後まで引っ張る選択を採りました。

その後は中島狙いのロングボールで、彼のポストワークを利用してボールキープを図りにいきます。
それを早めに防ぎたい秋田との間で問題のシーンが発生し(45分)、ロングパスを受けた中島がディフェンスに遭いこぼれた所、ライン際で高田が確保。
これによりラインアウトならびに町田ボールのスローインを主張して、プレーそっちのけで猛抗議するに至った中島ですが、それを見た高田は思わず「秋田ボールのスローイン」と勘違いしてボールを掴んでしまいます。
そして今度は一斉にハンドをアピールする町田ベンチと、二転三転する慌ただしい抗議シーンが生まれるに至り。
結局主審(岡部拓人氏)が副審と確認した結果ハンドの判定が下されるも、中島には異議で警告が与えられて決着します。

既に町田がシンプルなスタイルに移行したのもあり、秋田はそれに対してパワープレイしか出来る事は無く。
直ぐにボールを失い、逆に町田のボールキープが冴え渡るATとなります。
サイド奥でボールを確保し、奪い返さんとした秋田は反則を量産してしまい、FKでさらに時間を使われるという悪循環。
そして最後も中島が諸岡に反則を受け、左サイド奥からのFKを蹴り出した瞬間に試合終了の笛が鳴り響きました。

この勝利でとうとう、残り1勝で昇格決定という所までこぎ着けた町田。
苦難に塗れている近況を象徴するような、白兵戦という試合内容で得た勝ち点3は普段以上の重みが感じられたでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第38節 ジェフユナイテッド千葉vs水戸ホーリーホック

2023-10-14 16:47:34 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の千葉の記事はこちら(35節・栃木戦、1-0)
※前回の水戸の記事はこちら(35節・仙台戦、1-0)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 2試合の出場停止(累積警告+一発退場)を昇華した鈴木大がスタメンに復帰。

<水戸スタメン>

  • ブワニカ啓太は千葉からのレンタル選手なため出場不可。
  • 前節(甲府戦、1-2)出場停止だった前田がスタメンに復帰。
  • 36節(大分戦、0-1)で負傷交代した大崎の詳細が発表されるも、全治は未定。
  • 田辺の負傷が発表され、9/24に発生も全治は未定。

ラストスパートの真っ只中という状態の千葉。
鈴木大の出場停止も、それを全く感じさせないスコアで連勝を続けて無事乗り切り。
このままのペースを維持できれば、自動昇格も夢では無いという所まで上昇してきました。

とにかく勝つだけ、という言葉がこれ以上無い程に似合う状況ですが、それも根底のサッカーがあってのものであり。
理想のスタイルの落とし込みに成功したからこその7連勝。
この時期は数多のチームが、「後は勝つだけ」という言葉を盾にして残り試合に挑むのが定例ですが、結局言葉のみに終わる事が数多。
サッカーの内容も成績も安定せず、切羽詰まった状態になってからの常套句という印象が強く。
かくして連勝中に残り10試合という段階を迎え、5試合になった現在でもそれを維持している千葉はこの上ない理想形といえるでしょうか。

この日の相手は水戸。
いきなりの前半1分に、ラフなロングパスを収めたドゥドゥがシュートを放ち(枠外)先制攻撃を果たします。

それでも以降は水戸のハイプレスの前に難儀するシーンが多く。
5分には自陣での左→右へのサイドチェンジを小原にカットされると、そのままミドルシュート(ゴール右へ外れる)とショートカウンターを受け。

これらの要素を受け、裏狙いのロングボールへと傾倒していく千葉の攻撃。
9分に敵陣右サイドで風間がパスカットしたものの、得意のショートカウンターにはいかず、戻しを経て高橋が一気にエリア内へとロングパスを送り。
左ポケットに走り込んだ日高がクロスを入れるも、その前にゴールラインを割ってしまい無効に終わり。
相手のスタイルを見極めての対応力を感じさせましたが、逆に勝負所を迎えたが故に、自身のスタイルの崩しという面では不安を覚える立ち上がりだったでしょうか。

そんななか水戸は、15分に中盤左サイドでボールを収めた安藤が鈴木大に倒されて反則。
ここからのフリーキックで、キッカー前田の長い距離のクロスを山田がヘディングシュート(GK鈴木椋キャッチ)とフィニッシュに繋げ。
しかしその一方で、17分に安藤が見木を倒してしまい反則・警告を受ける等やや苛立っているように見えました。

そしてその安藤のプレーが、二重の意味で試合を動かします。
23分、敵陣でパスカットした前田からショートカウンターに持ち込む水戸、縦パスを受けた安藤がそのままエリア手前からシュート。
ゴール右上へ際どく外れる悔しいフィニッシュとなりましたが、その直後でした。
ゴールキックをGK鈴木椋がミスキックしてしまい、伸びないフィードをカットした後藤田から再度ショートカウンター。
パスを受けた鵜木が、右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置で豪快なミドルシュートを左サイドネットに突き刺します。

これで先制した水戸でしたが、その直後に安藤がやってしまいます。
千葉のキックオフで再開という所で、あろう事かセンターサークルに戻されたボールを蹴ってしまったために警告を貰う事に。
そして2度目であり当然ながら退場処分となり、よりによってアドバンテージを失いかねない事象を起こしてしまいました。
何が彼をそうさせたかは不明ですが、上記の事象により高ぶる気持ちを抑えられなくなっていたのでしょうか。

これにより、4-4-1の布陣で守備を固める水戸に対し、数的優位の千葉がひたすらボールを握るという展開へシフトする試合。
それでも追い掛ける立場の千葉は、たとえ不格好でもゴールが必須であり。
29分に田中のロングスローを活用し、鈴木大がフリックで上空に上がったボールを呉屋が詰めにいき。
GK山口に弾かれた跳ね返りを見木がシュートし、寺沼のブロックに阻まれるも尚もボールを繋いで二次攻撃に。
田口の右サイド手前からのクロスが中央でバウンドした末に、ファーサイドで呉屋が跳び込みヘッドで合わせたものの枠外に。
このシーンと、序盤のロングパス攻勢も合わさる事で、アーリークロスにより角度を付けたボールを入れる意識が高まったでしょうか。

それでも水戸の4バックに対し、ポケットを突く事を目指すのを第一としていたこの時間帯。
それが報われたのが39分で、右サイドでのパスワークから中央→左へと展開し、ワイドで受けたドゥドゥからその崩しを発揮。
見木が日高とのワンツーで左ポケット奥を取ってクロスを入れると、大外から走り込んだ田中がボレーで合わせゴールネットを揺らします。
大外から大外というボールの流れを見事に決め、同点に追い付きました。

これで優位に立った千葉。
尚も41分に見木がミドルシュート(枠外)、43分にエリア内での攻防の末に高橋がシュート(枠外)と、ひたすら押し込んでフィニッシュを浴びせる流れに持ち込みます。
しかし全体前への意識が高まった所為か、オフェンスファウルも目立っていたのがこの時間帯。
その最中に鈴木大が警告を受ける等、決して盤石とはいえない流れも生まれ始めた末に、前半を終える事となりました。

そしてハーフタイム、1人少ない水戸は調整を図り。
鵜木→松田佳へと交代し、松田佳が最終ラインに入る事によりハッキリと5バック(5-3-1)の布陣にして後半に臨みました。

後半の幕開けは2分、中盤でボールキープする武田が(見木に)反則を受けた事による水戸の(右サイドでの)FKからの攻撃。
キッカー武田のロビングを寺沼が合わせる(枠外)という具合に、内容的にもハッキリと「しっかりと守ったうえでの、一発に賭ける」意識を高めるに至ったでしょうか。

最終ラインが5人となり、千葉は前半、特に得点のシーンのような崩しは期待出来ない状態に。
4分にそれでも強引に右サイドを前進し、遮断されるもスローインに持ち込んで田中のロングロー攻め。
こぼれ球をエリア内で収めた鈴木大、前進からシュートにいく所を、あろう事か被ってしまった呉屋が撃って枠外に。
守備の堅くなった水戸に対し、強引に行かざるを得ないというのを象徴するようなシーンとなりました。

可能性がありそうだったのが、アタッキングサード手前で受けた際に水戸のウイングバック(右=後藤田・左=長井)が前に出て来る時。
そこに左右のCBがスライドしてポケットが空く、という事が何度かあり。
それでも中々突く事が出来ない千葉。
結局10分に放った田口のミドルシュート(GK山口セーブ)で、堰を切ったかのように「遠目で何とかしよう」という意識に移ってしまった感がありました。
見木や佐々木が無理目のミドルシュートを頻発したり、サイドからもアーリークロスへの傾倒が目立つという具合。

16分に、田中が前田への反則で警告を受けたというタイミングで、ベンチが動く千葉。
その田中を退かせ米倉を投入、同時にドゥドゥ→小森へと2枚替え。
これにより見木が左サイドハーフへと移り、風間はボランチなのかトップ下なのか今一つ不明な位置に。
イメージ的には、田口をアンカーとしたダイヤモンド型4-4-2といった所でしょうか。

後半からの水戸は本当に専守の姿勢で、前述のFK以降の攻撃機会は14分のゴールキック→寺沼フリック→小原ドリブル(田口に奪われる)の一度のみ。
千葉がひたすら水戸陣内でボールポゼッションを高める、まさにハーフコートマッチといった状況であり。

22分に右サイドでの作りからの戻しを経て、左ハーフレーンを見木がドリブルで持ち運びポケットを突くというシーンが生まれたものの、放たれた見木のシュートは枠を捉えられず。
25分にはパスワークで左ポケットを突き、その後も水戸ディフェンスの寄せに遭いながらも繋いで左奥からのクロスに持っていき。
跳ね返りを拾った見木、カットインで中央からシュートしたもののこれも枠外に。
積極果敢に撃っていったこの日の見木でしたが、どうにも結果が出ず空回りしている風にも映りました。
こうした数少ないポケットを利用しての攻撃以外は、角度を付けたアーリークロスで、ファーサイドに走り込んだ所に何とか合えば……という絵図が目立つのみに終わり。

マンネリ感が出始めた所で、29分に再び動く千葉ベンチ、風間・呉屋→福満・高木へと交代。
それだけでは終わらず、福満は風間の役回り(半ボランチ・半トップ下といったポジション)を務めたものの、高木は右SHの位置に。
そして米倉がFWに回るというポジションチェンジを敢行します。

以降、ターゲットの米倉・降りてパスワークに加わる小森という2トップの役割が明確化した感があり。
35分にその小森のミドルシュートがゴールを襲うも、GK山口がセーブ。
37分には左スローインからの攻めで、見木がポケット奥を取ってマイナスのクロス、ニアで田口がシュートするも左サイドネット外に終わり先制ならず。

急造FWという感じの米倉も、41分にコーナーキックからヘディングシュートを放ちましたがGK山口のセーブに阻まれ。
44分にも右ハーフレーンのFKから、キッカー田口のクロスがバウンドし、ファーに流れた所を跳び込んでヘッドで合わせた米倉。
しかしこれも枠外と、役割は果たすものの肝心のゴールは決められません。

千葉のフィニッシュが量産される流れとなるも、必死の凌ぎを見せる水戸。
セットプレーも膨らむ事で、1トップの寺沼もエリア内でシュートブロックするなど守備での見せ場が圧倒的に多くなり。
そして我慢を強いられるのはベンチも同様で、HTでの交代以降がんとして動かない濱崎芳己監督。
38分頃から交代準備はしていたものの、千葉のセットプレー攻勢が長らく続いたため投入を躊躇い続け。
そして前述の米倉のヘディングシュートが枠外となったタイミングで、ようやく後藤田・寺沼→成瀬・草野へと交代が果たされました。

そして突入するアディショナルタイム。
何とかこじ開けたいという千葉でしたが、右からの福満のクロスに対し、ファーサイドの米倉はバイシクルで合わせにいき。
しかしミート出来ずに終わると、武田がラフに裏へ送ったボールに草野が走り込んだ事で水戸のカウンターに繋がってしまいます。
拾った草野、そのままドリブルで右ポケットに切り込むという千載一遇の好機となりましたが、並走した鈴木大が中を切る事で角度の無い所からのシュートを強いられた結果ブロックに阻まれ。
これが後半2度目の攻撃機会(自分の集計です)だった水戸、もし決まっていればとんでもない試合展開だったでしょうが……。
(尚、ATも終わり際に小原・武田→新里・井上へと2枚が居)

一方米倉の小じゃれたようなプレーで、一瞬ながらも敗戦の危機がチラついた千葉。
既に崩しを試みる余裕は無く、一層アーリークロスに傾倒するようになる攻撃。
結局得点への機運を高められないATとなってしまいました。

結局1-1のまま試合終了となり。
大観衆のなか死力は尽くした感はあったものの、勝利を得る事が出来なかった千葉。
連勝は途切れたものの、最後まで自動昇格枠を目指す戦いは出来るでしょうか。

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